エレクトロニクスII 第12回増幅回路(1) 2004.01.09 佐藤勝昭.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
半導体デバイス工学 講義資料 第4章 バイポーラデバイス (p.68~p.79).
Advertisements

放射線計測エレクトロニクスの信号処理の為の アナログ電子回路の基礎 第四回
計算機システムⅡ 主記憶装置とALU,レジスタの制御
テープ(メモリ)と状態で何をするか決める
放射線計測エレクトロニクスの信号処理の為の アナログ電子回路の基礎 第五回
エレクトロニクスII 第8回バイアス回路 実用エレクトロニクス:ディスプレイ(2)LCD 8
情 報 技 術 基 礎 処理装置の構成と動作 D17kog706pr101 始.
エレクトロニクスII 第13回増幅回路(2) 佐藤勝昭.
エレクトロニクスII 第14回フィードバック 佐藤勝昭.
プログラムはなぜ動くのか.
第10回 Dフリップフロップ ディジタル回路で特に重要な D-FF 仕組みを理解する タイミング図を読み書きできるようにする 瀬戸
デジタル回路(続き) コンピュータ(ハードウェアを中心に)
第 4 章 : 一般回路の定理 4.3 ノートンの定理 ノートンの定理 キーワード : ノートンの定理を理解する. 学習目標 :
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
専門演習Ⅰ 国際経済学部 国際産業情報学科 2年 石川 愛
確認テスト 問題 .
計算機入門I ハードウェア(1) 計算機のハードウェア構成 ~計算機のハードウェアとは何か~
電子回路Ⅰ 第2回(2008/10/6) 今日の内容 電気回路の復習 オームの法則 キルヒホッフの法則 テブナンの定理 線形素子と非線形素子
F行列 電気回路の縦続接続を扱うのに便利、電気回路以外でも広く利用されている A B C D V1 V2 I2 I1
電子回路Ⅰ 第12回(2009/1/26) 整流回路、電圧安定化回路.
電子回路Ⅰ 第11回(2009/1/19) 電力増幅.
   電気回路について学習する。        (センサを使用した電気回路) 〇 めあて トランジスタを使った、電気回路を つくろう。
電子回路Ⅰ 第3回(2008/10/20) バイポーラトランジスタの動作原理.
第8回  論理ゲートの中身と性質 論理ゲートについて,以下を理解する 内部構成 遅延時間,消費エネルギー 電圧・電流特性 瀬戸.
ICトレーナーの構成 7セグメントLED ブレッドボード XOR OR AND NAND 電源端子 スイッチ端子 LED端子 データLED
第6回 よく使われる組合せ回路 瀬戸 重要な組合せ回路を理解し、設計できるようにする 7セグディスプレイ用デコーダ 加算回路・減算回路
メカトロニクス 12/1 アナログ電子回路 メカトロニクス 12/1.
電界効果トランジスタの動作原理 トランジスタを用いた回路のバイアス
メカトロニクス 12/8 OPアンプ回路 メカトロニクス 12/8.
電界効果トランジスタの動特性 FET(Field Effective Transistor)とは 電圧制御型の能動素子
電界効果トランジスタの動作原理 トランジスタを用いた回路のバイアス
半導体.
エレクトロニクスII 第7回トランジスタの動作点 付:実用エレクトロニクス(3)CRT
エレクトロニクスII 第9回FET 実用エレクトロニクス: ディスプレイ(3)PDP
1.コンピュータと情報処理 p.18 第1章第1節 2.コンピュータの動作のしくみ CPUと論理回路
+電源端子 30mV 出力 30mV 出力 +入力端子 出力端子 -入力端子 入力 入力 -電源端子 -3mV 3mV -3mV 3mV
電子回路Ⅰ 第13回(2009/01/28) 演算増幅器.
電子回路Ⅰ 第7回(2008/12/1) 小信号動作量 トランジスタ回路の接地形式.
今後の講義スケジュール 日程 内容 11/17 二端子対網、 Y行列、 Z行列 11/24 縦続行列 12/1 諸行列間の関係、 Y-D変換
エレクトロニクスII第6回 佐藤勝昭.
電子回路Ⅰ 第10回(2009/1/5) 発振回路.
ICトレーナーの構成 7セグメントLED ブレッドボード XOR OR AND NAND 電源端子 スイッチ端子 LED端子 データLED
コンピュータ概論B ー ソフトウェアを中心に ー #02 システムソフトウェアと アプリケーションソフトウェア
ディジタル回路 5. ロジックの構成 五島 正裕.
電気回路の分類 一部修正しました 非線形回路 (重ね合わせの理が成り立たない) 線形回路 (重ね合わせの理が成り立つ)

等価電源の定理とは 複数の電源を含む回路網のある一つの端子対からその回路を見た場合、その回路は、単一の電源(電圧源或いは電流源)と単一のインピーダンスまたはアドミタンスからなるシンプルな電源回路と等価と見なせる。 ただし、上記の定理が成り立つためには、回路網に含まれる全ての電源が同一周波数(位相は異なっていても良い)の電源であることと、回路が線形である(重ね合わせの理が成り立つ)ことが前提となる。
等価電源の定理とは 複数の電源を含む回路網のある一つの端子対からその回路を見た場合、その回路は、単一の電源(電圧源或いは電流源)と単一のインピーダンスまたはアドミタンスからなるシンプルな電源回路と等価と見なせる。 ただし、上記の定理が成り立つためには、回路網に含まれる全ての電源が同一周波数(位相は異なっていても良い)の電源であることと、回路が線形である(重ね合わせの理が成り立つ)ことが前提となる。
FETの等価回路 トランジスタのバイアス回路(復習)
電子回路Ⅰ 第10回(2008/1/7) 電力増幅.
電子回路Ⅰ 第8回(2007/12/03) 差動増幅器 負帰還増幅器.
第11回 よく使われる順序回路 複数のFFを接続した回路を解析する際の考え方を学ぶ カウンタ回路の仕組みを理解し,設計できるようにする 瀬戸.
RC結合増幅回路 トランジスタの高周波特性 ダーリントン接続、カレントミラー回路
電子回路Ⅰ 第9回(2008/12/15) 差動増幅器 負帰還増幅器.
エレクトロニクスII 第11回トランジスタの等価回路
電気回路学I演習 2012/11/16 (金) I1 I2 問1 Z0 V1 V2 問2 I1 I2 V1 Z0 V2 Z,Y,K行列の計算
電子回路Ⅰ 第5回(2008/11/10) 理想電源 トランジスタの等価回路.
明星大学 情報学科 2012年度前期     情報技術Ⅰ   第1回
インピーダンスp型回路⇔T型回路間での変換
コンピュータアーキテクチャ 第 9 回.
計算機アーキテクチャ1 (計算機構成論(再)) 第一回 計算機の歴史、基本構成、動作原理
電子回路Ⅰ 第12回(2008/01/24) 演算増幅器.
メカトロニクス 12/15 デジタル回路 メカトロニクス 12/15.
電気回路学 Electric Circuits 情報コース4セメ開講 F行列 山田 博仁.
第4回 CPUの役割と仕組み2 命令の解析と実行、クロック、レジスタ
RC結合増幅回路 トランジスタの高周波特性 ダーリントン接続、カレントミラー回路
線路上での電圧、電流 Ix I0 添え字は、線路上での位置を表わす ZL γ, Z0 Vx V0 x x = 0
二端子対網の伝送的性質 終端インピーダンス I1 I2 -I2 z11 z12 z21 z22 E ZL: 負荷インピーダンス V1 V2
F行列 電気回路の縦続接続を扱うのに常に便利、電気回路以外でも広く利用 A B C D V1 V2 I2 I1
明星大学 情報学科 2014年度前期     情報技術Ⅰ   第1回
Presentation transcript:

エレクトロニクスII 第12回増幅回路(1) 2004.01.09 佐藤勝昭

微弱な信号を大きな信号に変えるために使う回路 交流信号のみを増幅するために、入出力部にコンデンサと抵抗による交流結合が用いられる。 復習コーナー 増幅回路(教科書p45) 微弱な信号を大きな信号に変えるために使う回路 交流信号のみを増幅するために、入出力部にコンデンサと抵抗による交流結合が用いられる。 バイアス回路で動作点を決める。原理的には、これまで学んだように特性曲線と負荷線の交点で決めるが、実際には線形の領域を用いるので、等価回路の考えで、設計する。

電圧利得:入力電圧Vi, 出力電圧Voとすると、電圧利得Gvは、Gv=20log10Vo/Viで表される。 復習コーナー 利得のデシベル表示 電圧利得:入力電圧Vi, 出力電圧Voとすると、電圧利得Gvは、Gv=20log10Vo/Viで表される。 電流利得:入力電流Vi, 出力電流Voとすると、電流利得Giは、Gi=20log10Io/Iiで表される。 電力利得:入力電力Pi, 出力電力Poとすると、電力利得Gpは、Gp=10log10Po/Piで表される。

i: input, r: reverse, f: forward, o: output 復習コーナー hパラメータ 非線形な特性の線形部分を係数として表す。 hi : 出力端短絡入力インピーダンス hr : 入力端開放電圧帰還率 (定電圧源)  通常は無視 hf : 出力端短絡電流伝送(増幅)率 (定電流源)  ho : 入力端開放出力アドミタンス:抵抗値=1/ ho通常は無視 ブラックボックス v1 v2 i1 i2 1: 入力、2: 出力 i: input, r: reverse, f: forward, o: output e: エミッタ接地、b: ベース接地

エミッタ接地での4つの特性とhパラメータ 復習コーナー hパラメータの定義 IC VBE IB VCE hoe=IC/VCE hfe=IC/IEE hre=VBE/VCE hie=VBE/IB IB=const VCE=const (2) (1) (3) (4)

hパラメータの例(エミッタ接地) バイアス hfe hie() hre(10-4) hoe(S) VCE(V) IE(mA) 6 -1 55 1.68k 3.1 16.3 40 1.26k 3 15.8 60 1k 0.8 15 600 16k 1.2 12 10 -2 250 5k 20 0.4

等価回路の考え方 非線形な特性の線形部分を利用して、電源と抵抗による回路に置き換えて考える。コレクタ電流:電流源IC=hfeIBとして扱う。 入力特性:VBE-IB特性の直線部分の傾斜をベース抵抗hieとして扱う。 出力の内部抵抗:VCE-IC特性の飽和後の微傾斜の勾配を出力アドミタンスhoeとして扱う。 傾斜=hfe 傾斜=1/hie IB IC 傾斜=hoe

エミッタ接地回路の等価回路 hie : ベース入力抵抗 hre : 電圧帰還率: 定電圧源 vbe=hrevce 通常は無視 hfe : 電流増幅率: 定電流源 ic=hfeib hoe : 出力アドミタンス: 抵抗値=1/ hoe 通常は無視

簡略化した等価回路(p.52) 実際には、hreは無視できるし、多くの場合hoeも考慮しなくてよいので、下図のような簡易等価回路が用いられる。

交流等価回路を描く コンデンサ、電源は交流的には短絡していると考えて、等価回路を作る。 交流等価回路

hパラメータを使って書く 交流等価回路におけるトランジスタ部分を簡易等価回路に置き換える

電圧増幅率 vi=ib/(1/R1+1/hie) vo=ic/(1/R2+1/RL)=hfe ib/(1/R2+1/RL) 電圧増幅率 Av=vo/vi= hfe(1/R1+1/hie) /(1/R2+1/RL) =290 (1/390+1/60)/(1/1+1/47)2901/60=4.83 電圧利得Gv=20log104.83=13.7dB

実用エレクトロニクスコーナー コンピュータ 現在のコンピュータは、ノイマン型コンピュータとよばれ、メモリに蓄積(ストア)されたプログラムに従って、命令(インストラクション)を実行していく。 コンピュータの心臓はCPU(中央演算ユニット)である。CPUはクロックと呼ばれるタイミング信号に基づいて、バスを通してメモリ等から情報を読み込み、それが命令であるかデータであるかを判断し、命令に従って演算し、バスを通して演算結果をメモリ等に出力する。

実用エレクトロニクスコーナー コンピュータの構成図 バスライン CPU クロックゼネレータ ROM RAM HDD 光ディスク グラフィック ディスプレイ I/O アドレスバス

実用エレクトロニクスコーナー バスラインの考え方 CPUと各デバイスを直接専用の線で結ぶのではなく、線は全てのデバイス共通とし、あるデバイスが指定されたときのみCPUとデバイス間で有効な0,1の電位となる。指定されないデバイスにとっては、接続されていない状態になっている。 RAM 1/O CPU

実用エレクトロニクスコーナー トライステート データをやりとりしているときのバスは0または1となっているが、やりとりをしないときのバスは、0, 1どちらでもない状態になっている。このようにバスには0,1,不定の3状態があり、これをトライステートという。データをバスに送り込むためのゲートをトライステートバッファーという。 プルアップ抵抗 バス スイッチのデータをバスに入力 するためのインターフェース アドレスデコーダへ

実用エレクトロニクスコーナー ラッチ バスラインに送られたデータは、アドレスされたときのみ有効であるから、デバイスはデータを取り込んで保存しなければならない。これをラッチ(掛け金をかける)という。ラッチとしては、フリップフロップ(双安定マルチバイブレータ)が用いられる。 バス Q D-ラッチ _ Q CLK アドレスデコーダへ

実用エレクトロニクスコーナー コンピュータ回路の実例 クロック ゼネレータ 木村光範「ホビーエレクトロニクス」のHPより(http://www.kimuchi.org/hobbyele/index.html)

演習問題 R1, R2の役割は何か C1,C2の役割は何か CEの役割は何か REの役割は何か 左の回路の交流等価回路を描け。 つぎに、トランジスタを簡易等価回路に置き換えたものを描け。