堆積炭塵爆発に対する大規模連成数値解析 研究背景 研究目的 計算対象および初期条件 燃焼波の様子(二次元解析) 今後の予定 jh180070-NAH 松尾亜紀子 (慶應義塾大学) 堆積炭塵爆発に対する大規模連成数値解析 研究背景 研究目的 *Semenov et al. J. Loss Prev. Process Ind. 26, 380-384, 2013 Houim et al. Proc. Combust. Inst. 35, 2083-2090, 2015. 炭塵が空中に十分分散しているとき,爆発的燃焼を引き起こす 可能性がある. 炭塵粒子は重力によって堆積しているために粒子濃度が高く, 急激な燃焼反応を生じることはない. 数値解析の先行研究* 計算コストの問題から,粒子を直接追跡しないEuler-Euler手法による 解析が行われている. 粒子の回転が巻き上げ後の挙動に大きな影響を与える. 他の要因による初期爆発が引き起こす爆風によって炭塵は舞い上げられ,その後に炭塵爆発が生じる. 個々の粒子を直接追跡する,Euler-Lagrange手法による解析を行う必要がある. 現象を理解するためには,初期爆発から炭塵粒子の巻き上げ飛散,その後の炭塵爆発に至る一連の過程を考慮した数値解析を行う必要がある. 堆積炭塵爆発が発達する過程をEuler-Lagrange手法によって解析し,燃焼波の伝播機構を明らかにする. 計算対象および初期条件 衝撃波および燃焼波の速度履歴 左端より2 mの領域にCH4-Air予混合気を充填し,ホットスポットを用いて 気相デトネーション波を発生させる. 計算領域の底部2 mmに炭塵粒子を配置し,気相デトネーション波との干渉によって炭塵爆発を発生させる. CH4-Air予混合気中を 燃焼波が伝播している. 空気領域に突入したことで 衝撃波と燃焼波が分離する. Dust layer, αp = 0.47 CH4 + 2(O2 + 3.76N2) O2 + 3.76N2 2000 mm 18000 mm 2 mm 48 mm pg = 101.3 kPa, Tg = Tp = 294 K Hot spot : pg = 1013 kPa, Tg = 1000 K 燃焼波の様子(二次元解析) 衝撃波と燃焼波は1.6 m離れている. 炭塵粒子は衝撃波通過によって巻き上げられ,燃焼波通過前に上壁に衝突している. 燃焼波は炭塵粒子が分散して形成されて炭塵-空気混合領域(αp = 10-3 – 10-4)を通過する. Shock wave 8.0 8.5 9.0 9.5 X position [m] 294 2000 Temperature [K] Porosity [-] Particle distribution 0.99 1.00 今後の予定 現状の課題 炭塵燃焼の反応モデルが単純であるため,より詳細なモデルを用いる必要がある 燃焼波構造は三次元であるため,三次元解析を行う必要がある. 計算コスト削減のため,MPI並列の効率を上げる必要がある. 三次元解析を現実的な計算コストで行うため,MPI並列モデルの検討を行う. 現象をより正確に再現できる反応モデルを採用し,より詳細な燃焼波構造の解像を目指す.