圧電素子を用いた 高エネルギー素粒子実験用小型電源の開発 Contents 背景 圧電素子 動作確認 まとめと今後 陣内・柴田 研究室 岸田 拓也 2009/12/7
1. 背景 -ATLAS実験- ATLAS実験のアップグレード → シリコン検出器の高集積化 ケーブル数は増加できない → シリコン検出器の高集積化 → チャンネル数の増加 ケーブル数は増加できない → 損失電力の軽減が必要 消費電力の増加 2009/12/7
電力損失 圧電素子 電力損失大!! 検出器(読み出しASIC)の近くに変圧器(DC-DC converter)を置きたい ケーブルでの電力損失率を減らしたい!! 電源 読み出しASIC ケーブル → 必要な場所までは高電圧×低電流で流せばいい 低電圧×高電流 高電圧×低電流 変 圧 器 電源 読み出しASIC ケーブル 検出器(読み出しASIC)の近くに変圧器(DC-DC converter)を置きたい ・小型化 ・放射線に強い ・磁場の影響を受けない 圧電素子 2009/12/7
2. 圧電素子 Push!! Push!! 圧電素子とは:圧電効果を用いた変圧素子のこと。 + - 振動 GRD 加えられた圧力に応じた電圧が物質に発生する効果。 (逆もある) + - Push!! Push!! 一般的なタイプ 今回用いるタイプ ROSEN型圧電素子 etc… 輪郭広がり振動モードを利用した圧電素子 右側のものを用いる理由は素子を固定する時に伸縮する部分は固定してはまずく、左のタイプは一波長タイプだと節である3点しか保持できないから。 また、理由は詳しくは知らないが、右の方が熱放出などもよいらしい。 一次側電極 (入力) 一次側電極 (入力) 二次側電極 (出力) 振動 一次側(駆動部) 二次側(発電部) 二次側電極 (出力) 2009/12/7 GRD
入力電圧(100mV)の周波数と出力電圧(gain)の関係 圧電素子の等価回路 個々の圧電素子で決まった物理定数 入 力 出 力 圧電素子の共振周波数 が決定 入力電圧(100mV)の周波数と出力電圧(gain)の関係 『gain特性曲線』 Gain(dB) 24Vに対して2Vを得たいとすると、gainが約1/10のこのあたりを動作周波数領域とする 2009/12/7 入力電圧の周波数(Hz)
INPUT(V) 今回の小型電源(変圧器)のメイン回路図 OUTPUT (V) 圧電素子 圧電素子 AC’→AC AC→DC DC→AC’ スイッチ回路:矩形波を作る AC’→AC AC→DC DC→AC’ OUTPUT (V) 外付けコイル: 矩形波から正弦波成分を取り出す ~15cm 圧電素子 2009/12/7 ~20cm
出力電圧がぶれずに一定の値を取る周波数の位置 3.動作確認 圧電素子の温度や出力の負荷等によってgain特性曲線の形は変わる。 → まずは入力電圧の周波数を手動で調節し、動作点を探す。 出力電圧がぶれずに一定の値を取る周波数の位置 = Gain特性曲線の該当する位置 見つかった動作点に対して、負荷を重くしても動作するか確認 = 制御回路の制御能力に依存 -20dB 2009/12/7
4.まとめと今後 ・圧電素子を用いた小型電源を用いることでケーブル中での電力損失を 抑えることがこの開発の目的 抑えることがこの開発の目的 ・制御回路がどの程度の範囲まで安定に動作しているかの確認中 ・動作周波数の様々な依存性を調査中 ・外付けのコイルを取り外した状態での測定及び評価 ・実機(シリコン検出器)での試用 2009/12/7
おしまい 2009/12/7
Back up 2009/12/7
改良点 広すぎ!! 駆動周波数の決定: 回路中のある可変抵抗の値を調節しなければならない ・最初 可変抵抗の幅 0~10kΩ 駆動周波数 回路中のある可変抵抗の値を調節しなければならない ・最初 可変抵抗の幅 0~10kΩ 駆動周波数 0~数MHz 広すぎ!! ・改良後 可変抵抗の幅 620~1.12kΩ 駆動周波数 100kHz~250Hz(およそ) 改良後 最初 2009/12/7
dB(デシベル) 入力電圧:Vin 出力電圧:Vout とすると 入力電力:Pin 出力電力:Pout とすると 2009/12/7