第8回 統計情報の空間的理解 統計データの集め方 統計データの表し方 統計データの使い方
都市人口の増加に関する統計報告
統計情報とは 統計情報: 都市人口の報告からみる統計情報の性質 自然環境や人間活動を特定の方法で調査し,一定の空間単位で集計したデータ. 都市人口の増減状況(平成9年3月31日現在) 都市の総人口は90,252,977人で、前年の89,933,017人に比べて319,960 人、0.35%増加している。これは京田辺市が新たに誕生したことが大きな要因となっており、この新市を除いた668 市で比較すると増加数は267,802 人、0.30%増と全国人口の伸び率を上回った。また、全国人口(平成9年3月31日現在、自治省「住民基本台帳人口要覧」-以下「自治省調べ」とする-)は125,257,061 人で、前年に比べて342,688 人、率にして0.27%の増加となっており、昨年の対前年増加率を0.06%上回ったものの、依然低い伸び率となっている。 これに対し、都市の総人口の全国人口に占める割合は、72.05 %と本年も過去10年間で最高の割合となっている。 全国市長会HP(http://www.mayors.or.jpより)
例文からみた統計情報の要素 情報の項目 情報のソース 調査の方法 調査の時点 集計の方法 結果の表現 結果の解釈 全国人口,都市の人口,都市人口 情報のソース 住民基本台帳人口要覧 調査の方法 住民基本台帳より集計 調査の時点 平成9年3月31日現在 集計の方法 市単位 結果の表現 人口総数,増減数,割合(横の比較) 増加率,変化率(縦の比較,昨年,前年,基準年) 結果の解釈 京田辺市が新たに誕生したことが大きな要因
都市人口とは,都市の人口とは 隣の寒川町はこのリストに載らない. 人と人の間平均距離(m)
国勢調査A5-1-1表からみた都市の人口(平成12年現在)
統計情報の性質 集計項目・単位内の対象を同一視すること. 各種の統計地域 調査対象の属地が捨てられる 集計単位のなかの不均一性が無視される. 行政地域 都市圏 農業集落 国勢調査統計区 調査区 人口集中地区 地域メッシュ
統計調査の方法 調査対象: 調査事項: 調査方法: 集計単位(表章単位) 地理参照方法: 個人,家庭,事業所,・・・ 人口(国勢調査),出荷額(商業統計),生産高(工業,農業),・・・ 調査方法: 全数調査(国勢調査,事業所統計など) サンプリング調査 集計単位(表章単位) 面的:国,都道府県,市町村,地域メッシュ 線的:リンク(交通センサス調査) 点的:交差点,出発地(O),目的地(D),入り口調査 地理参照方法: 非集計:調査対象の属地 集計:集計地域
国勢調査の地域区分 都道府県 市区町村 町丁・字など 国勢調査調査区 基本単位区 市区町村の○○町,△△2丁目,字などに対応した区域 1995年国勢調査で導入. 国勢調査調査区 一人の調査員が受け持つ地域地区.おおよそ50世帯. 基本単位区 街区又は道路,河川,水路,鉄道及び軌道の線路,その他恒久的な施設等によって区画した地域. 原則として,ひとつの街区(街区方式住居表示実施地域) 地形・地物により設定(上記街区表示未実施地域) 1990年国勢調査で導入
国勢調査の小地域統計 国勢調査の小地域統計 基本単位区別集計 町丁目・字別集計 事業所・企業統計調査 調査区別集計 町丁・大字別集計
地域メッシュ統計
地域メッシュ
2分の1メッシュ
人口集中地区と地域メッシュ 人口集中地区(DID) 地域メッシュでのDIDの扱い 市区町村の境界内において人口密度の高い(約4,000人/K㎡以上の)基本単位区が集合している地域 人口5,000人以上を数える地域 地域メッシュでのDIDの扱い 地域メッシュ統計は一般に,標準3次メッシュまで人口などを割り当てている. DID地区では,地域メッシュ統計は2分の1メッシュまで取っている. だから,人口集中地区を都市の広がりとし,その人口集計を都市人口とすることが多い.
統計情報の使い方を習う データマップ日本ー日本経済再生への処方箋,NHKスペシャルドキュメント,2002.
出生率が低くなるもうひとつの理由
統計情報の使い方を習う データマップ,63億人の地図,NHKスペシャルドキュメント,放映中.
参考:地理情報ソース
国土地理院の地形図サービス(全国) http://watchizu.gsi.go.jp
国土地理院の空中写真サービス(東京など大都市圏) http://mapbrowse.gsi.go.jp/airphoto/indexmap_japan.html
国土交通省の空中写真のページ(全国)
統計局の地理情報 http://www.stat.go.jp/
先週出した課題の取り組み方 ここまでの3週間では,地図情報,画像情報,統計情報に対する基本的な見方を説明しました. 断面スケッチでは,地形図と空中写真の読み方をマスターし,考察ではその意味合いを理解し,考えることが求められます. それはつまり,地形図や空中写真から読み取れたこの地域の過去や現在の実態と,統計などが見られる社会的情勢を意識することであります. 地形図・空中写真・統計データ(表A5-1-1)の読み取りだけでなく,実地への見に行くことをお勧めます.(地図と実地の土地利用が合わない場合,実地の状況を使う).