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高血圧について 2005年版 船橋市医師会ホームページ掲載用
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高血圧は 症状がなくても放置しておくと いろいろな合併症を起こします。 生活習慣の改善で 高血圧は軽快し 合併症の危険も減ります。
症状がなくても放置しておくと いろいろな合併症を起こします。 生活習慣の改善で 高血圧は軽快し 合併症の危険も減ります。 高血圧の方は 自宅での血圧測定を お勧めします。 以下に高血圧治療ガイドライン2004年改定版に基づいて解説します。
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高血圧は下記のような障害をおこします 脳 脳出血・脳梗塞 無症候性脳血管障害 一過性脳虚血発作 認知機能障害
脳 脳出血・脳梗塞 無症候性脳血管障害 一過性脳虚血発作 認知機能障害 心臓 左室肥大 狭心症・心筋梗塞 心不全 腎臓 蛋白尿・腎障害・腎不全 血管 動脈硬化性プラーク・大動脈解離 閉塞性動脈硬化症 眼底 高血圧性網膜症
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成人における高血圧の分類 分 類 収縮期血圧 拡張期血圧 至適血圧 <120 かつ <80 正常血圧 <130 <85 正常高値血圧
分 類 収縮期血圧 拡張期血圧 至適血圧 <120 かつ <80 正常血圧 <130 <85 正常高値血圧 130~139 または 85~89 軽症高血圧 140 ~159 90 ~99 中等度高血圧 160 ~179 100 ~109 重症高血圧 ≧180 ≧110 収縮期高血圧 ≧140 <90
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脳卒中・冠動脈疾患の発症頻度 久山町調査、60歳以上の男女、降圧剤非服用(1961-1993)
1年間千人あたりの発症人数 至適 正常 正常高値 軽症 中等度 重症 高血圧の分類
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高血圧と脳梗塞の発症率 (男性) 久山町調査、60歳以上、降圧剤非服用(1961-1993)
35 30 25 20 1年間千人あたりの発症人数 15 10 5 収縮期血圧 < ~ ~ ~ ~ ~ 拡張期血圧 < ~ ~ ~ ~ ~
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高血圧と脳梗塞の発症率 (女性) 久山町調査、60歳以上、降圧剤非服用(1961-1993)
35 30 25 20 1年間千人あたりの発症人数 15 10 5 収縮期血圧 < ~ ~ ~ ~ ~ 拡張期血圧 < ~ ~ ~ ~ ~
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心血管病の危険因子 高血圧 喫煙 糖尿病 脂質代謝異常(高コレスレロール血症、低HDL血症) 肥満(とくに内臓肥満) 尿中微量アルブミン
高齢(男性60歳以上、女性65歳以上) 若年発症の心血管病の家族歴
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高血圧のリスクの層別化 140~159 /90~99 160~179 /100~109 ≧180 / ≧110 低リスク 中等リスク
軽症高血圧 中等症高血圧 重症高血圧 140~159 /90~99 160~179 /100~109 ≧180 / ≧110 危険因子なし 低リスク 中等リスク 高リスク 糖尿病以外の1~2個の危険因子あり 糖尿病、臓器障害、心血管病、3個以上の危険因子の いずれかがある
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糖尿病・腎疾患があれば適応となる降圧薬投与
初診時の治療計画 血圧測定 病歴 身体所見 検査所見 二次性高血圧を除外 危険因子 臓器障害 心血管病 合併症を評価 生活習慣病の修正を指導 正常高値群 /85-89 低リスク群 中等リスク群 高リスク群 糖尿病・腎疾患があれば適応となる降圧薬投与 3カ月後に140/90以上なら降圧薬治療 1カ月後に140/90以上なら降圧薬治療 ただちに降圧薬治療
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降圧の目標 高齢者 140/90 mmHg未満 若年者・中年者 130/85 mmHg未満 糖尿病患者・腎障害患者
糖尿病患者・腎障害患者 130/80 mmHg未満
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家庭血圧、24時間自由行動下血圧の 高血圧の基準
≧ 135 / 85mmHg 自由行動血圧(24時間) ≧ 135 / 80mmHg
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生活習慣の修正項目 1)食塩制限 (一日6g未満) 2)野菜・果物の積極的摂取 コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える
1)食塩制限 (一日6g未満) 2)野菜・果物の積極的摂取 コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える 3)適正体重の維持: (BMI 25を越えない) 4)運動療法:心血管病のない高血圧患者が対象で、有酸素運動を毎日30分以上を目標に定期的に行う 5)アルコール制限 エタノール 1日 男性 20~30g以下 女性 10~20g以下 6)禁煙 生活習慣の複合的な修正はより効果的である
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降圧薬の積極的な適応と禁忌 1 積極的な適応 禁忌 カルシウム 拮抗薬 心ブロック (ジルチアゼム) ACE阻害薬
降圧薬の積極的な適応と禁忌 1 積極的な適応 禁忌 カルシウム 拮抗薬 高齢者・狭心症・ 脳血管障害後・糖尿病 左室肥大 心ブロック (ジルチアゼム) ACE阻害薬 糖尿病・心不全・心筋梗塞・左室肥大・軽度の腎障害・高齢者・脳血管障害後 妊娠・高カリウム血症・両側腎動脈狭窄 AII受容体 ACE阻害薬に同じ・特に咳でACE阻害薬が使用できない時
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降圧薬の積極的な適応と禁忌 2 積極的な適応 禁忌 利尿薬 高尿酸血症・ 痛風 ベータ遮断薬 喘息・心ブロック・末梢循環不全
降圧薬の積極的な適応と禁忌 2 積極的な適応 禁忌 利尿薬 高齢者・心不全・脳血管障害後・腎不全(ループ利尿薬) 高尿酸血症・ 痛風 ベータ遮断薬 心筋梗塞後・狭心症・頻脈・心不全 喘息・心ブロック・末梢循環不全 アルファ遮断薬 前立腺肥大・高脂血症 起立性低血圧
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生活習慣の修正項目 1)食塩制限 (一日6g未満) 2)野菜・果物の積極的摂取 コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える
1)食塩制限 (一日6g未満) 2)野菜・果物の積極的摂取 コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える 3)適正体重の維持: (BMI 25を越えない) 4)運動療法:心血管病のない高血圧患者が対象で、有酸素運動を毎日30分以上を目標に定期的に行う 5)アルコール制限 エタノール 1日 男性 20~30g以下 女性 10~20g以下 6)禁煙 生活習慣の複合的な修正はより効果的である
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高血圧治療の効果 収縮期血圧を 5mmHg 下げると 死亡率が16% 低下します。 脳卒中になる人が5万人減り、脳卒中死亡者が2万人以上減ります。 (健康日本21)
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以上 日本高血圧学会高血圧治療 ガイドライン作成委員会による
「高血圧治療ガイドライン2004」 (2004年12月20日発行)を紹介しました 以下 追加的に述べます
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高血圧における食事療法 1)食塩制限(一日6g以下) 調味料などで添加する食塩は4g以下 2)適正体重の維持 3)高脂血症の合併を防ぐ
1)食塩制限(一日6g以下) 調味料などで添加する食塩は4g以下 2)適正体重の維持 3)高脂血症の合併を防ぐ コレステロール・飽和脂肪酸の摂取を控える 4)カリウム・カルシウム・マグネシウムを摂る 5)節酒 エタノール 1日 男性 20~30g以下 女性 10~20g以下
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食塩制限 塩分摂取で血圧が上がりやすいのは 高齢者 女性 肥満者 家系に高血圧がある者 糖尿病を合併者 腎機能低下者
高齢者 女性 肥満者 家系に高血圧がある者 糖尿病を合併者 腎機能低下者 日本人は 平均一日 11.4g の食塩を摂取 一日2g以上食塩を減らすと血圧が低下する (TONE試験)
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適正体重の維持 適正体重の維持 体重を減らすと血圧が低下する 肥満は、高脂血症・糖尿病を伴いやすく それが心血管疾患につながる
(TONE試験)
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体格脂肪指数(BMI)による 理想体重と肥満の判定
身長 理想体重 BMI=25 の体重 (cm) (kg) 131 37.8 42.9 161 57.0 64.8 132 38.3 43.6 162 57.7 65.6 133 38.9 44.2 163 58.5 66.4 134 39.5 44.9 164 59.2 67.2 135 40.1 45.6 165 59.9 68.1 136 40.7 46.2 166 60.6 68.9 137 41.3 46.9 167 61.4 69.7 138 41.9 47.6 168 62.1 70.6 139 42.5 48.3 169 62.8 71.4 140 43.1 49.0 170 63.6 72.3 141 43.7 49.7 171 64.3 73.1 142 44.4 50.4 172 65.1 74.0 143 45.0 51.1 173 65.8 74.8 144 51.8 174 66.6 75.7 145 46.3 52.6 175 67.4 76.6 146 53.3 176 77.4 147 47.5 54.0 177 78.3 148 48.2 54.8 178 79.2 149 48.8 55.5 179 70.5 80.1 150 49.5 56.3 180 71.3 81.0 151 50.2 181 72.1 81.9 152 50.8 57.8 182 72.9 82.8 153 51.5 183 73.7 83.7 154 52.2 59.3 184 74.5 84.6 155 52.9 60.1 185 75.3 85.6 156 53.5 60.8 186 76.1 86.5 157 54.2 61.6 187 76.9 87.4 158 54.9 62.4 188 77.8 88.4 159 55.6 63.2 189 78.6 89.3 160 64.0 190 79.4 90.3 体格脂肪指数(BMI)による 理想体重と肥満の判定 BMI = 体重(kg) ÷身長(m) ÷身長(m) 理想体重とは BMI = 22 となる体重です BMI = 25 を超えると肥満と判定します この表は 男性・女性共通です
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高脂血症の合併を防ぐ 高脂血症の合併を防ぐ 低脂肪食(コレステロール制限と飽和脂肪酸の制限)および果実・野菜の摂取で
血圧が低下する (DASH試験)
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カリウム・カルシウム・マグネシウム 適正なカリウム・カルシウム・マグネシウム の摂取は血圧をさげる(DASH試験)
カリウムの多い食物: 芋類 枝豆 ほうれん草 胚芽精米 芽キャベツ ワカメ にぼし カリウムのとりすぎは腎障害のある人には悪影響がある
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カリウム・カルシウム・マグネシウム ただし、取りすぎで特に有効ということもなく、 多種類の食品を摂る心がけで充分でしょう。
カリウムの多い食物: 芋類 枝豆 ほうれん草 胚芽 精米 芽キャベツ ワカメ にぼし りんご トマト バナナ ブロッコリー 南瓜 カルシウムの多い食物: すっぽん いわし たにし どじょう はぜ ナチュラルチーズ 豌豆 マグネシウムの多い食物: 玄米 牡蠣 柿 まぐろ 納豆 ごま ただし、取りすぎで特に有効ということもなく、 多種類の食品を摂る心がけで充分でしょう。
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節 酒 飲酒は血圧を上げる 男性で多量飲酒者ほど血圧が高い 毎日飲酒する者は飲酒習慣のないものに比べ10歳の加齢に相当する血圧上昇あり
節 酒 飲酒は血圧を上げる 男性で多量飲酒者ほど血圧が高い 毎日飲酒する者は飲酒習慣のないものに比べ10歳の加齢に相当する血圧上昇あり 男性では飲酒は脳卒中の危険因子 一日飲酒量: 日本酒1合、ビール大瓶1本 ウイスキー 水割り2杯 ワイン200ml 以下
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上手なお酒の飲み方 食事とともに楽しみながらゆっくり飲みましょう 少量(1~2単位)にとどめましょう
お酒はカロリーはあるのに栄養にはなりません主食などを減らさないように おつまみで食事のバランスを崩さないように 週二日以上の休肝日を設けましょう
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高血圧にならない生活習慣 漬物・味噌汁・佃煮などをへらす 外食で塩分・脂肪分・カロリーを摂りすぎない 薄味に慣れる工夫をする(酢で味付など)
野菜・果物を多く摂る 運動習慣を身につける 肥満にならない ストレスをためない 睡眠を充分にとる タバコを吸わない 酒を飲み過ぎない
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脳卒中予防十か条 (日本脳卒中協会) 脳卒中(脳梗塞・脳出血)は寝たきりの大きな原因です 手始めに高血圧から治しましょう
脳卒中予防十か条 (日本脳卒中協会) 手始めに高血圧から治しましょう 糖尿病 放っておいたら悔い残る 不整脈 見つかり次第すぐ受診 予防にはタバコを止める意思を持て アルコール 控えめは薬 過ぎれば毒 高すぎる コレステロールも見逃すな お食事の塩分・脂肪 控えめに 体力にあった運動続けよう 万病の引き金になる 太りすぎ 脳卒中起きたらすぐに 病院へ 脳卒中(脳梗塞・脳出血)は寝たきりの大きな原因です
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