THE RAILWAY, MUSEUM LINE まちにまつわる「駅」のうた 私は、駅のあるまちについて考えました。 [THE RAILWAY、MUSEUM LINE ] まちにまつわる「駅」のうた 八束西沢研究室 吉澤芙美香が発表します。 八束・西沢研究室 吉澤芙美香
「駅」 これは新しい「駅」の提案です。 現代の駅が失いかけている公共空間の再発見。
まちに面するファサードはコンクリートのルーバーによって、線路に面したファサードはガラスルーバーによって緩やかに領域化されます。 この駅は、人々の活動によってかたちづくられる。
対象敷地:大宮駅 ― 埼玉県さいたま市大宮区 対象敷地、大宮駅 埼玉県さいたま市大宮区
このまちは昔、氷川神社を中心として、旧中山道沿いに宿場町として栄えていた歴史をもっています。 そして、現在のまちの中心は、大宮駅です。
大宮駅は日本の中でも交通の要所であり、14路線の乗り入れる巨大ハブターミナル
対象敷地:大宮駅 ― 埼玉県さいたま市大宮区 区画整理により、ペデストリアンデッキで整備された 西口 対象敷地:大宮駅 ― 埼玉県さいたま市大宮区 大宮駅西口と東口。 それぞれ異なって表情をもっていますが、駅の姿そのものに特徴はありません。 氷川神社があり、昔からのヒューマンスケールで構成される 東口
THE RAILWAY,MUSEUM LINE Omiya Station 大宮駅 The railroad yard大宮総合車両センター The railway museum 鉄道博物館 文化・習慣 技術 歴史・体験 しかし、大宮駅を起点として、技術の集積・大宮総合車両センター、歴史体験の集積地・道博物館が並んでいることに気が付きました。 私はこれをTHE RAILWAI,MUSEUM LINEと名付けました。 この中で、大宮駅を鉄道文化・習慣の集積地位置づけ、新しい駅のプロトタイプここに提案します。
敷地調査:大宮駅分析 ここで、駅分析です。
暖色で示した商業地の中心知となっているのが大宮駅です。 現在、駅前は多くのナショナルチェーン店が台頭しどこかで見たような風景が広がります。
現象:駅舎=消費空間 駅の問題点 大宮駅舎は35%が消費空間にあてられ、駅のファサードも駅ビルそのものによってつくられています。 これは大宮駅だけではなく、多くの主要駅にも言える現象です。 かつて、強い公共性を持っていた駅は、今や消費空間の塊。 大宮駅:面積割合図
果たして消費空間を取り除いた「駅」に かたちは残るのだろうか。 Question; 果たして消費空間を取り除いた「駅」に かたちは残るのだろうか。 ここで、問題提起です。 消費空間に埋もれた駅から消費空間を取り除いた後に、「駅」にかたちは残るのでしょうか。 答えはNO。
Answer; NO 鉄道駅は機能である。 鉄道駅は駅に鉄道がやってくることを担保する存在。 つまり、新しい「駅」を考えるには「駅」をかたちづくるものを考える必要がありました。
まず、「駅」の普遍的なプログラムについて考えていきました。 手がかりは、駅に毎日やってくる電車。
これは大宮駅の時刻表です。毎日決まった時間に「駅」にやってくる電車が固有のリズムを刻みます。そして、一日二回の通勤・通学、二日に一回起こると言われる電車のトラブルが繰り返されていく。これは、駅という場所にすでに存在するプログラムです。 つまり、「駅」にはそれぞれのまちの秩序が潜んでいたことがわかりました。
「大宮駅」 そして既存のプログラムを手掛かりに、 「大宮駅」の新たなプログラムを考えていきます。
一日二回から一日一回へ、一見バラバラなように見える人々の活動はこのプログラムによって「駅」という場所に収束していきます。
もっと長い月日、ずっと続いていく習慣やまちの文化、そして時々起る出来事が、「駅」の姿を変化させます。
新しい「駅」は、人々の活動によってつくられ、まちに埋没していく。 消費空間埋もれない新しい駅は、人々の活動によってつくられ、まちに埋没していくそんな場所。
設計手法 1)ホームより林立した柱 2)駅のための半透明なフラットコンコース 3)まちの延長線上の立体街区 駅という土木スケールの空間に、 まちのヒューマンスケールが絡み合う。 1)ホームより林立した柱 2)駅のための半透明なフラットコンコース 3)まちの延長線上の立体街区 そして、このプログラムを実現する「駅」という空間を構成します。 構成要素は以下三つ。
3000*3000 1320*1320 900*900 720*720 構成要素①ホームより林立した柱 構成要素①: 駅ホームより林立した柱
まちの街区 在来線ホーム 新幹線ホーム この柱は、 新幹線ホームのグリッド、在来線ホームのグリッド、まちからのグリッドを手掛かりに配置しました。 新幹線ホーム
この柱は、駅の構造体であり、まちの人々の活動を支える柱になる。 駅のホームより林立する柱 構成要素①:
構成要素② 広大な駅のためのフラットコンコース。 駅のための半透明なフラットコンコース 構成要素②:
駅のための半透明なフラットコンコース 構成要素②: ここは純粋な駅のための空間。 改札内の床は半透明。夜には、コンコース全体が柔らかな光に包まれます。 駅のための半透明なフラットコンコース 構成要素②:
構成要素③: まちから延びる立体街区 そして、三つめはまちから延びる立体街区 大宮駅のプログラムを周期に応じて天井高を変え、太い柱を中心に配置していく。 まちから延びる立体街区 構成要素③:
一層、二層、三層とひとびとの活動が駅を埋め尽くしていく。 まちから延びる立体街区 構成要素③:
Train café : 車両センター解放デー 一年に一度の行わる操車場解放デーの資料館。ここは、新幹線が見えるカフェ。 この駅は人とまち、そして鉄道の交差点。 Train café : 車両センター解放デー
THE RAILWAY, MUSEUM LINE 大宮にまつわる「駅」のうた 中山道まつりの日。すべての山車が氷川神社から駅前広場にやってきます。 このまちはいつでも大宮駅とともにありました。 THE RAILWAY、MUSEUM LINE 大宮にまつわる「駅」のうた イベント広場: 中山道まつり
そして、駅を中心にこのまちはひとつになる。