No.2 地方からの メディア学の位置 〜マスコミの理論全体の中で〜 教科書を補足します。 マスコミの理論全体の中での地域メディア論の位置
■マスメディアの理論(研究) 1.産業としてのマスメディア 2.文化としてのマスメディア 3.利用者(情報消費者)からみたマスメディア (1)受容理論 (2)カルチュラル・スタディーズ 4.マスメディア批判のマスメディア論: パブリックアクセス論、メディア・リテラシー論 市民メディア論、コミュニティメディア論
■受容理論(アメリカ発) 強力効果論 対 限定効果論 2段の流れ仮説 オピニオンリーダー 強力効果論
■強力効果論の系譜 → リップマン ブーアスティン 議題設定機能 沈黙の螺旋 「孤立への恐怖」動機 第三者効果 社会的依存モデル
■新聞時代:リップマン『世論』 ●「頭の中で描く世界=擬似環境」 ●「ステレオタイプ」(固い類型イメージ・先入観) ・1922 ・マスメディアの「ニュース制作過程」に注目 ・マスコミ(取材・編集事業者)が現実を作る。 ・「現実環境」「外界」 VS(↓客観的事実のゆらぎ) ●「頭の中で描く世界=擬似環境」 (直接環境に対する間接環境) ●「ステレオタイプ」(固い類型イメージ・先入観)
■強力効果論=筋肉注射モデル ・「麻薬的悪作用」(P.ラザースフェルト) ・リップマンと同様の議論 ・「擬似環境の環境化」(早川善治郎) ・「コピーの支配」(清水幾太郎) ・「心理的暴力」(清水幾太郎)
■テレビ時代:ブーアスティン ●1962 『イメージ』 ●1962 『イメージ』 「われわれは、幻影にあまりに慣れきってしまったので、 それを現実だと思いこんでいる。」 「われわれは、現実ではなく、現実の代わりに置き替え たイメジに取りつかれている。」 「いきいきしたイメジのほうが青ざめた現実を圧倒するにい たった。」 「・・・カメラは「重要な」出来事---祝典の劇的性格を強調 する出来事---のみに注意深く焦点を合わせた。
■強力効果論「議題設定機能」 1972年 M.E.マッコームズとD.L.ショー agenda- settion - function 「いまの争点はこれである。」 「重要な問題はこれである。」 「いまの話題(トピック)はこれである。」 あてはまるのは…個人や集団で重要と受け取られる争 点の場合。話題になっていること。 あまりあてはまらないのは…受け手の関心の差があっ たり、社会的属性、メディア属性で差があるばあい。 自分の知識・スタイルなど 例:ファッション
■沈黙の螺旋理論 ●「沈黙の仮説」 …人びとの孤立への恐怖 私 1980年 E.N.ノイマン the spiral of silence マスメディアの効果は、受け手の意見を変えないが、沈黙 させることに有効 少数派は、孤立を恐れて自分の意見を抑制し沈黙する。 ●「沈黙の仮説」 …人びとの孤立への恐怖 …「社会的支持の存在は非喫煙者の口をなめらかにす る。」 マスメディア= 多数者
■第三者効果 私 マスメディア 影響 他者 一般大衆 1983 W.P ディビソン the third pesonal effect 自分以外の第三者は、マスメディアの悪しき影響を受けやすい 私 マスメディア 影響 他者 一般大衆
■社会依存モデル 第1次的人間関係 依存 マスメディア コミュニティの消滅 1976 M.デフリュとS.ボールロキーチ dependency model 人間の重要な判断や意思決定…何を判定基準にするか 第1次的人間関係とコミュニティの消滅 →価値観の多様化→マスメディア 依存 第1次的人間関係 コミュニティの消滅 マスメディア
■ 批判的オーディエンス論 カルチュラル・スタディーズ(イギリス発) イギリスのアフリカ系研究者から 批判的 期待 オーディエンス イギリスのアフリカ系研究者から オックスブリッジ以外の都市大学から マイノリティの公共放送への読み方 ●「優先的読み取り」 ●「支配的コード」 ●「対抗的コード」 批判的 オーディエンス 期待
■ マスメディア批判の系譜 ●〈マスコミの中身を変える〉 パブリック・アクセス論 メディア・リテラシー論 ●〈新しいメディアを創る〉 地域メディア論・コミュニティメディア論 市民メディア論 オルタナティブ・メディア論
■ パブリック・アクセス マスコミへの参加 私たちがメディアの担い手になる社会へ 「市民が責任をもって放送番組を制作・発信する制度を、 世界中の人々は手にしている。」 アメリカでの1970年以降の動き ヨーロッパでの1970年代の動き
■メディア・リテラシー ●メディア的現実は構成されたもの ●構成され方を読み解く力を身につける ①読む メディア・リテラシー ②批判する ・カナダの学校現場から始まった教育プログラム ●メディア的現実は構成されたもの ●構成され方を読み解く力を身につける メディア・リテラシー ①読む ②批判する ③発信する
■市民メディア論 ・市民がメディアを持つ。市民が主役のメディア社会 コミュニティ放送局 メディアの 市民運動 ボランティア NPO放送局
メディアが主語ではなく、地域と文化が主語 ■地域メディア論 ●教科書:従来の地域メディアを批判し⇒ 〈地域(地方)のメディア論〉 東京中心 地域に根ざした人々の実践 批判 メディアが主語ではなく、地域と文化が主語 知識人の遊び