強力効果と限定効果 初期のマスコミ研究. 砂粒のように孤立する 受け手 ( 大衆 ) にマスメデ ィアが直接的に作用する という仮説に基づくモデル 何のためのメディア研究 ?――“ 総力戦 ” を勝 ち抜くため,マスメディアを “ 心理兵器 ” として用い,大衆の精神を動員するため に,最も強力かつ効果的な宣伝手法を編.

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1 強力効果と限定効果 初期のマスコミ研究

2 砂粒のように孤立する 受け手 ( 大衆 ) にマスメデ ィアが直接的に作用する という仮説に基づくモデル 何のためのメディア研究 ?――“ 総力戦 ” を勝 ち抜くため,マスメディアを “ 心理兵器 ” として用い,大衆の精神を動員するため に,最も強力かつ効果的な宣伝手法を編 み出すため

3 第一次世界大戦でドイツ軍は「イギリス 軍の諜報・宣伝戦に負けた」と評される メディアは宣伝という「兵器」になりう る メディアが持つ報道・表現の自由は,国 益と衝突する可能性が高いため,メディ ア産業はプライートな企業ではありえず, 「国民的公共性」を国家から強く要求さ れる ( 「市民的公共性」の変質 ) 文化を消費する大衆を動員するための意 識産業にメディアが変質

4 第一次世界大戦直後,英『デイリー・メー ル』紙が「クールベック・ルー虐殺事件」 を報じる。「ドイツ軍がベルギーで侵攻し た村では,赤ん坊が両手を切り落とされて いる」 1917 年 4 月 16 日付,英『タイムズ』紙。 「ドイツ軍は,敵国の戦死者の脂肪でグリ セリンを作る死体工場を所持している」と 報じる いずれも英軍情報部が虚報工作 ( アメリカ に対独宣戦布告させるため )

5 宣伝とは ?―― 特定の目的をもって,個人 あるいは集団の態度と思考に影響を与え, 送り手が意図した方向に行動を誘導する 説得的コミュニケーションの総称 教育 ( 教導 )― 操作性がより顕著 説得 ― 組織性が希薄になり,個人間コ ミュニケーションのニュアンス 宣伝・教育・説得の境界は曖昧 ( 教育や大 衆文化などに潜む “ 隠された操作 ”)

6 宣伝 / 煽動 (agitation)― 共同体の論理に沿っ た情報操作であり,宣伝は論理的内容を エリートに対し教育すること。煽動は一 般大衆向けに情緒的なスローガンを叩き 込むこと 広告 (advertisement)― 市場の論理に沿った 情報操作 広報 (publicity/public relations)― 集団が構成 員の共通認識を形成するために実施する 非営利行為。「白い」啓発運動

7 エーリッヒ = ルーデンドルフ『総力戦論』 (1935) 「新聞,ラジオ,映画,その他発表物,お よびあらゆる手段を尽くして,国民の団結 を維持することに努力すべきである。政治 がこれに対する処置の適切を期するために は,人間精神の法則を知り,それに周到な る考慮を払わなければはらない」 報道=戦争とは異なる手段 ( 情報戦 ) をもっ て継続する戦争

8 マスメディア現象= ( 教養人 ) 文化の没落 フランクフルト学派 ( 同大社会研究所 ) ウォルター = リップマン『世論』,テン ニース『世論批判』 リップマンは「疑似環境 ( シュード・エン バイロメント ) 」として,個人の危機的状 況を捉え,ニュースのステレオタイプが エリートのシンボル操作による世論製造 を容易にしたことに警鐘を鳴らした

9 オルテガ = イ = ガセット (1930) 『大衆の反 逆』 大衆の政治参加は民主主義 ( 公共性 ) の堕 落を意味する,社会全体の知的水準の低 下,文化の画一化,個人主義の解体をも たらす 「平均人」である大衆は「知的閉鎖性」 ( 新たな知に対する無理解 ) をもたらす 教養主義的立場から,マスメディア=大 衆社会 ( 文化 ) 批判

10 テオドール = アドルノ,マックス = ホルク ハイマー,エーリッヒ = フロムら 文化産業 ( クルトゥア・インドゥストゥ リー ) が製造する大衆文化は,文化を議論 する創造的公衆ではなく,文化を消費す る受動的大衆を生み出し,文化的な画一 主義への堕落と国家権力への盲目的服従 を促す 現実逃避的な大衆文化が「虚偽意識 ( ファ ルシェ・ベブストザイン ) 」を生み出す

11 弾丸理論( bullet theory ) ― マスメディア が放つメッセージがピストルの弾のよう に人々の心を直撃するというイメージで マスメディアの影響を過大にとらえた マスメディアの発するメッセージが直接 に個人の内面に注入されるというイメー ジから「皮下注射効果モデル」 ( hypodermic effect model )とも呼ばれ る。

12 誰が 何を言う か どのチャン ネルで 誰に向 かって どんな効 果を伴っ て 伝達者 メッセー ジ メディア ( チャンネ ル ) 受け手効果 統制研究内容分析 メディア分 析 受け手 分析 効果分析 ブラドッグ (1958) はメッセージを送る環境 ( どんな状況のもとで ) , 送り手が何か言うときの動機・目的 ( 何の目的で ) というコミュニケーション行為の二つの局面を付け加えている

13 1938 年 10 月 30 日。 CBS が放送したラジオ 劇『宇宙戦争』 ( オーソン = ウェルズ / 演出 ) がパニックを引き起こす 火星人襲来のドラマを臨時ニュース形式 で演出。実況と勘違いした推定約百万人 の人びとが神に祈ったり家族を助けに 走ったり救急車や警察を呼んだりと,パ ニックに陥った ロックフェラー財団の支援で,この事件 を契機にキャントリルのラジオ研究 ( 『火 星からの侵入』 ) が生み出された

14 → チェックし た 内在的チェック ( 情報自体の妥当性 や真実味をチェッ ク ) 成功失敗 外在的チェック ( 他の情報と照合し て下した判断 ) 成功 失敗 → チェックしなかった ( できなかっ た ) 失敗

15 内在的・外在的チェック=批判能力 (critical ability) の有無 ―― 刺激をすぐに受け 入れる精神的コンテクスト,適切な判断 基準の欠如,自己が下した最初の解釈へ の過信,他の解釈がありうるかもしれな いという想像力の欠如など ズデーテン問題に端を発し,ヨーロッパ で戦争が起こるかも … という社会におけ る漠然たる不安感が批判能力を曇らせ た ?

16 Limited effects カッツとラザースフェルドが, 1940 年の大統領選挙のパネ ル調査を基に『ピープルズ・チ ョイス』 (‘44) をまとめる メディアは地域社会のオピニオン・リー ダーを仲介にして,個人に影響を与える ( パーソナル・インフルエンス ) とする 「コミュニケーションの二段階の流れ」 仮説の提示

17 考えはしばしばラジオや 印刷物からオピニオンリー ダーに流れ,オピニオンリー ダーからそれほど積極的で ない人々 ( フォロワー ) に流れる ただし,「情報の流れ」はマスメディ アから全成員に流れ,判断材料となる 基本的情報が共有されていることが前 提

18 多くの受け手それぞれが解読・解釈・記 号化をしている。しかし,ほとんどの 個々人は集団に帰属しており,メディア からのメッセージ ( および解釈 ) は受け手 から周りの集団のメンバーに流れている。 マスメディアのメッセージ内容は,個 人・集団というフィルターで濾過された 場合に,最大限の影響を発揮する。マス メディアの受け手は,常に他の人々と相 互に作用し,メッセージについて議論し 反応していく

19 マス・コミュニケーションは受け手の意 見・態度を「改変」( conversion )させ るより,既存の意見や態度を「補強」 ( reinforcement )する傾向が強い 効果には他に,創造 (creation) ,小変化 (minor-change) ,結晶化 (crystallization) , 無効果 (no-effect) がある 受け手がすでに保有している価値意識 ( 先 有傾向 :predisposition) が作用


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