Growth of cloud droplets

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Growth of cloud droplets jh180009-NAH 後藤俊幸 (名古屋工業大学) 研究課題名 乱流混合と内部自由度のあるマイクロ粒子巨大集団との相互作用 condensation collision-coalescence rain updraft downdraft Growth of cloud droplets nucleation ice aerosol sea surface entrainment large eddy turbulence small eddy turbulence 乱流中の内部自由度のあるマイクロ粒子 雲粒子とエアロゾル エアロゾル(半径1μm以下)から雲粒子が生成され数100μmまで成長 凝結・蒸発・衝突・併合・分裂により粒径が変化し 潜熱による浮力と粒子に働く抵抗を通して乱流場と結合 鎖状高分子 極めて多数のモノマーが鎖上に繋がった高分子 熱平衡長が数μm程度、流れ場により100μm程度まで伸長 流体抵抗と高分子内の弾性力を通して乱流場と結合 微化石 34億年前の約50μmの古生物 Sugitani et al. Precambrian Research 173, 50-59 (2009) 34億年前の地層から採取された約50μmの古生物の化石 研究目的 雲粒子は如何にして雨粒子になるか? 第2世代雲マイクロ物理シミュレータにより水蒸気や温度の乱流混合・輸 送と1億を超える雲粒子の活性化から雨粒子までの成長プロセスを物理 の基本原理にのっとって丸ごとシミュレーション 雲粒子の活性化・凝結・衝突・併合・分裂による粒径分布の変化,乱流 による雲粒子の不均一な空間分布,乱流へのフィードバックを解析し雨 粒形成までの全プロセスを長時間積分(約20分間)により解明 雲乱流中の速度,温度,水蒸気、エアロゾルの異常揺らぎの統計法則, モーメントのスケーリング指数の普遍性の解明 鎖状高分子および微小粒子と乱流との相互作用の解明 離散高分子モデルと流れ場の相互作用計算の効率化 乱流抵抗低減メカニズムの解明 低レイノルズ数で発生する弾性乱流の基本性質の解明 非球形微小粒子集団の乱流輸送と乱流変調 雲粒径分布関数のエアロゾル注入率依存性. 上図:室内実験(Chandrakar, PNAS2016), 下図:CMSによる計算.エアロゾル注入率が増大すると平均粒径は小さくなり,分布の幅は狭くなる. 2018年 研究計画 雲粒子活性化から雨粒子形成までの連続的成長計算をより大規模か つ高レイノルズ数で行ない、雲粒子衝突の統計解析(衝突係数,相対速 度,動径分布関数)をおこなう 高レイノルズ数での乱流スカラー(水蒸気、温度、エアロゾル)の微小ス ケールでの揺らぎの統計法則の解明(スケーリング指数、揺らぎの確率 密度関数,確率密度関数、シュミット数依存性) 雲中を移動するセル内の乱流のより物理的な駆動方法の開発(SES) Volume Penalization法を用いて,単純流れ場中の非球形粒子が流体か ら受ける力やトルクを計算するためのコードを作成する 乱流スペクトルの遠散逸領域における高分子の影響を解析し、弾性乱 流で観測されるスペクトルとの関連性を明らかにする 種々の粒径比やウェーバー数,レイノルズ数に対する雲粒子の衝突併 合解析とその結果をもとにした衝突ダイアグラムの作成 LBMによる 水滴接近時の圧力分布図 (a) ∆=1.0: (b) ∆=0.5. I. Saito, T. Gotoh, ``Growth from cloud droplets to rain drops in cumulus”, New J. Phys. 20 (2018) 023001, (see also Research Highlights in Nature Phys. March, 2018) I. Saito, T. Gotoh, T.Watanabe,``Size-distribution spectrum of non-inertial particles in turbulence”, Phys. Rev. E. 97, 053108 (2018) M. Yoshino, J. Sawada, K. Suzuki, ``Numerical simulation of head-on collision dynamics of binary droplets with various diameter ratios by the two-phase lattice kinetic scheme”, Computers & Fluids (in press), 2018 等方乱流中の渦(青)と球形粒子群(赤)の分布の様子を示す.粒子数3072個,比重は10であり,この時のストークス数は0.9程度