研修資料-4 アイスブレイク
【ご注意】 本スライドは、「平成29年度 老人保健事業推進費等補助金老人保健健康増進等事業地域包括ケア推進に向けた総合的な自治体職員研修・支援体制に関する調査研究」(㈱富士通総研)の成果品である研修資料の一部として作成されたものです。 利用にあたっては、同報告書で示している研修プログラム・研修、本スライドのノート部分を参考にお使いください。 報告書URL:http://www.fujitsu.com/jp/group/fri/report/elderly-health/2017chiikihoukatsucare.html
介護保険法(総則 1、2、4、5条)-1 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする (介護保険) 第二条 介護保険は、被保険者の要介護状態又は要支援状態に関し、必要な保険給付を行うものとする。 2 前項の保険給付は、要介護状態又は要支援状態の軽減又は悪化の防止に資するよう行われるとともに、医療との連携に十分配慮して行われなければならない。 3 第一項の保険給付は、被保険者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて、被保険者の選択に基づき、適切な保健医療サービス及び福祉サービスが、多様な事業者又は施設から、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮して行われなければならない。 4 第一項の保険給付の内容及び水準は、被保険者が要介護状態となった場合においても、可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならない。 【理解してほしいこと】 介護保険法 ■一条1項 尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むということはどういうことか、をそれぞれが考えなければならない。 「尊厳の保持」 ・・自らの意思・本人の自己決定が尊重されること 「自立した日常生活」 ・・自立とは、自ら立っているという物理的な表現の他に、「他への従属から離れて存在する、他からの支配や助力を受けずに存在する」ことも示す。 すなわち、その人の意思や希望を尊重し、その人が有する能力に応じて自立した生活を営むための支援が必要ということを示す。 ■二条1項 介護保険給付は行われても、限定的である。人間の生活を支えるには介護保険だけでは困難である。 ■二条4項 住み慣れた場所・住み慣れた地域に住み続けたいという望みをかなえられるよう、体制を整備することが必要である。 Copyright 2017 FUJITSU LIMITED
介護保険法(総則 1、2、4、5条)-2 (国民の努力及び義務) 第四条 国民は、自ら要介護状態となることを予防するため、加齢に伴って生じる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする。 2 国民は、共同連帯の理念に基づき、介護保険事業に要する費用を公平に負担するものとする。 (国及び地方公共団体の責務) 第五条 国は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策その他の必要な各般の措置を講じなければならない。 2 都道府県は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な助言及び適切な援助をしなければならない。 3 国及び地方公共団体は、被保険者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、保険給付に係る保健医療サービス及び福祉サービスに関する施策、要介護状態等となることの予防又は要介護状態等の軽減若しくは悪化の防止のための施策並びに地域における自立した日常生活の支援のための施策を、医療及び居住に関する施策との有機的な連携を図りつつ包括的に推進するよう努めなければならない。 4 国及び地方公共団体は、前項の規定により同項に掲げる施策を包括的に推進するに当たっては、障害者その他の者の福祉に関する施策との有機的な連携を図るよう努めなければならない。 【理解してほしいこと】 ■四条1項 国民自身において、自ら予防に取り組むことが求められている。 ■五条3項 市町村は、「住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができる」が実現できる体制をつくることが責務となっている。 ■五条4項 介護保険単体で見るのではなく、一人の人に対して包括的に支援を行うという点からも、高齢者施策以外の福祉施策とも連携を図るよう努める。 Copyright 2017 FUJITSU LIMITED
地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律(総則 2条) 第一章 総則 (定義) 第二条 この法律において「地域包括ケアシステム」とは、地域の実情に応じて、高齢者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、介護予防(要介護状態若しくは要支援状態となることの予防又は要介護状態若しくは要支援状態の軽減若しくは悪化の防止をいう。)、住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制をいう。 【理解してほしいこと】 総合確保法 ■二条 ここでは地域包括ケアシステムを定義づけているが、介護保険法第1条の趣旨と同じことを述べている。 Copyright 2017 FUJITSU LIMITED
「・・尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活 を営むことができる」(介護保険法 第一条1項) アイスブレイク(1/2) ●今までの話をもとに考えてみましょう。 「・・尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活 を営むことができる」(介護保険法 第一条1項) ・・「尊厳の保持」と「自立支援」は、高齢者支援の基本理念 「尊厳の保持」・・・・・・・自らの意思に基づいた生活の継続・本人の自己決定の尊重 「自立した日常生活」・・それぞれが有する能力に応じて自立した生活を営むための支援 もし、介護が必要になっても、その人が持っている力を活用し、自立して生活することを 支援する「自立支援」を目指す。 →【支援の考え方】 その人なりの生活の仕方や潜在する力を周囲が大切にし、その人の人格を尊重し、 その人らしさを支える 【説明】 尊厳の保持、自立した日常生活、の意味について、改めて説明する。 【ヒント】 ※尊厳の保持、自立支援については、制度の根幹となるものであるが、耳にしたことがない受講者も多いので、工夫して説明する。
「・・尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活 を営むことができる」(介護保険法 第一条1項) アイスブレイク(2/2) ●今までの話をもとに考えてみましょう。 「・・尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活 を営むことができる」(介護保険法 第一条1項) ・・「尊厳の保持」と「自立支援」は、高齢者支援の基本理念 一方、高齢期には、自立~虚弱~要介護・・のように心身の状態の変化や、 「住まい方」(家族関係や近隣住民・友人との関係性、高齢化に伴って 住み慣れた家でも住みにくくなる等)の変化が生じます。 もし、介護が必要になっても、その人が持っている力を活用し、自立して生活することを支援する「自立支援」を目指す。 →【支援の考え方】 その人なりの生活の仕方や潜在する力を周囲が大切にし、その人の人格を尊重し、その人らしさを支える 【説明】 ○一方、高齢期には、介護が必要になる等の重度化等の高齢者自身の状態の変化や、高齢者のみ世帯や一人暮らしによる世帯の変化、高齢化によって家が住みにくくなる・買い物に出るのが不便で住みにくい、等の変化が生じる。 ○この場合も、支援の考え方は、「その人なりの生活の仕方や潜在する力を周囲が大切にし、その人の人格を尊重し、その人らしさを支える」もの。 ○では、足腰が弱ってはいるが、介護サービス等は未だ不要と考えられる高齢者に対する「支援」と、介護サービスを利用しているような寝たきりの高齢者に対する「支援」おいて、支援としては、どのような点が同じで、どのような点がちがうのか。 ○以上についての自分の考え(感想)を、自身の自己紹介とあわせて一言ずつ述べてもらう。 【ヒント】 ※ここでは、あくまで今の自分が感じることを述べることで良く、正解も不正解もない。「自分の祖母も・・」等の身近な話でもよい。 ※自由に考えて発言してもらうことを重視する。これは、次のグループワークの前哨戦であり、まずは自分の考えを外に出してみること、次の議論にスムースに入れるようにすることが目的(アイスブレイク)であるので、特に紙に書きだすことなどは不要である。 では、「足腰は弱ってはいるが介護サービス等は不要と考えられる虚弱の高齢者」と、「寝たきりの高齢者」の場合、 ・・・支援において、どのような点は同じなのでしょうか ・・・支援において、どのような点がちがうのでしょうか? 自己紹介(市町村・部署・担当事業・ 本分野の経験の有無、担当事業)を 兼ねて一人ずつお話しください。 (1~2分程度)