高エネルギー宇宙物理学の将来とCTA@ 柏 パルサー磁気圏研究の 今後の展望 柴田 晋平 山形大学理学部.

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高エネルギー宇宙物理学の将来とCTA@ 柏 パルサー磁気圏研究の 今後の展望 柴田 晋平 山形大学理学部

●Rotation Powered Pulsar (RPP) rotating NS with B ~10^12G NS population ●Rotation Powered Pulsar (RPP) rotating NS with B ~10^12G Ordinary Pulsar B~10^12 G Millisecond Pulsar B~10^8 G High fileld RPP B~10^13 RRAT (Rotating Radio Transint) B~10^13 ●Magnetar (AXP,SGR) Magnetically Powered NS with B~10^14 G ●Accretion Powered Pulsar gas falls onto a NS from a binary companion ●Binary Pulsar (RPP in a binary system)

P-Pdot diagram Eotation Luminosity Lrot = I Ω(dΩ/dt) ~μ^2 Ω^4/c^3

SED(spectral energy density plot) keV SED(spectral energy density plot) GeV TeV Pulsed emission magnetospheric RL=c/Ω Vacc=RL*BL=μΩ^2/c^2 E// 加速 E// 加速の困難 BB 加熱 加速領域の多様性 E// + e/p Pulsar Wind Lwind=ηw Lrot Unpulsed emission Nebula Rs=(Lwind/4πPext)^1/2 sync Vacc=Rs*Bn with Pext=Bn^2/8π IC 垂直衝撃波加速の困難 磁気リコネクションの可能性 Aharonian, F.A. & Atoyan, A.M., 1998 See also Tanaka S. @ohsaka

Fermi 時代のパルサー研究の方向: outline パルスプロファイルの現象論   電波からガンマ線まで、大量のサンプル(磁気モーメントの傾斜角と viewing angleのほとんどの組み合わせがサンプルされる)。 加速領域の大体の位置特定(そこそこに) 磁気圏の大局的な構造の決定: 多彩な加速現場の特定 位相別スペクトル  加速電場と磁場の定量的な議論 ・Outer gap, ・Polar Cap, ・Slot gap, ・neutral sheet, ・Y-point ・ オーロラ ・ギャップE// ・非ギャップE//形成、 ・電子陽電子生成 ・磁気リコネクション ・ダブルレイヤー ・さまざまな不安定性

粒子加速領域 Polar cap Slot gap Outer gap ? ? ○ Ω B Light cylinder Null面 Dead zone

Outer gap modelの光度曲線 ガンマ線 Romani 1995 Bai & Spittkovskiy2009

Outer Gap 第一原理から 証明できた モデルで、 パルス波形も OK スペクトルも そこそこ Electron wind 沿磁電場強度マップ 赤(E//>0)と青(E//<0)の濃い部分では電子陽電子対生成が起こる R E//=0 E//≠0 Electron wind Wada and Shibata (2006), Wada and Shibata, Yuki, Shibata and Wada (2010 in preparation)

Abdo (Fermi ) 2009 “Fermi Large Area telescope observations of the Crab pulsar and nebula”

Vela Pular

Geminga pulsar Mazzano, Dumora & Gargano 2009 (2009 Fermi Symposium, Washington DC. Nov 2-5)

Polar Cap 電流の方向 電波 PFF がが e- e+ ガンマ線 Dead zone Harding 2007

Slot Gap 電流の方向 ガンマ線 Dead zone Muslimov & Harding 2003

粒子加速領域 どう描き変わる? Polar cap Slot gap Outer gap ?のモデルに対応するパルスがみつかるか? Light cylinder どう描き変わる? Ω B Polar cap ? Slot gap ? Outer gap ○ Null面 Dead zone ?のモデルに対応するパルスがみつかるか? もっと、違った加速サイトの提案!

結果 となる境界(dead zone)は確かに存在する 粒子分布 Slot gap Polar cap 拡大 Outer gap 負電荷 粒子分布 非共回転ポテンシャル 正電荷 拡大 Outer gap 星 緑の領域で Yuki, Shibata and Wada (2010 in preparation)     となる境界(dead zone)は確かに存在する

global local (Y-point) 慣性無視(force free) 慣性考慮 09 / 29 電流の向き 磁気中性面の構造は Contopoulos 1999 Komissarov 2006 電流の向き global Uzdensky 2003 磁気中性面の構造は 良く分かっていない local (Y-point) Y-pointでの磁場散逸 プロセスを明らかにする (最新の結果: Umizaki & Shibata 2010)

時間変化 Y-point t ~ P / 5での磁力線 初期の磁力線 赤道面 ・磁気リコネクションが起こった。 ⇒ プラズマの加熱を示唆 22 / 29 時間変化 ( Umizaki & Shibata 2010) t ~ P / 5での磁力線 初期の磁力線 (Uzdensky, 2003) (P : 星の自転周期) 0.02 0.02 Z / RLC Z / RLC 0.01 0.01 0.00 赤道面 0.00 0.99 1.00 1.01 0.99 1.00 1.01 R / RLC Y-point R / RLC ・磁気リコネクションが起こった。 polar cap 放射の 可能性  ⇒ プラズマの加熱を示唆  ⇒ 放射、パルサー風加速の可能性

平均的な構造(時間平均) z / RLC z / RLC R / RLC R / RLC 磁場ベクトル |E| / |B|分布 0.02 23 / 29 平均的な構造(時間平均) 磁場ベクトル |E| / |B|分布 0.02 0.01 z / RLC 0.02 0.01 z / RLC |E| > |B| R / RLC 0.99 1 1.01 R / RLC 0.99 1 1.01 ・時間平均すると磁場はY字形の構造 ・|E| > |B|の領域は磁気中性面から数デバイ長の幅に縮退  ⇒ 磁気中性面近傍での加速 or 加熱を示唆

パルサーオーロラ Polar cap Slot gap Outer gap Light cylinder Magnetic axis Ω Rotation axis Ω Polar cap Slot gap Light cylinder Outer gap Thick wind Neutral sheet 磁気リコネクション パルサーオーロラ

大澤健(山形大学・理工学研究科)修士論文 春の学会予告 大澤健(山形大学・理工学研究科)修士論文 春の学会予告 以前おこなった Chandra Image の再現 Shibata et.al. 2007 ≪再現されたイメージ≫ ≪Hard X-ray observation≫ Pitch角θ:小 f(γ,θ)=Kγ-βcos2θ p|| (B方向) p⊥ 新たにおこなった Hard X-ray Image の 再現  磁気リコネクションを伴ったパルサー風衝撃波 22~43keV 43~64keV