業務分析に基づくレジ業務の トラブル対処方法を学ぶ教材の開発

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業務分析に基づくレジ業務の トラブル対処方法を学ぶ教材の開発 社会情報システム学講座 4年 0312002159 山田健太郎 2019/5/8 卒業研究発表会

研究成果 業務分析 レジ業務の把握 業務分析を基に教材の開発 頻繁に発生するトラブル5つをシナリオに 教材の評価   レジ業務の把握    トラブル20項目の洗い出し 業務分析を基に教材の開発   頻繁に発生するトラブル5つをシナリオに 教材の評価   トラブル対処方法を習得できるものに 本研究の成果です。 教材を開発するにあたり、業務分析としてレジ業務の把握、トラブル20項目の洗い出しを行いました。 次に教材の開発をしました。 ここでは、業務分析に基づき頻繁に発生するトラブル5つをシナリオとしました 最後に、開発した教材の評価を行いました。 結果として、教材を学習することでトラブル対処方法を習得できるものになっていると確認できました。 2019/5/8 卒業研究発表会

研究の背景 従業員の仕事のできに差が生じ、全体の作業効率が低下 PC上でシミュレーションして学習する 時間的制約から基本事項しか教育できない トラブルが発生した時は正社員や先輩が代わりに対応 PC上でシミュレーションして学習する 現場ではできない操作ミスを体験することによる学習効果がある※ 時間的制約を考えることなく自学自習できる ※池西憲治、山本創二朗、青森直人:   『 PC版機関室シミュレータの開発と評価』  日本教育工学会論文誌 第28巻 増刊号 p201-204 (2004) 研究のするに至った背景ですが、まず私はスーパーのレジでアルバイトをしていた。 そのときに従業員の仕事のできに差があると感じ、それによって全体の作業効率が低下しているのではないかと考えた。その原因として、時間的制約などの理由から研修時に基本事項(機械操作、金銭授受の方法など)しか教育しない。またトラブルなどが発生した場合は正社員や対処方法を知っている先輩などが代わりに対応しているのが現状。このことから何か自分一人でトラブル対処を学べるものを作りたいと考えるようになった。さらに池西らがPC上に構築したシミュレータを使用し学習することで現場ではできない操作ミスを体験することによる学習効果があるとしている。また、PC上で学習するものが開発できれば、時間的制約を考えることなく自学自習できると考えた。 以上の理由から、レジシミュレータを構築し、トラブル対処方法を学ぶ教材の開発を行った 以上の理由からレジシミュレータを構築し、                      トラブル対処方法を学ぶ教材の開発を行った 2019/5/8 卒業研究発表会

業務分析 レジ業務全体を把握 チェックアウト担当者と客の間で行われる やり取りを分析 業務フロー図   チェックアウト担当者と客の間で行われる   やり取りを分析             業務フロー図 教材を開発するにあたり業務を把握するために業務分析を行った。 まずレジ業務を改めて把握するためチェックアウト担当者と客との間で行われるやり取りを分析した その結果として業務フロー図としてまとめた。 2019/5/8 卒業研究発表会

業務分析 トラブル発生時期・内容・原因・対処方法 現行業務で発生するトラブルの洗い出し 業務分析表   トラブル発生時期・内容・原因・対処方法            業務分析表 次に現行業務でどのようなトラブルが発生しているのか洗い出した。 具体的にはトラブルが発生時期・内容・原因・対処方法である。 洗い出した結果を業務分析表でまとめた。 2019/5/8 卒業研究発表会

このような方法でその他についても分析した。 こちらが業務分析表です。 この中から、例として区分A(客の出迎え)の時期c(客がカードの提示をする)時のトラブルをあげます。これは、ポイントカードを持っていると言われたが実際は忘れてもっていなかったというトラブルがある。発生原因として客がポイントカードを忘れたためである。これは、客はポイントカードはもっているので会員価格操作を行い、一週間以内であればポイントが入ることを説明し、レシートに専用のハンコを捺印する。会員価格操作をしなかった場合は、客に謝罪し、返金操作をする このような方法でその他についても分析した。 2019/5/8 卒業研究発表会

業務分析評価 目的 対象者 方法 結果 分析の妥当性を確かめる チェックアウト部門チーフ2名、パート・アルバイト3名 業務フロー図・業務分析表を確認してもてもらい、必要があれば追加・修正 結果 クレジットカード関連のトラブルがない→追加 新・旧どちらのレジスターにも共通するトラブル20項目を取り扱う 業務分析結果の妥当性の確認を目的として評価を行った。 対象者はチェックアウト部門チーフ2名、パート・アルバイト3名。 業務フロー図・業務分析表を提示し、確認してもらい必要があれば追加修正して もらうという方法でおこなった。 結果としてクレジットカード関連のトラブルを追加しました。また自己分析時期と評価を依頼した 時期までにレジスターが更新されたので、新レジスターに関しても再度分析し、新旧どちらのレジスター にも共通するトラブル20項目を取り扱うこととした 2019/5/8 卒業研究発表会

教材の開発 では開発した教材をご覧ください 開発 Macromedia Flash MX と Flash ActionScript Flash playerさえインストールされていればプラットフォームには    依存しない     では開発した教材をご覧ください 業務分析を基に教材の開発を行った。 教材開発にはFlashを使用し、FlashPlayerさえインストールされていればプラットフォームには 依存しないものとした。 では、実際に開発した教材をごらんください。 2019/5/8 卒業研究発表会

プロトタイプ1対1評価 (プロトタイプ:商品登録中にポイントカードを提示されても会員価格操作をできるようになるシナリオ) 目的 シナリオの流れやトラブル対処方法を理解するのに適切かどうかを確認する 対象者 実習期間を終了したチェックアウト担当1名 手順 結果 シナリオを進める方法がわかりづらい    改善前:店員と客のやりとりを表す吹き出しをクリック    改善後:シナリオを進行するボタンを設置 事前テスト → 教材で学習 → 事後テスト → アンケート プロトタイプで開発したシナリオの流れやトラブル対処方法を理解するのに適切かどうかを確認するために1対1評価を実施した。 対象者は実習生期間を終了したチェックアウト担当1名である。 手順としては、記述式のテストを実施し合格できない場合は教材で学習し、その後事前テストと同様 の内容の事後テストを行い、最後にアンケートを実施した。 結果としてはシナリオを進める方法がわかりづらいという指摘をうけた。 もとは店員と客のやり取りを表す吹き出しをクリックをする方法を用いていたが、 シナリオを進行するボタンを作成し、設置することで改善した 2019/5/8 卒業研究発表会

本教材評価 目的・手順・対象者はプロトタイプ評価と同様 結果 事後テストでは全ての設問に答えることが出来た      トラブル対処方法を習得できている 正しい対処ができるまで何回も学習できるのがよい 吹き出しの内容を修正 → プロトタイプの評価実施後、残り4つのシナリオを開発した。 開発終了後、プロトタイプ評価と同様の手続きで評価を実施した。 結果として記述式の事後テストではすべての設問に正しく答えることができた。 これによってトラブル対処方法を習得できたと考えられる。 またアンケートの自由記述より正しい対処ができるまで何回も学習できるのがよいという意見があった。 吹き出しで表示している用語が実業務と異なると指摘をうけたので修正した。 2019/5/8 卒業研究発表会

まとめと今後の課題 業務分析に基づきレジ業務のトラブル対処方法を学習する教材を開発 教材の使用によりトラブル対処方法を習得 学習者の理解度を確認するテスト機能 実業務で正しいトラブル対処ができるようになっているのか検証 業務分析に基づきレジ業務のトラブル対処方法を学習する教材を開発した。 評価から、教材を使用することによりトラブル対処方法を習得できたと考える。 今後の課題として、学習者の理解度を確認するテスト機能を開発することが考えられる。 また、実業務で学習したトラブルと同じ内容のトラブルが発生した場合に対処できるようになって いるのかを検証していきたいと考えています。 2019/5/8 卒業研究発表会

参考文献 池西憲治、山本創二朗、青森直人: 『 PC版機関室シミュレータの開発と評価』 鈴木克明: 「教材設計マニュアル 独学を支援するために」   北大路書房 (2002) 2019/5/8 卒業研究発表会