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第39回応用物理学科セミナー 日時: 12月22日(金) 14:30 – 16:00 場所:葛飾キャンパス研究棟8F第2セミナー室 Speaker:石原淳 氏 Affiliation: 東京理科大学理学部第一部応用物理学科助教 Title:永久スピン旋回の直接観測と時空間ダイナミクス制御 Abstract: 電子は電荷の性質と共に磁気的性質である「スピン」の自由度を持っている。スピンの情報は非常に失われやすいが、現在日常的に取り扱われるマイクロスケール、ナノスケール領域ではスピン自由度も保たれるため、電気輸送と磁性が互いに影響を及ぼす効果が容易に観測される。代表的な効果としては、磁気抵抗効果やスピントランスファトルクがあり、これらは不揮発性の磁気抵抗メモリに利用されている。また、この電子の持つスピン自由度は磁化だけでなく他にも光の偏光や熱、音波といった物理量と変換可能であるため、様々な新機能デバイスの担体としても期待されている。デバイス中でスピンを利用するためにはスピンの生成、操作、輸送、検出、といった要素技術の確立が必要であるが、これらすべてにおいて重要な役割を果たすのがスピン軌道相互作用である。スピン軌道相互作用は運動する電子スピンに有効磁場を与えることができるため局所スピン操作を可能にするが、この有効磁場はスピンを急速に緩和させる原因となり、スピンを有効に利用できる時間や輸送距離には大きな制限がある。しかしながらGaAsなどの化合物半導体の二次元量子構造においては2種類の異なるスピン軌道相互作用を利用でき、ある条件下ではスピン緩和が完全に抑制される「永久スピン旋回」状態が実現される。つまり失われやすいスピン情報を長時間保った状態で、局所的なスピン操作が可能となる。本セミナーでは、スピントロニクス分野におけるいくつかの研究成果を紹介するとともに、半導体スピントロニクスにおいて注目を集めているスピン軌道相互作用を利用した永久スピン旋回状態の観測とスピン空間分布制御についてお話したい。 世話人:宮島 顕祐