Telescope Array ~Searching for the origin of the highest energy cosmic ray 私たちの研究の目的 宇宙線って何? 最高エネルギー宇宙線の数が、 理論による予想を大きく上回っていた! 現代物理学の主要な謎の1つ 宇宙空間を光に近い速度で飛び回っている非常に小さな粒子のことです。 大きさは10兆分の1cm AGASA実験によって示唆 私たちは ・最高エネルギー宇宙線を詳細に調べ、 この謎を解明する ・最高エネルギー宇宙線はいったい何なのか、 どこから来ているのかを解明する ことを目的として、研究を行っています この小さな粒子は複数の種類が存在し、 主に陽子、原子核、電子です。 宇宙線の中には、ほんのわずかですが非常に大きなエネルギーを持った物があります。 1個の粒子が野球の剛速球と同じぐらいのエネルギー!! 最高エネルギー宇宙線の発生源の候補 これらの宇宙線のことを 最高エネルギー宇宙線 と呼んでいます 衝突銀河 天体爆発 ブラックホール 未知の粒子 And more…. 最高エネルギー宇宙線の測定方法 エネルギーの高い宇宙線 は、地球に入ってくると空 気と反応してたくさんの粒 子を作ります。この粒子の 集まりのことを 空気シャ ワー と呼びます。この空 気シャワーを観測すること により、宇宙線のエネル ギー、頻度、到来方向、種類を測定します。 私たちはこの2つの観測方法を、お互いの利点を生かしながら同時に用いることで、最高エネルギー宇宙線の精密な測定を行おうとしています。また、数多く宇宙線を捕らえるために、およそ760km2の広大な面積を利用します。 空気シャワーのイメージ 観測装置のイメージ図 大気蛍光望遠鏡 空気シャワーが発した光を望遠鏡で観測する。 空気シャワーの観測には、大きく分けて下の2つの方法があります。 ・ 空気シャワーに含まれる粒子を、地上に置いた 検出器で直接捕らえる方法。稼働時間を長く取 ることができ、安定度に優れている。 ・ 空気シャワーが発生した光を捕らえる方法。 エネルギーの決定精度が良い。 地表検出器群 空気シャワーに含まれる粒子を地表で検出する。
テレスコープアレイ ~最高エネルギー宇宙線の起源を求めて 20km 10m 1m 実験の現在 砂漠の美しい景観を守り、希少動植物を保護するため、私たちは全ての地表検出器をヘリコプターで輸送、設置します。 右の図は私たちの観測装置の配置図です。赤い●が大気蛍光望遠鏡、灰色の■が地表表検出器群(576台、1.2km間隔)を表しています。琵琶湖(黒線)と同じくらいの大きさです。観測装置は、米国ユタ州ミラード郡の砂漠(下図)に設置します。大気の透明度、晴天率が非常によく、人工光の量が少ない理想的な立地です。 20km 大気蛍光望遠鏡ステーション 地表検出器 発光プラスチックと光伝送用ファイバー。発光プラスチックは空気シャワー粒子が入ってくると光を発する。 10m 望遠鏡合成鏡 地表検出器の内部 望遠鏡カメラ 光検出器 1m 実験の現在 左は空気シャワーの明るさを表しています。黄色に近いほど明るく紫に近いほど暗くなっています。 右の図は空気シャワーの時間変化を表しています。紫から黄色にわたって空気シャワーが移動して言ったのが分かります。 宇宙線の軌跡図 私たちの観測装置は2007年4月から本格稼動を始めます。現在急ピッチで装置の建設を進めています。また、それと平行して試験観測も行っています。右の図は2005年の夏に行った試験観測で捕らえた宇宙線の画像です。