波動力学 不安定論(波の共鳴) 大気大循環 特に中緯度の高低気圧の発生 傾圧不安定とフェレル循環 人工衛星データの見方 流れの不安定論 波動力学 不安定論(波の共鳴) 大気大循環 特に中緯度の高低気圧の発生 傾圧不安定とフェレル循環 人工衛星データの見方 流れの不安定論
大気大循環 海洋熱塩循環は赤道非対称であったが、大気循環場は基本的に赤道対称 大きく分けて2種類の循環が存在 (①ハドレー循環、②フェレル循環) ①:本質的には、海洋熱塩循環と同じ 重いところで沈降し、軽いところで上昇するいわゆる対流 ②:流れの不安定によって起こるもの
冷たい北で上昇 暖かい南で下降
渦度を復元力とする波 傾圧不安定も順圧不安定(シア不安定)もKH不安定も統一的に理解しよう! 自習、復習用:2009年度海洋流体力学のページ 05_Potential_Vorticity.ppt ◎渦位の保存 ◎ロスビー波(定性論)と海洋大循環・西岸強化流の形成 06_QGPV_equation.ppt ◎準地衡流渦位方程式 ◎惑星ロスビー波(発散性、非発散性) ◎地形性ロスビー波 ◎停滞ロスビー波(⇔偏西風の蛇行パターン)
波の位相速度(伝播速度)は、波の波長によって異なる。 例えば、ロスビー波の場合、 したがって、共振(共鳴)条件を満たす波は、ある波長の波に限定されてしまう。
渦度を復元力とする波について ポテンシャル渦度(渦位) 回転を感じるシステムでの渦度 今、層厚が一定であるとすれば、北に変位した場所では、マイナスの相対渦度(時計回りの二次流)、南に変位している場所ではプラスの相対渦度(反時計の二次流)が発生する。 二次流によって、等渦位線(位相)は西に伝播してゆく。これが、ロスビー波の西進のメカニズムである。
コリオリ力の変化が小さい場合(小スケールの場合)には、相対渦度が効いてくる。
流れの不安定 コーヒーにクリームを入れて混ぜるとき、 どのようにして混ぜているのだろうか? そこにヒントがある。
一枚の何気ない衛星画像に面白いことが沢山ある 宗谷暖流 沿岸流 渦は小さい 親潮 大規模な 海洋循環 対馬海流 沿岸流 渦は大きい 流れの蛇行 と渦 黒潮 大規模な海洋循環
周囲の渦度に対して、 低渦度になるところには反時計回りの(正の)2次循環 高渦度になるところでは時計回りの(負の)2次循環 ができる。
2次循環が、渦度フロントの乱れを増幅するように作用するとき、不安定が起こる。 上記の位相関係が長時間維持されることが必須となる。 すなわち、青のフロントと赤のフロントに現れる擾乱のスケールと位相速度がほぼ一致することが条件。
流れの不安定とは? 共振、共鳴と理解すればよい
波の位相速度(伝播速度)は、波の波長によって異なる。 例えば、ロスビー波の場合、 したがって、共振(共鳴)条件を満たす波は、ある波長の波に限定されてしまう。 海岸線が直線的なら、最も成長速度が速い波長の波動擾乱が現れる。 しかし、海岸線が直線的ではなく、凹凸がある場合で凹凸のスケールで共振(共鳴)が起こるのなら、凹凸のスケールの波が現れる。
不安定が起こりうる条件を満たす 最も単純な系*でメカニズムを探る *系に波が2つ存在する
【砕波型】 流氷研レーダー 黒⇒海、白⇒氷 振幅の増大、減少を繰り返す。増大-減少のステージ変化は位相差がπの時に起こる。 黒⇒海、白⇒氷 【砕波型】 振幅の増大、減少を繰り返す。増大-減少のステージ変化は位相差がπの時に起こる。 沿岸域で活発な流体混合(マクロ的には、流れの安定化)
人工衛星画像を見たとき、上流側に砕波し、細かく入り乱れているパターンがあれば、それは、順圧不安定。 順圧不安定で、細かく入り乱れるパターンが現れれば、位相関係が波を成長させる状態と減衰させる状態が交互に起こっている。
同じ流れであっても、擾乱のスケールが異なれば、違うパターンを呈する。 もし、渦が沿岸から切り離され沖に輸送されるのなら、そのようなことが起こっている海域が外洋環境を決めるのに大事であると言える。
【渦対型】 短い波長の 不安定波 (最大成長率) 【砕波型】 長い波長の 不安定波 地形規定のスケール 基本流は同一であるが、 不安定波の波長を倍にすると・・・ 【渦対型】 振幅が増大する位相関係が維持される 沿岸水の外洋への効果的な輸送 短い波長の 不安定波 (最大成長率) 【砕波型】 長い波長の 不安定波 地形規定のスケール
さて、この画像を見て、北極海沿岸の流れは、このときどちら方向であるかを答えよ。 沿岸水の 外洋への輸送 凹凸のある 海岸線 比較的直線的
何故、波打つのだろう? 沿岸流の蛇行の様子に似ている⇒同じ物理で表現できる
ケルビン・ヘルムホルツ不安定 鉛直混合を考えるときに大事な現象 軽い 中間 重い
小 大 小
宗谷暖流の場合と、渦度の大小パターンが同じことが分かる。 ⇒同じことが起こる。(物理は同じ)
さて、最後に傾圧不安定 (フェレル循環(ロスビー循環)) 順圧不安定やKH不安定では、渦度のパターンが重要であった。渦度の大小に起因する波の共振(共鳴)が不安定であることを述べた。 傾圧不安定も、同じメカニズムでおこる。 どの波とどの波が共振(共鳴)するのかを考えることが第一。
上空の空気の積み重なりを考える 地表面では、ほとんど同じ圧力 =上に乗っている空気の質量が同じ 冷たい空気 暖かい空気 北 南
上空では、どうなっているか? 南 北 地表面では、ほとんど同じ圧力 =上に乗っている空気の質量が同じ 冷たい空気 暖かい空気 質量は大 この高度より上に乗っている 大気の質量を考える 地表面では、ほとんど同じ圧力 =上に乗っている空気の質量が同じ 冷たい空気 暖かい空気 北 南 質量は大 質量は小 高圧 低圧
地衡風(地衡流) 北に向かうにつれて、圧力pは減少 :西風 上空にゆけばゆくほど、 南北の圧力差は大きくなる
北 南
渦度はどうなっているか? 北 南
簡単にしてみる 北 南 大 小 大 小
渦度前線があるとして考える 北 南
上から見る 上層:q大 北 下層:q小 + - ー + 上層:q小 南 下層:q大
上から見る 北 南 上層:q大 南に向かうところは、 等密度面が高い 下層:q小 + - ー + 上層:q小 北に向かうところは、 等密度面が低い 南 下層:q大 等密度面高度
冷たい北で上昇 暖かい南で下降 フェレル循環は、 冷たいところで上昇、暖かいところで下降する意味が分かった!