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外傷性末梢神経障害の診断と評価  筋電図検査を中心に.

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1 外傷性末梢神経障害の診断と評価  筋電図検査を中心に

2 作成中 救命救急センター

3 骨折に続発する末梢神経障害 頭蓋底骨折 顔面神経麻痺 上腕骨外顆骨折後 遅発性尺骨神経麻痺 上腕骨顆上部骨折 橈骨・正中神経麻痺
上腕骨骨幹部 上腕骨外科頚骨折 腓骨骨頭骨折 大腿骨骨折 仙骨骨盤骨折 顔面神経麻痺 遅発性尺骨神経麻痺 橈骨・正中神経麻痺 橈骨神経麻痺 腋窩神経麻痺 腓骨神経麻痺 坐骨神経麻痺 腰神経叢麻痺

4 主な絞扼性神経障害 作成中 正中神経 手根管症候群症候群、前骨間神経麻痺 尺骨神経 ギオン管症候群、肘部管症候群 橈骨神経 後骨間神経麻痺
肩甲上神経 腓骨神経 後脛骨神経 坐骨神経 伏在神経 手根管症候群症候群、前骨間神経麻痺 ギオン管症候群、肘部管症候群 後骨間神経麻痺 棘上棘下筋麻痺 総(深)腓骨神経麻痺 足根管症候群 梨状筋症候群 ハンター管症候群

5 なぜ筋電図検査か 神経障害の有無 損傷の程度 回復徴候の有無 他の神経障害の合併の有無 例)前骨間神経麻痺か長母指屈筋腱断裂か
軸索障害の有無 回復徴候の有無 他の神経障害の合併の有無 例)糖尿病性神経障害、頚椎症

6 末梢神経の構造 作成中 神経外膜 神経束 神経周膜 神経内膜 神経線維

7 神経線維の構造 作成中 髄鞘 軸索 ランヴィエ絞輪

8 末梢神経の興奮伝播(1) 脱分極 +++++++ - - - ++++++++++++++
軸索内 0 mV 活動電位 閾値 -90 mV 電気刺激

9 末梢神経の興奮伝播(2) 電気刺激部位 脱分極 脱分極 脱分極 局所電流 +++++++ - - - ++++++
軸索内

10 跳躍伝導 脱分極 局所電流 髄鞘 軸索 髄鞘 ランヴィエ絞輪

11 興奮伝導が障害された状態(1) 脱分極 電流の減少 脱髄 閾値

12 興奮伝導が障害された状態(2) 脱分極 軸索変性 閾値

13 神経損傷の分類 ニューラプラクシア アクソノトメーシス ニューロトメーシス セドンの分類 III V サンダーランドの分類 I II
損傷範囲 髄鞘 軸索 神経内膜 神経周膜 神経外膜

14 神経損傷の分類 作成中 作成中 正常神経 サンダーランド分類 神経間膜 神経線維 外神経上膜 内神経上膜 軸索 神経周膜 髄鞘 神経内膜
神経束 正常神経 サンダーランド分類

15 筋電図検査 神経伝導検査(誘発筋電図として250点) 針筋電図検査(1筋あたり200点) 神経節 皮膚 混合神経線維 感覚神経線維 脊髄
運動神経線維 前角細胞

16 筋電計の仕組み 電極端子(陰極、陽極、アース) 刺激装置 コンピュータ 増幅器 アナログ・デジタル変換器 電位 時間

17 運動神経伝導検査

18 複合筋活動電位 刺激 刺激 神経 皮膚

19 複合筋活動電位 刺激 運動単位A 振幅 前角細胞 潜時 電気刺激 軸索、髄鞘 運動単位Aの誘発筋電図 神経筋接合部 運動単位Bの誘発筋電図
筋線維 潜時 電気刺激 運動単位Aの誘発筋電図 運動単位Bの誘発筋電図

20 運動神経伝導速度の計測法 例)正中神経 A B A t1 B t2 AB間距離 伝導速度= t2―t1 上肢 ≧ 50 m/sec

21 最大上刺激 刺激は最大上刺激(誘発電位の振幅がそれ以上大きくならない刺激強度の1.2倍程度)であること。

22 複合筋活動電位の異常 振幅が低下、潜時は正常かやや延長

23 軸索障害による振幅の低下 近位刺激 遠位刺激 近位刺激 遠位刺激 直後 1週間後 遠位刺激 近位刺激

24  ニューラプラクシアによる伝導遮断 近位刺激 遠位刺激 遠位 近位 x x X X x X x

25 複合筋活動電位の異常 振幅は正常、潜時が遅延

26 ニューラプラクシアによる伝導遅延 近位刺激 遠位刺激 遠位 近位

27 複合筋活動電位の異常 振幅が低下、潜時は正常、持続時間が延長

28 ニューラプラクシアによる伝導遅延 近位刺激 遠位刺激 遠位 近位

29 感覚神経伝導検査 作成中 例)正中神経 アース 記録電極 基準電極

30 感覚神経活動電位 - 20 µV 2 msec + 刺激 記録電極 基準電極 皮膚 ++++ - - - +++++++++

31 節前損傷 神経節 感覚神経線維 刺激 皮膚 感覚脱失域で感覚神経誘発電位が記録される。 脊髄

32 針筋電図 0.25 mm 1mm半径外は関与しない 同心型針電極

33 線維自発電位と陽性鋭波 受傷後2-3週以後出現 軸索変性があることを示す 単一筋線維の伝播性活動電位で規則的に発射する。
電極による筋膜の損傷があれば陽性鋭波として記録される。 筋膜の損傷がなければ線維自発電位として記録される。 発射頻度と重症度は相関しない。 神経再支配により消失する。 X - + - +

34 安静時自発電位 線維自発電位 陽性鋭波

35 線維自発電位の発射頻度 作成中 脱神経状態にある筋線維の本数 1本の筋線維における線維自発電位の発射頻度 発射頻度(パルス/秒)
700 y = 4.033*x ; R^2 = 0.465, P < .0001 600 500 400 300 200 100 PaO2 (torr) 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

36 運動単位電位(正常) 単一筋線維電位 運動単位電位 1 2 3 1 2 数十から数百本 5-10mm の領域 3 N

37 運動単位の動員 運動単位A C B A C C A 運動単位B B A B 運動単位C

38 干渉波形 微小収縮 中等度収縮 最大収縮

39 筋力低下 運動単位の興奮伝播の遮断 (1)軸索変性 (2)脱髄による伝導遮断
収縮力を大きくする努力にも拘らず、運動単位電位の動員が不良で、力が弱い割に残存運動単位の発射頻度が多い。

40 軸索変性後の再神経支配(1) 運動単位A 運動単位B B A A B A B 運動単位Bの軸索変性 A A A' A A'

41 軸索変性後の再神経支配(2) 1-2 mm/日 X X X X X 新生運動単位電位

42 検査時期と結果の解釈 受傷から1週間後まで 軸索損傷があっても、損傷部位以外の神経の興奮性は保たれている。
近位刺激で複合筋活動電位の振幅低下があれば、その遠位で神経損傷がある。軸索障害の有無は不明。 異常がなくても、刺激部位よりも近位での損傷を否定できない。

43 検査時期と結果の解釈 受傷後1週後から3週後まで 軸索損傷があると、損傷部位よりも末梢の神経は興奮しない(ワーラー変性)。
線維自発電位や陽性鋭波は、まだ出現しない。 損傷部位よりも遠位の刺激で複合筋活動電位の振幅低下があれば、軸索障害が疑われる。正常ならば、軸索変性はあってもごく一部と考えられる。

44 検査時期と結果の解釈 受傷後3週後~ 線維自発電位あるいは陽性鋭波がみられれば、軸索変性があり、脱神経状態にある筋線維が存在すると分かる。自発発射の頻度と重症度は相関しない。 遠位刺激での複合筋活動電位の振幅が低いほど重症である。 運動単位電位の減少は軸索変性か伝導遮断(ニューラプラクシア)を意味する。3ヶ月以降なら、軸索変性によるものと考えられる。

45 損傷部位の推定 主訴:下垂足 深腓骨神経麻痺 腰仙骨神経叢麻痺 総腓骨神経麻痺 腰部神経根症 坐骨神経麻痺 脱神経筋 前脛骨筋 短腓骨筋
腓腹筋 大腿二頭筋短頭 中殿筋 脊柱起立筋(L4/5)

46 臨床筋電図・電気診断学入門講習会 日時 1999年2月20日(土)~21日(日) 場所 東京 対象 日本リハビリテーション医学会医師
問い合わせ先 慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室 


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