研究背景と目的 解析結果・グラフ 解析手法 今後の展望 太陽光模擬の高精度化 熱中症リスク評価シミュレータの開発と応用

Slides:



Advertisements
Similar presentations
2004 年新潟県中越地震と スマトラ沖巨大地震の 震源で何が起こったのか? 八木勇治 (建築研究所・国際地震工学セン ター)
Advertisements

2007/01/27 - 卒業論文合同発表会 - ♪ 早稲田大学理工学部 電気・情報生命工学科4年 神保直史 熱音響管の解析とシミュレーション.
1 ニューブレクス㈱ 当社は世界唯一の超高精度誘導ブリルアン計測システムの商品化に成功した会社です。センサー部は通信用の光ファイバと同じも のをそのまま分布センサーとして利用でき、光ファイバ上に生じる変形(ひずみ)分布及び温度分布を一括測定する事ができます。 そしてこの高精度の光ファイバを用いた分布計測技術をベースに、協力会社とのコンソーシアムにて工業化に適した敷設手法の開.
高精度画像マッチングを用いた SAR衛星画像からの地表変位推定
HOG特徴に基づく 単眼画像からの人体3次元姿勢推定
おおさかヒートアイランド対策推進計画 概要版
JRA-55再解析データの 領域ダウンスケーリングの取り組み
太陽多波長フレアデータ解析研究会 NSRO-CDAW10 ピーク時のループトップ電波源(2周波)の高さ (統計解析)
較正用軟X線発生装置のX線強度変化とスペクトル変化
導波路放出光解析による量子細線の光吸収測定
熱中症の基礎知識 高校,熱中症①,10分 ※このスライドは非表示になっています 1 熱中症による死亡者数 2 熱中症による救急搬送状況①②
アンサンブルハインドキャスト実験結果を用いたイネ葉いもち病の発生確率予報の精度検証
研究集会 「超大規模行列の数理的諸問題とその高速解法」 2007 年 3 月 7 日 完全パイプライン化シフト QR 法による 実対称三重対角行列の 固有値並列計算 宮田 考史  山本 有作  張 紹良   名古屋大学 大学院工学研究科 計算理工学専攻.
土木計画学 第5回(11月2日) 調査データの統計処理と分析3 担当:榊原 弘之.
リスク評価 ・管理技術開発 有害性評価手法 暴露評価手法 リスク評価手法 リスク管理手法 化学物質総合管理分野のロードマップ(1) (目標)
9月27日 パラボラミラーによる ミリ波ビーム絞り
神奈川大学大学院工学研究科 電気電子情報工学専攻
熱中症の基礎知識 ※このスライドは非表示になっています         小高,熱中症①,10分
THz周波数帯での通信.
大阪工業大学 情報科学部 情報システム学科 宇宙物理研究室 B 木村悠哉
異種センサを用いた人の行動検知 研究概要 研究の独自性 isi担当 高汐グループ成果 スライド到着待ち yasu担当.
周期境界条件下に配置されたブラックホールの変形
R&D Division, Polyplastics Co., Ltd. Technical Solution Center
数値相対論の展望        柴田 大 (東大総合文化:1月から京大基研).
熱中症の救急搬送者数 今日は,熱中症について勉強したいと思います。.
研究背景 研究目的 手法 研究計画 分散型プラズマアクチュエータと物体形状の統合最適設計による 仮想空力形状の実現 jh NAH
第5世代移動通信における構造物の影響の解明
Bottom-UpとTop-Down アプローチの統合による 単眼画像からの人体3次元姿勢推定
ひび割れ面の摩擦接触を考慮した損傷モデル
HⅠ輝線を用いた 高銀緯分子雲の観測的研究
多人数対応型地球温暖化 デモストレーション実験機
高効率・太陽電池 エス・ジー・ケイ有限会社.
Jh NAHI 横田 理央 (東京工業大学) Hierarchical low-rank approximation methods on distributed memory and GPUs 背景  H行列、H2行列、HSS行列などの階層的低ランク近似法はO(N2)の要素を持つ密行列をO(N)の要素を持つ行列に圧縮することができる。圧縮された行列を用いることで、行列積、LU分解、固有値計算をO(NlogN)で行うことができるため、従来密行列の解法が用いられてきた分野では階層的低ランク近似法
一般財団法人 VCCI 協会 教育研修専門委員会
遺伝子導入効率No.1を目指す ナノ・ニードル基板デバイスの開発
YT2003 論文紹介 荻原弘尭.
住宅用調理レンジを対象とした 排気フードの廃気捕集率に関する研究
アンテナ最適化技術と電波伝搬シミュレーション技術の高速化と高精度化
研究課題名 研究背景・目的 有機エレクトロニクス材料物質の基礎電子物性の理解 2. 理論 3. 計算方法、プログラムの現状
Environment Risk Analysis
熱中症の予防 「熱中症を防ごう」第2版準拠 2014/05/13 ブリヂストン横浜健康管理センター 仲村 準.
GW space-timeコードの大規模な有機-金属界面への適用に向けた高効率化
背景 課題 目的 手法 作業 期待 成果 有限体積法による汎用CFDにおける 流体構造連成解析ソルバーの計算効率の検証
遮熱性塗料の断熱性能評価実験  柏原 雅史.
断熱Low-Eガラスが冬期の自然室温に及ぼす効果
Bottom-UpとTop-Down アプローチの組み合わせによる 単眼画像からの人体3次元姿勢推定
熱中症の基礎知識 熱中症について勉強します。.
Volume Extractor Ver 概要紹介と造形モデル例-
高精細計算を実現するAMR法フレームワークの高度化 研究背景と研究目的 複数GPU間での袖領域の交換と効率化
プラズモニック構造付シリコン光検出器のHPC援用設計に関する研究
HMM音声合成における 変分ベイズ法に基づく線形回帰
はやぶさ試料(RA-QD )の X線CT解析 – X線CT岩石学の適用例 - X線CT解析の結果に基づいて試料を切断し分析
堆積炭塵爆発に対する大規模連成数値解析 研究背景 研究目的 計算対象および初期条件 燃焼波の様子(二次元解析) 今後の予定
MIROC5による将来のヤマセの再現性について(2)
ベイズ音声合成における 事前分布とモデル構造の話者間共有
複雑流動場における物質移行過程の解明を目指した大規模数値計算 :実験計測データとの比較による数値モデルの構築
海洋研究開発機構 地球環境フロンティア研究センター 河宮未知生 吉川知里 加藤知道
CPU冷却用素子の開発 理工学研究科環境制御工学専攻 長谷川 靖洋
研究背景と目的 解析結果・グラフ 解析手法 データベース化結果・今後の展望 データベース化 熱中症リスク評価シミュレータの開発と応用
Jh NAHI 横田 理央 (東京工業大学) Hierarchical low-rank approximation methods on distributed memory and GPUs 背景  H行列、H2行列、HSS行列などの階層的低ランク近似法はO(N2)の要素を持つ密行列をO(N)の要素を持つ行列に圧縮することができる。圧縮された行列を用いることで、行列積、LU分解、固有値計算をO(Nlog2N)で行うことができるため、従来密行列の解法が用いられてきた分野では階層的低ランク近似
熱中症対策について 熱中症リスク回避ためのガイドライン 原則中止する
小規模・自給自足を目指した 熱音響システム
■ 背景 ■ 目的と作業内容 分子動力学法とフェーズフィールド法の融合による 粒成長の高精度解析法の構築 jh NAH
研究課題名 大規模計算資源を活用したアンテナ最適化技術と 電波伝搬シミュレーション技術の高度化
コロトコフ音と運動の関連性について ~拍動血流ポンプを用いた模擬血管血流システムの構築と検討~
背景 粒子法(SPH・MPSなど)は大規模流体シミュレーションなどで幅広く利用.一方で,手法の数学的正当化(数値解析)が不十分
従来研究 本研究 結果 南極大型大気レーダーPANSYで観測された大気重力波の数値モデル再現実験による力学特性の解明
大規模粒子法による大型クルーズ船の浸水解析
臨界温度比推定のために熱音響エンジンを 定常発振させる時変ゲインを用いた 定エネルギー制御系の安定性解析
各種荷重を受ける 中空押出形成材の構造最適化
Presentation transcript:

研究背景と目的 解析結果・グラフ 解析手法 今後の展望 太陽光模擬の高精度化 熱中症リスク評価シミュレータの開発と応用 jh180017-NAH 平田晃正 (名古屋工業大学) 熱中症リスク評価シミュレータの開発と応用     江川 隆輔 (東北大学サイバーサイエンスセンター)  柏 達也、田口 健治(北見工業大学)     堀江 祐圭(日本気象協会) 長谷川 一馬、小島 和也(名古屋工業大学)  研究背景と目的 熱中症による死亡者数は増加傾向.死亡例も報告. 本研究グループでは日本の夏場などの環境において,熱中症の主な要因である体温上昇,発汗量の解析を実施. 解析結果から熱中症のリスク評価を行い,                  熱中症予防の普及啓発活動に寄与することが目的. 解析結果・グラフ 解析手法 計算機上にて、様々な環境を模擬した仮想空間に人体モデルを配置,図1に示したフローチャートに従って体温変化や発汗量を計算. 温度上昇解析は生体熱輸送方程式を用いる.組織間の熱伝導や体表面から外気への熱伝達に加え,体温上昇に伴う発汗,血流量変化による熱輸送などの熱調整機能(システムバイオロジー),太陽光吸収による熱発生を考慮し,時間領域有限差分法で逐次計算. 外気温35℃,湿度50%で暑熱ばく露における体表面温度上昇の解析一例(図2) 図1. 解析のフローチャート 図2. 体表面温度の分布 太陽光模擬の高精度化 電磁界解析においてフラットMPIを用いた.また,ループ融合等による手動チューニングを施し,キャッシュ効率を向上させることで従来コードから10%の高速化に成功した.本コードでは,1プロセスの計算時間を基準として160プロセスで約64倍の加速率を実現. 従来の2mmの分解能では太陽光を3GHzとしていたが,太陽光の影響をより正確に考慮するために分解能を1mmとし,10GHz全身ばく露の計算を行った. これらのコードを用い,屋外を想定した暑熱ばく露解析を行った(図3) .外気温28℃,湿度60%で基礎検討として,太陽光は3GHz,10GHz平面波と近似した. 図3. 暑熱ばく露した場合の体表面温度 今後の展望 太陽光の影響をより正確に考慮するために分解能を0.5mm以上とした解析 過去のデータを用いて搬送人員数と関連するパラメータを導出し、将来的な熱中症搬送者数を予測 今後の地球温暖化を見据えた新規シミュレーション基盤技術の開発 体表面温度上昇は75歳で最大,幼児,成人の順となる(図2参照).高齢者は若年者よりも発汗量が少なく,発汗の開始が遅れるため,体温が上昇しやすい.3歳幼児モデルの体温上昇の高い理由は,体積が他のモデルよりも小さく,全身に熱が循環しやすいためである. 平均皮膚温度は,3GHzで0.72℃,10GHzで0.88℃となった(図3参照).体内深部温度上昇は3GHzで0.28℃,10GHzで0.22℃となった.これは,周波数が高くなると電波吸収が皮膚表面に集中するためである.