K中間子ヘリウム原子X線測定実験のための検出器系 I The Physical Society of Japan 61st Annual Meeting Mar. 27th, 2006 K中間子ヘリウム原子X線測定実験のための検出器系 I 独立行政法人 理化学研究所 - 岩崎先端中間子研究室 - 飯尾 雅実 for KEK-PS E570 collaboration -話す事 - ・所属・タイトル RIKEN The institute of physical and chemical research KEK-PS E570 Experiment
KEK-PS E570 collaboration list The Physical Society of Japan 61st Annual Meeting Mar. 27th, 2006 KEK-PS E570 collaboration list G. Beer1, H. Bhang2, M. Cargnelli3, J. Chiba4, S. Choi2, C. Curceanu5, Y. Fukuda6, T. Hanaki4, R. S. Hayano7, M. Iio8, T. Ishikawa7, S. Ishimoto9, T. Ishiwatari3, K. Itahashi8, M. Iwai9, M. Iwasaki8, B. Juhasz3, P. Kienle3, J. Marton3, Y. Matsuda8, H. Ohnishi8, S. Okada8, H. Outa8, M. Sato6, P. Schmid3, S. Suzuki9, T. Suzuki8, H. Tatsuno7, D. Tomono8, E. Widmann3, T. Yamazaki8, H. Yim2, J. Zmeskal3 Victoria Univ.1, SNU2, SMI3, TUS4, INFN(LNF)5, Tokyo Tech6, Univ. of Tokyo7, RIKEN8, KEK9 -話す事 - ・collaborationの方々です RIKEN The institute of physical and chemical research KEK-PS E570 Experiment
Contents Introduction 検出器系の構成 超流動ヘリウム標的の改良 Summary -話す事 - ・始めに、簡単にイントロ話します ・2番目に検出器系全体について話します ・次に私が担当した標的の改良についてお話します。 ・最後に私の話した部分をまとめます。 ・ちなみに、この検出器系のメインディテクターであるシリコンドリフトディテクターは、次のトークで竜野さんが詳しくお話します。 Silicon Drift Detector (SDD)ついては、 次の27aWB-8で報告 “K中間子ヘリウム原子X線測定実験のための検出器系 II” by 竜野さん RIKEN The institute of physical and chemical research KEK-PS E570 Experiment
1.Introduction -話す事 - ・まずは、イントロです
E570実験 (K中間子ヘリウム原子の2p軌道のシフトを測定) S.Hirenzaki, Y.Okumura, H.Toki, E.Oset, and A.Ramos Phys. Rev. C 61 055205 - Shift - - Width - Z=2 実験結果:約40 eVの大きなシフト 理論計算:約0.2 eVの小さなシフト 再現できない K中間子ヘリウム原子のX線(3d→2p)を 2eV以下の精度で測定 -話す事 - ・KEK-PS E570実験では、K中間子ヘリウム原子のK中間子が3d軌道から2p軌道に遷移する際に放出するX線を測定し、強い相互作用の効果による2p軌道のシフトシフトを求め、ヘリウム核とK-中間子の相互作用について調べるものです。 ・過去の実験データについて(平均) ・理論との比較 ・理論では説明できない ・そこで、もう1度、精度良く測りなおす 01/10
2.検出器系の構成 -話す事 - ・次に検出器系の全体についてお話します。
検出器系の特徴 SDD Si(Li) 1.Silicon Drift Detector (SDD)を使用 K--4He X-ray(3d2p) ~6.4keV Ti Ka1 4.51keV Ni Ka1 7.48keV K--4He X-ray(3d2p) ~6.4keV K--4He X-ray(3d2p) ~6.4keV SDD K--4He X-ray(3d2p) ~6.4keV Si(Li) 1.Silicon Drift Detector (SDD)を使用 → 検出器系 II (27aWB-8)で報告 by 竜野さん エネルギー分解能の向上 K- X-ray SDD Liq. 4He π- K- X-ray SDD Secondary charged particle Veto tracking Drift chamber Kaon ID 2.4He(K-静止,N)実験の測定系との統合 選択的にK-中間子起因で発生するX線のデータを収集 トラッキングによりK-中間子の静止位置が特定でき、バックグラウンドを除去 確実に、K-中間子が標的中に静止した事象からのX線の測定が可能 3.In Beamでのエネルギー較正 TiとNiの特性X線を用いてin beamでのエネルギーの較正を行う 実験中のゲイン変動にも対応 K- X-ray SDD Secondary charged particle Ti & Ni Foil π- K- X-ray Si(Li) Liq. 4He π- -話す事 - ・まず、検出器系の特徴ですが、 ・新たにX線検出器としてシリコンドリフトディテクターSDD使うことでエネルギー分解能が向上します。これは、次のトーク詳しくお話します。 ・次にX線検出器とE549実験の測定器系と統合します。このE549実験とは、ヘリウム標的にK-中間子を止めて、そこからでくる陽子と中性子を測定しTOF方によりミッシングマススペクトロスコピーをするものです。 ・この、統合により、ます、ビームライン系様々なカウンター類を使いKの静止イベントを、トリガーレベルで選びデータを収集します。 ・次に、ビームラインに置かれたチェンバーと、縦横に置かれたチェンバーを使って、Kの静止位置を特定しカットかけることにより、確実に標的中で止まったイベントを選びカットを描けることでバックグラウンドが減りS/N比向上します ・3番目にTiとNiのフォイルをおきそこから出てくるX線を同時に測定し、このエネルギーが分かっているピークで見たいピークをはさむことで、インビームでのエネルギー校正します。これにより、長期の実験におけるGainの変動があっても制度よくエネルギーの校正ができます。 02/10
検出器系の全体構成 K- 4He target & SDD Secondary charged particle Drift Chamber Lucite Cherenkov Counter Drift Chamber 4He target & SDD -話す事 - 03/10
検出器系の写真 -話す事 - 04/10
3.超流動ヘリウム標的の改良 -話す事 -
超流動ヘリウム標的 E549 LHeII Target < 標的への要求 > 1.標的容器とその周辺が薄いこと 0.5 m E549 LHeII Target Target Cell (~1.3 K) D = 200 mm, L = 150 mm, V = 4.7 ℓ 1K Pot (~1.3 K) - Reservoir - 4K Buffer (~4 K) LN2 Buffer (~80 K) < 標的への要求 > 1.標的容器とその周辺が薄いこと - 標的容器の窓(ビーム方向) : 75 mm (マイラー) - 標的容器の窓(横方向) : 188 mm (マイラー) - 熱シールドの窓 : 0.1 mm (アルミ) - 真空容器 : : 1 mm (CFRP) 2.上下と左右方向に検出器を配置 - He II の熱伝導率: He I の約106 倍!, 銅の約103 倍 -話す事 - ・E549実験で、標的に要求される条件は、パルチプルスキャッタリングによるバックグラウンドと、反応粒子のエネルギーロスを可能な限り少なくしたいので、標的容器とその周辺の物質量を可能な限り少なくすること、先ほどお話したように上下左右方向に検出器を配置することです。 そこで、このようなものを開発しました。 Beam 05/10
X線検出器の取り付け K- p- 1.SDDを8個インストール 2.CFRP容器と熱シールドの改造 3.較正用のフォイル(Ti, Ni) - 熱シールドと熱接触により冷却保持(~85K), 温度コントロール(±0.1K) K- 2.CFRP容器と熱シールドの改造 - ハーメチックポート追加(×8) ケーブル : ~50 cm (90本) 4.プリアンプの取り付け - 冷水循環による温度コントロール(±1K ) 3.較正用のフォイル(Ti, Ni) - 純度の低い金属の内側を全て純アルミ(99.999%)のフォイルで覆った。 p- Ti Ni -話す事 - 06/10
標的内の写真 Target cell SDD -話す事 - Calibration foils 07/10
この温度領域での5Kの温度変化は、SDDのゲイン変動には問題ない 標的容器への熱流入を考慮し、温度コントロールは行わなかった SDDの温度安定性:~85±2.5 K この温度領域での5Kの温度変化は、SDDのゲイン変動には問題ない (テストでも確認済み) 標的容器への熱流入を考慮し、温度コントロールは行わなかった プリアンプの温度安定性: ~290±0.5 K -話す事 - - 冷水循環による温度コントロール - Day-night effectによる 1K程度の温度変化 08/10
標的への熱流入の軽減 < X線検出器の追加による 熱流入の増加 > 液体ヘリウムの消費が増える データの収量が減少する 熱流入の増加 > 液体ヘリウムの消費が増える データの収量が減少する He消費 He注入の周期 ( E549実験: ) -0.2 ℓ/h ~34時間 テスト1回目: -1.0 ℓ/h ~7時間 テスト2回目: -0.8 ℓ/h ~9時間 テスト3回目: -0.6 ℓ/h ~11時間 - E570実験 - 標的容器の温度 : 1.40 K 標的容器の圧力 : 3.0 Torr 熱流入量 : 0.48 W Heの消費量 : -0.5 ℓ/h He注入の周期: 約12時間 -話す事 - 5倍 09/10
4.Summary -話す事 -
Summary K中間子と原子核との相互作用を調べる為にK中間子ヘリウム原子のX線(3d→2p)精密測定実験を行った。 E549実験で使われた測定器系とX線検出器を組み合わせ、確実にK-中間子が標的中で静止した事象からのX線を測定できる検出器系を完成させた。 超流動ヘリウム標的は、新たに組み込まれたX線検出器により、熱負荷が増大したが、改良の結果、液体ヘリウム注入の周期が12時間になるまで熱流入を軽減させることに成功した。 -話す事 - 実験の詳しい内容は、29pWD-8で報告 “K中間子ヘリウム原子 3d→2p X線の精密測定” by 岡田さん 10/10
“K中間子ヘリウム原子X線測定実験のための検出器系 II” へつづく The Physical Society of Japan 61st Annual Meeting Mar. 27th, 2006 Thank you !!! “K中間子ヘリウム原子X線測定実験のための検出器系 II” へつづく -話す事 - RIKEN The institute of physical and chemical research KEK-PS E570 Experiment
予 備 -話す事 - ・まずは、イントロです
Strange Tribaryon S0(3115) S0(3115) Mass : 3117MeV Strangeness : -1 Isospin : 1 @ KEK-PS E471 T.Suzuki et al, Phys. Lett. B597, 263 (2004) -話す事 - Is this interpretable as Kaonic deeply bound state (T=1,K-pnn)?
K-nucleus potential information which can be extracted by the data of “Kaonic nuclei and atoms” Y.Akaishi, EXA05 proceedings (2005) Kaonic nuclei the shrunk-core potentials Kaonic atoms the unchanged-core potentials More directly related to the free KN interaction with less medium modifications. -話す事 - Unchanged-core potential depth for K--He = ~270MeV (Akaishi and Yamazaki theory …”Deeply bound K”)
A possible large repulsive shift ! with “Deep optical pot. + Coupled-channel model” 2p level shifts of the K--4He atom Shift : DEcc2p= -11eV (at a maximum) Width : Gcc2p= 21eV Repulsive shift for K--4He <~ 11 eV Repulsive -話す事 - ~270 Attractive Y.Akaishi, EXA05 proceedings (2005) 200~300MeV
Three early experiments 2p level shifts of the K--4He atom Three early experiments 3d2p C.E.Wiegand and R.Pehl, Phys.Rev.Lett.27 (1971) 1410. Exp. C.J.Batty et al., Nucl.Phys.A326 (1979) 455. Average eV eV Shift Width -話す事 - Very large repulsive shift S.Baird et al., Nucl.Phys.A392 (1983) 297. Large background No in-beam energy calibration etc…
Beam-line apparatus CFRP Vacuum chamber He target cell Beam-line DC T1 C degrader -話す事 - LC DC & TOF start counter T0
検出器系の全体構成 K- K- K- K- K- Beam Time LC BLC DC LC BLC DC LC BLC LC DC 2005年 10月 (first cycle) … 約 1ヶ月間 2005年 12月 (second cycle) … 約 2週間 K- LC BLC DC Secondary charged particle Secondary charged particle K- LC BLC DC K- LC BLC Secondary charged particle K- LC DC 4He target & SDD Beam (@KEK-PS K5 Beam line) Momentum of K- : 600 MeV/c K- beam : 4K/spill π-/K- ratio : ~200 LC : π/K separation BLC : K- beam trajectory VDC and PDC: Secondary charged particle trajectory K- -話す事 - Trigger - (stopped K-) * (secondary charged particles) - SDD self trigger