LCGTの制御法について 宗宮 健太郎 @本郷 2005年1月14日 K.Somiya.

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LCGTの制御法について 宗宮 健太郎 @本郷 2005年1月14日 K.Somiya

目次 4つのRSE制御法の経緯 4つの制御法の分類 4つの制御法の長短 キャビティ長の絞り込み ・ 高周波法 (9-180MHz) → LCGTデフォルト案 (15-50MHz) ・ 低周波法 (15-35MHz) ・ 対角化法 (150-25MHz) ・ 合併法 (190-10MHz) 4つの制御法の分類 4つの制御法の長短 ・ アシンメトリ ・ 対角化 キャビティ長の絞り込み

2周波変調 PRFPMI(4自由度) PR-BRSE(5自由度) キャリア:腕とPRCを共振 f1 :PRCを共振 片方AM キャリア:腕とPRCを共振 f1 :PRCを共振 キャリア:腕とPRCを共振 f1 :PRCを共振 f2 :PR-SRCを共振 f1はダークに少しだけもれる f2がSRMの誤差信号を運ぶ (f1にとってアシンメトリが小さい)

変調周波数とアシンメトリ cosa isina マイケルソンの透過率 マイケルソンの反射率 PRFPMIではf1にとってのαは0.1~0.3程度 → PR-RSEでαはf1,f2にとってどれくらいが適当か?

アシンメトリとls信号 72% 68% ls lsの最大化条件

cosa SB周波数の選び方 a p/2 解が2種類ある!! f1 f2 (低周波法のプローブ) f2 (高周波法のプローブ) (SRC共振) f2 (高周波法のプローブ) a p/2 (SRC反共振) 低周波法 私のD論実験 高周波法 AdLIGOの制御法

cosa 高周波法(LIGO法) a 9MHz with Δl=40cm f1 f2 180MHz withΔl=40cm (~0) これだとL-を取得するSB(f2)の周波数が高すぎる (AdLIGOではDC readoutを用いるので構わない)

15-50MHz 法(LCGTデフォルトデザイン) 9-180MHz法はf2が高周波すぎる →L-の量子効率が下がる 直接の倍数でなく、公約数(5MHz)の3倍(15MHz) と10倍(50MHz)にしてf2の周波数を下げた

15-50MHz 法(LCGTデフォルトデザイン) cosa 9MHz with Δl=40cm f1 15MHz with Δl=1.5m アシンメトリが大きくなる 180MHz withΔl=40cm 50MHz withΔl=1.5m f2 a DPにほぼもれない (BP→DP:0.7%) DPにかなりもれる (BP→DP:40%) ls信号が相殺して減ってしまう

FINESSEで計算した誤差信号の量(A.U.) 取得ポート BP(PO) DP BP PO 9-180MHz (7140) 261 0.064 0.018 0.273 15-50MHz 2370 152 0.044 0.166 L+ L- l+ l- ls 15-50MHz法はlsの信号取得効率が低い 信号効率を保ったままf2の周波数を下げる方法がある = 低周波法

cosa 15-35MHz 法 a 15MHz with Δl=24cm f1 35MHz withΔl=24cm f2 (低周波法) cosa 15MHz with Δl=24cm f1 35MHz withΔl=24cm f2 (SRC共振) 180MHz withΔl=40cm a (SRC反共振) lsを最大化する2つの解のうち低い方を用いる f2の周波数も低く、アシンメトリも小さい

FINESSEで計算した誤差信号の量(A.U.) 取得ポート BP(PO) DP BP PO 9-180MHz (7140) 261 0.064 0.018 0.273 15-50MHz 2370 152 0.044 0.166 15-35MHz (8760) 265 0.050 0.281 L+ L- l+ l- ls 15-35MHz法はlsの信号取得効率が同じまま 9-180MHz法よりL-取得用の周波数が低い

15-35MHz法の信号取得マトリクス L+ L- l+ l- ls PO_35MHz DP_35MHz BP_DDM DP_DDM -0.000 -0.001 0.001 DP_35MHz BP_DDM 0.000 0.009 0.849 DP_DDM -0.004 0.023 PO_DDM 0.003 -0.987 0.124 それなりに分離しているが、対角化できてはいない

150-25MHz法(対角化法) cosa この方法だと l+, l-, lsの対角化 が可能となる (→佐藤さんのトーク) f2 が可能となる (→佐藤さんのトーク) cosa f2 25MHz withΔl=3.0m f1 (~ 0) 150MHz with Δl=3.0m -1 ~p/2 3p マイケルソン 完全反射 DPには(L-と)l-しか現れない 「マクロずらし」によりl+とlsも分離

150-25MHz法の信号取得マトリクス L+ L- l+ l- ls BP_25MHz DP_25MHz PO_DDM DP_DDM 0.000 -0.000 -0.001 DP_25MHz 0.001 PO_DDM DP_DDM 中央部分は完全に対角化 ただしこのままだとアシンメトリが3m

190-10MHz法(合併法) cosa 10MHz withΔl=79cm f2 f1 190MHz with Δl=79cm p マイケルソン 完全反射 アシンメトリがやや小さくなり、対角化も可能である

4つの方法をアシンメトリの取り方で分類 LIGO法 (9-180MHz および15-50MHz) 対角化法 (150-25MHz) 低周波法 合併法 (190-10MHz)

4つの方法の長短 ~対角化とアシンメトリについて LIGO法 対角化△? アシンメトリ 1.5m 対角化法 対角化◎ アシンメトリ 3.0m 低周波法 対角化△ アシンメトリ 0.23m 合併法 対角化○ アシンメトリ 0.79m 対角化はなぜ必要か? アシンメトリは何mまで許されるか?

対角化とアシンメトリの要請 対角化していないことの問題点 ・ ショットノイズリミテッドフィードバックノイズが感度を悪化? → l-の行が小さければ影響はない ・ ロックアクイジションに支障? → 40mで成功しており問題ない ・ その他の雑音混入~周波数雑音など? → 要調査 アシンメトリが大きいことの問題点 ・ モードマッチングが下がり腕内パワーが低下? → レイリーレンジが長いので問題ない ・ 周波数雑音が増加? → 両腕間フィネス差の方が大きく問題にならない ・ コントラストデフェクトとの関連性? 実はいまのところどちらも大きな問題ではないのである

現時点でどこまで決められるか ・和差が200MHz以内 ・10m以下と25m以上の キャビティ長は網掛け

現時点でどこまで決められるか Asym=0.2~3.0m, PRC=15~23m, SRC=12~18m, MC1=30m まで絞っても、どの方法にも解が残されている

ショットノイズリミテッドフィードバックノイズ 15-50MHz法 1次のコントリビューション: l-のshot noiseがミラーをl-に動かし、それが0.00125倍だけL-に入る (動かす量は制御系に依存する)

ショットノイズリミテッドフィードバックノイズ 15-50MHz法 1次のコントリビューション: l-のshot noiseがミラーをl-に動かし、それが0.00125倍だけL-に入る (動かす量は制御系に依存する:G/1+G) 2次のコントリビューション: l+/lsのshot noiseがミラーを動かし、0.257or1.285倍だけl-に入る そしてその雑音がl-を動かし、それが0.00125倍されてL-に入る (動かす量は制御系に依存:1/1+G)

フィードバックノイズスペクトル 制御のUGFを10Hzにした場合 (UGF付近でf -2のサーボを仮定) 15-50MHz法だとlsが感度を悪化させる

フィードバックノイズスペクトル 制御のUGFを10Hzにした場合 (UGF付近でf -2のサーボを仮定) 15-35MHz法だと感度に影響はない