ナラティブ・アプローチの看護への有効性の検討 精神保健看護学専攻 板山 稔
背景 臨床及び看護管理学講義からの疑問 ・あたりまえと考え実践を心がけたナラティブ・アプローチが、多くの実践であたりまえでないのはなぜか ・エビデンスを追求することだけで、患者のケアの質が向上するのか ・エビデンスにあてはまらない患者はどうしたらいいのか
・ナラティブ・アプローチに関する動向を概観する ・ナラティブ・アプローチの看護への有効性について検討する 目的 ・ナラティブ・アプローチに関する動向を概観する ・ナラティブ・アプローチの看護への有効性について検討する ・ナラティブ・アプローチに関するアクションプランについて検討する
方法 1.文献検索 医中誌、Pub-Medにより過去5年間のナラティブ・アプローチに関する文献を検索し、比較検討する 2.看護における有効性の検討と考察 看護に関する文献を比較し、アドバンスドの看護職としての役割である、臨床・研究・マネジメント・教育・患者の擁護者の5項目についてのアクションプランを検討することで、ナラティブ・アプローチの有効性について考察する。
結果 医中誌(過去5年間の検索結果、キーワード:ナラティブ) 検索数 原著 原著内容 1999年 1 2000年 6 2001年 27 5 終末期看護 2000年 6 2001年 27 5 精神(医師2)、急性期看護 終末期看護、慢性期看護 2002年 32 精神(看護3、医師1)、老年期看護 2003年 7 総数 73 11
考察 1.臨床 患者や家族の語りだす言葉からこれまで生きてきた世界、今生きている世界を理解する 2.研究 患者や家族の語りだす言葉からこれまで生きてきた世界、今生きている世界を理解する 2.研究 「物語」「語り」をデータとした質的研究を充実させる 3.マネジメント エビデンスとナラティブに準拠した高度な看護をもとに、他職種との相談・連携を図っていく
考察 4.教育 看護教育と卒後の継続教育の中でナラティブ・アプローチに関する学習を充実させる 5.患者の擁護者 看護教育と卒後の継続教育の中でナラティブ・アプローチに関する学習を充実させる 5.患者の擁護者 自己の置かれている権力作用の関係に敏感になり、「無知のアプローチで」患者を理解し、患者の擁護者の立場を貫く