1月28日 内分泌・免疫 内分泌 ホルモンの種類 ホルモンの作用 環境ホルモンとの違い 免疫 エイズ 遺伝子治療
シグナル伝達の種類 傍分泌型 シナプス型 内分泌型 分泌細胞から遠距離の標的細胞に作用 内分泌腺から血流に放出
化学的性質 親水性:細胞膜を通過できない 細胞表面の受容体に結合 疎水性:細胞膜を通過できる 核内受容体に結合 直接遺伝子発現に作用 細胞表面の受容体に結合 疎水性:細胞膜を通過できる 核内受容体に結合 直接遺伝子発現に作用 [問題点] 親水性ホルモンの情報はどのようにして細胞内へ伝達されるのか
シグナル分子による情報伝達 細胞外のシグナル分子 細胞膜の受容体 セカンドメッセンジャー キナーゼ酵素によるリン酸化 活性化 生理活性
ステロイドホルモンによる応答 ステロイドホルモン受容体と結合 複合体 遺伝子を活性化 転写 一次応答遺伝子 タンパク質合成 複合体 遺伝子を活性化 転写 一次応答遺伝子 タンパク質合成 一次応答により合成されたタンパク質 二次応答遺伝子のスイッチ オン・オフ
ヒトの内分泌器官 脳・視床下部 脳下垂体前葉 甲状腺 副甲状腺 副腎皮質 副腎髄質 膵臓
生殖関係のホルモン 卵巣 発情ホルモン(エストロゲン) 黄体ホルモン 妊娠維持 性周期の抑制 精巣 雄性ホルモン(アンドロゲン) 卵巣 発情ホルモン(エストロゲン) 黄体ホルモン 妊娠維持 性周期の抑制 精巣 雄性ホルモン(アンドロゲン) 雄の性徴 二次性徴 性行動
ホルモン作用の例 性転換 性行動 ニワトリ オスの精巣除去 トサカ・肉垂退化・性行動失う → 精巣移植 →トサカ・肉垂・性行動回復
ホルモンと受容体の例 肥満との関係 レプチン 肥満細胞から放出 視床下部に受容体 (1)レプチン壊れる → 抑制できない 脂肪の蓄積 レプチン 肥満細胞から放出 視床下部に受容体 (1)レプチン壊れる → 抑制できない 脂肪の蓄積 (2)受容体壊れる → 抑制できない 脂肪の蓄積
性の分化 雄性ホルモン アンドロゲン 雌性ホルモン エストロゲン 構造はよく似ている ・未分化な生殖器官原器に性ホルモン投与 ↓ 性の分化 雄性ホルモン アンドロゲン 雌性ホルモン エストロゲン 構造はよく似ている ・未分化な生殖器官原器に性ホルモン投与 ↓ 性の分化 メダカ XXでも 雄になる
環境ホルモン 生物異常 性における異常 メス化 内分泌系の異常 内分泌攪乱作用物質 エストロゲン受容体に結合 生物異常 性における異常 メス化 内分泌系の異常 内分泌攪乱作用物質 エストロゲン受容体に結合 エストロゲンと似たような作用示す 例:ビスフェノールA→プロラクチン遺伝子 → 乳ガン増加 問題点:分解されにくい
ストレスは免疫力を低下させる ストレス → 脳 →神経(交感神経)→副腎皮質 ↓ 副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)抗ストレス作用 →免疫細胞(リンパ球)死、 マクロファージ機能低下 → 免疫機能低下
免疫とは 体の自己防衛反応 獲得免疫と自然免疫 抗原:免疫系を最初に刺激するもの 体の中に侵入して免疫の働きを引き起こす異物 「自己」「非自己」の識別、「非自己」を排除 抗原:免疫系を最初に刺激するもの 体の中に侵入して免疫の働きを引き起こす異物 免疫に関わる細胞:リンパ球(B細胞、T細胞) 相互に作用しあう細胞性および液性因子からなる,1つのネットワーク
非特異的(先天性)免疫 系統発生的には古く,出生時から存在 身体に支障を起こさせる物質との先行する接触を必要としない。 記憶を発生させない。 記憶を発生させない。 (1)侵入する微生物を摂取し消化する食細胞系 (2)いくつかの腫瘍,微生物,およびウイルスに感染した細胞を殺す機能をもつNK(ナチュラルキラー)細胞 食細胞は好中球と単球(血液中)およびマクロファージ(組織中) マクロファージは広範囲に分布し,血液または洞性空間と組織との境界部に戦略的に位置 サイトカイン:特異的抗原,非特異的抗原,または非特異的可溶性刺激(例,エンドトキシン,その他のサイトカイン)に応答して単球やリンパ球から分泌される,非免疫グロブリンのポリペプチド。炎症,または免疫応答の大きさに影響を与える。リンパ球がその特異的抗原と反応することで分泌される。サイトカインそのものは抗原特異的ではない。⇒サイトカインは先天性免疫と適応性免疫を橋渡ししている。
特異的(適応性の)免疫 細胞性因子:リンパ球 液性因子:免疫グロブリン
リンパ球 Tリンパ球、Bリンパ球の細胞膜の表面:外界から侵入してきた抗原が何であるかを認識するためのアンテナのようなタンパク分子が何万個も突き出ている。このアンテナに抗原が触れて、そのリンパ球の担当の抗原であれば、リンパ球は活性化し抗体をつくるなどの仕事を始める。 一つのリンパ球が担当できる抗原は1種類。⇒どんな抗体にも対処できるよう、リンパ球の種類は100億種以上。
細胞性免疫 キラーT細胞:ウィルスに感染した細胞 に特異的に結合 細胞を殺す ナチュラルキラー細胞:がん細胞を殺す
抗体はどのようにして作る 抗原提示細胞:情報をT細胞に送る T細胞:抗体産生すべきか判断 B細胞:抗体つくる (抗体産生細胞に変化) B細胞:抗体つくる (抗体産生細胞に変化) 抗体:侵入物(抗原)に特異的に結合 マクロファージ:抗原と抗体の結合物を 取り込み消化 マクロファージ:血液中の単球 血管から組織中に出て分化した細胞 ヘルパーTリンパ球:抗原を認識⇒ インターロイキン(タンパク質) (Bリンパ球をより活性化)放出
抗体 抗原と特異的に結合するタンパク 免疫グロブリン 5つのクラス:G,M,A,D,E IgG:血中で最も多量に存在する IgM:抗原刺激により最初に産生される免疫グロブリン。血清中のIgMは感染症の診断のため感染要因に対するIgM型特異抗体として、測定することが多い IgE:アレルギー引き起こす IgD:機能不明 IgA:局所粘膜における防衛
抗体の機能 溶菌素‥‥細菌を溶かしてしまう抗体 溶血素‥‥非自己血球を溶かしてしまう抗体 凝集素‥‥細菌などをくっつけて固まりにする(凝集させる)抗体 沈降素‥‥タンパク質を沈殿させる抗体 抗毒素‥‥毒素を無毒化する抗体
抗原抗体反応の特異性 1つの抗体で処理できる抗原は1種類 外界から体内へ侵入してくる抗原にはあらゆる種類のものがありますが、その一つ一つに対処するため無数の種類の抗体を作り出す能力が私たちの体には備わっています。 抗原と抗体の反応:抗原抗体反応 抗原抗体反応:作用しあう抗原と抗体の組み合わせが一通りに決まっている: 抗原抗体反応の特異性
胸腺 心臓の上にある一対の器官 骨髄で作られたリンパ球移動 T細胞形成 脾臓で T細胞 B細胞 貯蔵 骨髄で作られたリンパ球移動 T細胞形成 脾臓で T細胞 B細胞 貯蔵 リンパ節 リンパ管の集まった部分 侵入物の処理 風邪をひくと喉が腫れる 非自己だけ認識 胸腺内で自己抗原と結合する細胞は殺される クローン選択説
免疫に働く細胞 単球:骨髄で生れ少し成熟して血液中に出た細胞で、およそ24時間後には各組織に達してマクロファージとなる。 マクロファージ:組織に存在し、細菌などの微生物や老廃物を取り込んで消化する。 顆粒:好中球:細菌などの微生物を取り込んで消化する。 好酸球:MPBというタンパク質で寄生虫の体に傷をつける。 好塩基球:生体防御に働くさまざまな物質が血管の外へ出て働けるように、血管の透過性を高める物質を分泌 ナチュラルキラー細胞 (略してNK細胞):ガン細胞やウイルスに感染した細胞に傷を与えて破壊する。
抗体の構造 抗原結合部位 L鎖・H鎖末端 可変領域 variable region VL,VH:アミノ酸組成変化:抗原との結合の多様性 抗原結合部位 L鎖・H鎖末端 可変領域 variable region VL,VH:アミノ酸組成変化:抗原との結合の多様性 定常領域 constant region
抗体の多様性 1010以上の種類のタンパク質、多糖類など識別 抗体遺伝子:遺伝子組み換え生じる H鎖の可変領域遺伝子:V,D,Jに分かれる V領域:1000種 D領域:12種 J領域:4種 それぞれから1つ選択・再結合→可変領域遺伝子 L鎖の可変領域:V300種、J4種、 両者で5760万種類
エイズ ウイルス HIV human immunodeiciency virus ヒト免疫不全ウイルス Acquired Immune Deficiency Syndrome 後天性免疫不全症候群 ウイルス HIV human immunodeiciency virus ヒト免疫不全ウイルス 潜伏、8〜10年後発症、20年後の死亡率90%以上 ヘルパーT細胞 表面CD4タンパクに結合、侵入、RNA遺伝子→逆転写→リンパ球のDNAに入り込む→自己複製 (ウイルスの定義については生物学Ⅰを復習) T細胞破壊→免疫機構破壊→ガン細胞増殖抑えられない、日和見感染 [試験対策]エイズウィルスが他のウイルスと異なる点は?
遺伝子治療 遺伝子強化療法 正常な遺伝子を導入 特定の細胞を標的・破壊: 毒性の遺伝子導入、細胞破壊 薬剤に反応する遺伝子導入 遺伝子強化療法 正常な遺伝子を導入 特定の細胞を標的・破壊: 毒性の遺伝子導入、細胞破壊 薬剤に反応する遺伝子導入 薬剤を投与して細胞破壊 標的細胞に対して免疫応答引き起こす: 反応増強 抗原遺伝子導入 免疫応答により細胞破壊 標的遺伝子の発現阻害: アンチセンス遺伝子導入 病因遺伝子発現阻害 標的遺伝子変異修正:変異遺伝子と正常遺伝子 相同的組み換え → 正常型