図表で見る環境・社会 ナレッジ ボックス 第2部 環境編 2015年4月
目 次 1.気候変動 2.生物多様性の損失 3.世界の水需要の増加 4.食糧需要の増加とひっ迫 5.サステナビリティに関する意識調査結果 目 次 1.気候変動 2.生物多様性の損失 3.世界の水需要の増加 4.食糧需要の増加とひっ迫 5.サステナビリティに関する意識調査結果 6. サマリー 参考情報
1. 気候変動 急激に進む温暖化 2013年に発表されたIPPC第5次評価報告書では、温暖化については疑う余地がなく、20世紀半ば以降の温暖化の主な要因は、人間活動だった可能性が極めて高い(95%以上の確率)とされた。1880年から2012年の期間に世界の平均地上気温は0.85℃上昇した。今世紀末(2081年~2100年の平均)には現在(1986年~2005年の平均)と比較して0.3~4.8℃上昇すると予測されている。予測の前提が異なるため、第4次評価報告書(2007年)との単純な比較は難しいが、ほぼ整合する内容となっているという。 世界平均地上気温変化 ・2005年以降の予測部分は複数の気候予測モデルに基づく予測データである。 ・1986~2005年の平均値を0.0℃とする。 ・陰影は、不確実性の幅を示している。 ・全てのRCP シナリオに対し、2081~2100 年の平均値と不確実性の幅をグラフの右の縦帯で示している。 ・4つの代表的濃度経路(RCP: Representative Concentration Pathways)のシナリオに基づく予測が行われた。 2100 年における1750 年に対するおおよその合計放射強制力が、RCP2.6 シナリオでは約2.6Wm−2、RCP4.5 シナリオでは約4.5 Wm−2、RCP6.0 シナリオでは約6.0 Wm−2、RCP8.5 シナリオでは約8.5 Wm−2。 2081~2100年 シナリオ 平均 可能性が高い予測幅 世界平均 地上気温の変化(℃) RCP2.6 1.0 0.3~1.7 RCP4.5 1.8 1.1~2.6 RCP6.0 2.2 1.4~3.1 RCP8.5 3.7 2.6~4.8 出典: IPCC第5次評価報告書 WGI 政策決定者向け要約 図SPM 7(a)
年平均地上気温変化(1986~2005年平均と2081~2100年平均の差) 1. 気候変動 北半球で特に平均気温が上昇 温暖化は世界で均一に進むのではない。今世紀末までの温度上昇を2度以内に抑えられるRCP2.6の シナリオでも温暖化が大きく進むRCP8.5のケースでも北極域は世界平均より速く温暖化し、 海上よりも陸上の方が平均的には温度上昇が大きくなるとみられている。世界平均気温が上昇するにつれて、ほとんどの陸域で極端な高温がより頻繁になることはほぼ確実である。 年平均地上気温変化(1986~2005年平均と2081~2100年平均の差) RCP 2.6 RCP 8.5 ・2081~2100年におけるRCP(代表的濃度経路)2.6と8.5シナリオにおける年平均地上気温の変化。 ・1986~2005年の平均値を0.0とする。 ・斜線部は、複数モデル平均の変化量が自然起源の内部変動性に比べ小さい(つまり、20年間の自然起源の内部変動性の1標準偏差未満)であることを示す。 ・点描影は、自然起源の内部変動性に比べ大きく(つまり、20年間の自然起源の内部変動性の2標準偏差以上)かつ少なくとも90%のモデルが同じ符号(プラスまたはマイナス)の変化をしている領域を示す。 IPCC第5次評価報告書 WGI 政策決定者向け要約 図SPM 8(a) 4
増加の一途をたどる世界のCO2排出量 途上国を中心にCO2排出量は増加し続けている。特に中国は、1990年には、米国の半分 1. 気候変動 1. 気候変動 増加の一途をたどる世界のCO2排出量 途上国を中心にCO2排出量は増加し続けている。特に中国は、1990年には、米国の半分 にも達していなかったが、著しい経済成長により2007年には米国を抜いて、世界第一位に。その後も急増を続け、2012年には米国の約1.8倍となっている。日本のCO2排出量は、世界で5番目に 多い。 世界のCO2排出量の推移 世界のCO2国別排出割合 (注)四捨五入の関係で合計値が合わない場合がある。 ロシアについては1990年以降の排出量を記載。1990年以前については、 その他の国として集計。 日本エネルギー経済研究所 計量分析ユニット編、「エネルギー・経済統計要覧 2015年版」に基づきイースクエア作成
国によって大きな差がある一人当たりCO2排出量 1. 気候変動 国によって大きな差がある一人当たりCO2排出量 一人当たりCO2排出量が最も多いのは、米国人の16.4トン/人。日本人の約1.7倍、 中国人の約2.4倍、インド人の約10倍となっている。 中国は、2000年には2.65トン/人だったが、2012年までに約2.5倍に増加している。 国別一人当たりCO2排出量比較(2012年) 日本エネルギー経済研究所 計量分析ユニット編、「エネルギー・経済統計要覧2015年版」に基づきイースクエア作成