計算の理論 I ー ε-動作を含むNFA ー 月曜3校時 大月 美佳.

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計算の理論 I ー ε-動作を含むNFA ー 月曜3校時 大月 美佳

連絡事項 その1 前回の解答の間違いについて 書き間違えてました (これが正解) m10 m50 m100 b30 b50 10 50 10 50 100 20 60 30 70 40 80 90 前回の解答の間違いについて 書き間違えてました (これが正解)

連絡事項 その2 質問掲示板を(ようやく)設置しました。 http://www.cs.is.saga-u.ac.jp/lecture/automaton/sylpheed/

今日の講義内容 前回のミニテストと補足事項 今日の新しいこと ミニテストの解答例 補題 ε-動作を含むNFA ε-CLOSURE ε-動作を含むNFAと含まないNFAの等価性

NFAと等価なDFA NFA: M (Q, Σ, δ, q0, F) → DFA: M´(Q´, Σ, δ´, q´0, F´) → δ P00 … P0n : qk Pk0 Pkn a0 an [q0 ] [P00] … [P0n] : [qk ] [Pk0] [Pkn] [q0, q1 ] [P00∪P10] [P0n∪P1n] [q0, …, qk ] [P00∪ …∪Pk0] [P0n∪ …∪Pkn] → δ δ´ Pij :状態qiのとき入力ajに対して遷移しうる状態の集合(Qの部分集合)

NFAと等価なDFA つづき NFA: のF→ DFAのF´の求め方 F={qk } → F´={[qk ], [q0,qk], …, [q0,…, qk ,…, qn]} F={qj, qk} → F´={[qj ], [qk], …, [q0,…, qj ,…, qk ,…, qn]} Q´の中でFのどれかの要素を含むもの

Q´とF´の求め方 (ミニテスト:総当り) NFA: M ({p, q, r, s}, {0, 1}, δ1, p, {s}) → DFA: M´(Q´, Σ, δ´, q´0, F´) Q´= Qのベキ集合(部分集合の集合) = { ○, [p], [q], [r], [s], [p, q], [p, r], [p, s], [q, r], [q, s], [r, s], [p, q, r], [p, q, s], [p, r, s], [q, r, s], [p, q, r, s] } 4C1個 F´ 4C2個 4C4個 4C3個

δ´の求め方 (ミニテスト:総当り) δ´ δ1 → 1 p p, q q r s - 1 - [p ] [p, q] [p] [q] 1 - [p ] [p, q] [p] [q] [r] [r ] [s] [p, q ] [p, q, r] [p, r] [p, r ] [p, q, s] [p, s ] [p, s] [q, r ] [r, s] [q, s ] [r, s ] [p, q, r, s] [p, r, s] [q, r, s] [p, q, r, s ] δ1 1 p p, q q r s - →

きちんと書くと (ミニテスト:総当り) Q´= { ○, [p], [q], [r], [s], [p, q], [p, r], [p, s], [q, r], [q, s], [r, s], [p, q, r], [p, q, s], [p, r, s], [q, r, s], [p, q, r, s] } Σ={0, 1} q´0 =[p] F´= { [s], [p, s], [q, s], [r, s], [p, q, s], [p, r, s], [q, r, s], [p, q, r, s] }

総当りでは無駄が多い =q´0([p])からの道がない状態を含む 1 開始 1 0,1 0,1 0,1 [p] [q] [r] [s] ○ 0,1 1 1 1 1 0,1 [p, q] [p, r] [p, s] [q, r] [q, s] [r, s] 1 1 0, 1 0,1 1 [p, q, r] [p, q, s] [p, r, s] [q, r, s] [p, q, r, s] 1

δ´ とQ´とF´を求める (ミニテスト:最小) 1 [p ] [p, q] [p] [p, q ] [p, q, r] [p, r] [p, r ] [p, q, s] [p, q, r, s] [p, r, s] [p, s] [p, s ] [p, q, r, s ] 開始 1 p p, q q r s - → F´ Q´

きちんと書くと (ミニテスト:最小) Q´= { [p], [p, q], [p, r], [p, s], [p, q, r], [p, q, s], [p, r, s], [p, q, r, s] } Σ={0, 1} q´0 =[p] F´= { [p, s], [p, q, s], [p, r, s], [p, q, r, s] }

補題 NFA: M ({p, q, r}, {a, b, c}, δ, p, {q}) と等価なDFAを求める。 δ c b a a a b 開始 a b c p p, q - r q a a a p q r b c a, c c

δ´ とQ´とF´を求める (補題:最小) δ δ → F´ Q´ 開始 a b c p p, q - r q a b c [p] [p, r] → F´ Q´

きちんと書くと (補題:最小) Q´= { ○, [p], [r], [p, r], [p, q], [q, r], [p, q, r]} Σ={a, b, c} q´0 =[p] F´= { [p, q], [q, r], [p, q, r]} b 開始 a, b, c c b [p] [r] ○ a a c b b a, c b [p, q] a [p, r] [q, r] [p, q, r] a,b c a c c

今日の新しいこと ε-動作を含むNFA ε-CLOSURE ε-動作を含むNFAと含まないNFAの等価性 正則表現とのつなぎとして

ε-動作を含むNFA ε-動作を含むNFA Wがε-動作を含むNFAで受理 定義式 M (Q, Σ, δ, q0, F) → δ(q, a) =状態qからラベルaの遷移で移る先の状態の集合

ε-動作を含むNFAの例 (p. 32 図2.8) 受理入力列の例 δ Σ∪{ε} 002→00εε2 012 →0ε1ε2 12 →ε1ε2 2 →εε2 δ Σ∪{ε} 1 2 ε q0 {q0 } ○ {q1 } q1 {q2 } q2 {q2 } q2 q1 2 q0 ε 1 開始

ε-CLOSURE ある状態qからε-動作のみで移れる先の状態の集合 ε-CLOSUREの定義 文字列に対する遷移関数 を定義するため 文字列に対する遷移関数 を定義するため ε-CLOSUREの定義 ε-CLOSURE(q) =遷移図からラベルがεでない有向辺を取り去った上で、qから到達可能な頂点の集合 ε-CLOSURE(P) : Pは状態の集合 =

ε-CLOSUREの例 (p. 34 例2.8) ε-CLOSURE(q0)={q0, q1, q2} 1 開始 ラベルがεである暗黙的な辺 (長さ0の辺)

a q ε a q´ qからaの辺で直接到達できる状態の集合 qからaをラベルに持つ道(εを含む)を通って到達できる状態の集合

ε-動作ありNFAの受理言語 定義

受理の例 (p. 34 例2.8) 0: 01:

ε-動作なしNFAと ε-動作ありNFAの等価性 (p.34 定理2.2) ε-動作ありNFA: M (Q, Σ, δ, q0, F)が ε-動作なしNFA: M´(Q, Σ, δ´, q0, F´) で模倣できる(定理2.2:証明略)。

ε-動作ありNFAを模倣する ε-動作なしNFAの例 (p. 36 例2.9) δ δ´ 1 2 ε q0 {q0 } ○ {q1 } q1 {q2 } q2 {q2 } 1 2 q0 {q0, q1, q2 } {q1, q2 } {q2 } q1 ○ q2 q2 q1 2 q0 ε 1 1 2 0,1 1,2 q0 q1 q2 0,1,2 開始 開始

今日のミニテスト ミニテスト 演習問題 2.9のb 教科書・資料を見ても良い 資料、ミニテストがない人は前へ 提出したら帰って良し