利水意見書 栃木県は思川開発事業に参画できるか 2009年10月15日.

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利水意見書 栃木県は思川開発事業に参画できるか 2009年10月15日

開発水量が45年で1/5に ダムありきの疑い

水需要増減の意味 ダムありきの疑い

栃木県全体の参画水量のカラクリ 1.04m3/秒ということになっているが 実際は、0.696m3/秒だった

鹿沼市の参画水量が半減 単位:m3/秒 2001年 0.423 2009年 0.200 半減の理由は不明

鹿沼市は0.423m3/秒を要望していなかった 「表流水の需要量 0.423m3/s」(2001年4月26日付け県への報告書) 「需要量」であり「要望量」ではない 0.423-0.200(東大芦川ダム振り替え分)=0.223m3/秒は、「偽装」であり「水増し」であり「見せ金」 鹿沼市の参画水量半減は「織り込み済み」

小山市を巡る偽装 小山市は、0.219m3/秒を要望した しかし、栃木県の保有水0.321m3/秒のうち0.121m3/秒は小山市の地下水水源転換用 ところが小山市は0.121m3/秒(地下水水源転換用)を要望していない なぜなら、「 地下水転換については、県の責任で対応されたい。」(2001年6月15日 付け県への報告書)

明らかな水増しが1/3に及ぶ 単位:m3/秒 鹿沼市 0.223 小山市 0.121 合  計 0.344

鹿沼市の要望水量が決め手だった 福田昭夫前知事が「当時の阿部和夫鹿沼市長がダムから水道水がほしいということだったので(思川開発事業を)存続した。」(2009年9月30日下野新聞)と語った ところが、鹿沼市の要望水量0.423m3/秒のうち、0.223m3/秒は「偽装」「水増し」「見せ金」だった

栃木県の水需要の検証

栃木県の水需要実績は横ばい

栃木県の人口は減少する

栃木県の1人1日最大給水量も減少する

栃木県も減少を予測せざるを得ない状況になった

証人が予測してみた 条件:水道普及率100%、国の人口推計、1人1日最大給水量を最近10年間の実績値の平均値

2市6町:栃木市、下野市、西方町、壬生町、野木町、大平町、藤岡町 及び岩舟町 県を通して参画する2市6町の水需要の検証 2市6町:栃木市、下野市、西方町、壬生町、野木町、大平町、藤岡町 及び岩舟町

2市6町の水需要実績は横ばい

2市6町の人口は減少する

2市6町の1人1日最大給水量も減少する

証人が予測してみた 条件:水道普及率100%、国の人口推計、1人1日最大給水量を最近10年間の実績値の平均値

栃木市の人口は既に減少している

栃木市の1人1日最大給水量も減少している

証人が予測してみた 条件:水道普及率100%、国の人口推計、1人1日最大給水量を最近10年間の実績値の平均値

下野市の人口は減少する

下野市の1人1日最大給水量は横ばい

証人が予測してみた 条件:水道普及率100%、国の人口推計、1人1日最大給水量を最近10年間の実績値の平均値

壬生町の人口は減少する

壬生町の1人1日最大給水量も減少する 条件:水道普及率100%、国の人口推計、1人1日最大給水量を最近10年間の実績値の平均値

証人が予測してみた 条件:水道普及率100%、国の人口推計、1人1日最大給水量を最近10年間の実績値の平均値

大平町の人口は減少する

大平町の1人1日最大給水量は横ばい

証人が予測してみた 条件:水道普及率100%、国の人口推計、1人1日最大給水量を最近10年間の実績値の平均値

藤岡町の人口は既に減少している

藤岡町の1人1日最大給水量は減少傾向

証人が予測してみた 条件:水道普及率100%、国の人口推計、1人1日最大給水量を最近10年間の実績値の平均値

岩舟町の人口は既に減少している

岩舟町の1人1日最大給水量は横ばい

証人が予測してみた 条件:水道普及率100%、国の人口推計、1人1日最大給水量を最近10年間の実績値の平均値

西方町の人口は既に減少している

西方町の1人1日最大給水量は横ばい

証人が予測してみた 条件:水道普及率100%、国の人口推計、1人1日最大給水量を最近10年間の実績値の平均値

野木町の人口は既に減少している

野木町の1人1日最大給水量は減少している

証人が予測してみた

単独で参画する市の水需要の検証

鹿沼市と小山市は単独参画か 鹿沼市の負担金53億円のうち37億円は県が支払う約束がある 小山市の水源転換水量分を「県の責任で」確保することになる 栃木県は、鹿沼市と小山市のために負担金を支払う 単独と言えるか?

鹿沼市の人口は既に減少している

鹿沼市の上水道の給水人口は増加しない

鹿沼市の上水道の給水人口が増加しない理由 人口が減少していく 給水区域内人口が減少していく 既に1万1千人が簡易水道等でカバー 井戸水で間に合っている市民は上水道加入を望まない 遠隔地には簡易水道で対応すべき

鹿沼市の1人1日最大給水量は減少している

鹿沼市の1日最大給水量は将来も現有水源で足りる

鹿沼市長がダム水不使用宣言 「当然表流水を使うということになりますと、取水堰、浄水場等々の工事費用を含めると莫大な投資をすることになります。」、「水道料金にも当然大きくはね返ってまいりますから、でき得る限り地下水でしのいでいくほうがベター、ベスト」(2008年7月議会市長答弁)→水利権の遊休化

小山市の人口は減少する

小山市の1人1日最大給水量は減少している

証人が予測してみた 条件:水道普及率94.7%、国の人口推計、1人1日最大給水量を最近10年間の実績値の平均値

政治家の思川開発不要発言 石森久嗣(衆議院議員) 中止 福田昭夫(衆議院議員) 山岡賢次(衆議院議員) 福田富一(知事) 見直し

水需要の検証のまとめ 水需要が増える要因は存在しない どの市町を見ても現在の保有水源量で足りる

地盤沈下防止目的の検証

2cm以上沈下した地域はない

代表地点の地層収縮量も沈静化

地下水位も上昇傾向

鹿沼市と壬生町は地盤沈下対策の対象外 鹿沼市と壬生町は、国が定めた地盤沈下対策要綱の対象外 実際、両市町で地盤沈下が問題となったことはない 両市町で地下水を放棄する理由がない

効果の薄い地盤沈下対策 小山市 1,400 藤岡町 689 合計 2,089 保全地域の地下水削減量 単位:m3/日 保全地域の地下水削減量  単位:m3/日 小山市 1,400 藤岡町 689 合計 2,089 栃木県の保全地域の全揚水量:188,920m3/日(2006年度)

確実に遊休化する思川開発の水利権 南摩ダムの水を使うための広域水道計画が存在しない 鹿沼市長が「ダムの水は使わない」と宣言 水利権を遊休化させることは違法

水需要は確実に減る 野村総研は「2040年の日本の水道使用量は現在の4分の3から半分に減る 」と見通す(2008/02/16読売新聞) 国土交通省は50年後の利根川流域の水需要を約62%に減ると試算(「日本の水資源」2008年度版p4、5) 栃木県も総合計画(とちぎ元気プラン。2006年2月策定)で水需要の減少を予測

県財政に余裕なし 県債残高1兆円(2007年度末) 財政調整基金1203億円(1992年度)→238億円(2007年度末) 2009年5月、財政健全化計画始動 使わない水利権に公金を支出する余裕はない

まとめ 開発水量が1/5→再評価不十分 要望水量の増減→需要なし 参画市町に新たな水需要なし 地盤沈下も沈静化→水源転換の必要なし 水需要は確実に減る 民意なし 財政的余裕なし

終わり