スチルベンシンチレーターによる暗黒物質探索実験 日本物理学会 2003年秋季大会 2003年9月11日 @宮崎ワールドコンベンションセンター・サミット 関谷洋之 井上慶純 清水雄輝 菅沼亘 蓑輪眞 東京大学
暗黒物質と方向感度(動機) 暗黒物質の確実なシグナル 230km/s 銀河中での地球の回転運動に 基づく暗黒物質の風 公転30km/s 基づく暗黒物質の風 公転30km/s 今日9/11の風向き 暗黒物質の風 9:00 15:00 太陽 230km/s いきなり230km/sで暗黒物質の風としかいわない!! ぴんきーもしゃべっているし。。 DARK HALO (Maxwell 分布) V0=220km/s 21:00 方向に感度を持った検出器によって捕らえることができる
スチルベンシンチレーター 発光量が原子核の反跳方向によって異なる。 スチルベン 反跳方向//結晶軸c’ で最小 反跳方向┴結晶軸c’ で最大 λmax=410nm 反跳方向//結晶軸c’ で最小 反跳方向┴結晶軸c’ で最大 炭素反跳に対して7% (30keV-1MeV) Sekiya et al., PLB 571 (2003) 132 ~0°to c’ WIMP wind 38° 42° 地球の自転によって風向きに対する角度変わる Vearth 光出力が日変化する ~80°to c’
準備実験@神岡地下実験室 5cm φ×5cm stilbene (113g) R8778MOD Low BG PMT R8778MOD Dual read out Triple charge ADC for PSD 放射線シールド 無酸素銅 10cm 鉛 15cm ポリエチレン 20cm 蒸発窒素ガスによるRnパージ ~1Bq/m3
測定結果 2003年8月16日より1週間 20keV以下は PMTのDark pulse の影響 途中でRnパージとまった。。。 ちゃんと日変化しないよう抑えられている!! 20keV以下は PMTのDark pulse の影響 60 counts/keV/day/kg @ 50keV
測定結果(PSD) αが見える γ スチルベン内のU/Th Rn由来 n α Rnパージ時 10 events/200000sec スチルベンバルク由来とすると U ~0.01ppb Th ~0.03ppb 一方ICP-MSの結果 表面が汚れていそうだが、 それだけでは説明できない。 表面 バルク U 0.2ppb < 0.1ppb Th 1.2ppb < 0.25ppb (表面削るのはrisky!!)
PMTのBGへの寄与 R8778 1本あたり (Geによる測定 by Xmass) 古い鉛に入れてみた 周りに3本置いてみた U 系列 Th 系列 40K 60Co 1.8×10-2Bq 6.9×10-3Bq 1.4×10-1Bq 5.5×10-3Bq 古い鉛に入れてみた 周りに3本置いてみた
Active Shields の導入 NaI(Tl)をPMTとスチルベン結晶の間にいれる。 R8778 NaI NaI R8778 5cm φ×5cm 252Cfをあてた時のPSD (PMTsingle) Dark stilbene γ 堀場製作所 Low BG 仕様 stilbene n Decay time NaI NaI 230ns Stilbene 5ns
NaI(Tl)の評価 R8778MODとシールドを用いて測定した。(2日間) PSDをしてみると。。。 Pb-x αの時定数のほうが早い α Contaminationが分かるが、 スチルベンよりレート低い Active shield用 OK!
Dark Event R8778MODはDark pulseが多い! 50keV付近まで。。 スチルベンは時定数が スチルベンは時定数が PMTに近くPSD能力低い。 シールド内で結晶を つけずに得られたスペクトル ペルチェ素子を用いて-25℃ まで冷やした。 1桁落ちる Dual 読みだしのコインシデンス と組み合わせ
R8778MOD冷却特性 青色LED+fiberの標準光源 スチルベン+109Cd 22keV 1p.eの光のピーク位置は温度により変化しないことを確認。 量子効率が10%向上した。Threshold 下げにも効果。
まとめ 神岡でスチルベンを用いた予備実験を行った。 PMT起源のバックグラウンド NaI(Tl)を導入する。 PMTのDark pulse 今月末からセットアップ開始。 来月から本測定を開始予定。
Rn濃度の変動 (^o^) run (>_<) run 2003年8月16日より1週間 途中でRnパージとまった 10-70hours (^o^) run ちゃんと日変化しないよう抑えられている!!! 90-150 hours (>_<) run シールド内では日変化が抑えられている
Pulse shape discrimination Fast gate Total gate γ 中性子イベントは遅発成分の発光が多い n 2つの幅のゲートで積分電荷量を比較 スチルベン BC501A
本日の光出力変化 ρ0=0.3 GeV/cm, v0=220 km/s, vE=232km/s Mχ=50GeV, σχ-p=1pb