2.2 伝送方式 アナログ伝送とデジタル伝送 ■アナログ回線でデジタルデータを転送する場合, デジタル to アナログ変換

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2.2 伝送方式 2.2.1 アナログ伝送とデジタル伝送 ■アナログ回線でデジタルデータを転送する場合, デジタル to アナログ変換 2.2 伝送方式 2.2.1 アナログ伝送とデジタル伝送 ■アナログ回線でデジタルデータを転送する場合,     デジタル to アナログ変換  が必要。  受信したデータをデジタルデータとして扱う場合     アナログ to デジタル変換  が必要 ■デジタル回線でアナログデータを転送する場合,  受信したデータをアナログデータとして扱う場合

伝送モデル 多重/分離 多重/分離 アナログ 回線 多重/分離 多重/分離 デジタル 回線 変調(modulation)および復調(demodulation) を行う変復調装置(MODEM : modulation/demodulation)が必要 変調方式については後述 多重/分離 多重/分離 アナログ 信号 アナログ 信号 アナログ 回線 デジタル/ アナログ変換 デジタル 信号 デジタル 信号 デジタル/ アナログ変換 アナログデータをコード化(coder)および復元(decoder) を行う変復調装置(CODEC : coder/decoder)が必要 コード化にあたってはPCM(Pulse Code Modulation:パルス符号変調)方式が多い デジタル 信号 多重/分離 多重/分離 デジタル 信号 デジタル 回線 (ベアラ信号) デジタル/ アナログ変換 デジタル/ アナログ変換 アナログ 信号 アナログ 信号

2.2.2 ベースバンド伝送とブロードバンド伝送 (1)伝送方法の違い 2.2.2 ベースバンド伝送とブロードバンド伝送 (1)伝送方法の違い ベースバンド : 「変調を行う前の基本波形」という意味 ■ベースバンド伝送(基本波形伝送)  変調を行わない波形(単純なパルス上の波形)をそのまま伝送路に乗せて送受信する。 (無線通信のベースバンド変調と混乱しないように(後述)) ■ブロードバンド伝送(高帯域伝送)  デジタル2値信号を搬送波(キャリア:「運ぶもの」という意味)と呼ばれる交流波で変調する。変調に使用する搬送波を複数用意することで多重伝送が可能である。

(1)ベースバンド伝送 端末からディジタル伝送する場合,0/1に対応したパルス波形を転送する。 ■ パルスの極性  ●単流方式 0,1を電圧のあり,なしで表現する(雑音に弱い)  ●複流方式 0,1を電圧の極性で表現する(単流方式よりも雑音に強い) ■ パルス波形  ●RZ(Return to Zero)方式   符号ビットのスロット長より短い時間幅のパルスを送出。   残り時間は電位ゼロに戻す。 符号ビットのスロットごとにゼロに戻るのでタイミングをとりやすい。  ●NRZ(Non-Return to Zero)方式   符号ビットのスロット長と同じ時間幅のパルスを送出。   伝送帯域幅が小さくて済む。

単流/複流,RZ/NRZの組合せ 【代表例】 信号方式 符号波形 ①単流NRZ方式 (NRZ:non-return to zero) 1 0 1 0 0 1 0 1 1 ①単流NRZ方式  (NRZ:non-return to zero) 0 を零電位に 1を負電位に対応させる 0 - + 0を正電位に 1を負電位に対応させる ②複流NRZ方式 0 - 1の状態が続いても, 各ビットごとに 0に戻す。 ③単流RZ方式  (RZ:return to zero) 0 - + ④複流RZ方式 0でも1でも,各ビットごとに 零電位に戻す。 0 - + 信号0のとき電圧0〔V〕, 信号1のとき+E 〔V〕と -E 〔V〕を交互に出力。 ⑤バイポーラ方式 0 -

代表的な伝送路符号の例 バイポーラ方式(あるいはAMI方式) AMI:Alternate Mark Inversion 信号 0 のとき電圧を 0 ボルト, 信号 1 のとき電圧を+Eボルト,-Eボルトを交互に出力 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 +E  0 -E マンチェスタ方式(信号 1 のとき 01,信号 0 のとき 10) LANで主に使用される。 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 01 10 01 01 01 01 10 10 01 01 01 10 01 01 10

再生中継器での伝送路符号 再生中継器では,パルス有無のタイミングを 受信パルス符号列で識別する. 受信パルス符号列で識別する.  パルスがない状態(0が続くこと)が長く続くと, 再生中継機能が機能を果たさなくなる可能性 0 符号の連続を極力抑えるための符号. この符号を伝送符号形式と呼ぶ.

ビット順位の独立性 送出される符号系列に対して独立した伝送路符号であることが必要。  送出される符号系列に対して独立した伝送路符号であることが必要。  これをビット順位の独立性(BSI:Bit Sequence Independence)という.  ゼロ信号の連続を抑制してBSI条件を満足させる伝送路符号 ① PST(Paired Selected Ternary)符号 (2進数2桁を単位としてバイモード型3値2桁符号に変換) ② B6ZS(Bipolar with 6 Zeros Substitution)符号 (バイポーラ符号列でゼロが6個連続したブロックを別の符号パターンに置き換える) mB-nB(m Binary - n Binary)符号 HDB (High Density Bipolar)符号 CMI(Coded Mark Inversion)符号 DMI(Differential Mark Inversion)符号 この他にも…

色々な伝送路符号(その他の符号を含めて)  伝送路符号の変換則

色々な伝送路符号 伝送路符号の変換則 ③HDB3(High Density Bipolar 3) 色々な伝送路符号   伝送路符号の変換則 ③HDB3(High Density Bipolar 3) ②AMI(Alternate Mark Inversion) 0 0 0 V A 0 0 V 置換パターン 置換パターン ④B6ZS(Bipolar with 6 Zeros Substitution) 0 V A 0 V A ①2進信号 置換パターン ⑤CMI(Coded Mark Inversion) 1 1 1 1 1 ⑥4B-3T(4 Binary – 3 Ternary ) ⑦8B1C(8 Binary with 1 Complement inversion) C C

(3)各種のディジタル変調方式 ①ディジタル信号 (変調信号) 1 0 1 1 0 1 ②搬送波 ③振幅変調(AM) ④周波数変調(FM) (伝送ではあまり使われない) ④周波数変調(FM) f1 f0 f1 f1 f0 f1 ⑤位相変調(PM) (2相位相変調の場合) 0 π 0 0 π 0

2.2.3 端末と回線の接続 ■通信制御装置(CCU : Communication Control Unit) 2.2.3 端末と回線の接続 ■通信制御装置(CCU : Communication Control Unit) ■データ端末装置(DTE : Data Terminal Equipment)  データ通信に使うコンピュータや通信制御装置をDTEと呼ぶ ■データ回線終端装置(DCE : Data Circuit terminating Equipment) DTEを通信回線に接続する装置。MODEM, DSUなど 用語 MODEM(modulation/demodulation) : アナログ回線に接続するDCE DSU(Digital Service Unit) : デジタル回線に接続するDCE UNI(User Network Interface) : ISDNに接続するためのインターフェース TA(Terminal Adapter) : 非ISDN端末をISDNに接続するためのアダプタ。これもDCEのひとつ。

接続 モデムによる通信 アナログ回線 DSUによる通信 デジタル回線 TAによる通信 ISDN回線 デジタル 端末 デジタル 端末 モデム ホスト コンピュータ デジタル 端末 CCU モデム モデム DSUによる通信 デジタル 端末 デジタル 端末 DSU DSU デジタル回線 ホスト コンピュータ デジタル 端末 CCU DSU DSU TAによる通信 ISDN回線 デジタル 端末 デジタル 端末 TA DSU DSU TA