平成29年度下期 事業者アンケート調査結果 (平成30年1月実施) 平成29年度 伴走型小規模事業者支援推進事業 平成29年度 伴走型小規模事業者支援推進事業 平成29年度下期 事業者アンケート調査結果 (平成30年1月実施) 平成30年2月 函館東商工会
回答者属性 調査目的 小規模事業者が今後の経営に係る企画立案に当調査報告書を活かすことでより現実的、具体的な事業計画を作ることを目的とする。 調査期間 平成29年12月28日~平成30年1月19日 調査対象 函館東商工会管内の小規模事業者242者 回答事業者 60事業者(回答率24.8%) 業種構成 漁業2 製造業12 卸売業1 小売業13 サービス業10 飲食業3 建設業18 自動車整備業1 合計60
業績および景況感 直近の売上高については、1,000万円未満が41.7%、1,000~3,000万円未満が20.0%と、3,000万円未満の事 業者が約6割を占めた。 一方で直近売上高が1億円以上という事業者も合わせて約4分の1存在した。 今後の景気の見通しについては、「悪くなる」、「非常に悪くなる」を合わせると半数以上を占め、多くの事業者 が今後の景気を悲観している状況。一方、「良くなる」と回答した事業者は1割未満であった。
景況感の理由 景気が良くなる理由は、「新商品・サービスの開発・普及」が最も多い(全体の回答数が15者と少ないため、さく までも参考程度)。 景気が悪くなる理由は、「顧客数の減少」が最も多く、次いで「所得の減少」となり、この2つの項目で半数近くを 占めた。地域住民を主要顧客としている小規模事業者にとって、人口減少に伴う顧客数減少は大きな脅威で あり、また消費税率再引き上げや燃料代の高騰等、所得を減少させる要因が多いことも脅威である。
経営資源の充足度 人員の状況については、「ちょうどよい」と回答した事業者が65.5%と最も多かった。また「不足気味」、「かなり 不足」と回答した事業者は約4分の1存在し、その内訳は製造業5者、建設業5者、サービス業4者、小売業1者と、 人手を多く要する業種で不足と感じている。 設備の状況については、「ちょうどよい」と回答した事業者が約4分の3であった。なお「不足気味」と回答した事 業者の主な業種では、建設業4者、サービス業4者、小売業2者という内訳であった。
書類の電子化 書類の電子化については、その必要性を感じている事業者は9.8%と約1割に過ぎなかった。経営者の高齢化 や今後の事業の悲観的な将来性等から、従来の手法を細々と継続することが最も負担が軽いと推察されるが、 特に伝票・帳簿類の電子化は、タイムリーな経営状況の把握には非常に効果的である。このメリットを理解・実 感してもらうことが必要と考えられる。
事業者の強み 事業者が感じている強みは、「自身の体験・ノウハウ」が23.6%と最も多く、「従業員の体験・ノウハウ」が13.0%、 「商品・サービスの品質」が10.6%と続いた。「ヒト」に関する強みを意識していることがわかるが、裏を返せば、自 身がリタイアした後や、従業員が退職した後は、その強みが消滅してしまう可能性があり、早期に技術やノウハウ の伝承および標準化を進めていく必要がある。
強みを最大限発揮するために・・・ 前項で指摘したとおり、「技 術やノウハウをいかに伝承 していくか」と感じている事 業者が多い。 お客様のニーズを意識した 記述をした事業者も何人か いるが、そのニーズの把握 方法や、効果的な対応の 仕方について、一歩掘り下 げた支援も必要ではない か。
事業者の弱み 事業者が感じている弱みは、「後継者の不在」が18.3%と最も多く、次いで 「広告宣伝や販売促進の手法」および「事業所の立地条件」が9.8%と同数で 並んだ。 「ITが活用できていない」も多く回答されており、これらの弱みを克服するた めには、「ITを活用した広告宣伝や販売促進」という支援も効果的ではない か?
弱みを克服・改善するために・・・ 回答数は少なかったが、あ きらめ感が漂ったり、抽象 的な表現にとどまる結果と なった。 時間が経過して取り返しの つかない事態になる前に、 専門家等の第三者による 客観的な弱みを認識し、そ の克服・改善方法について 早期に検討していくことが 必要である。
経営環境の把握 半数以上が経営状況をきちんと把握したいと考えているが、決算時期の年 に一度という頻度が多い。売上高だけでも月次で把握すべきである。 顧客ニーズの把握方法については、「会話やメール」が36.8%と圧倒的に 多かった。情報収集には費用はかけられないため、「ITの活用による双方 向の広告宣伝」が当面の小規模事業者の課題ではないか。
事業計画の策定 事業計画については、多くの事業者が定期的に策定することは重要であると認識し つつも、実際にあると回答した事業者は36.4%と約3分の1であったが、道内の小規 模事業者の現状を考慮すれば3分の1という割合は低くない。 策定の動機については、「融資の申し込み」が44.4%と最も多く、「補助金・助成金の 申請」が18.5%と続き、必要に迫られて策定しているケースが多いと推察される。 一方、「定期的・自主的」に策定する事業者も一定程度存在。彼らに事業計画策定 の重要性を広めてもらうのも、一つの方法ではないか。
事業計画の策定 今後の事業計画策定の予定は、あると回答した事業者4分の1にとどまり、前項で事業計画があると回答した事 業者も今後の事業計画策定には消極的な事業者が一部存在。 今後策定が必要になる場面については、融資や補助金・助成金が多く回答された。しかし3位に回答された定期 的・自主的に策定しようとする事業者が増えるのが理想であり、そのためにも、事業計画の策定とその効果といっ た事例などを周知していくことも必要と考えられる。
自由意見