電気的特性からみた基板結晶の課題(主に他人の褌で) 名古屋工業大学 大学院工学研究科 准教授 加藤 正史 http://ik-lab.web.nitech.ac.jp/ @m34kato
ユニポーラデバイスの観点 プロセスで何とかなる=シリアスでない? リーク・酸化膜破壊は 表面のピットに起因 ピットは転位位置に H. Fujiwara et al., Appl. Phys. Lett. 100 (2012) 242102. のFig.5 転位の減少が必要 ただしプロセスによっては ピットにならない プロセスで何とかなる=シリアスでない?
バイポーラデバイスの観点 エピ層のキャリアライフタイムが重要 従来制限してきたのは点欠陥(Z1/2) Z1/2は低減可能 S. Ichikawa, Appl. Phys. Express 5 (2012) 101301 のFig.1. Z1/2は低減可能 数十μsのキャリアライフタイムが実現 キャリアの拡散長は100 μmオーダー となるとキャリアは転位により再結合 S. Ichikawa, Appl. Phys. Express 5 (2012) 101301. のFig3(b) 転位の周囲100 μmΦのキャリアが 転位で再結合すると仮定 で、転位にリミットされないためには 100 μm 1/(100μm×100μm×)=3×103 cm-2 現状の市販ウェハ ~104 cm-2 3×103 cm-2は現実的な目標か?
転位の種類に関して 結局全ての転位を少なくして欲しい、という身も蓋も… 刃状よりも螺旋の方が悪影響 Gan Feng et al., Jpn. J. Appl. Phys. 49 (2010) 090201 のFig.1 刃状よりも螺旋の方が悪影響 ただしバーガースベクトルまでは議論できていない 結局全ての転位を少なくして欲しい、という身も蓋も…
将来の基板への期待 SiC IGBTが実用化され、その後には キャリアライフタイムの長いSiC基板が必要に? Si IGBTの場合 エピコストを下げるため FZウェハを使用 キャリアライフタイムの長い 基板があれば厚膜エピは不要 D. Burns et al., ISPSD '96 Proceedings 331. のFig.1 SiC IGBTが実用化され、その後には キャリアライフタイムの長いSiC基板が必要に?
IGBTドリフト層用基板への要求 コストメリットを考慮すると、夢かもしれませんが… ドーピング密度を下げる キャリアライフタイムを長くする 低窒素濃度基板 B. Zippelius et al., J. Appl. Phys. 111 (2012) 033515. のFig.2(a) キャリアライフタイムを長くする 点欠陥濃度の低減 ただし熱平衡濃度が存在 低温成長技術に脚光? コストメリットを考慮すると、夢かもしれませんが…