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生物学 第16回 感覚 和田 勝
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屈筋反射 「痛い」と感じる前に、脚を引っ込めているはずです。 これとは別に、、
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感覚ニューロンは脳にも情報を送る 「痛い」という感覚は、このような経路をたどって大脳へ送られます。
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大脳皮質の局在性
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ホムンクルス ヒトの体性感覚野の大きさを反映させたホムンクルスです。 掌や指の比重がいかに大きいかわかりますね。
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ホムンクルス 脊椎動物の感覚野の相対的な大きさを比較してみると、以下のようになります。
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ニューロンの数が増える 神経系が発達すると感覚ニューロンと運動ニューロンの間に、介在ニューロンが入るようになります。
その結果、中枢神経内に介在ニューロンの集合が生まれ、複雑なネットワークが形成され、ここでいろいろな処理が行なわれるようになります。
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感覚ニューロン 介在ニューロン 運動ニューロン
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ニューロンの数が増える 脊髄と脳
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ニューロンの数が増える 中枢神経系(脊髄と脳)の中に介在ニューロンによる神経回路が、つくられるようになります。
特定の神経回路が、定型的行動パターンに対応するようになります(たとえば、歩行運動)。
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生得的行動の解発 鍵刺激 鍵刺激 検出機構 プログラム 発生器 行動 プログラム 発生器 行動 鍵刺激 検出機構
行動を引き起こすのは鍵刺激で、最初の鍵刺激は外界からの感覚情報です。
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刺激と反応 音、光、匂いなど 外界からの刺激 個体 受容器 中枢神経系 効果器 反応 刺激の受容が 重要になります。 いろいろな行動
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刺激の受容 刺激の受容器として、感覚器を備える 感覚器には、刺激によって興奮する感覚細胞(受容器細胞)が多数ある
興奮に必要な最小刺激を、閾値という 感覚器によって受容できる刺激の種類は決まっています。これをその感覚器の適刺激といいます。
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感覚の種と質と強さ ●感覚には、異なる種(modality)がある (異なる種に対応して、異なる感覚器がある)
●同一の種の中にも、異なる質(quality)がある (質とは、音の高さの違いとか色の違い) ●質や強さ(intensity)の違いは、同じ感覚器で受容
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感覚器の頭部集中化 ホタテガイの眼は外套膜の縁に多数あります。
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感覚器の頭部集中化 ホタテガイの眼は外套膜の縁に多数あります。
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感覚器の頭部集中化 ホタテガイの眼は外套膜の縁に多数あります。
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感覚器の頭部集中化 ヒトデの眼(眼点)は5本の腕の先端にあります。
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感覚器の頭部集中化 一方、プラナリアには頭部に眼点があり、昆虫では頭部に眼以外にも触覚があります。
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感覚器の頭部集中化 脊椎動物では、運動の方向性が生まれ、頭部(前方)に感覚器が集中します。
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ヒトの顔
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ヒトの耳の痕跡器官 耳を動かす筋肉
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ヒトの眼の痕跡器官 瞬膜・結膜半月ヒダ
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感覚・知覚・認知 刺激を受容し、中枢でそれを認めることを感覚(sensation)といいます。
質や強さを区別し、それらの時間的な経過を認めることを知覚(perception)といいます。 いくつかの知覚を総合して、知覚されたものが何であるかを認める中枢のはたらきを認知(recognition)といいます。
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感覚の種類 受容器が特殊化していない感覚 受容器が特殊化している感覚 ●受容器が特殊化していない a)体性感覚
受容器が特殊化していない感覚 受容器が特殊化している感覚 ●受容器が特殊化していない a)体性感覚 ①皮膚感覚...痛覚、触覚、圧覚、温度感覚 ②深部感覚...深部痛覚 b)内臓感覚 ①内臓痛覚 ②臓器感覚
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感覚の種類2 ●特殊感覚 a)味覚(taste) b)嗅覚(smell, olfaction)
●特殊感覚 a)味覚(taste) b)嗅覚(smell, olfaction) c)前庭覚(acceleration and gravity) d)聴覚(hearing) e)視覚(vision) ここでは聴覚と視覚に限って話を進めます。
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感覚細胞の種類 感覚細胞が刺激を受容する様式は、大きく分けて次の2種類しかありません。 ●機械的刺激 ・・・・・ 前庭感覚、聴覚 有毛細胞
●機械的刺激 ・・・・・ 前庭感覚、聴覚 有毛細胞 ●化学的刺激 ・・・・・ 視覚、味覚、嗅覚 受容体
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まずは耳から 聴覚(蝸牛)と前庭感覚(前庭器、すなわち3つの半規管と耳石器による感覚)
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聴覚・前庭覚(耳の構造)
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コルチ器官の外有毛細胞
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有毛細胞の電気的性質
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有毛細胞の電気的性質
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有毛細胞の受容器電位
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蝸牛の 構造 蝸牛を引き伸ばした模式図 基底膜の構造 音を聞き分ける
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聴覚の情報は脳へ送られる 蝸牛からの音の情報は、基底膜の位置の情報となって、聴神経(第Ⅷ脳神経)によって脳へ送られます。
脳には、音の高低(周波数)を位置情報に展開した地図が存在します。
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聴覚の情報は脳へ送られる 蝸牛③からの音の情報は、聴神経(第Ⅷ脳神経)④によって内側室膝状体⑤を経て、第一次聴覚野⑥へ送られます。
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聴覚の情報は脳へ送られる 聴神経→ 蝸牛神経核→上オリーブ核→下丘→ 内側膝状体 この間に特徴抽出が行われる。
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聴覚の情報は脳へ送られる 内側膝状体までの間に特徴抽出された音の情報が、マゼンダ色の一次聴覚野の音の地図に送られます。
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視覚(眼の構造) 黄斑
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桿細胞(rod)と錘細胞(cone)の分布の違い
視神経が出て行くところ 中心窩
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網膜の構造 光の方向↓ 情報の方向↑ この受容器で受容
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二種類の 視細胞 桿細胞は光の強度、錘細胞は色(ヒトではRGBに対応)を感じます。
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桿細胞とロドプシン
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外節円盤膜内のロドプシン
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オプシンのアミノ酸配列 ヒトオプシンのアミノ酸配列(青い部分は膜貫通ドメイン) 7回膜貫通型のタンパク質 Gタンパク連結型受容体
1 MNGTEGPNFY VPFSNATGVV RSPFEYPQYY LAEPWQFSML AAYMFLLIVL GFPINFLTLY 60 61 VTVQHKKLRT PLNYILLNLA VADLFMVLGG FTSTLYTSLH GYFVFGPTGC NLEGFFATLG 120 121 GEIALWSLVV LAIERYVVVC KPMSNFRFGE NHAIMGVAFT WVMALACAAP PLAGWSRYIP 180 181 EGLQCSCGID YYTLKPEVNN ESFVIYMFVV HFTIPMIIIF FCYGQLVFTV KEAAAQQQES 240 241 ATTQKAEKEV TRMVIIMVIA FLICWVPYAS VAFYIFTHQG SNFGPIFMTI PAFFAKSAAI 300 301 YNPVIYIMMN KQFRNCMLTT ICCGKNPLGD DEASATVSKT ETSQVAPA 7回膜貫通型のタンパク質 Gタンパク連結型受容体
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オプシンの構造推定図
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桿細胞に 光があたると 光によってレチナール の形が変わる レチナールが離脱 オプシンがトランスデューシン(Gタンパク質)を 活性化
Naチャンネルが閉じる 伝達物質の放出止まる
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網膜では したがって、桿細胞は光の強度、錘細胞は色(ヒトではRGBに対応)を感じます。
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視覚の情報は脳へ送られる 光の情報は、光の強さと色情報に分解され、視神経(第Ⅱ脳神経)によって脳へ送られます。
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視覚の情報は脳へ送られる 視神経によって外側膝状体を経て、第一次視覚野(上の図の灰色の部位)の網膜に対応した地図に送られます。
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木津文哉さんの作品
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木津文哉さんの作品 この絵を見ているのは、眼ではなく脳なのです。眼は、外界の事物を網膜で、色と明るさを持った点として受け取るだけです。これを知覚するのは脳なのです。 しかも、二次元のデータを三次元にするために、手がかりを使って解釈をしているのです。
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二次元から三次元へ 変数が2つしかないのに、3つの解を求めなければならないことになります。 2x+3y+z=7 x +2y+z=5
2x+3y+z=7 x +2y+z=5 普通は解けませんが、xとyは整数であるという条件があれば、答えを求めることができます(答えはx=1、y=1、z=2)。
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出っ張るか引っ込むか
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出っ張るか引っ込むか
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脳は拘束条件を使う このような条件を、拘束条件と呼んでいます。 拘束条件1:光は上方から
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拘束条件がないと混乱する ネッカーの立方体
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拘束条件がないと混乱する Nobuyuki Kawahara
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拘束条件2:物体は連続する 隙間があるとそれを埋めようとし、実際に隙間がないように見えます。
視神経の出て行くところには視細胞がなく、盲点になっていますが、視野が欠損して見えることはありません。
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拘束条件3:奥のものは手前 のものに隠される カニッツアの三角形
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拘束条件3:奥のものは手前 のものに隠される
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拘束条件3:奥のものは手前 のものに隠される
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拘束条件4:見る位置が変わっても同じだとする
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拘束条件によって三次元に このあと、さらに記憶などと照合する際に、いくつかの手がかりを使います。
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前後のつながりから 脳は、前後のつながり(文脈)を解釈して判断します。
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前後のつながりから 同じ図形が、Bと見えたり13と見えたりします。
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周囲との関係から
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周囲との関係から
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周囲との関係から
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何処に注目するか
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何処に注目するか ルビンの盃
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上下の方向性を意識
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蛇の回転(立命館大学・北岡明佳さん作)
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チェッカーボードイリュージョン Adelson(MIT)より
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チェッカーボードイリュージョン
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チェッカーボードイリュージョン
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色誘導 上の例は、無彩色に対する効果でしたが、色同士の間にも同じような誘導が起こります。右図の灰色の帯はすべて同じ色です。色誘導といいます。
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色誘導
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色誘導
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色誘導
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色誘導 Aは同じ色の帯、Bは左から右に暗くなっている帯です。下の帯はAとBのどちらでしょうか。
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色誘導効果の応用 ドラクロア(Eugene Delacroix )のThe Death of Sardanapalus
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色誘導効果の応用 影の部分は濃い青が使われている。
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水彩効果 波線の間の空間は、実際は白いのに、緑色がかって見えているはずです。
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視覚の情報は脳へ送られる
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網膜ですでに処理が、、 水平細胞 双極細胞 アマクリン細胞 神経節細胞
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神経節細胞には二種類 大きさに応じて空間的精度と時間的精度が逆になっている。
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受容野は同心円タイプ 神経節細胞には、on-centerのものと、off-centerのものがあります。
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中継地点でも 外側膝状体
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一次視覚野でも さまざまな処理をされて、さらにV2、V3、V4、V5(MT野)へ情報を送っています。
これ以上はこの講義の範囲を終えているので省略します。
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一次視覚野以降 What経路 Where経路
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