平成24年6月19日 消防TF(A項目)報告資料 【府危機管理室】吉村危機管理室長 【市消防局】城戸企画調整担当部長

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1月府・市町村合同地震・津波災害対策訓練の考え方
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平成24年6月19日 消防TF(A項目)報告資料 【府危機管理室】吉村危機管理室長 【市消防局】城戸企画調整担当部長 第14回大阪府市統合本部会議資料 資料3-5 消防のあり方について 平成24年6月19日 消防TF(A項目)報告資料 【府危機管理室】吉村危機管理室長 【市消防局】城戸企画調整担当部長 TFリーダー TFサブリーダー アドバイザー 大阪府・大阪市特別参与 池末浩規

目 次 1.大阪の消防の現状 (1)消防力 (2)コスト (3)消防力と投資(サービスとコスト)の関係 2.消防業務の適正規模 3.消防業務の課題と解決の方向性 4.府内消防力の強化に向けたロードマップ(案) 5.当面の取組 ・消防学校の統合・機能強化(案) ・府内市町村の広域化の動き ・府・大阪市・市町村による一体的な取組みの推進 ※ 参考資料

大阪の消防の現状 (1)消防力 1 管轄人口 ・10万人未満の小規模消防本部が約4割 人口規模別整備率 10万人未満 10~20万人 20~30万人 30~50万人 50~100万人 100万人超 消防本部数 (33消防本部) 13(39.4%) 9 (27.3%) 4 (12.1%) 3 (9.1%) 1 (3.0%) 人口規模別整備率 ・管轄人口30万人未満の消防本部は比較的整備率が低い(特に職員) ・管轄人口30万人前後の消防本部ではしご車等特殊車両が過剰整備 *整備率:消防力の整備指針(平成12年消防庁告示)に定める目標数に対する現有数の割合 1

大阪の消防の現状 1 東京消防庁との比較 人口按分 ・大阪は東京に比べ職員が少ない 比較 ・はしご車が多い 2 1 大阪の消防の現状 東京消防庁との比較 人口按分 比較 ・大阪は東京に比べ職員が少ない ・はしご車が多い ハイパー レスキュー ・東京は専任のため、通常の救助力の低下を招かない ・大半の出場は府外 ①現況 ②大阪市特別高度救助隊出場実績(H8~H23)   東京 消防庁 大阪市 堺市 隊員数 4隊 235人 144人 1隊 20人 形態 専任 兼務 国外 4件 エジプト,インドネシア,コロンビア,タイ王国 府外 9件 芸予地震,十勝沖地震,福井豪雨, 豊岡水害,福岡西方地震, 尼崎列車事故,奈良県土砂崩, 東日本大震災 等 府内 3件 NBC災害 ※東京消防庁も同様の傾向現況

大阪の消防の現状 (2)コスト 1 ・住民1人あたりの決算額は7千円台から3万円台まで大きな開き。 消防費 ・基準財政需要額に対する割合も50%台~150%台で100%未満が8割強  (東京の委託料は基準財政需要額) 人件費 約15,000円 事業費 約3,000円 1人当り決算額(東京消防庁管内平均)約 18,332円 1人当り基準財政需要額(府内平均)13,078 円 1人当り基準財政需要額(東京消防庁管内平均)12,885円 人件費 約8,000円 事業費 約4,000円 1人当り決算額(府内平均)約 11,997円 ※組合消防の決算額は単独消防では計上しない費用を差し引いた金額 3

大阪の消防の現状 (3)消防力と投資(サービスとコスト)の関係 1 4 1 大阪の消防の現状 (3)消防力と投資(サービスとコスト)の関係 ・一般に消防費に比例して消防力も上がるが、小規模消防本部は消防費を上げても消防力が上がらない ・通常は消防費に比例して消防力が上がる        ・消防費を上げても消防力が上がらない 消防本部の規模 ■ 人口30万人~ ◆ 10~30万人 × 5~10万人 + ~5万人 ※組合消防の決算額は単独消防では計上しない費用を差し引いた金額

消防業務の適正規模 中域以上 中域以上 広 域 広 域 全 国 中域~広域 2 (1)火災  火災のほとんどは、焼損面積が500㎡未満であり、人口30万人規模以上の消防本部(ポンプ車10数台以上等)の消防力で対処できる。(小規模消防本部の整備基準の約3倍程度の消防力が必要)【参考資料1】 中域以上 (2)救急  119番時に消防本部の全救急車が出場している確率は、規模の小さい消防本部ほど高くなる傾向にあるが、一定規模(約30万人)以上で補完することで、その確率はゼロになる。【参考資料2】 (3)指令業務  指令業務については、費用は消防本部の規模に関わらず、一定の負担が必要であることや効率的な要員配置などから、中域を超える一定規模(人口70万から140万人規模)以上での運営が効率的。また、この規模で指令業務を運営すれば、はしご車等の過剰配備も解決可能。【参考資料3】 中域~広域 広 域 (4)教育訓練   消防学校は都道府県が必置(指定都市は任意設置)、広域対応が有効。 広 域 (5)航空消防、救急相談(救急安心センター)【実施済み】   消防ヘリは出動範囲が広いことから広域対応が効率的、救急相談も電話対応であり、広域化が効率的。 (6)ハイパーレスキュー   府県域を超える出動が大半であることから、本来、国による設置が筋。 全 国 5

消防業務の課題と解決の方向性 法制度での対応 現行制度内での一元化の推進 通常消防力の最適化の促進 3 課 題 解決の方向性 6 課 題  解決の方向性 ♦業務の効率 業務の実行規模について、適正規模と現状に乖離 ♦西日本を代表する消防機能  全国で発生する大規模災害等への救助等を担う機能・組織(ハイパーレスキューなど)の充実が必要 法制度での対応 ♦新たな大都市制度に見合った消防組織に関する制度の創設 ♦西日本の拠点として必要な機能(ハイパーレスキュー等)充実のための行財政制度の創設 ◆適正実行規模の確保のための制度の整備 ▶小規模消防本部が約4割 ▶管轄人口30万人前後の消防本部ではしご車等特殊車両が過剰 ▶小規模消防本部は消防費をあげても消防力が上がらない 現行制度内での一元化の推進 ♦府・大阪市消防学校の組織統合 ♦大規模・特殊災害対応における消防部隊の効果的な運用や指揮系統の明確化 ♦消防費の差  各消防本部の消防費には、バラつきがあり、府内すべての消防本部を一気に統合することは困難 ♦広域化のメリット  既に適正規模以上の消防本部には、適正規模化のメリットが少ない ♦大都市にふさわしい消防  現行制度で消防業務は市町村の責務。新たな大都市にふさわしい消防制度が必要 府内消防の動き ♦組合化    泉州南ブロックで組合消防発足(H24年度中予定)    ♦指令業務の共同運用   府内3つのエリアで共同運用の検討がすでに進行 通常消防力の最適化の促進 (水平連携の強化) ♦府内消防本部の組合化や水平連携の支援 ◆2つの消防学校  府・大阪市消防学校がそれぞれ存在し、運営 ♦大規模災害への対応  大規模災害時における消防の効果的な運用のための仕組みやルールがあいまい

新たな大都市に応じた消防制度(法整備等) 4 府内消防力の強化に向けたロードマップ(案) 機能ごとの 適正規模 方向性 当面の取組 ( ~H27.4) 制度対応 あり方や運営方法等の検討 制度化 働きかけ 新たな大都市に応じた消防制度(法整備等) 救助(ハイパーレスキュー隊) 新たな大都市にふさわしい 消防の姿 府内全域 (広域) 広域~ 中域 概ね 人口30万人 (中 域) 全国 教育・訓練 府・大阪市消防学校の一体的運用 府・大阪市消防学校の組織統合(H26.4~) ハイパー 等機能      強化 ①西日本の拠点としてふさわしい消防力の確保 ②大規模災害への的確な対応 ③消防力の最適規模化を通じた業務の効率化 消防ヘリ 救急相談 市町村消防の取組を踏まえながら、中域以上で共同運用の促進 3ブロックで共同運用(H27年中) 通信指令 はしご車の整備率超過は、中域レベルの実行規模で解決せず 消防救急無線のデジタル化(~H28.5) 火災 救急 予防 救助 通常消防業務 中域以上での実行規模の 確保 泉州 南ブロック 広域化 (H24年度中) 組 織 コア消防への委託 7

当面の取組(消防学校の統合・機能強化)(案) 5 8 当面の取組(消防学校の統合・機能強化)(案) 消防組織法 (消防学校) 第51条 都道府県は、財政上の事情その他特別の事情のある場合を除くほか、単独に又は共同して、消防職員及び消防団員の教育訓練を行うために消防学校を設置しなければならない。 2  地方自治法第252条の19第1項の指定都市(以下「指定都市」という。)は、単独に又は都道府県と共同して、消防職員及び消防団員の教育訓練を行うために消防学校を設置することができる。 概要 所在地 対象消防本部 現校舎建設 年月日 カリキュラム 課程 府立消防学校 大東市 32本部 平成21年 3月31日 国が示す基準とほぼ同じ ・初任教育 ・幹部教育 ・専科教育 ・特別教育 ・救急救命士養成 市消防学校 東大阪市 1本部 (大阪市のみ) 昭和51年 3月1日 独自色の強いカリキュラム 目的:教育水準の向上 内容:○大阪市消防局のもつ豊富な人材や専門性、活動現場(OJT)を府全域に活用      ○広域対応力や連携強化に資するようカリキュラム共通化      ○施設特性を活かした訓練の充実 ※統合にあたっては、府市で財政負担のあり方を整理することが必要 平成24年度 平成25年度 平成26年度 検討体制 【4月】 あり方検討会(府下消防長会) 《事務局》 府+大阪市+堺市等を中心に、府内消防本部が参画 検討内容 ♦府・大阪市のカリキュラムの調整 ♦各課程の収容数の見通し等教育訓練の実施体制 ♦訓練施設のあり方 府・大阪市消防学校を組織統合 教育訓練機能の強化  東日本大震災を踏まえ、ハイパーレスキュー隊や緊急消防援助隊大阪府隊の活動能力向上に向け、 ・倒壊建物、地下空間、高層建物における活動訓練 ・放射線事故、水難事故など対応訓練 ・ヘリコプターとの連携訓練 ・防災センター、高度消防用設備の査察訓練 などの機能を検討 実施事項 一部の専科教育で先行して共同実施 (「予防査察科」「火災調査科」「はしご車技術講習」) 初任科・救急救命士養成を除く課程 から順次共同実施 施設利用  例えば、 大東校舎:初任  科中心 東大阪校舎:専  科・特別教育等

当面の取組(府内市町村の広域化の動き) 5 H24年度中予定 29.3万人 泉州南広域 ブロック 通信指令の共同運用の検討 9 南河内広域ブロック 休止中 32.7万人 9

当面の取組(府・大阪市・市町村による一体的な取組みの推進) 10 5 当面の取組(府・大阪市・市町村による一体的な取組みの推進) 府域の消防力の強化に向けて、大阪市消防局の人材・ノウハウも活用し、 市町村消防の広域化による共同取組みを推進 ○府・大阪市消防局・市町村と共同して、研究会等も活用しながら、以下の取組みを進める  ◆実務・現場のニーズに応じた消防活動力の強化  ◆府域の消防需要を見据えた教育訓練の高度化  ◆実務実態を踏まえた広域化・共同処理 研究会等 の設置 共同取組み分野(案) 共同取組み分野1 消防力 消防の連携による消防活動力の 強化策の研究 共同取組み分野2 教育訓練 府域全体の消防需要を見据えた 教育訓練の高度化の研究 ●災害対応力強化の取組み  ○特殊災害時における本部間応援体制の強化(H24)  ○緊急消防援助隊の機動的な情報収集隊の創設(H24)  ○府下警防技術指導会(仮称)の創設(H25に実施予定) ●共同実施による災害対応力向上  ○救急安心センターおおさかの共同運用  ○消防ヘリコプターの共同運用  ○「近畿地区救助技術指導会」開催事務の府内協力実施  ○保安3法事務連携機構おおさか(H24) ●ノウハウの共有による実務力向上  ○査察、指令センターなど各部署での実務型研修の受入  ○火災・危険物規制などの各分野での事例研修会の開催  ○救急搬送支援システムの府下展開(H24) ・今後の災害傾向、事故形態の変化などに対応した消防職員のスキルの研究 ・必要なスキルに応じた教育訓練カリキュラム、訓練施設の研究 共同取組み分野3 連携体制 地域実態に応じた 消防の広域化、共同処理の研究 ・個々の市町村の課題・歴史的経緯など様々で、これらに応じた消防体制の研究 ・地域特性からくる課題に応じた合理的な共同処理、共同運営の研究

参考資料1 30万人規模の消防本部 (国モデル)の消防力相当 125㎡ 通常火災のほとんどは500㎡未満 1 火災 1 火災  火災のほとんどは、焼損面積が500㎡未満であり、人口30万人規模の消防本部(ポンプ車10数台等)の消防力で対処できる。(小規模消防本部の整備基準の約3倍程度の消防力が必要) □火災のほとんどは焼損面積が500㎡未満である。一方、小規模消防本部の消防力の整備指針(国)が想定している消防力(焼損面積125㎡:ポンプ車5~6台)では、125㎡以上の火災には対処できない。 ☐焼損面積500㎡までの火災に対応するためには、125㎡の約3倍程度(375㎡)以上の消防隊が必要となる。 30万人規模の消防本部 (国モデル)の消防力相当 (平成22年中) 小規模 消防本部の対応力 中規模 消防本部の対応力 国の整備指針の想定基準 約99%  125㎡ 小規模消防本部ではこの差に対応できない 通常火災のほとんどは500㎡未満  ⇒ この規模の火災に対処できる消防力(125㎡の約3倍程度)があればほとんどの火災に対応 ※30万人規模のモデル消防本部(国モデル)では、ポンプ車は12台保有 11 出典:平成23年消防白書等をもとに、作成

参考資料2 12 (2)救急  119番時に消防本部の全救急車が出場している確率は小規模本部ほど高くなるが、一定規模(約30万人)以上で補完することで、その確率はゼロになる。 大阪市消防局 205,068 60 32.7 3,417.8 27.8% 0.000% 堺市消防局 47,515 18 32.8 2,639.7 21.5% 0.000%   豊中市消防本部 18,551 10 32.9 1,855.1 15.1% 池田市消防本部 4,886 3 36.7 1,628.7 14.5% 0.303% 吹田市消防本部 16,035 7 37.7 2,290.7 20.8% 0.002% 高槻市消防本部 16,615 27 1,661.5 11.7% 茨木市消防本部 12,432 9 32.3 1,381.3 11.1% 箕面市消防本部 5,377 4 32.2 1,344.3 10.8% 0.014% 摂津市消防本部 3,964 32 1,321.3 10.6% 0.118% 島本町消防本部 961 1 33.3 961.0 7.9% 7.917% 豊能町消防本部 752 2 48.9 376.0 4.2% 0.178% 大東市消防本部 6,042 32.4 2,014.0 16.2% 0.429% 東大阪市消防局 27,316 8 33.5 3,035.1 25.1% 四條畷市消防本部 2,499 30.5 1,249.5 9.6% 0.927% 交野市消防本部 2,513 34.8 837.7 7.2% 0.036% 守口市門真市消防組合消防本部 14,802 5 31.4 2,960.4 23.3% 0.069% 八尾市消防本部 14,283 6 33.2 2,380.5 19.6% 0.006% 枚方寝屋川消防組合消防本部 28,226 14 31 2,016.1 15.7% 富田林市消防本部 5,599 35.7 1,399.8 12.2% 0.022%               河内長野市消防本部 4,340 39.8 1,446.7 13.7% 0.258% 大阪狭山市消防本部 2,397 30.7 1,198.5 9.3% 0.861% 河南町消防本部 641 42.3 641.0 6.4% 6.378% 松原市消防本部 6,066 32.1 2,022.0 0.425% 柏原羽曳野藤井寺消防組合 10,982 1,830.3 14.7% 0.001% 岸和田市消防本部 10,933 26.4 2,733.3 18.9% 0.128%                   泉大津市消防本部 3,776 28.4 1,888.0 13.8% 1.903% 貝塚市消防本部 4,642 31.8 1,547.3 12.3% 0.186% 和泉市消防本部 8,065 34.4 2,016.3 17.0% 0.084% 忠岡町消防本部 941 24.3 941.0 6.1% 6.141% 泉佐野市消防本部 5,993 30.2 1,198.6 9.2% 泉南市消防本部 2,844 34.2 948.0 8.0% 0.051% 熊取町消防本部 1,777 888.5 0.514% 阪南岬消防組合消防本部 3,430 39.2 857.5 0.004% 消防本部名 消防本部の全救急車が出場している確率 覚知から 病院到着 までの 時間 直近隊が119番時に出場している確率 救急件数 (22年) 1隊平均 件数 隊数 ブロック内の全救急車が 出場している確率 □通報時に救急車が全車出動中となるケースが小規模消防本部で確率高いが、ブロック単位で補完することで、通報時に救急車が出場している確率を限りなくゼロにすることができる 北部ブロック 0.000% 1,751,621人 解消 東部ブロック 0.000% 1,958,239人 南河内A ブロック 0.000% 329,424人 南河内 ブロック 0.000% 南河内B ブロック 0.000% 382,891人 泉州A ブロック 0.000% 566,795人 泉州 ブロック 0.000% 泉州南 ブロック 0.000% 291,936人

参考資料3 3 指令業務  指令業務については、費用は消防本部の規模に関わらず、一定の負担が必要であることや効率的な要員配置などから、中域を超える一定規模(人口70万から140万人規模)での運営が効率的。また、この規模で指令業務を運営すれば、はしご車等の過剰配備も解決可能。 □人口の規模に関係なく、おおむね5億円から6億円程度の価格であり、管轄人口が多いほど人口一人あたりの単価が小さい傾向にある。 □他府県消防の実態を見れば、140万人までは同程度要員配置で対応可能である。 指令センターの配置人員一人あたりの人口及び着信件数例 (高機能消防指令センターの導入例) ※ 配置人員~ 消防本部に配置する通信員の総数をいう。 出典:市町村の消防の広域化(H24.2 消防庁資料) 出典:市町村の消防の広域化(H24.2 消防庁資料) 13