竜巻の基礎知識
1 竜巻とは 「佐呂間町の竜巻の様子」 竜巻を知っていますか?竜巻を見たことありますか? これが竜巻の写真です。 1 竜巻とは 竜巻を知っていますか?竜巻を見たことありますか? これが竜巻の写真です。 空高く続いているのが分かりますね。 見た目がまるで龍が天空に昇る姿のようであることから「竜巻」と呼ばれるようになったそうです。 竜巻は,一度に複数発生することもあるのです。 「佐呂間町の竜巻の様子」 出典元:独立行政法人科学技術振興機構 理科ねっとわーく(http://www.rikanet.jst.go.jp)
・積乱雲に伴う強い上昇気流により発生する激しい渦巻きのこと。 1 竜巻とは ・積乱雲に伴う強い上昇気流により発生する激しい渦巻きのこと。 竜巻は,積乱雲や積雲に伴って発生します。 積乱雲は雲の中に強い上昇気流を伴うのですが, この強い上昇気流が何らかの原因で回転すると竜巻が発生しやすくなります。 その発生メカニズムはまだ十分に解明されていないのです。 気象庁 竜巻等突風災害 とその対応
1 竜巻とは ・数㎞も移動し、 被害地域は帯状になる。 気象庁 竜巻から身を守る 1 竜巻とは ・数㎞も移動し、 被害地域は帯状になる。 竜巻は,発生してから数㎞も移動します。その被害地域は竜巻の経路に沿って帯状になります。 気象庁 竜巻から身を守る
1 竜巻とは 水戸地方気象台・宇都宮地方気象台・東京管区気象台 1 竜巻とは これは,平成24年5月6日に茨城県常総市からつくば市にかけて発生した竜巻の被害発生地域図です。 実際の被害から竜巻の経路を推定することができます。被害は約17㎞の長さ,500mの幅に及びました。 水戸地方気象台・宇都宮地方気象台・東京管区気象台 2012年(平成24年)5月6日に茨城県常総市からつくば市にかけて発生した突風について
2 竜巻発生分布図 1961年~2012年 気象庁 竜巻等の突風データベース 次に,日本の竜巻について学習します。 2 竜巻発生分布図 1961年~2012年 次に,日本の竜巻について学習します。 これは,日本の竜巻発生分布図です。 赤い点が竜巻の発生した場所です。 日本全国で竜巻が発生していることが分かりますね。 日本では,毎年10~30件の竜巻が発生しています。 気象庁 竜巻等の突風データベース
2 竜巻発生分布図 1961年~2012年 気象庁 竜巻等の突風データベース 東北地方だけを拡大してみると, 2 竜巻発生分布図 1961年~2012年 東北地方だけを拡大してみると, 日本海側の方が多く発生していますが, 宮城県でも5件発生しているのが分かります。 最近では,平成25年9月16日には石巻市で竜巻が発生し, 住宅や店舗屋根が一部剥離して落下するという被害がありました。 気象庁 竜巻等の突風データベース
3 竜巻発生確認数(月別) 1961年~2012年 気象庁 竜巻等の突風データベース 3 竜巻発生確認数(月別) 1961年~2012年 このグラフを見ると,竜巻の発生が一番多く確認されているのは9月,次が10月ということが分かります。 また,どの月にも発生していることも分かります。 気象庁 竜巻等の突風データベース
3 竜巻発生確認数(時刻別) 1961年~2012年 気象庁 竜巻等の突風データベース 3 竜巻発生確認数(時刻別) 1961年~2012年 発生する時間帯で一番多いのは,13時から14時ということが分かります。 また,早朝や深夜にも発生していることが分かります。 つまり,竜巻はどんなところでも,どんなときでも発生する可能性があるのです。 気象庁 竜巻等の突風データベース
・突発的に発生 ・猛烈な風 ・短時間で狭い範囲に被害が集中 ・竜巻の移動スピードが速いと被害大 4 竜巻の特徴 ・突発的に発生 ・猛烈な風 ・短時間で狭い範囲に被害が集中 ・竜巻の移動スピードが速いと被害大 竜巻は,突発的に発生します。 また,猛烈な風が吹き,車も飛ばされることがあります。 そして,竜巻は短時間で狭い範囲に被害が集中します。 2006年9月宮崎県延岡市の竜巻は,約5分間で長さ7.5km・最大幅300mの被害をもたらしました。 竜巻自体の移動スピードが速いと被害が大きくなります。
90 時速 ㎞ 100mを4秒で進む速度 高速道路を走る自動車並の速度 5 竜巻の速度 2006年 宮崎県で発生した竜巻の進む速度 5 竜巻の速度 2006年 宮崎県で発生した竜巻の進む速度 時速 90 ㎞ 2006年宮崎県で発生した竜巻の進む速度は,時速90㎞といわれています。 これは1秒間に25m,100mを4秒で進む速度です。 竜巻は,移動速度が速いことも考えられるのです。 100mを4秒で進む速度 高速道路を走る自動車並の速度
6 竜巻が発生するきざし① 空が厚い雲で覆われ暗くなる 気象庁 発達した積乱雲による災害・事故から児童生徒を守るために 6 竜巻が発生するきざし① 空が厚い雲で覆われ暗くなる 竜巻発生前に発生を予測できると避難行動が取れます。 竜巻発生のきざしを知っておくことで,身を守る行動につなげましょう。 まず,空が厚い積乱雲で覆われ暗くなります。 気象庁 発達した積乱雲による災害・事故から児童生徒を守るために
6 竜巻が発生するきざし② 雷の音が聞こえてくる 気象庁 発達した積乱雲による災害・事故から児童生徒を守るために 6 竜巻が発生するきざし② 雷の音が聞こえてくる そして,積乱雲が近づいているのですから,雷の音が聞こえてきます。 もちろん落雷にも注意が必要です。 気象庁 発達した積乱雲による災害・事故から児童生徒を守るために
6 竜巻が発生するきざし③ 急に冷たい風が吹いてくる 気象庁 発達した積乱雲による災害・事故から児童生徒を守るために 6 竜巻が発生するきざし③ 急に冷たい風が吹いてくる また,急に冷たい風が吹いてきます。 気象庁 発達した積乱雲による災害・事故から児童生徒を守るために
6 竜巻が発生するきざし④ 大雨やひょうが降ってくる 気象庁 竜巻から身を守る 大雨や大粒のひょうが降ることもあります。 6 竜巻が発生するきざし④ 大雨やひょうが降ってくる 大雨や大粒のひょうが降ることもあります。 このようなきざしが見られたら,すばやく身を守る行動をとりましょう。 気象庁 竜巻から身を守る
「ろうと状」の雲 ゴーという 音 耳に異常 7 竜巻が近付くときには 竜巻が近づいてくる際の特徴として 7 竜巻が近付くときには 「ろうと状」の雲 ゴーという 音 耳に異常 竜巻が近づいてくる際の特徴として 雲の底から地上に伸びる「ろうと状」の雲が見られ, 飛散物が筒状に舞い上がります。 また,ゴーというジェット機のような音がする 気圧の変化で耳に異常を感じる 等があります。 このことも覚えておくと,判断に役立ちます。
8 竜巻による被害① 水戸地方気象台・東京管区気象台・気象研究所 「現地災害調査速報」 8 竜巻による被害① これは竜巻による被害の写真です。 竜巻によってどのようなことが起こったと考えられますか? 水戸地方気象台・東京管区気象台・気象研究所 「現地災害調査速報」 平成24年5月6日に茨城県常総市からつくば市にかけて発生した突風について
8 竜巻による被害② 水戸地方気象台・東京管区気象台・気象研究所 「現地災害調査速報」 8 竜巻による被害② この写真ではどうでしょうか? 水戸地方気象台・東京管区気象台・気象研究所 「現地災害調査速報」 平成24年5月6日に茨城県常総市からつくば市にかけて発生した突風について
物が猛スピードで飛んでくる。 飛来物が建築物を壊す。 飛来物が新たな飛来物を生む。 避難の基本 自分が飛ばされない。 8 竜巻による被害③ 物が猛スピードで飛んでくる。 飛来物が建築物を壊す。 飛来物が新たな飛来物を生む。 避難の基本 自分が飛ばされない。 飛んでくる物にぶつからない。 写真から考えたことをまとめると竜巻の際には, 飛来物が猛スピードで飛んでくる。 人が風に飛ばされるだけでなく,飛来物が体に当たる。 飛来物が建築物を壊す。 飛来物が新たな飛来物を生む。 ということが考えられます。 ということは,避難行動の基本として, 自分が飛ばされない。 飛んでくるものにぶつからないようにしましょう。
9 竜巻からの身の守り方 気象庁 竜巻等突風災害 とその対応 では,どのような避難行動をとっていけばよいのでしょうか。 9 竜巻からの身の守り方 では,どのような避難行動をとっていけばよいのでしょうか。 これは気象庁が竜巻の被害から身を守るための避難行動を示したものです。 どのような避難行動をとったらよいか確認していきましょう。 気象庁 竜巻等突風災害 とその対応
10 藤田スケール(Fスケール) F0 17~32m/s (約15秒間の平均) テレビのアンテナなどの弱い構造物が倒れる。小枝が折れ,根の浅い木が傾くことがある。非住家が壊れるかもしれない。 F1 33~49m/s (約10秒間の平均) 屋根瓦が飛び、ガラス窓が割れる。木は倒れ、幹が折れたりする。走っている自動車が横風を受けると、道から吹き落とされる。 F2 50~69m/s (約7秒間の平均) 住家の屋根がはぎとられ、弱い非住家は倒壊する。大木が倒れたり、ねじ切られる。自動車が吹き飛ばされ、汽車が脱線する。 F3 70~92m/s (約5秒間の平均) 壁が押し倒され住家が倒壊する。非住家はバラバラになって飛散し、鉄骨づくりでもつぶれる。汽車は転覆し、自動車はもち上げられて飛ばされる。森林の大木でも、引き抜かれることもある。 F4 93~116m/s (約4秒間の平均) 住家がバラバラになって辺りに飛散し、弱い非住家は跡形なく吹き飛ばされる。鉄骨づくりでもペシャンコ。列車が吹き飛ばされ、自動車は何十メートルも空中飛行する。1トン以上ある物体が降ってきて、危険この上もない。 F5 117~142m/s (約3秒間の平均) 住家は跡形もなく吹き飛ばされるし、立木の皮がはぎとられてしまったりする。自動車、列車などがもち上げられて飛行し、とんでもないところまで飛ばされる。数トンもある物体がどこからともなく降ってくる。 竜巻などの激しい突風をもたらす現象は水平規模が小さく、既存の風速計から風速の実測値を得ることは困難です。このため、1971年にシカゴ大学の藤田哲也博士により、竜巻やダウンバーストなどの突風により発生した被害の状況から風速を大まかに推定する藤田スケール(Fスケール)が考案されました。被害が大きいほどFの値が大きく、風速が大きかったことを示します。日本ではこれまでF4以上の竜巻は観測されていません。 気象庁 藤田スケールとはより作成
半日~1日前「気象情報」 竜巻など激しい突風のおそれ 数時間前 「雷注意報」 0~1時間前 「竜巻注意情報」 11 竜巻が発生する可能性を知るには① 半日~1日前「気象情報」 竜巻など激しい突風のおそれ 数時間前 「雷注意報」 0~1時間前 「竜巻注意情報」 竜巻が発生する可能性に応じて,事前に段階的に情報が発表されます。 前日は,竜巻など激しい突風のおそれという「気象情報」で確認することができます。 外出前には「雷注意報」で竜巻について発表されていないか確認。 今,まさに竜巻の発生しやすい気象状況となっているかは「竜巻注意情報」が発表されているかで確認します。 「竜巻注意情報」はテレビ,ラジオや自治体のメールサービス等で入手できます。
1~5% 11 竜巻が発生する可能性を知るには② 「竜巻発生確度ナウキャスト」 5~10% 発生確度2 発生する可能性 発生確度1 気象庁 11 竜巻が発生する可能性を知るには② 「竜巻発生確度ナウキャスト」 発生確度2 発生する可能性 5~10% 発生確度1 1~5% また,気象庁のウェブサイト上では,竜巻が発生する可能性が高い地域の詳細な分布と1時間先までの予報として, 「竜巻発生確度ナウキャスト」を提供しています。 これらの情報も役立てて竜巻の被害から身を守っていきましょう。 気象庁 レーダー・ナウキャスト (降水・雷・竜巻)
<終わり>