理論的意義 at Kamioka Arafune, Jiro

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理論的意義 2006.5.14 at Kamioka Arafune, Jiro SuperKamiokande成果の 理論的意義 2006.5.14 at Kamioka Arafune, Jiro

Most cited hep-ex E-prints in 2002   (based on Spires-HEP Literature Database, SLAC)        #1補足 SKを引用した論文の8割以上は理論  SKは理論に重要(実験との区別は困難) 1. EVIDENCE FOR OSCILLATION OF ATMOSPHERIC NEUTRINOS (累計2,627>此年344>実験45) By Super-Kamiokande Collaboration (Y. Fukuda el) Published in Phys.Rev.Lett.81:1562-1567,1998 2. LIMITS ON NEUTRINO OSCILLATIONS FROM THE CHOOZ EXPERIMENT(269) By CHOOZ Collaboration (M. Apollonio et al.) Published in Phys.Lett.B466:415-430,1999 3. SOLAR B-8 AND HEP NEUTRINO MEASUREMENTS FROM 1258 DAYS OF SUPER-KAMIOKANDE DATA(239) By Super-Kamiokande Collaboration (S. Fukuda et al.) Published in Phys.Rev.Lett.86:5651-5655,2001 4. TAU NEUTRINOS FAVORED OVER STERILE NEUTRINOS IN ATMOSPHERIC MUON-NEUTRINO OSCILLATIONS)189) By Super-Kamiokande Collaboration (S. Fukuda et al.). Published in Phys.Rev.Lett.85:3999-4003,2000 5. CONSTRAINTS ON NEUTRINO OSCILLATIONS USING 1258 DAYS OF SUPER-KAMIOKANDE SOLAR NEUTRINO DATA(184) Published in Phys.Rev.Lett.86:5656-5660,2001

Kamiokande の未解決の謎 (1983年完成、水 3,000 ㎥ 、光電管1,000本) 大気ニュートリノ異常(実験/予想 = 0.59 ?!)   太陽ニュートリノ欠損(実験/予想 = 0.49 ?!) 陽子崩壊探索 (minimal SU(5)否定、では?!)   超新星ニュートリノ  (SN爆発メカニズム?!)

SuperKamiokandeの成果の理論的重要性 #3   水 50,000 ㎥, 光電管11,200本)

SuperKamiokandeの成果 の理論的重要性 #4     「ニュートリノ振動」の発見 質量の2乗差  = (0.05eV)^2 質量 :Pauli の1930年以来の謎に決着      超高エネルギーの新物理(see-saw)    MNS行列の混合角最大 sin^2(2θ)= 1    CKM行列の場合(λ^2=0.04)より断然大きい!

SuperKamiokandeの成果の理論的重要性 #5 1B. K2K 長基線ニュートリノ実験   KEK (250km)Kamioka 振動あり !         質量、混合角を確証

SuperKamiokandeの成果の理論的重要性 #6 2. 太陽ニュートリノ欠損      これも  振動が原因      質量の2乗差  = (0.008eV)^2 混合角:最大に近い sin^2(2θ)= 0.91      SK:質量と角度を絞る         SK + SNO + KamLand +…

SuperKamiokandeの成果の理論的重要性 #7 ニュートリノに質量を発見 質量差、混合角を決定           大統一理論(GUT)へ    超高エネルギーの新物理(see-saw)       宇宙のバリオン数(福来-柳田) ?      SK以後、  クォーク + レプトン           の両方同時説明の必要、足掛かり           (CKM行列+MNS行列)

SuperKamiokandeの成果の理論的重要性 #8 ニュートリノ質量      宇宙の構造?      m = 0.03eV - 0.04eV           with CMBpol, LSST +….? Wang et al(2005),Kaplinghat et al (2003)

SuperKamiokandeの成果の理論的重要性 #9 3.陽子崩壊探索 p-decay 大統一理論(GUT)の研究    3つの力(電弱強)の統一     2種の粒子(クォーク,レプトン)の統一      ---> 力と粒子の統一(超対称)        ---> 重力の統一(弦?) 宇宙の物質の起源を解明

SuperKamiokandeの成果の理論的重要性 #10 Kamiokande: p  eπ      minimal SU(5) GUTを否定 SuperKamiokande: p  νK      寿命> 2.3 × 10^33 年       minimal 超対称SU(5) GUTを否定       新理論へ指針         SU(5)+U(1), SO(10), E6….

SuperKamiokandeの成果の理論的重要性 #11 4.超新星のニュートリノ     (1987年から、未だ無いが) 超新星   宇宙の元素の起源 重元素(O、Zn 等)超新星(SN)  爆発の詳細は未解明     when, where, how?

SuperKamiokandeの成果の理論的重要性 #12 過去の超新星ニュートリノの探索 上限(SK,2003) 発生率一定を否定  観測まであと少し?

終りに SK   素粒子の基礎理論 SK  宇宙創生理論           成果を今後も期待します!