平成28年度 著作権法改正の動向について 2017年4月20日
1.制度(著作権等)研究会活動計画の計画案 (1)活動趣旨 著作権等電子出版に関連する知的財産権の動向や、制度的な動きについての情報を収集し、会員に対して情報の共有を図るとともに、会員同士の情報・意見の交換を行う。 (2)研究会開催について ・主に文化庁 文化審議会著作権分科会の動向 (著作権改正に係る動向)の情報提供(共有) ・電子出版に関係する知的財産権の動向 ・2017年は年2~3回程度開催(予定) ・著作権の基礎についての勉強会(1,2回)と、上記の著作権法改正の動向
著作権法改正に関連する2016年後半から2017年の動き
デジタルネットワーク化における著作権をめぐる課題 1.デジタルネットワーク化、大量記憶情報処理(いわゆる、AI、ビックデータ関連)で生まれるだろう「新たな産業」の阻害要因にならないにならないために、著作権処理が柔軟にできるように対処する。 2.教育の情報化に対する「著作権処理」対応 3.ナショナル・デジタル・アーカイブの構築 (コンテンツの収集・登録・利用) 4.法改正による手段 (1)法律改正→権利制限規定の導入 (2)集中管理団体による利用許諾 (3)個別権利許諾 文化庁裁定制度の利用緩和(補償金請求権供託の緩和)
知財推進計画2016(内閣府 平成28年7月8日資料)
知財推進計画2016(内閣府 平成28年7月8日資料)
知財推進計画2016(内閣府 平成28年7月8日資料)
知財推進計画2016(内閣府 平成28年7月8日資料)
2.著作権改正に向けた動き (1)文化審議会著作権分科会(16期)の中間報告からみる、著作権法改正の趣旨 ①新たな時代のニーズに対応した権利制限 ・これまでの課題の継続(フェアユース) ・新たなニーズとはいわゆるGoogle問題に対する対抗(松田氏資料) ・「インターネット検索」や「AI」・「ビックデータ(の分析)」ついての事業推進 ※書籍の全文検索可能に(朝日2017年2月11日ニュース) ②教育の情報化対応 ・「教育機関(利用者)における著作物利用の円滑化」 ・ICT活用教育の環境整備 ・ライセンシング環境の整備 ・著作権裁定制度と補償金請求権制度の整備 「教育利用に関する著作権管理協議会」の設立(2016年12月2日) (拡大集中許諾制度) ・デジタル教科書の供給 ③著作物のアーカイブの利活用促進 ・「ナショナルアーカイブ」の実現
著作権改正で可能となるポイント1 改正法が成立すると 民間事業者が この部分をビジネスとして取り組めるようになる。
著作権改正でできるところ ポイント2 改正法が成立すると 民間事業者が この部分をビジネスとして取り組めるようになる。
拡大集中許諾制度と集中管理団体
想定される書籍拡大許諾制度(いわゆる長尾構想の実現に向けた動き)
教育利用に関する著作権等管理協議会 <参加団体> 公益社団法人日本文藝家協会 協同組合日本脚本家連盟(予定) 協同組合日本シナリオ作家協会 一般社団法人日本写真著作権協会 公益社団法人日本写真家協会 公益社団法人日本広告写真家協会 一般社団法人日本写真文化協会 公益社団法人日本写真協会 一般社団法人日本写真作家協会 一般社団法人日本スポーツプレス協会 日本肖像写真家協会 全日本写真連盟 日本自然科学写真協会 日本風景写真協会 一般社団法人日本美術著作権連合 一般社団法人日本美術家連盟 公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会 一般社団法人日本児童出版美術家連盟 日本図書設計家協会 一般社団法人日本理科美術協会 日本出版美術家連盟 一般社団法人東京イラストレーターズソサエティ 公益社団法人日本漫画家協会 一般社団法人マンガジャパン 一般社団法人日本書籍出版協会 一般社団法人日本雑誌協会 一般社団法人学術著作権協会 一般社団法人日本新聞協会 公益社団法人日本専門新聞協会 一般社団法人自然科学書協会 一般社団法人日本医書出版協会 一般社団法人出版梓会 一般社団法人日本楽譜出版協会 一般社団法人日本電子書籍出版社協会 一般社団法人日本音楽著作権協会 一般社団法人日本レコード協会 公益社団法人日本芸能実演家団体協議会
3.著作権法改正の事業者への考えられる影響 (1)権利者不明作品・権利処理が困難な出版物等の権利処理がしやすくなる ・原則著作権者がわかる場合には、契約する。 ・権利者不明作品の復刊等について、改正裁定制度を利用すれば、文化庁長官の裁定を受けることにより、補償金の供託金がなくても復刊や電子版発行が可能となる。 (2)集中権利処理機関からの書籍や資料のデータを入手して、分析サービスや別のコンテンツとしてのサービスが可能となる。 (3)教育コンテンツを提供する場合に、集中権利処理機関から、コンテンツ利用料を得やすくなる。