5.2 グレゴリー・ニュートン(Gregory-Newton)の補間式 (1)導入

Slides:



Advertisements
Similar presentations
計測工学 10 データの補間 スプライン補間 1. . 復習 階差 近似多項式の次数 の決定法 等間隔階差 – 関数 y=f(x) で、 x の値 が等間隔の場合 等間隔: x 0, x 0 +h, x 0 +2h ・・・ y の値: y 0, y 1, y 2 ・・・ これらの階差は – 第1階差:
Advertisements

2. 数値微分法. 数値微分が必要になる場合として、次の 2 つが考えられる。 関数が与えられていて、その微分を近似的に計算する。 (数値微分の精度が十分で、かつ、計算速度が数値微分の方が 早い場合など。) 離散的な点の上で離散的なデータしかわかっていない関数の微 分を近似的に計算する。(偏微分方程式の数値解を求めたい時.
情報基礎実習 I (第6回) 木曜4・5限 担当:北川 晃. Stream クラスを用いたファイルの接続 … Dim インスタンス名 As New IO.StreamReader( _ “ ファイルの絶対パス ”, _ System.Text.Encoding.Default) … s = インスタンス名.
VBA の基礎 (Visual Basic for Application) 国立教育政策研究所 坂谷内 勝.
5.制御構造と配列 場合分け( If Then Else , Select Case ) 繰返し( Do While ) 繰返しその2( For Next )
1. 補間多項式 n 次の多項式 とは、単項式 の 線形結合の事である。 Definitions: ( 区間, 連続関数, abscissas (データ点、格子点、差分点), 多項 式 ) Theorem. (補間多項式の存在と一意性) 各 i = 0, …, n について、 をみたす、次数が高々 n.
小テスト解説 問1 次の中置記法で書かれた数式を、前置記法、後 置記法に直せ。 12 × 23 +( 34 + 45 ) × ( 56 + 67 ) × 78 + × 23 +( 34 + 45 ) × ( 56 + 67 ) × 78 + 89  前置記法 12 x 23 + (+ 34.
情報基礎実習I (第4回) 木曜4・5限 担当:北川 晃.
VBAを通して プログラム言語の基本構造を学ぶ
情報基礎実習I (第7回) 木曜4・5限 担当:北川 晃.
12.3,E,-15, 12.3,E5,+,=, >,<,…,
配列(2) 第10回[平成15年6月26日(木)]:PN03-10.ppt 今日の内容 1 素数を求める(教科書の例):復習
6.3 2次元DFT (1)2次元DFTとは 画像のような2次元信号をサンプリングしたデータを 2次元DFTを
解析的には解が得られない 方程式を数値的に求める。 例:3次方程式
VBA H106077 寺沢友宏.
情報基礎A 第13週 VBAプログラミング VBAの基本文法7・実際のデータ処理
情報基礎実習I (第5回) 木曜4・5限 担当:北川 晃.
2009/10/9 良いアルゴリズムとは 第2講: 平成21年10月9日 (金) 4限 E252教室 コンピュータアルゴリズム.
情報基礎A 第10週 プログラミング入門 VBAの基本文法2 データ型・If ~Then~Else
重力3体問題の数値積分Integration of 3-body encounter.
情報基礎A 第7週 プログラミング入門 VBAの基本文法2 データ型・If ~Then~Else
情報基礎A 第14週プログラミング 実際のデータ処理での応用(2)
4.2 連立非線形方程式 (1)繰返し法による方法
情報基礎A 第11週 プログラミング入門 VBAの基本文法3 配列・For~Next
6.4 離散的コサイン変換 (DCT : discrete cosine transform ) (1)DCTとは
母集団と標本:基本概念 母集団パラメーターと標本統計量 標本比率の標本分布
実例で学ぶプログラミング VBAを用いて簡単なゲームを作ろう 徳山 豪 東北大学情報科学研究科 システム情報科学専攻 情報システム評価学分野.
本時の目標 「簡単なプログラム言語の意味を理解し、マクロ機能を使って簡単なプログラムを作ることができる。」
情報工学Ⅱ (第9回) 月曜4限 担当:北川 晃.
第10回関数 Ⅱ (ローカル変数とスコープ).
電気・機械・情報概論 VBAプログラミング 第2回 2018年7月2日
情報実習I (第6回) 木曜4・5限 担当:北川 晃.
地域情報学演習 VBAプログラミング 第3回 2017年10月24日
最小自乗法.
相関.
復習 前回の関数のまとめ(1) 関数はmain()関数または他の関数から呼び出されて実行される.
実践プログラミング入門2 配列を使ってゲームを作ろう 徳山 豪 東北大学情報科学研究科 システム情報科学専攻 情報システム評価学分野.
情報基礎Ⅱ (第11回) 月曜4限 担当:北川 晃.
「入力」はInputBoxやテキストボックスに限らず、 セルからのデータの入力や、チェックボックス等からの入力全てを含める。
電気回路学Ⅱ コミュニケーションネットワークコース 5セメ 山田 博仁.
VBで始めるプログラミング 第三回 コードを書こう!! まきはた@ナーク ’04/05/21.
母分散の信頼区間 F分布 母分散の比の信頼区間
情報基礎Ⅱ (第5回) 月曜4限 担当:北川 晃.
プログラムの基本構造と 構造化チャート(PAD)
電気回路学I演習 2012/11/16 (金) I1 I2 問1 Z0 V1 V2 問2 I1 I2 V1 Z0 V2 Z,Y,K行列の計算
先週の復習 2重ループを用いた、 表の記入と読み込み.
最尤推定・最尤法 明治大学 理工学部 応用化学科 データ化学工学研究室 金子 弘昌.
IF文 START もしも宝くじが当たったら 就職活動する 就職活動しない YES END NO.
プログラミング入門2 第6回 関数 情報工学科 篠埜 功.
情報工学Ⅱ (第9回) 月曜4限 担当:北川 晃.
数値解析 第6章.
精密工学科プログラミング基礎 第7回資料 (11/27実施)
情報実習I (第6回) 木曜4・5限 担当:北川 晃.
情報工学Ⅱ (第8回) 月曜4限 担当:北川 晃.
Cプログラミング演習 ニュートン法による方程式の求解.
アルゴリズムの視覚化 この図は左が大きく、 右が小さくなるようにソートしている  この図は左が大きく、  右が小さくなるようにソートしている
精密工学科プログラミング基礎Ⅱ 第2回資料 今回の授業で習得してほしいこと: 配列の使い方 (今回は1次元,次回は2次元をやります.)
場合分け(If Then Else,Select Case) 繰返し(Do While) 繰返しその2(For Next)
6.2 高速フーリエ変換 (1)FFT(fast Fourier transform)とは
6.5 アダマール(Hadamard)変換 (1)アダマール変換とは
共振を防ぐように設計を行ったり, 振動を早く減衰させる設計を行う際, 固有値と固有ベクトルを求めることが重要
7.2 回帰曲線 身長と体重…関係がありそう? ??? 身長と体重の関係をグラフで観察する.
3.テキストボックスによる データ入力 データ入力と表示のプログラム.
コンピュータの高速化により, 即座に計算できるようになってきたが, 手法的にはコンピュータ出現以前に考え出された 方法が数多く使われている。
プログラミング言語によっては,複素数が使えない。
情報基礎A 第14週プログラミング 実際のデータ処理での応用(2)
プログラミング演習I 補講用課題
8.2 数値積分 (1)どんなときに数値積分を行うのか?
5.3 ラグランジェ(Lagrange)の補間式
8.数値微分・積分・微分方程式 工学的問題においては 解析的に微分値や積分値を求めたり, 微分方程式を解くことが難しいケースも多い。
Presentation transcript:

5.2 グレゴリー・ニュートン(Gregory-Newton)の補間式 (1)導入 次のような点列に対する補間式を考える。 点列を代入すると,代入の繰返しで係数を求めることができる。

[参考] 概念的には,多項式補間を次のような三角行列に変換したことと同じ。 また であるから多項式補間より係数の絶対値の比率は一般に小さくなる。

(2)等間隔法① 表データは,独立変数を等間隔に並べていることが多いので,点間の幅を とすると,

(2)等間隔法② 係数を求めると

コーヒーブレーク(Pascalの三角形を思い出そう) (2)等間隔法③ 次のような記法を導入 コーヒーブレーク(Pascalの三角形を思い出そう) さらに次のようにおく 1 1 1 1 2 1 1 3 3 1 1 4 6 4 1 1 5 10 10 5 1

(2)等間隔法④ 整理すると この式をグレゴリ・ニュートンの補間式と呼ぶ

(3)例 計算すると(ただしExcelで定義しよう) X(度) sin(X) 0 0.0000 10 0.17365 20 0.34202 30 0.50000 40 0.64279

(4)Excelでの定義

VBAでのプログラム   ①データ設定とボタンのClickイベントハンドラ Private X(5) As Double Private FY(5) As Double Private UX As Double Sub データ設定() XX = 0: DX = 10 For i = 1 To 5 X(i) = XX: FY(i) = Sin(XX * 3.1415926 / 180) XX = XX + DX Next UX = (22 - X(1)) / DX End Sub Sub ボタン1_Click() データ設定 R = Gregory(FY, UX, 5) MsgBox " 結果=" & R

VBAでのプログラム   ②組合せ数と階乗の計算 Function Comb(N, R) As Long '組合せ回数の計算 If R = 0 Or R = N Then Comb = 1 ElseIf R = 1 Then Comb = N Else Comb = Comb(N - 1, R - 1) + Comb(N - 1, R) End If End Function Function Fact(N) As Double '階乗の計算 Dim D As Double D = 1 For i = 2 To N D = D * i Next Fact = D

VBAでのプログラム   ③差分計算と補間計算 Function 差分計算(i, FY) As Double A = 0: Sign = 1 For k = i To 2 Step -1 C = Comb(i - 1, k - 1) A = A + C * Sign * FY(k) Sign = -Sign Next 差分計算 = A + Sign * FY(1) End Function Function 補間計算(i, UX) As Double U = UX: T = 1 For k = 2 To i T = T * U: U = U - 1 補間計算 = T

VBAでのプログラム   ④クレゴリ・ニュートンの補間式の計算 Function Gregory(FY, UX, N) T = 0 For i = 1 To N A = FY(1): ii=i If i >= 2 Then A = A = 差分計算(i, FY) * 補間計算(i, UX)/ Fact(ii) T = T + A Next Gregory = T End Function

[補足] 例題のプログラムの問題点 Function Comb2(N, R) As Long 組合せ個数を計算するのに, [補足] 例題のプログラムの問題点 Function Comb2(N, R) As Long Dim A() As Double ReDim A(N) NN = N: RR = R If NN - RR < RR Then RR = N - R If RR = 0 Then Comb2 = 1 ElseIf RR = 1 Then Comb2 = N Else For i = 2 To RR A(i) = i + 1 Next For i = 1 To NN - R - 1 A(1) = i + 2 For j = 2 To RR A(j) = A(j - 1) + A(j) Comb2 = A(RR) End If End Function 組合せ個数を計算するのに,   nC0=nCn=1, nC1=n, nCr=n-1Cr-1+n-1Cr の定義どおり処理しているが, たとえば,10C5を求めるのに9C4と9C5を使い, さらに9C5を求めるにも8C4を使う。 このようにまったく同じ計算が何回も出てくる。 左のプログラムでは, nC1から計算して, 結果を配列に保存することで, 無駄な計算を省いている。

課題1 以下のデータは,ある斜面の高さを100m間隔で測定した結果である。グレゴリーニュートンのプサンプルログラムを用いて,250m位置の高さを求めよ。

課題2 高さhと角度θを示す衛星の軌道データは以下のとおりである。 このデータを用いて,t=1,200秒の衛星位置(高さとθ)を推定せよ 。 なお,時間tは衛星が軌道に入った後の時間とする。 衛星 高さ θ 地球

課題3 バリスタ(非線形抵抗器)の電圧・電流を測定したところ以下のようになった。 このバリスタの特性を示す3次補間式を作れ。