おかもと かろく じゅういがっか じゅうい こうしゅうえいせいがく 鹿児島大学教授 岡本嘉六(農学部獣医学科 獣医公衆衛生学) 環境・水・食料 おかもと かろく じゅういがっか じゅうい こうしゅうえいせいがく 鹿児島大学教授 岡本嘉六(農学部獣医学科 獣医公衆衛生学) じんちく きょうつう かんせんしょう の よぼう 1.人畜共通感染症の予防 りかん かんせんしょう びょうげんたい ヒトと動物が罹患する感染症で共通の病原体によるものを人畜共通 きょうけんびょう 感染症といいます。たとえば、狂犬病(ウイルス)、オウム病(リケッチ たんそ(さいきん) (げんちゅう) ア)、炭疽(細菌)、トキソプラズマ(原虫)など、各種の病原体が含まれ かんせんげん、かんせんけいろ、かんじゅせいしゃ とくせい よぼうそち ます。感染源、感染経路、感受性者についての特性を解明し、予防措置について研究します。 しょくひんえいせい の こうじょう 2.食品衛生の向上 びょうげんたい かがくぶっしつ おせん けんこうひがい ぼうし 病原体や化学物質などに汚染された食品による健康被害を防止し、 えいよう ふうみ けんこうぞうしん きのう とくせい 食品のもつ栄養や風味のみならず健康増進機能などの特性を保持す せいさん、かこう、りゅうつう、しょうひ ることが食品衛生の役割です。そのため、生産、加工、流通、消費の あんぜんせい ひんしつ えいせい そち 各段階において安全性と品質を確保するための衛生的措置について研究します. かんきょうえいせい の こうじょう 3.環境衛生の向上 かがくぶっしつ かんきょうおせん 種々の化学物質による環境汚染の問題において動物の行動や生理などを専門としている獣医学の役割は大きく、とりわけ人間社会への やせいせいぶつ えいきょうひょうか 影響に先立って現われる野生生物への影響評価は重要です.さらに、 すいしつおせん、あくしゅう、がいちゅう かんきょう ふか けいげん 水質汚染、悪臭、害虫発生などの畜産業による環境負荷を軽減し、 快適(かいてき)さ 農村のアメニティーを向上することも重要課題です. どうぶつふくし への こうけん 4.動物福祉への貢献 せいめいたい ちきゅう はかい 生命体としての地球が人間活動によって破壊されつつある中で、動 おりなす けいかん いやし 植物が織り成す景観が心の癒しに欠かせないものとされています。家 いちいん はんりょ 族の一員としての伴侶動物の別の側面として、不適切な飼育管理によ えいせいじょう かんせんしょう、はいせいつぶつ、こうしょう、ほうろう・のら る衛生上の問題(感染症、排泄物、咬傷、放浪・野良など)があります。ヒトと動物の良好な関係を構築するために活動しています。 公衆衛生は、個人を相手とする医師とは違い、集団を対象としています。上にあげた諸問題を社会的に解決することを目標にしています。 社会の仕組みとして、どうしたら良いのかを考え、提案していくことです。今日のテーマである「環境・水・食料」についても、「公衆衛生の立場で考えると」という枠組で話します。
劇団『まつり座』 財部町の人口 花咲かじじいのフォトギャラリー 駅馬車でやってきた12人の3つのお話 from 財部ん弥生祭 昭和25年~30年をピークに年々減少し続けましたが、近年は減少率も横ばいで推移しています。 (平成11年9月1日現在11,031人) 大家族であった過去に比べて、世帯数は増加してきた。 劇団『まつり座』 駅馬車でやってきた12人の3つのお話 from 財部ん弥生祭 このような元気な活動もあり、 山村留学で都会の子供を招いている 花咲かじじいのフォトギャラリー 財部町のプロカメラマンのHP 財部町の由来 大化の改新(645年)以前、大和政権によって太陽信仰の日奉りを行う財(日奉)部(たからひまつりべ)がこの地に置かれ、財部と称されたのが起源といわれています。
地球の誕生: 約46億年前 原始大気と原始海洋の誕生 最初の生命体(原核生物) 35億年前の最古の化石 緑藻類などの真核生物 10億年前 地球の誕生: 約46億年前 原始大気と原始海洋の誕生 最初の生命体(原核生物) 35億年前の最古の化石 緑藻類などの真核生物 10億年前 アオミドロ 1991年5月普賢岳の噴火 なし 生物の光合成 石灰岩CaCO3 地下有機物(化石燃料) 0.03% ただし増加中 二酸化炭素 CO2 酸素 O2 原始大気 大量 起源 原始地球から脱ガス その後 縞状鉄鉱などの酸化物 その後は大気中に蓄積 成層圏のオゾンO3層 現在 21%
細胞の基本構造 真核細胞 すべての生命に共通の特徴は、 1)タンパク質や核酸からなる細胞 2)物質やエネルギーの代謝 3)自己増殖する生殖 粗面小胞体 細胞質 核小体 核 リボゾーム ミトコンドリア 細胞壁 核膜 真核細胞 滑面小胞体 葉緑素 ライソゾーム すべての生命に共通の特徴は、 1)タンパク質や核酸からなる細胞 2)物質やエネルギーの代謝 3)自己増殖する生殖 原核生物と真核生物の主な違い 原核細胞 白血球の呑食に抵抗 付着 蛋白合成 いでんし 1.遺伝子の性状と配置 まくけつごうきかん 2.膜結合器官 たんぱくごうせいけい 3.蛋白合成系 さいぼうへき 4.細胞壁の化学組成 運動器官 核膜がない 薬剤耐性等の伝達 → 化学療法剤などの「選択毒性」の基礎
病原体 生物の系統発生学的位置 高等生物:動物界、植物界、菌界 真性細菌 古細菌 Procaryote Eucaryote 原核生物 寄生虫 Procaryote 原核生物 Eucaryote 真核生物 ウイルスはエネルギー生産、蛋白合成に係わる酵素系を欠如しており、この図には含まれない
大気と水に恵まれた地球で生命が誕生し進化してきた 大気中ガス濃度 炭酸ガス CO2 酸素 O2 光合成を行うラン藻類(シアノバクテリア) 27 46 35 10 緑藻類などの真核生物 5.1 脊椎動物の出現 脊椎動物の上陸 3.7 人類の出現 500万年前 陸上植物の出現 4.4 ほ乳類の出現 2.1 地球誕生 原始生物 地球にも寿命があり、地殻活動などの環境変化により絶滅した種もいる。人類は? ダーウィンの著書 1859年 「種の起源」 進化論 ミラーの実験 「化学進化」 原始大気と放電でアミノ酸ができる パスツールの実験 1862年 「生物は生物からしか生まれない」
人類の進化 約5000年前、世界各地に文明が発生する。 年代 (万年前) 分類 概要 発見年/発見場所 類人猿 猿人 原人 旧人 新人 2000 500 130 100 50 40~25 15~4 4 プロコンスル プロコンスル 類猿人からの分化 ホモ・エレクトス ジャワ原人 北京原人 ホモ・サピエンス ネアンデルタール人 クロマニヨン人 1948年/ビクトリア湖ルシンガ島 ミトコンドリアDNAの分析 大脳の発達(850ml) 「言語の発達・火の使用」 1888年/ジャワ島/石器と火の使用 1929年/中国・周口店/石器と火の使用 古代ホモ・サピエンス 1856年/ドイツ・ネアンデル谷/中期旧石器時代 1868年/フランス/後期旧石器時代 猿人 原人 大脳の発達(850ml) 「言語の発達・火の使用」 石器 旧人 新人 プロコンスル: チンパンジーと人類の共通の祖先 110万年前アフリカを出発した原人は、地球各地に広く生活の場を求めて広がっていった。 ユーフラテス川沿岸で1万2000年前の定住村落遺跡の発掘から、150種を超える植物の種子が発見された。9500年前ころ農耕は西アジア各地に広がった。 約5000年前、世界各地に文明が発生する。
世界のエネルギー消費量 人口 文明の発達は一人当たりのエネルギー消費量、および、人口の増加をもたらした。
生物の系統発生図 植物界 菌界 動物界 光合成 吸収 消化 プロティスタ モネラ 生物の系統発生図を念頭 におき、病原体、媒介動物、 けいとうはっせいず ねんとう 生物の系統発生図を念頭 びょうげんたい、ばいかいどうぶつ におき、病原体、媒介動物、 しょくもつれんさ、せいたいけい、よぼう・ 食物連鎖、生態系、予防・ ちりょうほう しっぺい りゅうこう 治療法など、疾病の流行と じしょう 関連する事象をみる。 光合成 吸収 消化 真核生物、多細胞 プロティスタ 真核生物、単細胞 モネラ 原核生物、単細胞 けいとう はっせいず 生物の系統発生図
エネルギー(生態)ピラミッド エネルギー(生態)ピラミッド 菌界 動物界 植物界 太陽 微生物の菌類・細菌類などが中心。生産者や消費者の遺体や排出物の有機物を無機物に分解し、もとの環境に返す。 一次消費者を食べる生物 肉食動物 二次消費者 菌界 動物界 生産者を直接食べる生物 草食動物 分解者 一次消費者 自分で栄養素を作る 光合成植物 植物界 生産者 大地・大気・水 エネルギー(生態)ピラミッド エネルギー(生態)ピラミッド
炭素と酸素の循環 酸素を作り出すのは植物だけであり、炭酸ガスの増加を止めるには、森を大切にすることが基本となる。 たんそ さんそ じゅんかん 炭素と酸素の循環 酸素を作り出すのは植物だけであり、炭酸ガスの増加を止めるには、森を大切にすることが基本となる。 光合成: 炭酸ガスの炭素から、太陽エネルギーを使って、デンプン(炭水化物)を作ること
物質循環: 炭素 生物の間における炭素循環に加えて、自然界や人為的燃焼による炭酸ガスの発生がある。 =炭酸ガス ぶっしつ じゅんかん: たんそ 物質循環: 炭素 生物の間における炭素循環に加えて、自然界や人為的燃焼による炭酸ガスの発生がある。 =炭酸ガス 18世紀の産業革命により、石炭の燃焼による強大なエネルギーを手にして工業が発達し、生活が飛躍的に豊かになったが、それは地下に閉じこめられていた炭素を大気に放出することになった。石油を使う21になって、さらに激しくなってきた。豊かな生活の代償 ・・ ・・ ・・
タンパク質を構成するアミノ酸は、窒素化合物 ちっそ じゅんかん 窒素の循環 タンパク質を構成するアミノ酸は、窒素化合物 おいしい肉を構成するアミノ酸の基となる窒素を、大気から固定してくれる根粒菌にも感謝! 食べ物は、全て生き物である こんりゅうきん
ぶっしつ じゅんかん: ちっそ 物質循環: 窒素 化学肥料の多用により、土壌中の窒素が多く、野菜や地下水の硝酸体窒素が増えて、健康への影響が危惧されている。 堆肥の活用による有機農業の推進が基本! 化学肥料は農業生産を飛躍的に増加させ、戦後食糧難から回復するのに役立ったが ・・ ちっそこてい こんりゅうきん
糞尿などによる環境負荷量は、牛: 8.6人分、豚: 2.7人分
山形県長井町の取り組みは、約10年前から始まった
人間が使う水は、 大循環の一部 みず の じゅんかん 水の循環 生命誕生の元となる水は、生活空間において、固体、液体、気体の三相を示し、様々な物質を溶かす不思議な能力をもっている。人間の体の70%は水分であり、食べた物が消化・吸収され、血液循環に乗って細胞に供給され、老廃物を排出する上で欠かせないものである。 安全でおいしい水は、どのようにしてできるのか? そのために、何をしなくてはならないのか?
水資源も有限であり、「自然に感謝し大切に使う」ことが全ての基本 「水は水道の栓をひねると出るもの」と思っていませんか? 水源地が枯渇すれば、ひねっても出ないことを理解してますか? 水資源も有限であり、「自然に感謝し大切に使う」ことが全ての基本
かつては浅い泉源から得ていたのに、今や枯渇し、1000メートルも掘削しないと達しない。深く掘ることは、技術の発展ではなく、思考の衰退である。 浅井戸は出なくなり、この地層は砂漠化している
漁業者が山林保全に取り組んでいるように、 雨が林地と裸地に降ると ・・ ・・ 森の効用 1.洪水を防ぐ 2.河川の水量を一定に保つ 3.地下水を補う 4.炭酸ガスを減らし、酸素を供給する 5.豊かな生物相を育てる 漁業者が山林保全に取り組んでいるように、 温泉業界も水源涵養の努力を!
社会生活における水の利用 浄水場 雲 山 川 家庭・工場 蒸発 下水処理場 海
浄水場 大都市では、毎年のように給水制限が行われており、しかもマズイので、ミネラルウオータが売れている ・・ ・・ 硫酸バンド 有機物を分解するための塩素使用 殺菌 総人口1億2,582万人に対し、水道の給水人口は1億2,073万人と、普及率は96.0% 生活用水の使用量 324リットル/人・日 洗濯 24%、風呂 24%、炊事 23%、 トイレ 21%、洗面その他 8% 配水タンク 大都市では、毎年のように給水制限が行われており、しかもマズイので、ミネラルウオータが売れている ・・ ・・ 山に木を植え、維持管理をしっかりすることが、大切なのだが ・・
キレイナ川を保つには、汚さないことと、川の生き物を大切にすることが基本です。自浄作用: 水に溶けている有機物を生物の体に代えること じじょうさよう 上流のA地点から下流のB地点までに、水に溶けている有機物を餌にして、細菌やプランクトン、藻などの植物が増え、それを餌にして小魚やカニなどが大きくなり増えていきます。 堰(せき)などで酸素が十分に供給されれば、汚れは生物体と変わります。有機物が多すぎると、生物が活動するための酸素が不足し、汚れが蓄積します。酸素が少ないドブの土は黒く、酸素が多い川底の土は黄白色です。 キレイナ川を保つには、汚さないことと、川の生き物を大切にすることが基本です。自浄作用: 水に溶けている有機物を生物の体に代えること
大量の有機物が含まれている生活排水や工場排水を、そのまま流すと河川の自浄能力を超えてしまう。「ドブ」となった川は悪臭を放つだけでなく、害虫や病原微生物の巣窟となる。 下水処理場 下水処理場では、水に溶けている有機物を細菌やプランクトンに食べさせ、その数が増えることで固形化している。そうした微生物の増殖に必要な酸素を送り込むのが、エアレーションである。 増えた細菌やプランクトンを沈殿させたものを、別のタンクに移し、発酵させると、メタンガスと堆肥ができる。
下水道の普及率(1998年度) 欧米諸国に比べて、日本の下水道普及はかなり遅れている。 欧米諸国に比べて、日本の下水道普及はかなり遅れている。 日本の河川は急流が多く、川に流せば翌日には海に出てしまうという、汚いもの、やっかいなことは「水に流す」という表現まで生んだ。 欧米の河川は数カ国を通過し、放流下水が混じった水を下流で利用することが一般的であるから・・ 1位 東京都 96% 2位 神奈川県 89% 3位 北海道 79% 4位 大阪府 78% 5位 兵庫県 77% 6位 京都府 76% 35位 宮崎県 32% 35位 鹿児島県 32% 37位 秋田県 31% 39位 大分県 31% 39位 岩手県 30% 47位 和歌山県 8%
都市の下水処理場は、活性汚泥法が用いられているが、畜産農場では、回転円板法の併用が望ましい(維持経費が安く、管理が容易であるから)。
環境にやさしい農業により、循環型社会を構築しよう!
食と環境を創る 21世紀鹿児島の挑戦 大学としての戦略??? 安全・高品質の食料は 豊かで快適な生産環境から 自然に戻す 生活環境制御技術 地域社会が一体となって、豊かで気持ちよく暮らせるような生活空間を創造し、次世代に手渡しましょう! 大学としての戦略??? 知的クラスター創出構想