開発許可制度 国土交通省 都市局 都市計画課 平成30年11月更新.

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開発許可制度 国土交通省 都市局 都市計画課 平成30年11月更新

適正な都市水準の確保と秩序ある市街地の形成を実現  1  開発許可制度の概要                      開発許可制度の趣旨 ①公共施設等の整備による一定の宅地水準を確保 ②市街化区域及び市街化調整区域の区分制度を担保 適正な都市水準の確保と秩序ある市街地の形成を実現 開発行為の定義(法第4条第12項) ○ 開発行為とは、主として、(1)建築物の建築、(2)第1種特定工作物   (コンクリートプラント等)の建設、(3)第2種特定工作物(ゴルフコース、  1ha以上の墓園等)の建設を目的とした「土地の区画形質の変更」を  いう。 開発許可権者(法第29条) ○ 都道府県知事、政令市の長、中核市の長、施行時特例市の長 ○ 地方自治法第252条の17の2の規定に基づく事務処理市町村の長 2

規制対象規模(法第29条) 1 開発許可制度の概要 都市計画区域 線引き都市計画区域 市街化区域  1  開発許可制度の概要                      規制対象規模(法第29条) 都市計画区域 線引き都市計画区域 市街化区域 1,000㎡(三大都市圏の既成市街地、近郊整備地帯等は500㎡)以上の開発行為 ※開発許可権者が条例で300㎡まで引き下げ可 技術基準適用 市街化調整区域 原則として全ての開発行為 立地基準適用 非線引き都市計画区域 3,000㎡以上の開発行為 準都市計画区域 都市計画区域及び準都市計画区域外 1ha以上の開発行為 3

技術基準(法第33条)・・・全ての区域で適用 ・道路・公園・給排水施設等の確保、防災上の措置等に関する基準  2   開発許可の基準(法第33条:技術基準)         開発許可の基準(法第33条) 技術基準(法第33条)・・・全ての区域で適用  ・道路・公園・給排水施設等の確保、防災上の措置等に関する基準  ・建築物の用途や開発規模によって適用基準が変わる  ・地方公共団体の条例により、基準の一部について強化又は緩和が可能 公共施設等の整備を義務づけることにより一定の宅地の水準を確保 4

技術基準の適用(建築物) 2 開発許可の基準(法第33条:技術基準) ○:適用されるもの ×:適用されないもの 適用基準   2   開発許可の基準(法第33条:技術基準)         技術基準の適用(建築物) ○:適用されるもの ×:適用されないもの 適用基準 (法第33条第1項:下欄番号は号数) 住 宅 非住宅 自己用 その他 1. 用途地域への適合 ○ 2. 道路・公園等の施設の配置・構造 × 3. 排水施設の構造・能力 4. 給水施設の構造・能力 5. 地区計画等の内容適合 6. 公共施設・公益施設の配置 ○(20ha以上) 7. 防災上の安全措置 8. 災害危険区域等の排除 9. 樹木の保存・表土の保全 ○(1ha以上) 10. 騒音・振動等の緩衝帯 11. 輸送施設の便 ○(40ha以上) 12. 申請者の資力・信用 1ha未満→× 1ha以上→○ 13. 工事施行者の能力 14. 関係権利者の同意 5

技術基準の強化・緩和(法第33条第3項) 強化可能な基準 緩和可能な基準 2 開発許可の基準(法第33条:技術基準)   2   開発許可の基準(法第33条:技術基準)         技術基準の強化・緩和(法第33条第3項)  地方公共団体(開発許可権限を持たない市町村を含む)は、政令で定める基準に従い、条例で、技術的細目で定められた制限を強化し、又は緩和することができる。    ※ 指定都市、中核市、施行時特例市、全部事務処理市町村以外の市町村は       条例制定にあたり、都道府県知事の同意が必要 強化可能な基準 ○ 道路の接道要件、設置基準、歩車道分離 等 ○ 公園等の設置義務(0.3ha以上)(5ha以上) ○ 道路・公園の構造・能力に関する技術的細目 ○ 排水施設の構造・能力に関する技術的細目 ○ 20ha以上の住宅開発における公益施設 ○ 防災上の安全措置およびその技術的細目 ○ 樹木の保存・表土の保全 ○ 緩衝帯の幅員 緩和可能な基準 ○道路の接道要件 ○公園等の設置義務(0.3ha以上) 6

立地基準(法第34条)・・・市街化調整区域のみ適用 ・市街化調整区域において、許可を受けることができる開発行為を限定する基準   3  市街化調整区域における基準(法第34条:立地基準)         開発許可の基準(法第34条) 立地基準(法第34条)・・・市街化調整区域のみ適用 ・市街化調整区域において、許可を受けることができる開発行為を限定する基準 ・建築物の建築又は第一種特定工作物の建設の用に供する目的で行う開発行為は、①技術基準(法第33条)を満たし、かつ、②立地基準(法第34条)のいずれかに該当しなければ許可されない。    ※ 第二種特定工作物については適用されない。 7

主として周辺の地域において居住している者の利用に供する公益上必要な建築物 (診療所、保育所等) 又は   3  市街化調整区域における基準(法第34条:立地基準)         第1号 主として周辺の地域において居住している者の利用に供する公益上必要な建築物  (診療所、保育所等) 又は これらの者の日常生活のため必要な物品の販売、加工、修理等の業務を営む店舗、事業場等  (食料品店、理髪店等) ・・・の用に供する目的で行う開発行為   第2号 市街化調整区域内の鉱物資源、観光資源等の有効利用上必要な建築物の用に供する目的で行う開発行為  (生コン工場、観光展望台、等) 8

農林漁業の用に供する建築物 (開発許可を要しないものを除く) 又は   3  市街化調整区域における基準(法第34条:立地基準)         第3号 温度、湿度、空気等について特別の条件を必要とする政令で定める事業のための建築物で、当該特別の条件を必要とするため市街化区域内において建築することが困難なものの用に供するために行う開発行為 第4号 農林漁業の用に供する建築物  (開発許可を要しないものを除く) 又は 市街化調整区域内において生産される農林水産物の処理、貯蔵若しくは加工のための建築物   ・・・の建築の用に供する目的で行う開発行為 畜産食料品製造業、水産食料品製造業、野菜かん詰・果実かん詰・農産 保存食料品製造業、動植物油脂製造業等 9

特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律の所有権移転等促進計画の定める利用目的に従って行う開発行為   3  市街化調整区域における基準(法第34条:立地基準)         第5号 特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律の所有権移転等促進計画の定める利用目的に従って行う開発行為 第6号 都道府県が国又は独立行政法人中小企業基盤整備機構と一体となって助成する中小企業者の行う他の事業者との連携若しくは事業の共同化又は中小企業の集積の活性化に寄与する事業の用に供するために行う開発行為  第7号 市街化調整区域内の既存工場の事業と密接な関連を有する事業の用に供するために行う開発行為 10

危険物の貯蔵又は処理に供する建築物で、市街化区域内において建築することが不適当なものの用に供するための開発行為 (火薬庫等)   3  市街化調整区域における基準(法第34条:立地基準)         第8号 危険物の貯蔵又は処理に供する建築物で、市街化区域内において建築することが不適当なものの用に供するための開発行為  (火薬庫等) 第9号 道路の円滑な交通を確保するために適切な位置に設けられる道路管理施設、休憩所、給油所等のための開発行為  (ドライブイン、ガソリンスタンド等) 第10号 地区計画等の区域(地区整備計画等が定められている区域に限る)内において、当該地区計画又は集落地区計画に適合する開発行為 11

→ 既に相当程度公共施設が整備され、近隣接する市街化区域の公共施設の利用が可能であり、開発行為を許容しても、積極的な公共投資を要しない。   3  市街化調整区域における基準(法第34条:立地基準)         第11号 市街化区域に近隣接する一定の地域のうち都道府県等が条例で指定する区域において、条例で指定する周辺環境の保全上支障がある用途に該当しない建築物の建築等を目的とする開発行為 → 既に相当程度公共施設が整備され、近隣接する市街化区域の公共施設の利用が可能であり、開発行為を許容しても、積極的な公共投資を要しない。 第12号 周辺の市街化を促進するおそれがなく、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当な開発行為として、都道府県等の条例で区域、目的又は予定建築物等の用途を限り定められたもの → 個別に開発審査会の議を経て判断するもの(後出)のうち定型的なものにつき、個別手続きの迅速化・合理化を図る趣旨 12

その他開発審査会にかけて個別に審査するもの   3  市街化調整区域における基準(法第34条:立地基準)         第13号 市街化調整区域が定められた際、自己の居住用又は自己の業務用の建築物を建築する目的で土地又は借地権等を有していた者が、線引き後6ヶ月以内に届け出て、5年以内に当初の目的どおりに行う開発行為 第14号 その他開発審査会にかけて個別に審査するもの 具体的にその目的、規模、位置等を総合的に検討して、周辺の市街化を促進するおそれがなく、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認める開発行為 → 地方公共団体の実情に応じた運用が可能 ・市街化調整区域における開発行為の一般的、包括的な許可基準 ・裁量的要素が多く、公正かつ慎重な運用を図るため、開発審査会(第三者機関)の議を経る必要 13

都道府県及び政令市、中核市、施行時特例市に開発審査会を置く。   3   市街化調整区域における基準(法第34条:立地基準)         開発審査会(法第78条)  都道府県及び政令市、中核市、施行時特例市に開発審査会を置く。 ○市街化調整区域における開発行為及び   建築行為の個別審査 ○審査請求に対する裁決 ※組織及び運営については法で定めるもののほか、政令で定める基準に従い、条例で定める 14

→ 予定建築物以外の建築物の建築等を規制することにより 開発許可制度の趣旨を担保  4  建築行為等の制限(法第42条)                 工事完了公告後 開発許可を受けた区域  予定建築物等以外の新築等、改築は禁止  予定建築物等の用途を変更することも禁止 例 外 ① 開発許可権者が許可したとき    ただし、国が行う行為は国の機関と開発許可権者との協議が成立    することで許可があったとみなす。 ② 用途地域が定められているとき → 予定建築物以外の建築物の建築等を規制することにより 開発許可制度の趣旨を担保 15

建築物の新築・改築・用途変更、第一種特定工作物の新設は開発許可権者の許可が必要(建築許可)。  5  建築行為等の制限(法第43条)                 開発許可を受けた開発区域以外 市街化調整区域のうち、 開発許可を受けた開発区域以外の区域内 建築物の新築・改築・用途変更、第一種特定工作物の新設は開発許可権者の許可が必要(建築許可)。 ただし、国、都道府県等が行うものについては、開発許可権者との協議 の成立をもって許可があったものとみなす。 <許可不要>  ① 農林漁業用の一定の建築物又は農林漁業者の居住用に供する建築物  ② 鉄道施設・図書館・公民館等の公益上必要な一定の建築物  ③ 都市計画事業の施工として行う建築物の新築、改築若しくは用途の変更 又は第一種特定工作物の新設  ④ 仮設建築物の新設 ⑤ 軽易な行為等 ⑥ 第二種特定工作物の建設 → 市街化調整区域における開発行為を伴わない建築行為も規制することにより開発許可制度の趣旨を担保 16