植物のCa2+-活性酸素情報伝達ネットワークと自然免疫・形態形成の制御

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植物のCa2+-活性酸素情報伝達ネットワークと自然免疫・形態形成の制御 第67回 Plant Science Seminar 植物のCa2+-活性酸素情報伝達ネットワークと自然免疫・形態形成の制御 朽津 和幸 博士 東京理科大・理工・応用生物科学 日時 : 7月 9日(金) 17:00〜 場所 : 北大理学部5号館813号室 (8階大学院演習室)  植物が病原体の感染やさまざまな環境ストレスに応答する過程では、しばしば Ca2+に代表されるイオンの動員や膜電位変化と、活性酸素種の生成が誘導される。私たちは、培養細胞が病原菌由来の感染シグナル分子を認識し、自律的な細胞死を含む感染防御応答を同調的に誘導するモデル実験系を構築し、情報の処理・伝達システムの分子機構の解明を目指して来た。最近の研究から、積極的な活性酸素種の生成とCa2+動員とが、相互依存的な情報伝達ネットワークを形成し、自然免疫・プログラム細胞死や形態形成の制御など、さまざまな局面で細胞の運命の決定に重要な役割を果たすことが明らかになりつつある。本セミナーでは、最近の知見を紹介し、植物の環境応答について議論したい。 ・Kurusu, T. et al. (2010) Regulation of Microbe-Associated Molecular Pattern-Iinduced Hypersensitive Cell Death, Phytoalexin Production and Defense Gene Expression by Calcineurin B-like Protein-Interacting Protein Kinases, OsCIPK14/15, in Rice Cultured Cells. Plant Physiol. 153: 678-692. ・Ogasawara, Y. et al. (2008) Synergistic Activation of Arabidipsis NADPH Oxidase AtrbohD by Ca2+ and Phosphorylation. J. Biol. Chem. 283: 8885-8892. ・Takeda, S. et al. (2008) Local Positive Feedback Regulation Determines Cell Shape in Root Hair Cells. Science 319:1241-1244. ・濱田 晴康 et al. (2010) 植物の防御応答におけるカルシウムシグナリング 植物のシグナル伝達-分子と応答 pp.105-112 共立出版 ・賀屋 秀隆 et al.(2009) 植物のストレス応答・形態形成における活性酸素種の積極的生成とその制御-活性酸素種生成酵素rbohの活性制御機構を中心に. 実験医学 27(15):84-91 Plant Science Seminar について 北大内で植物科学を研究している(特に)若い人たちの交流促進の場を提供するためのセミナーです。朽津和幸 教授は植物のカルシウムシグナリング研究を精力的に行っている代表的な研究者の一人です。来札に伴いセミナーをお願いしました。 連絡先: 綿引 雅昭  メール:watahiki@sci.hokudai.ac.jp 内線:4473