すばる国際パートナーシップの議論 すばるSAC委員長  児玉 忠恭.

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すばる国際パートナーシップの議論 すばるSAC委員長  児玉 忠恭

Two categories of the partner Full partner (FP); Access to Partner Guaranteed Time, Shared Time, and Large Program (SSP) Full participation in decision-making process More than 2 M USD contribution (including in-kind cont.) Term=4yrs (renewable) Semi-partner (SP); Access to Partner Guaranteed Time and Shared Time Limited participation in decision-making process More than 500 K USD (up to 2 M USD) contribution (in cash only?) Term=2yrs up to 4 yrs? ©️ Ohashi, N.

Benefit and responsibility of partners and institutional collaborators IC (Princeton, ASIAA) telescope time Partner Guaranteed Time ○ Shared time SSP (or equivalent large program)* International time (up to ~10 %) Governance Time Allocation Committee (TAC) Science and Technology Committee (STC) observer Board Contribution > 2 M USD (inc. in-kind up to 20%) > 500 K USD (in cash only) > 100 K USD (in kind on inst. Dev.) Term 4 years (renewable) 2 years (up to 4 yrs?) ?? ©️ Ohashi, N.

Potential Partners East Asian Observatory (EAO) or China India Canada EAO: China (NAOC), Korea (KASI), Taiwan (ASIAA), Japan (NAOJ) or China TMT partner India Canada DAWN Institution/consortium ©️ Ohashi, N. + modification by TK

How to calculate the number of nights for Partner Time Partner time is allocated to each partner based on the fraction of total contributions from each partner to the total operation cost: Total operation cost (incl. NAOJ HR) of Subaru: 20 M USD (~2.2 B JPY) Total available nights for science operations: S Partner contribution (M USD): P Number of PT = S * P / 20 Note: Total available nights for science operations (typically ~240 nights) are calculated as: 365 - (down time + UH time + international time + DDT + eng.) If S is 240 nights and P is 2 M USD, No. of PT is 24 nights / yr. P is 0.5 M USD, No. of PT is 6 nights / yr. ©️ Ohashi, N.

# of nights for each partner Just an example, and all the numbers are TBD Annual total operation cost; 20M USD, Annual total nights for science operations; 240 Contribution (M USD) fraction PT SSP/LP ST GT semi-partner A 0.5 0.025 6 -1.2 (20%) 4.8 full partner B 2 0.10 24 6.2 -3.6 (15%) 14.2 Japan 17.5 0.875 210 53.8 -31.5 (15%) 124.7 total 20 1.00 240 60 †36.3 143.7 † This will be shared by all the partners. ©️ Ohashi, N. + modification by TK

# of nights for each partner Just an example, and all the numbers are TBD Annual total operation cost; 20M USD, Annual total nights for science operations; 240 contribution (M USD) fraction PT SSP/LP ST GT DDT to GT EAO as semi-partner 0.65 0.0325 7.8 -1.56 6.24 +4 China 0.5 0.025 6 -1.20 4.8 +1 Korea 0.1 0.005 1.2 -0.24 0.96 Taiwan 0.05 0.0025 0.6 -0.12 0.48 Japan 19.35 0.9675 232.2 60 -34.8 137.4 total 20 1.00 240 †36.4 143.6 † This will be shared by all the partners. China:Japan:Korea:Taiwan=10:10:2:1 ©️ Ohashi, N. + modification by TK

# of nights for each partner If the Japanese share of the shared time is reduced to a half (7.5%)… Annual total operation cost; 20M USD, Annual total nights for science operations; 240 Contribution (M USD) fraction PT SSP/LP ST GT semi-partner A 0.5 0.025 6 -1.2 (20%) 4.8 full partner B 2 0.10 24 6.2 -3.6 (15%) 14.2 Japan 17.5 0.875 210 53.8 -15.8 (7.5%) 140.4 total 20 1.00 240 60 †20.6 159.4 † This will be shared by all the partners. ©️ Ohashi, N. + modification by TK

# of nights for each partner If the Japanese share of the shared time is reduced to a half (7.5%)… Annual total operation cost; 20M USD, Annual total nights for science operations; 240 contribution (M USD) fraction PT SSP/LP ST GT DDT to GT EAO as semi-partner 0.65 0.0325 7.8 -1.56 6.24 +4 China 0.5 0.025 6 -1.20 4.8 +1 Korea 0.1 0.005 1.2 -0.24 0.96 Taiwan 0.05 0.0025 0.6 -0.12 0.48 Japan 19.35 0.9675 232.2 60 -17.4 154.8 total 20 1.00 240 †19.0 161.0 † This will be shared by all the partners. China:Japan:Korea:Taiwan=10:10:2:1 ©️ Ohashi, N. + modification by TK

すばる国際パートナーシップについて、すばるSACからのコメント   すばる科学諮問委員会委員長  児玉 忠恭 (総意) すばる国際パートナーシップの大枠 - 段階的なパートナー制度を設けること(セミパートナーとフルパートナー)、Shared Time (ST)というパートナー間で使う共同研究のための時間枠を設けることなどの大枠については同意する。しかし数字を伴う具体的な中身については様々な懸念があり、今後コミュニティーの意見を聞きながら協議して詰めていきたい。 すばるコミュニティー&SACとの意思疎通が不十分 - 中国の予算獲得に対応してかなり急ぎで具体案が検討されたこともあり、すばるコミュニティーの意思を十分確認しながら進められなかった点は残念。特に、EAOとすばるコミュニティーの間の連絡や意思疎通が希薄であった。今後の交渉においては、EAOはすばるコミュニティーともっと密に連絡を取り、意見をしっかり聞きながら進めてほしい。 S19Bの対応 - EAOの枠組み+STあり、で始めるには時間切れで、少なくともS19BではDDTから中国の投資分に見合った夜数(GT)を提供するという観測所方針に賛同する。その間にEAOやSTなどの枠組みを議論しコミュニティーの合意を得て進めたい。

(すばる国際パートナーシップについての個別意見)  TMTコンソーシアムへの期待 - カナダ、中国、インドといったTMTパートナーと組むのが戦略性や将来の発展性が望め  て良い。 - 予算規模的にも中国やインドとの連携は魅力的。 - カナダはサイエンス的にすばるとのシナジー(特に広視野)は強く、科学先進国であるの  で、すばるを使った世界一線のサイエンスの創出という観点でも期待できる。日本の若手  がハイレベルな国際共同研究に直接参加できるというメリットもある。 Shared Time は適切か - パートナー間の共同研究を促進するという趣旨は支持するが、枠は適正か?(大きすぎないか?) - セミパートナーとフルパートナーとで使える上限を変えるべきでは?(フルパートナーへのインセンティブ) - 日本からSTへの供出分が15%なのを、相手がセミパートナーの時はその半分(7.5%)にするとか、日本は15%を超えない範囲でパートナーの供出するST合計夜数のX倍を出す、などが考えられる。 すばる国内枠への応募資格 - 国籍が日本人であるか、もしくは日本の研究機関に所属するかがこれまですばる国内枠の応募資格であった。さらに台湾とプリンストンは特別な貢献(下注)により別の扱いがあり、あわせて10%までの時間に競争ベースでアクセスできる権利を有する。国際パートナーシップを始めるにあたり、この資格や特別扱いを整理し再定義する必要があるかもしれない。 国際パートナーの資格 パートナーは、現状では国レベルのみが考えられている。しかし海外の研究機関では予算規模が大きく魅力的な場合もある。また米国では複数の大学でコンソーシアムを作って望遠鏡を運用しているところもある。このような機関や組織もパートナーとして考えていいのではいか?

(EAOがすばるパートナーとなる件への個別意見)   EAOの少額貢献国(韓国と台湾)への優遇は適切か - 多くのShared Time(ST) へのアクセスや、所長裁量時間(DDT)から追加夜数供出 など、優遇策となっている。 EAOの出資比率は適正か - EAO内部での出資比率(C:J:K:T=10:10:2:1)は適切か?(この比はEAOが設定) STへのアクセスは、この比にかかわらず、どの参加国も同等の権利を有するのは妥当か?少額貢献の方が得をする仕組みなので、増資へのモチベーションに必ずしもならない。 EAOの他国の状況とは関係なく一国が単独でも増資できるシステムが必要ではないか。比を固定して他国と足並みを揃えるのを条件とすると大きな足枷となりうる。 各国に、すばるパートナーとして認定されるミニマム出資額を設けるべき。そうでないと限りなく少額の貢献でもSTに関して同等の権利を得ることができることになってしまう。 STのチーム構成 - STへの応募では、現状ではEAO構成国全部から最低一人がCo-PIとして入ることに なっている。これはチーム構成の難しさが問題かもしれない。特にまだ人脈の余りな い若手にとっては難しいだろう。EAOを一つのパートナーとしてみる観点からも、 EAOから一人、日本から一人のCo-PIが入れば十分ではないか。

国際パートナーのPFS-SSPへのアクセスについて SSPの割り当て夜数を「clear night」で算出すること。例えば、SSPが300夜を申請してきた場合、実際の割り当て夜数を「300 clear nights」とする。マウナケアの天候ファクター(晴れる率)を0.7とすると、これは実際にスケジュールされる夜数にするとおよそ430夜に相当する。 PFS-SSPが終了した後も、PFSコンソーシアムの研究者のすばる望遠鏡へのアクセスを保証すること。詳細は未定だが、たとえば、SSP終了後にもPFSへのプロポーザルは日本人(すばるコミュニティ)と同等の扱いとする、あるいは、すばるの全装置へのアクセスを一定限度まで認める、などが考えられる。 SACでの議論 *SSP夜数を300 clear nightsとする案には反対意見が多かった。 *PFS SSP終了後(直前)に、補完のための次のlarge/intensive programを提案してもよいとする、などの折衷案が出た。

議論のポイント(個人的バイアスあり) 1.EAOの大構想は理想的だが、果たしてすばるパートナーシップとタイ   ムスケールが合うか?足並みを揃えて短期間で増資できるか?   中国とのパートナーシップはEAOの枠組みで行うか、それとも二国間   で行うか? 2.TMTパートナー(中国、インド、カナダ)とのすばるパートナー   シップがふさわしい? 3.Shared timeは大きなパートナー(特に日本)ほど供出分が大きく   (>30晩)、小さなパートナーであっても上手くやれば大きな共同   研究を主導できる。これは公平か?日本の供出(特に初期)は大き   すぎないか? 4.DAWNのようなinstitute/consortiumレベルでの貢献はどう扱うか?   セミパートナーとして同様に受け入れるか?時限がある(例えば6年) 5.国際パートナーのPFS-SSPへのアクセスをどうするか? 6.将来のTMT-GMTの協力(時間交換や共同研究)をどう見据えるか?