近赤外線多天体分光カメラ SWIMSの開発状況

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近赤外線多天体分光カメラ SWIMSの開発状況 小西 真広 (東大・天文センター) 本原 顕太郎、高橋 英則、加藤 夏子、 舘内 謙、北川 祐太朗、藤堂 颯哉、小早川 大 TAO PROJECT The University of Tokyo Atacama Observatory 第4回可視赤外線観測装置技術ワークショップ 2014.12.03-04

装置概要 Simultaneous-color Wide-field Infrared Multi-object Spectrograph 2バンド同時の撮像もしくは分光 2Kx2K検出器4台で  9.6’の広視野を カバー 狭帯域フィルター10種、中帯域フィルター8種、 広帯域フィルター4種を搭載 0.9-2.45m の全波長域をR~1000で 一度に多天体分光 視野14” x 10”の面分光ユニットも開発中 2m x 2m x 2m、2.5 tons More details  Motohara et al. (2014) SPIE Proc.

装置概要 Light from a telescope Telescope Focal Plane MOS Slit Plate / IFU Blue Arm Dichroic Mirror Red Arm

光学系 Camera Telescope Focal Plane (Blue arm) Window Collimator Camera # Material Φ [mm] 1 CaF2 135.4 2 Fused Silica 134.97 3 160 4 5 ZnSe 126 6 116 Window # Material Φ [mm] 1 Fused Silica 254 2 238 Collimator # Material Φ [mm] 1 CaF2 224 2 212 3 Fused Silica 112 4 ZnSe 106 5 116 6 122 7 BaF2 128 # Material Φ [mm] 1 CaF2 135.4 2 Fused Silica 134.97 3 160 4 5 ZnSe 122 6 116.2 Camera (Red arm)

光学性能(設計値) 2.54:1 縮小光学系 視野全体に渡り、像サイズ<2pix コリメータ系 : 7枚構成 カメラ系 : 6枚構成 Spot for blue arm 2.54:1 縮小光学系 視野全体に渡り、像サイズ<2pix コリメータ系 : 7枚構成 224mm CaF2 field lens カメラ系 : 6枚構成 最終 F/4.8 ダイクロイック鏡 : 165mm x 125mm 平行光に挿入 設計、製作 : オプトクラフト Spot for red arm

クライオスタット 1.31m x 1.48m 光学ベンチ : 920mm x 960mm 設計、製造 : 住友重機械工業 GM冷凍機 + 液体窒素予冷で70Kまで冷却 全体冷却時間 : 100時間 (設計値) 設計、製造 : 住友重機械工業 クライオスタット内部 光学ベンチ

検出器 Teledyne HAWAII-2RG (各armに4台; 現在は2台) 2048 x 2048 pixels 18m pixel (0.126 arcsec/pix) 読み出し制御 : SIDECAR ASICs + JADE2 cards 開発進捗 etc ⇒ 藤堂講演 (口頭 + ポスター) 検出器保管方法 ⇒ 小早川講演 (ポスター)

MOS Exchanger Unit (MOSU) 冷却マルチスリット板を持ち運び・入れ替える機械系 20枚のスリット板 + IFUモジュール MOIRCS/Subaru設計をベースとする。 Access port Linear Driving Shaft (Stroke: 700mm) CCD monitor ports x3 Telescope Focus Slit Mask Dewar Focal plane dewar Gate valve ←Laser sensors x4 ○ GM Cryocooler Mask catcher hand (Grip: 33N) Rotation motor

MOS Exchanger Unit (MOSU) マスクキャッチャー エアシリンダー (0.5MPa) による開閉 最大1kgのものを持ち運び可能 冷却 7N 無酸素銅 熱パス (末端部半田処理) φ0.26mm x 100本 x 30束 MLI (10層) 48時間でマスク板~100K (実測) 焦点面の構造 回転軸 <CLOSE> <OPEN> 圧縮バネ (fail-safe用)

面分光ユニット マスク板と同じ機械的インターフェースを有するイメージスライサー型面分光光学系 スリット分光と面分光を観測中に即座に切り替える 視野 : 14arcsec x 10.4arcsec (すばる搭載時、4 H2RG /arm) スライサー : 0.4 arcsec幅、26スライス 光学設計完了 (Kitagawa+14, SPIE) 超精密加工機による製作を検討中 (理研との共同研究) ⇒ 北川講演 (口頭 + ポスター) 185 mm 150 mm 50 mm Side view Top view

制御ソフトウェア Device Control: Web Interface: CentOS 6 + Python2.7 CUI + GUI (Qt4) データ永続化 : MySQL Web Interface: HTML5 + JavaScript Framework + Python WSGI Read-only policy Motohara+14 (SPIE Proc.)

初冷却試験 @ 三鷹 光学ベンチのみでの冷却試験 冷却時間 : 51時間 液体窒素投入量 : 400L 到達温度 : ~97K 熱パスの締付けが緩んでいた疑い 300K 200K 100K 1日 2日 現在、光学系バッフル等を載せて第2回冷却試験を実施中。

たわみ試験 w/ Telescope Simulator 目的 : 装置を傾けて、デュワー壁に対して 光学ベンチがどの程度動くかを測定 (常温) 焦点面にレーザーセンサ (Keyence) を配置 保証外だが、中真空でも動作を確認できた 結果 : 横倒し姿勢において最大140mの変位を確認 焦点面内に0.6pix相当、光軸方向に0.02arcsec相当 光学性能には影響を及ぼさない範囲に収まっている 近日中に冷却下でも測定予定。

Schedule ~2015/12 : Assembly and Test at Mitaka 2016 2017 2018 ~2015/12 : Assembly and Test at Mitaka 2015/12 : Transportation to Subaru Telescope 申請中 2016/1-2018/6 : Engineering and first science observations at Subaru Telescope (will be served to open-use observations as a PI instrument) 2018/6 : Transportation to Chile 2018/12 : First light observation at TAO 6.5m

Summary SWIMS : Simultaneous-color Wide-field Infrared Multi-object Spectrograph 波長0.9-2.5m をカバーする撮像・多天体分光器 視野 9.6’ 2バンド同時の撮像および0.9-2.5mの多天体同時分光 構造試験、冷却試験を実施 2016年にすばる望遠鏡でfirst light予定 2018年にTAO 6.5m望遠鏡でfirst light予定