KOPIO実験のための中性子不感型光子検出器の開発(2)

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KOPIO実験のための中性子不感型光子検出器の開発(2) 京大理, 京教大, 高エ研 森井 秀樹, 笹尾 登, 野村 正, 溝内健太郎, 隅田 土詞, 高嶋 隆一, 村山 芳幸, 小林 誠, 谷口 敬 Contents ─Gas Scintillation─ Motivation Nitrogen Scintillationの光量測定 Gas Scintillationの影響 2019/5/4 Japan Physics Society 2003 Spring

Japan Physics Society 2003 Spring Beam Catcher 要求される性能 光子に対する高検出率 0.3GeVのγに対して99%以上 ビーム内の中性子に対して不感 1.8GeV/cのnに対して0.3%以下 デザイン エアロジェルチェレンコフ型カウンタ 2mm厚の鉛プレート+5cm厚のエアロジェル ビーム方向にCoincidenceをとる →中性子からのBackgroundを落とす プロトタイプでテスト KEK PS T1 beam lineを使用 ─中性子に対する不感性は陽子でチェック 2019/5/4 Japan Physics Society 2003 Spring

Japan Physics Society 2003 Spring Beam Testでの予期しない発光 Single Module : 2pe cut 低光量のバックグラウンド 陽子に対する応答は2pe cutでほぼOK    But… 1peレベルには大きなバックグラウンド 等方的 On timing 光が原因        →ガスシンチレーション?  ガスシンチレーションだとすると このバックグラウンドを説明できるのか? 実際のBeam Catcherでは問題にならないのか?   →空気によるシンチレーションの光量を測定 Good Agreement! 1pe cut Unexpected background!! 2019/5/4 Japan Physics Society 2003 Spring

Nitrogen Scintillation 測定 α線の発光をPMTで測定 α線源は Am (5.4MeV) 測定量 2本のPMTで光量を測定 PIN diodeでα粒子の運動エネルギーを測定 →α粒子のエネルギーロスを知るため α線源とPIN diodeとの距離は可変 241 2019/5/4 Japan Physics Society 2003 Spring

Nitrogen Scintillation─Results 距離毎の光電子数の結果 Geometry 計算機によるray traceで較正 PMT Quantum Efficiency 窒素Scintillationのmain partが390nmなので   特徴的な値として20%と仮定 Energy Loss PIN diodeのスペクトルから求める 1MeVあたりの発光量 純窒素中で149±5 photons/MeV 乾燥空気中で28±4 photons/MeV 参考 純窒素中で約170photon/MeV 空気中ではクエンチングの効果により   約1/5の光量になる(後述) (Birks,”The theory and practice of scintillation counting”) 2019/5/4 Japan Physics Society 2003 Spring

Nitrogen Scintillation─Quenching クエンチング 空気中では酸素がクエンチャー  として機能する クエンチングの式: 測定 純窒素と乾燥空気を流量計で混合 結果 K=24±2 :クエンチング後の光量 :純窒素での光量 :クエンチング定数 :酸素濃度 参考(Birks) K~20 2019/5/4 Japan Physics Society 2003 Spring

Japan Physics Society 2003 Spring Beam Testでのバックグラウンド Efficiency to Proton Single Module : 1pe cut Single Module : 2pe cut Beam Testでの未知の光は何か? →ガスシンチレーションを含めたMonte Carlo Simulationを行った Beam Testの結果 Single Module 1peレベルのバックグラウンド →ほぼ説明できた Coincidence 2peでの全体的な50%のずれには シンチレーションは影響しない ほぼ一致! 2layer Coincidence : 1pe cut 2layer Coincidence : 2pe cut 2019/5/4 Japan Physics Society 2003 Spring

Japan Physics Society 2003 Spring 実機の中性子不感性能に対する影響 2layer Coincidence : 1pe cut 2layer Coincidence : 2pe cut Single Module : 1pe cut Single Module : 2pe cut Efficiency to Neutron 実際のCatcherに対する影響 中性子に対して Single Rateが高いとPMTがハンドル不能になる Coincidence Rateが高いとover vetoしてしまう →シンチレーションの影響は? Single Rate 1.0GeV/c付近,1pe レベルでシンチレーションがない場合に比べて検出効率が約3倍 シンチレーション無しで想定されていたレート280kHz→600~700kHzに  →レートを落とす努力が必要:   (ハンドル可能な)クエンチャー探し?  →high rateに耐えうるPMTベースの開発 Coincidence Rate 2pe レベル以上のthresholdでは問題なし 約3倍 シンチレーションの影響は ほとんどなし 2019/5/4 Japan Physics Society 2003 Spring

Japan Physics Society 2003 Spring Summary Beam Catcherの持つ問題点 Cherenkov光でない光が発生 窒素シンチレーション 空気中で約30photon/MeV 窒素中で約150photon/MeV Beam Testでのバックグラウンド 1pe levelのバックグラウンド →ガスシンチレ-ションでほぼ説明 実機への影響 中性子のシングルレート(1pe レベル)が280kHz →シンチレーションを考えると600~700kHz コインシデンスレート→問題なし 今後 High Rateに耐えうるPMT baseの開発 クエンチャーの探索? 2019/5/4 Japan Physics Society 2003 Spring

Beam Test でのバックグラウンド(2) ─ エアロジェル無しの場合 Single Module : 1pe cut エアロジェル無しでの結果 1peレベルはほぼ説明できる Single Module : 2pe cut 2019/5/4 Japan Physics Society 2003 Spring

Beam Test でのADC Spectrum 2019/5/4 Japan Physics Society 2003 Spring

Japan Physics Society 2003 Spring α線のEnergy Loss α線の速度が落ちるにつれて   エネルギーロスが大きくなる Kinetic Energy(MeV) Distance(mm) 2019/5/4 Japan Physics Society 2003 Spring

Scintillation 測定のADC Spectrum 空気:20mm 純窒素:20mm 2019/5/4 Japan Physics Society 2003 Spring