物理実験B.

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1 関西大学 サマーキャンパス 2004 関西大学 物理学教室 齊 藤 正 関大への物理 求められる関大生像 高校物理と大学物理 その違いとつながり.
2005/5/25,6/1 メゾスコピック系の物理 (物理総合) 大槻東巳 (協力 : 吉田順司, 2003 年 3 月上智大学理学博士 )  目次 1 )メゾスコピック系とは 2 )舞台となる 2 次元電子系 3 )バリスティック系の物理 コンダクタンスの量子化 クーロン・ブロッケード 4 )拡散系の物理.
ノーベル賞に見る 近代物理100年の軌跡 1913~15年編 奥村 傑.
今後の予定 7日目 11月 4日 口頭報告レポート押印 前回押印したレポートの回収 口頭報告の進め方についての説明 講義(4章),班で討論
1.ボイルの法則・シャルルの法則 2.ボイル・シャルルの法則 3.気体の状態方程式・実在気体
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W e l c o m ! いい天気♪ W e l c o m ! 腹減った・・・ 暑い~ 夏だね Hey~!! 暇だ。 急げ~!!
素粒子実験に用いるガス検出器の原理と動作
1.Atwoodの器械による重力加速度測定 2.速度の2乗に比例する抵抗がある場合の終端速度 3.減衰振動、強制振動の電気回路モデル
前回の内容 結晶工学特論 第4回目 格子欠陥 ミラー指数 3次元成長 積層欠陥 転位(刃状転位、らせん転位、バーガーズベクトル)
固体電解コンデンサの耐電圧と漏れ電流 -アノード酸化皮膜の表面欠陥とカソード材料の接触界面-
電子物性第1 第6回 ー原子の結合と結晶ー 電子物性第1スライド6-1 目次 2 はじめに 3 原子の結合と分子 4 イオン結合
電界(電場)は 1C に 働く力.
放射線(エックス線、γ線)とは? 高エネルギー加速器研究機構 平山 英夫.
身の回りの放射線 今日の内容 1.なぜ今、放射線を勉強。(発電所の原理、どの部分が原子炉)ー 実験
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直流電圧計,直流電流計 例えば,電流Iを測定したい E R I E R A 電流計の読みが 電流 I を示すだろうか 電気電子基礎実験.
前回の内容 結晶工学特論 第5回目 Braggの式とLaue関数 実格子と逆格子 回折(結晶による波の散乱) Ewald球
セラミックス 第4回目 5月 7日(水)  担当教員:永山 勝久.
電子回路Ⅰ 第3回(2008/10/20) バイポーラトランジスタの動作原理.
原子核物理学 第4講 原子核の液滴模型.
微粒子合成化学・講義 村松淳司
機械創造工学課程 08104288 鈴木翔 担当教員 小林泰秀 准教授
担当: 松田 祐司 教授, 寺嶋 孝仁 教授, 笠原 裕一 准教授, 笠原 成 助教
Dissociative Recombination of HeH+ at Large Center-of-Mass Energies
前期量子論 1.電子の理解 電子の電荷、比電荷の測定 2.原子模型 長岡モデルとラザフォードの実験 3.ボーアの理論 量子化条件と対応原理
テーマⅧ:低気圧放電の基礎と電子密度・電子温度計測
電力 P ( Power ) 単位 ワット W = J / sec
量子凝縮物性 課題研究 Q3 量子力学的多体効果により実現される新しい凝縮状態 非従来型超伝導、量子スピン液体、etc.
蓄積イオンビームのトラップからの引き出し
今後の予定 4日目 10月22日(木) 班編成の確認 講義(2章の続き,3章) 5日目 10月29日(木) 小テスト 4日目までの内容
担当: 松田祐司 教授, 笠原裕一 准教授, 笠原成 助教
研究背景 電荷移行反応とは・・・ 核融合(重水素 + 三重水素→ヘリウム原子核+中性子) ・・・しかし、
前回の講義で水素原子からのスペクトルは飛び飛びの「線スペクトル」
22章以降 化学反応の速度 本章 ◎ 反応速度の定義とその測定方法の概観 ◎ 測定結果 ⇒ 反応速度は速度式という微分方程式で表現
課題演習A5 自然における対称性 理論: 菅沼 秀夫 (内3830)
光電効果と光量子仮説  泊口万里子.
高分子電気絶縁材料の誘電特性計測を用いた劣化診断に関する研究

2次元系における超伝導と電荷密度波の共存 Ⅰ.Introduction Ⅱ.モデルと計算方法 Ⅲ.結果 Ⅳ.まとめと今後の課題 栗原研究室
半導体の歴史的経緯 1833年 ファラデー AgSの負の抵抗温度係数の発見
電子物性第1 第11回 ー金属の電気的性質ー 電子物性第1スライド11-1 目次 2 はじめに 3 導電率(電子バス) 4 欠陥の多い結晶
屋外絶縁用高分子材料の吸水及び乾燥過程の誘電特性による評価
Diffusion coefficient (拡散係数)
課題演習B1 「相転移」 相転移とは? 相転移の例 担当 不規則系物理学研究室 松田和博 (准教授) 永谷清信 (助教)
FUT 原 道寛 学籍番号__ 氏名_______
DPFのマスモジュールにおける残留ガス雑音の研究II
X線CCD検出器 ーCCD‐CREST(deep2)ー の性能評価と性能向上 (京阪修論発表会)
担当: 松田 祐司 教授, 寺嶋 孝仁 教授, 笠原 裕一 准教授, 笠原 成 助教
A4-2 高強度レーザー テーマ:高強度レーザーと物質との相互作用 井上峻介 橋田昌樹 阪部周二 レーザー物質科学分科
B4 「高温超伝導」 興味深い「協力的」現象 舞台としての物質の重要性 固体中の現象: 電子や原子が互いに影響を 及ぼしあうことで生じる
Lamb Shiftの観測 石山、土橋、林野、吉田.
課題演習B1 「相転移」 相転移とは? 相転移の例 担当 不規則系物理学研究室 八尾 誠 (教授) 松田和博 (准教授) 永谷清信 (助教)
永久磁石を用いた高出力マイクロ波 放電型イオン源の開発
今後の予定 (日程変更あり!) 5日目 10月21日(木) 小テスト 4日目までの内容 小テスト答え合わせ 質問への回答・前回の復習
今後の予定 7日目 11月12日 レポート押印 1回目口頭報告についての説明 講義(4章~5章),班で討論
超流動デモ実験 低温物質科学研究センター 松原 明 超流動4Heが見せる不思議な世界 ・超流動4He ・スーパーリーク ・噴水効果
Pb添加された[Ca2CoO3]0.62CoO2の結晶構造と熱電特性
課題演習B1 「相転移」 相転移とは? 相転移の例 担当 不規則系物理学研究室 松田和博 (准教授) 永谷清信 (助教)
固体中の多体電子系に現れる量子凝縮現象と対称性 「複数の対称性の破れを伴う超伝導」
電子ビームラインの構築と APDを用いた電子計測試験
圧電素子を用いた 高エネルギー素粒子実験用小型電源の開発
シンチレーションファイバーを 用いた宇宙線の観測
60Co線源を用いたγ線分光 ―角相関と偏光の測定―
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物理実験B

実験Bのテーマ 銅酸化物超伝導 X線回折 放射線 光の回折 Hall効果 真空技術 主に物性系の実験

光の回折 光は波の性質があるので回折現象起こすよね? 電子も同じだよ

真空技術 いろんなところに使うので実験で必須 低温実験 試料育成 大型加速器 などなど

真空とは? 真空ポンプ 真空ゲージ

圧力の単位 p=F/S Pa SI単位系 torr 760mmHgから由来、水銀柱が1気圧に釣り合う高さ Bar 10^5Pa~1atm 1.3%程度ずれている atm p=F/S

真空度 領域 英語名 圧力範囲 地上からの距離 低真空 Low Vacuum 100 Pa以上 地上~約60 km 中真空 Medium Vacuum 100~0.1 Pa 約60 km~約90 km 高真空 High Vacuum 0.1~10−5 Pa 約90 km~約250 km 超高真空 Ultra-high Vacuum 10−5 Pa以下 約250 km~

理想気体の状態方程式 pV=NKBT=nRT 空間にいる気体分子の数 東京 豊島区 22,887 km^2/人 ロータリーポンプでは分子がいないわけでない

真空ポンプ 油回転ポンプ(ローターリーポンプ) ダイヤフラムポンプ ドライポンプ 油拡散ポンプ(DP) ターボ分子ポンプ(TMP) Diffusion Pump Turbo Molecular Pump

ロータリーポンプ 大気圧から1Pa (0.01torr)程度まで引くことができる 10万円程度

注意点 水を吸わないようにする 長時間大気圧を引かない 使用後は、大気圧に戻す(リークする) いずれもめんどくさいトラブルを起こします

ターボポンプ 羽を高速で回して空気を押し出す

注意点 ロータリーポンプであらびきをしておく 稼働中は絶対に大気圧を引かない 粉塵・ほこりなどが入らないようにする 価格は100万程度

油拡散ポンプ 高速の油分子で空気を押し出す

真空ゲージ ブルドンゲージ ピラニゲージ イオンゲージ

放射線 1、3研で役に立つかなあ?

放射線とは

X線の発見 1895年にレントゲンにより発見 1901年にノーベル賞

X線回折 どんな結晶ができているのかわかる

原子が多数集まり凝集することで エネルギーを利得して結晶化 結晶とは 単位胞 結晶 ~1 cm 原子が1つでは結晶化しない 原子が多数集まり凝集することで エネルギーを利得して結晶化 共有結合 イオン結合 金属結合 水素結合 ファンデルワールス結合

= 結晶とは 原子や分子が繰り返しパターンを持って「極めて長 周期的」に配列し、並進対称性を持つ ・結晶の性質を知るのに~1023個の多体問題でなく 一周期の格子のみを考えればいい ・X線(中性子、電子線など)により周期性を調べることで 結晶構造を明らかにできる ~10-8 cm ~1 cm 並進対称性  R = ha1 + k a2 + l a3 (h, k, l = 整数) = NaCl

なぜX線を用いるのか? 結晶の周期性に反映して回折現象を起こす 結晶の間隔と光の波長が合うところが良い干渉条件=X線が ちょうどよい 回折条件を調べることで結晶の周期性が解る ピークの位置:ブラック条件 高校生2dsinq=nl 大学生はブラック条件 2kG+|G|2=0

放射光 原子配列・構造の解析  機能の解析、状態・成分の分析 イメージング法による観察 材料の改質、新物質の創製

Hall効果 キャリアが何かわかる どのくらいのキャリアがいるのかわかる Edwin Herbert Hall 半導体の性能 磁場の検出

量子ホール効果 h/n e2

超伝導 1908年、液体ヘリウムの液化に成功 1911年、水銀、スズ、鉛の超伝導の発見 1913年、ノーベル賞 Kamerlingh Onnes Hgの超伝導 1908年、液体ヘリウムの液化に成功 1911年、水銀、スズ、鉛の超伝導の発見 1913年、ノーベル賞

超伝導 Cooper Schrieffer Bardeen 1972年のノーベル物理学賞 BCS理論

超伝導の特徴 電気抵抗零 完全反磁性

高温超伝導 Müller Bednorz

電気抵抗とは 金属の場合伝導電子から見た結晶中の散乱の大きさが分かる。 結晶の格子振動により散乱される(高温ほど大きい)。 古典的な式 (ドルーデモデル) 金属の場合伝導電子から見た結晶中の散乱の大きさが分かる。 結晶の格子振動により散乱される(高温ほど大きい)。 磁性体により散乱される(非磁性体の場合は無視する)。 伝導電子同士のクーロン反発力で散乱される(通常小さい)。 結晶の欠陥、ひずみなどに散乱される。 抵抗測定を行えば、磁性体、格子振動の大きさ、伝導電子間の相互作用の大きさ、結晶のきれいさなどの情報が得られる 物性測定の中では、物質の状態の変化に敏感に反応する物理量である

測定方法 V I 直流法 交流法(Lock-in ampを使う) ブリッジ回路 (LR-700, AVS-47) Rx=R2 × R3/R1 試料 絶対値測定である S/N (signal to noise)はいまいち I 試料に電流を流してその時の起電力を測定する(V=RI) S/N (signal to noise)がDCよりもいい 絶対値を補正する必要がある 測定のレスポンスが速い 低電流で抵抗測定ができる Rx=R2 × R3/R1

2端子法と4端子法の違い V=V試料+V配線+V接触抵抗 2端子法 R=R試料+R配線+R接触抵抗 4端子法 I R接触抵抗とR配線がプラスされる 試料 R試料~1mW(金属) R試料~100W(半導体) R配線~10W R接触抵抗~1W 4端子法 R電圧端子間(黄色い部分) = V試料/I R電圧端子間= r l/S r:抵抗率 l :端子間距離 S:断面積 2端子法だと金属は測定できない I 試料 配線の抵抗接触抵抗を無視して、試料の抵抗率を求めることができる V V試料

電流を反転さて熱起電力を差し引こう Vー=ーV試料+V熱起電力 V+=V試料+V熱起電力 I I V+ーVー R試料= 2I 熱起電力が発生するのでその分を差し引く Vー=ーV試料+V熱起電力 V+=V試料+V熱起電力 試料 試料 V試料~1mV~1mV V熱起電力~1mV I I V熱起電力は電流反転させても符号は変化しない 熱起電力は無視できない V+ーVー V+ーVー=2V試料 R試料= V熱起電力を差し引くことができた 2I

端子を付けよう 導電性ペースト(銀ペースト、カーボンペーストなど) R接触抵抗~1W(練度でだいぶ変化する) スポット溶接 R接触抵抗~1mW モノを選ばない(形状や小さい試料でもOK) モノを選ぶ R試料~1mWなので端子付けは電気抵抗において最も重要(唯一経験がものをいう部分) 測定中に端子が動いたりすると、データが飛ぶ 十分な練習と室温でテストの予備測定を行う 出来れば、スポット溶接のほうがいい

実際の試料の端子付 0.8mm 5mm 小さい試料に用いることが可能 小さい試料には不向き Tips 銀ペーストによる端子付 スポット溶接による端子付 小さい試料に用いることが可能 小さい試料には不向き

電流を流しすぎない(低温で発熱する) V=RI, R= r l/S 発熱 W=RI2 (J)なので電流を流すと発熱する。 低温だと冷却能力は1mW程度なので、R=R試料+R接触抵抗~1Wとす ると電流I=1mA程度しか流せない。測定精度が出ない。 転移温度が異なる、抵抗の温度依存性が片など間違ったデータを取ってしまう。 V=RI, R= r l/S Rは物質固有なのでl/Sを大きくすると起電力が大きくなる 試料はできる限り細長く整形する Vの分解能(noise level)は1~10nV程度なので、室温でV=0.1mV程度(RRR~100程度だと低温で100nV)あると十分な測定ができる

電流を流さないための工夫 試料はできる限り細長く整形する(針状が理想) 直流法より交流法のほうが精度はいい ブリッジ回路を用いたほうが直流法より精度がいい PPMSだと、TTOオプションを用いる LR-700を用いたブリッジ回路、ロックインアンプを用いた交流法で測定する

測定中は測定機器や配線に触れない 配線を踏む、触ると圧電効果で変な電圧が出る 測定機器はRLC回路なので特に、コンデンサーの値が変化して ノイズが入る 配線の熱起電力が変化する 振動などにも気を付ける(実験室で騒がない) 静電気は恐ロシア 電圧は、自然界で簡単に発生するので気を付ける 電気抵抗は微小な電圧を測定しているのでそれらの影響を受けやすい

良い抵抗測定をするため(トップデータを取るための)のまとめ 測定まとめ 良い抵抗測定をするため(トップデータを取るための)のまとめ 試料は細長い試料を成形する 接触抵抗はできる限り小さくするように努力する(最重要) ゆっくり温度変化させて測定する 試料の発熱に気を付ける 配線が外れかかっていたりショートしていないかチェックする 一般社会の中では(工学部や会社と比べて)、とがったことをやっているので、少しばかり気を付けることが増えます 1つ1つの手順がなぜあるのかを考え、原理や要点を抑えてよいデータを取りましょう