冷却活性炭による ダークマター検出器の高感度化 冷却活性炭による ダークマター検出器の高感度化 谷森達、窪秀利、身内賢太朗 株木重人、Parker Joseph、西村広展 上野一樹、黒澤俊介、岩城智、高橋慶在 澤野達哉、谷上幸次郎、東直樹 京大理 中村 輝石 日本物理学会 2009秋季大会(甲南大学岡本キャンパス) 2009/09/11 ????????実験13 日本物理学会 2009秋季大会(甲南大学岡本キャンパス) 2009/09/11 NEWAGE実験13 NEWAGE 冷却活性炭による ダークマター検出器の高感度化 だあくまたん 谷森達、窪秀利、身内賢太朗 株木重人、Parker Joseph、西村広展 上野一樹、黒澤俊介、岩城智、高橋慶在 澤野達哉、谷上幸次郎、東直樹 京大理 中村 輝石 N w generation IMP search with an dvanced aseous device xperiment E W A ・ ダークマター & 検出方法 ・ ラドンのバックグラウンド ・ 冷却活性炭システム ・ 結果 & まとめ G E
NEWAGE 到来方向に偏りがある 飛跡を捉える WIMP (ダークマター) μ-TPC 電子 原子核 μ-PIC CF4ガス 1) 電子 M=80GeV σ=0.1pb θ WIMP WIND 原子核 CF4ガス 原子核 40 [count/3m3/year/bin] 20 μ-PIC 2) シミュレーション 2)μ-TPC ・・・ Micro Time Projection Chamber 1)μ-PIC ・・・ Micro Pixel Chamber -1 1 cosθ
現状 (@神岡) 神岡の地下で実験(2009年3月*)西村博士論文) 散乱断面積の制限曲線を引いた ・ 飛跡を捉える実験で唯一 現状 (@神岡) 神岡の地下で実験(2009年3月*)西村博士論文) 散乱断面積の制限曲線を引いた ・ 飛跡を捉える実験で唯一 ・ ダークマターはまだ見えない *) 元宇宙線研究室 WIMP-陽子 (SD) の制限曲線 σ[pb] 104 だあくまたん 更にバックグラウンドを削減する 102 200keV以上ではラドンのバックグラウンドが支配的 400 200 [keV] [count/keV/kg/day] 102 10 1 実験データ ラドン上 ラドン下 10 102 103 mass [GeV/c2]
現在 (@京都) 地上でラドンのバックグランドを取り除く実験中 ラドン確認 除去システム作成 システムの試験運用 ← NOW! 現在 (@京都) 地上でラドンのバックグランドを取り除く実験中 40cm 50cm μ-TPC 読み出し ラドン確認 除去システム作成 システムの試験運用 ← NOW! 神岡(地下)に導入
ラドン 発生機構 ・ 検出器の壁などに微量に含まれるウランなどが崩壊 ・ 気体なのでチェンバー内に進入 ・ α崩壊してバックグラウンドとなる 検出領域 壁 U Rn α崩壊 Rn ラドン数の変化 ・・・ t [day]
ラドンの確認(@京都) CF4ガス入れ替え直後 10日後 ~6MeVに数日のタイムスケールで成長するピークあり → ラドンがα崩壊している ・・・実験データ ・・・フィッティング 10 [day] 15 4000 5 2000 rate [count/kg/days] 1000 3000 5000 CF4ガス入れ替え直後 10日後 [count/keV/kg/day] [count/keV/kg/day] 102 102 10 10 1 1 5 10 5 10 [MeV] [MeV] ~6MeVに数日のタイムスケールで成長するピークあり → ラドンがα崩壊している R = 5000 [count/kg/days]
冷却活性炭システム 冷却(183K) ・・・ ラドンを液化 活性炭 ・・・ ラドンを吸着 検出器 μ-TPC ポンプ 冷却機 25cm CF4 CF4 Rn Rnの沸点:211K CF4の沸点:145K ポンプ 冷却機 CF4 Rn ポンプ流量:300ml/min CF4 活性炭 Rn Rn Rn 活性炭 CF4 冷却温度:183K 活性炭:159g
システム の 試運転状況 圧力(Torr) 温度(K) TPCと冷却活性炭システムを繋げ、ポンプで循環させた 「安定性の要請・・・圧力の変動は1%以下」 [Torr] 圧力 ・圧力の変動:大 ・徐々に増加 → 冷媒が蒸発 温度 (目標値183K) ・冷却265K → 熱電対の位置問題 → 冷媒が少(今回) 160 圧力(Torr) 冷却機 熱電対の場所 冷媒 156 150 148 10[Torr] 144 9/5 00:00 9/6 00:00 9/7 00:00 9/8 00:00 9/9 00:00 [K] 270 温度(K) 268 266 264 262 260 今後の課題 圧力変動が1%より大 温度目標に達せず ・ 蓋の開発 ・ 各種量のモニタ
ラドン 減少 の 結果 5000 400以下 ラドン:8%以下に削減 6MeVピークの時間変化 冷却活性炭システム無し 冷却活性炭システム有り 5000 4000 3000 rate [count/kg/days] 2000 1000 5 10 15 20 [day] 5000 400以下 ラドン:8%以下に削減 count/kg/days count/kg/days
まとめ 冷却活性炭システムの 作成 & 試運転 温度:265K 圧力:10Torrの揺らぎ ⇒ 蓋の開発 ⇒ 小型の熱電対を用いる ⇒ 各種量をモニタ (室温・冷媒量・冷却槽・流量) ラドン減少 8%以下 ⇒ 長期運用試験 ⇒ 神岡(地下)へ導入 イメージキャラクター「だあくまたん」 あ り が と う ご ざ い ま し た
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ダークマター ・バリオンでない(普通の物質ではない!) ・光で観測できない(電磁相互作用しない) ・質量がある そんなモノは存在するのか? 銀河の回転速度が遠方でも落ちない → 銀河ハローには見えない質量が存在 WMAPのCMB測定 → 宇宙のエネルギーの23%は 非バリオンの質量 ・・・etc
ダークマターの候補 WIMP を 狙 え ! ニュートリノ アクシオン WIMP 標準理論から予言される。 質量が小(~10eV) → 相対論的な速度 銀河回転の脱出速度を超えてしまう。 銀河形成シナリオを説明できない。 ニュートリノ 量子色力学から提案される。 質量が小(~μeV) 崩壊してγ線を出すので、これを観測する実験がなされているが、検出されていない。 アクシオン 超対称性理論から予言される。 質量が大(10~100GeV) 原子核を反跳する!(反跳エネルギー:~10KeV) この反応を検出したい WIMP WIMP を 狙 え !
WIMP (Weakly Interacting Massive Particle) ダークマター WMAPのCMB測定 → 宇宙のエネルギーの23%は ダークマター(非バリオン) WMAP/NASA WIMP (Weakly Interacting Massive Particle) ダークマターの有力候補 (質量:10~100GeV) 原子核を反跳する!(反跳エネルギー~100KeV) 反跳を検出 → WIMP WIMPの計数は多くても ・・・ 1 [count/kg/day] ( J.D. Levin, P.F. Smith 1996 ) 少ない → バックグラウンドを抑えることが重要
WIMP の 風 WIMPは銀河内をランダムに運動している。 銀河内を回っている太陽系には、WIMPが風のように吹き付けてくる。 WIND of WIMP
WIMPを見るために 季節変動を見る エネルギー変化だけで季節変動を追うのは大変 → 飛跡も検出する! シミュレーション 2 [count/keV/kg/day] 1 季節変動を見る 100 200 recoil energy [keV] エネルギー変化だけで季節変動を追うのは大変 → 飛跡も検出する!
WIMPを見るために 風向を見る! → 原子核の飛跡を検出する! シミュレーション [count/3m3/year/bin] M=80GeV,σ=0.1pb 40 シミュレーション 20 -1 1 cosθ 風向を見る! WIMP 原子核 θ → 原子核の飛跡を検出する!
NEWAGE WIMPはどのくらい見えるのか? WIMPの計数は多くても ・・・ 1 [count/kg/day] 少ない [J.D. Levin, P.F. Smith 1996] バックグラウンドを低くする → 神岡の地下にもぐる 検出器を大質量化 → XMASSグループなど 飛跡の情報も利用 → これから紹介します! 検出するためには・・・ 環境γ線 ・・・104[count/kg/day] 環境中性子 ・・・104[count/kg/day] @地上 NEWAGE
角度分布 反跳原子核の角度分布(反跳エネルギー:100~120[keV]のとき) 0.04 シミュレーション WIMP 原子核 θ 0.03 [count/keV/kg/day/cosθ] 0.02 0.01 -1 1 [cosθ] (2009年3月西村博士論文)
μ-TPC模式図 ドリフトプレーン 検出領域 GEM μ-PIC
ラドン計算 これらを解く
ラドン(ウラン系列) ・ 検出器の壁などに微量に含まれるウランなどが崩壊 ・ 気体なのでチェンバー内に進入 ・ α崩壊してバックグラウンドとなる 参考 スーパーカミオカンデの空気中のラドンを冷却活性炭で除去 「2000Bq → 40Bq」 (Nuclear Instruments and Method in Physics Research A 501 pp.418-462) t:days
ラドン(トリウム系列) ・ 検出器の壁などに微量に含まれるウランなどが崩壊 ・ 気体なのでチェンバー内に進入 ・ α崩壊してバックグラウンドとなる 参考 スーパーカミオカンデの空気中のラドンを冷却活性炭で除去 「2000Bq → 40Bq」 (Nuclear Instruments and Method in Physics Research A 501 pp.418-462) t:sec
バックグランドの内訳 400 200 [keV] [count/keV/kg/day] 102 10 実験データ ラドン(上) ラドン(下) 400 200 [keV] [count/keV/kg/day] 102 10 実験データ ラドン(上) ラドン(下) 102 10 実験データ [count/keV/kg/day] γ線 1 中性子 200 400 [keV] (2009年3月西村博士論文)
中性子のバックグランド 地上 ・・・ ~104 [count/kg/day] 地下 ・・・ ~10-1 [count/kg/day] (2009年3月西村博士論文)
実験装置写真 25cm 12cm 冷却パイプ 活性炭を詰める 冷却機 冷媒(フロリナート) 太さ:1/2インチ 質量:159g 巻き数:20 型番:CT-910 温度:183K 冷媒(フロリナート) 体積:約1リットル
冷却機起動時の温度・圧力
エネルギースペクトル 活性炭付 データ 20090902/per3
検出器の性能とダークマター (2009年3月西村博士論文)
冷却真空試験 室温293K 温度 目標値183K 圧力 温度 ・・・ ラドンの沸点(211K)より低 12cm 室温293K 圧力・温度の時間変化 3 300 温度 ラドン 沸点 200 2 温度[K] 圧力[Pa] CF4 沸点 目標値183K 100 1 圧力 200 400 600 [min] 温度 ・・・ ラドンの沸点(211K)より低 CF4の沸点(145K)より高 → OK 圧力 ・・・ 真空漏れなし
圧力比較
まとめ ありがとうございました ラドンのレートをリサーチ 冷却活性炭システムを製作 低温真空試験 これからは・・・ ・ 循環ポンプの真空試験 12cm 25cm ラドンのレートをリサーチ 冷却活性炭システムを製作 低温真空試験 ありがとうございました これからは・・・ ・ 循環ポンプの真空試験 ・ 常温で運用してラドンの除去能力を確認 ・ 冷却してのラドンの除去能力を確認 ・ システムの長期運用試験