日本における中規模以上の地震発生タイミングの衛星画像からの把握について

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日本における中規模以上の地震発生タイミングの衛星画像からの把握について 衛星画像に繰り返し現れる特殊な現象と地震発生の関連について 2011.3.26 湘南・IKU   衛星画像の前兆の根拠について    (本資料の引用抜粋版)

1.はじめに 1 スマトラを含むスンダ列島、ニューギニアを含むソロモン諸島などでマグニチュード(以下Mと略)6以上の地震が発生する場合、衛星画像において震源付近に特徴的な雲の形状が出現することが多く見られる。 この形状は、①直線的な帯状の雲とそれに付随する雲の亀裂形状、②円形の雲の吹き飛ばし形状、③稲妻状の波状雲などである。これらは詳細を後述するが、震源付近に地震に先立ち前兆現象として現れるものと推測される。

2-1 日本国内の中規模以上の地震の前兆と見られる事例 2.現在の衛星画像からの予測状況 2-1 日本国内の中規模以上の地震の前兆と見られる事例 ① 2004年9月5日 紀伊半島沖深さ10キロ、M6.9、M7.4  発生20日前の2004年8月16日の可視画像において、震源付近をほぼ東西方向に走る亀裂形状が出現した。この形状については、震源となる断層付近で  温度上昇があり、上昇気流により雲が吹き飛ばされている可能性がある。 ・図2-1 8月16日11時衛星可視画像

2.現在の衛星画像からの予測状況 ② 2004年10月24日 新潟県中越深さ20キロ、M6.8 発生7日前の2004年10月16日の可視画像において、震源付近を円形の形状を持つ雲が通過。この形状については、発生が近づいている震源付近を台風・低気圧が通過することにより、震源付近で発生しているピエゾ電流起因の電磁気力を受け、独特な形状を出現している可能性がある。 ・図2-2 10月16日11時衛星可視画像

2.現在の衛星画像からの予測状況 ③ 2005年3月20日 福岡県西方沖浅い震源、M7.0 発生前日の3月19日、震源付近から雲の吹き出し形状が現れた。この形状は、震源付近の温度上昇があり、その上昇気流により震源周囲では雲が吹き 飛ばされ、吹き飛ばしの周囲に雲が発生している可能性がある。 ・図2-3 3月19日17時衛星可視画像

2.現在の衛星画像からの予測状況 ④ 2006年11月15日 千島列島深さ30キロ、M7.9 (但し9月26日のM5.5から10月13日にかけてM5〜6の前駆活動あり) 前駆活動に先立つ9月3日、震源付近に境界前兆雲。同22日に稲妻状の 波状雲が出現。稲妻状の波状雲は生成要因の詳細が不明であるが、 震源の周囲に発生する。 ・図2-4 9月3日22時 衛星赤外画像、9月22日 可視画像(JAXA提供)

2.現在の衛星画像からの予測状況 ⑤ 2007年7月16日 新潟 上中越沖深さ17キロ、M6.8 発生5日前の7月11日の赤外画像において、震源付近から円弧を描く雲の立ち上がりが見られた。この形状については、2004年の中越地震で記述した雲と同様と思われる。 なお、両度の中越地震はいずれも震源付近に台風接近→急激な減衰後の発生。 ・図2-5 7月11日20時赤外画像

2.現在の衛星画像からの予測状況 ⑥ 2008年5月8日 茨城県沖深さ40キロ、M7.0 発生7日前の5月1日7時全球画像で震源海域を包括する雲のオメガ形状が現れた。日本付近ではあまり見られずこの事例は希である。バヌアツやニュージーランドなどの海域の中規模以上の地震の前兆として出現することが多い。震源付近からの電磁気や温度上昇に起因するものと考えられる。 この地震発生後の6月14日に岩手内陸南部M7.2が発生しており、この前兆も含んでいる可能性がある。 ・図2-6 5月1日7時全球画像(全球画像=クイックルック画像)

2.現在の衛星画像からの予測状況 ⑦ 2008年6月14日 岩手県内陸南部深さ8キロ、M7.2 発生前日の6月13日20時全球画像で震源付近を中心とする雲の円形状が現れた。日本列島やその周辺で中規模地震が発生する場合、このような巨大円形状が発生することがある。発生メカニズムは不明であるが、震源付近から上空に放出される噴水状の電磁力線が関係している可能性がある。 ・図2-7 6月13日20時全球画像

2.現在の衛星画像からの予測状況 ⑧ 2009年8月11日 静岡県駿河湾深さ20キロ、M6.5 発生一ヶ月前後の7月9日、10日、12日、13日に震源上空に東西の雲が連続して発生。震源付近からのピエゾ電流により、電磁力線が発生。そのビームに沿って雲が生成されるなどが考えられる。 ・図2-8 7月9日、10日、12日、13日の合成画像

2.現在の衛星画像からの予測状況 ⑨ 2010年2月27日 沖縄本島近海深さ10キロ、M7.2 発生14日前の2月13日13時画像で、震源付近に東西の雲の亀裂形状。 このような亀裂形状は、震源付近に出現することがある。 ・図2-9 2月13日13時赤外画像

最近の事例 出典:高知大学気象情報頁http ://weather.is.kochi-u.ac.jp/ 出典:IRIS http://ds.iris.edu/seismon/ 出典:Long Beach Weather http://www.642weather.com/weather/earthquakes-world.php 2016年10月10日 2時全球画像  「2時全球画像。列島東沖からベンガル湾にかけて雲の亀裂形状。亀裂の下のどこかにM6超級の震源がある可能性有り。カムチャッカ沖から列島東沖、または中国南部内陸の可能性が高いように思います」 ⇒10.17中国中部6.4M 2016年10月10日 17時全球画像  「17時全球画像。ニュージーランド南沖に雲の前兆形状」⇒ 11.13ニュージーランド付近M7.4