地球近傍における宇宙線陽子・反陽子空間分布シミュレーション

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地球近傍における宇宙線陽子・反陽子空間分布シミュレーション JPS2003宮崎 11aSA13 地球近傍における宇宙線陽子・反陽子空間分布シミュレーション 普喜 満生,桑原綾子,澤田のぞみ 高知大学教育学部 Faculty of Education, Kochi University

目次 1. はじめに(動機・目的) 2. 計算方法 (モデル) 3. 結果 4. まとめ (天然)反陽子はどこにどれだけ? 運動方程式 地球磁場 入射条件 3. 結果 放射線帯の形成 空間分布 4. まとめ

1. はじめに(動機・目的) 1-1 反陽子と磁気圏 気球実験 (反陽子 と 陽子) 衛星・宇宙ステーション (陽子, 電子) BESS, CAPRICE, etc. AMS, HEAT, PAMERA… 地球の周りにはどこにどれだけ 反陽子 が存在しているのか ? ⇒コンピュータシミュレーション

2. 計算方法 (モデル) 2-1 運動方程式 Lorentz 力; V : 速度,m: 質量 , c :光速,  B:磁場 (静的),q:電荷,  E = 0;電場なし

2-2 磁場 (静的) 例 : 双極子磁場 ….. Störmer理論 回転(ら線) 反復 ドリフト

IGRF (国際標準地磁気) 球面調和関数展開, 12次 SAA 領域 (低高度、弱い) (South American Anomaly) 磁気圏内に適用 磁気圏外帯成分 (Beard-Mead)の付加

2-3 入射モデル 初期条件 I) p (磁気圏外からの自由入射陽子) II) p + A → p + X (空気との衝突反応) 宇宙線一次陽子 CRPP II) p + A → p + X (空気との衝突反応) 発生@20 km, アルベド陽子 CRAP III)p + A → n + X n → p + e- + ν (アルベド中性子からの崩壊) τ = 900 秒, 発生<10RE,崩壊陽子 CRAND 反陽子も同様, (対創生) III) p + A → p + n + n- + X (対生成) n- → p- + e+ + ν (反中性子からの崩壊)

3つのモデル

2.4 エネルギースペクトル Fisk BESS Mode energy ~ 0.3 – 0.7 GeV

continue 運動エネルギースペクトル (モデル-I&モデル-II) モデル-III (崩壊陽子/反陽子) Em: 最頻エネルギー, a, b: スペクトルべき指数 Em = 0.3 GeV for 陽子 (太陽活動静穏期), Em = 2.0 GeV for 反陽子. 指数 a = -1, b = 1.5. モデル-III (崩壊陽子/反陽子)

計算方法 3-次元運動方程式を時間について解く Runge-Kutta-Gill 法 範囲: RE(=6,350km) ~ 10・RE 1粒子当り最大600秒間追跡 エネルギー範囲: 10 MeV ~ 10 GeV 出発位置および方向:ランダム(一様) 中性子崩壊:ランダム(τ=900 秒),< 10・RE

3. 結果 捕捉確率 3つの解 3モデルからの3解の確率(右表) Escape …. 磁気圏から の脱出 Arrive …. 地球に到着           の脱出 Arrive …. 地球に到着 Trap …. 捕捉 磁気圏内でのカオス的運動   (⇒ バンアレン放射線帯) 3モデルからの3解の確率(右表) 典型例 @ 1 GeV (エネルギー依存性あり) モデル I II III Escape 99 % 18 % 81 % Arrive <1 % 82 % Trap 1.5%

捕捉確率

空間分布 (1) モデル-II モデル-I モデル-III 陽子 100,000 例

continued 陽子 ~ 0.1 GeV, 1000 例

空間分布 (2) ・) 両極地方表面分布 @400km 陽子/モデル-I 100,000 粒子 反陽子/モデル-I 分散傾向

continued ・) 世界表面分布 ISS@400km 陽子/モデル-III 反陽子/モデル-III SAA領域に集中 10,000 粒子 反陽子/モデル-III SAA領域に集中

空間分布 (3) 高度分布 (Φ=-50,130deg) 陽子 ●反陽子 低高度→SAA

4. 結論 ☆これらは定性的な結論!! 宇宙線(反)陽子は両極に到着しやすい (リジディティ・カットオフ:宇宙線硬度限界) 崩壊陽子は Van-Allen放射線帯形成に有利 (CRAND; 宇宙線アルベド中性子崩壊) 低エネルギー(<0.1GeV)崩壊陽子ほど捕捉されやすい 高いエネルギー(~1GeV)反陽子は放射線内帯に捕捉 陽子と反陽子はSAA領域に集中しやすい 陽子の尾が東に、反陽子の尾が西に形成(逆周り) 反陽子の方が高度 2000km程度の低高度に強く集中 ☆これらは定性的な結論!!

まとめ もっと統計量を! 統一的モデルによる定量的考察 他の結果との比較 フラックス, p-/p比, エネルギースペクトル,方向分布. 生成効率・捕捉時間. 太陽活動の影響等の変動. 他の結果との比較 理論・シミュレーション (来るべき)実験結果