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がんの予防 看護学研究科 修士課程(感染症学特論 腫瘍学特論) 生命基礎科学講座 小林正伸(内線:3644)
看護学研究科 修士課程(感染症学特論 腫瘍学特論) 生命基礎科学講座 小林正伸(内線:3644) TEL/FAX: Mail:
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Q : 癌の予防に関して1次予防、2次予防、3次予防とは何か?
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がんの予防 第1次予防 発生の阻止 がんにならないようにする生活習慣 第2次予防 早期発見・早期治療を行ってガンで最悪の
第1次予防 発生の阻止 がんにならないようにする生活習慣 第2次予防 早期発見・早期治療を行ってガンで最悪の 事態にならないようにする。 第3次予防 癌による死亡の阻止とQuality of life(QOL)の維持 がんの再発や転移を防ぐための治療
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がんの予防とは? 第1次予防 発生の阻止 がんにならないようにする生活習慣 第2次予防 早期発見・早期治療を行って最悪の
第1次予防 発生の阻止 がんにならないようにする生活習慣 第2次予防 早期発見・早期治療を行って最悪の 事態にならないようにする。 第3次予防 癌による死亡の阻止とQuality of life(QOL)の維持 がんの再発や転移を防ぐための治療
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がんになり易い5つの条件 (ハイリスクグループ) 1.へビ−スモーカーで喫煙歴が長い人 2.がん関連ウイルスに感染している人,あるいは
(ハイリスクグループ) 1.へビ−スモーカーで喫煙歴が長い人 2.がん関連ウイルスに感染している人,あるいは 過去に感染したことのある人 3.遺伝子にある種の異常や変異を持つ人 4.「前がん病変」を持つ人 5.かってがんになったことのある人
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癌の要因の癌死亡への寄与率(推定値) 喫煙と食事(特に肥満)に注意さえすれば、ほぼ大部分の生活習慣上の危険因子は除去できる。
要因 寄与割合 (%) 喫煙 (Tobacco) 成人期の食事・肥満 (Adult diet/obesity) 生活様式 (Sedentary lifestyle) 職業要因 (Occupational factors) がんの家族歴 (Family history of cancer) ウイルス・他の生物因子 (Viruses/other biologic agents) 周産期要因・成長 (Perinatal factors/growth) 生殖要因 (Reproductive factors) 飲酒 (Alcohol) 社会経済的状況 (Socioeconomic status) 環境汚染 (Environmental pollution) 電離放射線・紫外線 (Ionizing/ultraviolet radiation) 医薬品・医療行為 (Prescription drug/medical procedures) 塩蔵品・他の食品添加物・汚染物 (Salt/other food additives/contaminants) 1 喫煙と食事(特に肥満)に注意さえすれば、ほぼ大部分の生活習慣上の危険因子は除去できる。
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食物・栄養要因とがん発生との関連についての科学的証拠に基づく評価
関連の強さ リスクを下げるもの リスクをあげるもの 確実 身体活動(結腸癌) 体重と肥満(食道腺癌、結腸癌、直腸癌、 乳癌(閉経後)、子宮体部、腎癌) 飲酒(口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、食道癌、 肝臓癌、乳癌) アフラトキシン(肝癌) 中国式塩蔵魚(鼻咽頭癌) 可能性大 野菜・果物(口腔癌、食道癌、胃癌、 貯蔵肉(結腸癌、直腸癌) 結腸癌、直腸癌) 塩蔵品および食塩(胃癌) 身体活動(乳房) 熱い飲食物(口腔癌、咽頭癌、食道癌) 可能性あり 食物繊維、大豆、魚、N-3系脂肪酸、 動物性脂肪、ヘテロサイクリックアミン、 /データ不十分 カロテノイド、ビタミンB2, B6, 葉酸、 多環芳香族炭化水素、ニトロソ化合物 B12, C, D, E、カルシウム、亜鉛、 セレン、非栄養性植物機能成分 WHO technical report series 916. Diet, nutrition and the prevention of chronic diseases. WHO, Geneva, (2003) より改変
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野菜・果物の摂取量と発癌危険度の関係 2005年の厚生労働省研究班の4万人を対象にした調査では、野菜や果物を週に1回未満の場合には胃がんの発症危険度が高かった。しかし、週1回以上食べている場合には多くても差はなかった。大腸がんと食物繊維でも同じことが言えた。食物繊維が10g以上であればそれ以上に多くても意味はなかった。
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がんにならない食生活(がんになりにくくする食生活)
1)食事:主に植物性の食物を選ぶ 2)体重維持:BMIを18.5~25に維持し、成人になって5キロ以上体重を増やさない 3)運動の維持:1日1時間の活発な歩行と週最低1時間の激しい運動 4)野菜・果物:豊富な種類の野菜・果物を1日400~800グラム食べる 5)他の植物性食品:豊富な種類の穀類・豆類・根菜類を1日600~800g摂取 6)アルコール飲料:男性が1日2杯以下、女性が1杯以下 [1杯はビール250ml、ワイン100ml、ウイスキーなどは25ml相当] 7)肉(牛・豚・羊肉):1日80g以下。魚肉・トリ肉の方がいい 8)全脂肪:動物性脂肪食品の摂取をひかえ、植物性脂肪を適度に摂取 9)食塩:1日6g以下、調味料にはハーブやスパイスを使う 10)貯蔵:カビ毒汚染の可能性のある長期貯蔵の食品は食べない 11)保存:腐敗しやすい食品は冷蔵保存する 12)添加物・残留物:適切な規制下では問題ない 13)料理:焦げた食品は食べない 14)栄養補助食品:勧告の他項目に従えば摂取不要 15)たばこ:吸わない
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タバコと肥満ががんのリスクになるのよ! 禁煙してくださいね! 運動して野菜や果物を摂ってね!
それって日本人もアメリカ人も同じなの? タバコと肥満ががんのリスクになるのよ! 禁煙してくださいね! 運動して野菜や果物を摂ってね!
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アメリカと日本の違い 上の写真はアメリカと日本の若い女性の体型の違いを代表的な例として示した。下の図はサンドイッチの違いを示しているが、アメリカ人の食べるステーキの重さは500gくらいは当たり前と言った生活の違いを考える必要はある。
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アメリカのがん予防の施策 リスク減少の目標 予防サービス 1. 喫煙率を15%以下へ。
2. 総カロリーに対する総脂肪と飽和脂肪の割合を各30%以下、10%以下へ減少させる。 3. 成人の食事中の炭水化物・繊維の摂取量を増加させる。 4. 日光曝露の制限、日焼け防止、人工紫外線の曝露の回避を実施する者の割合を60%以上へ。 予防サービス 1. 禁煙・栄養・がん検診のカウンセリングをするプライマリ・ケア従事者の割合を75%以上へ増加させる。(1986年:内科医の52%が喫煙中の患者に対して禁煙カウンセリングを行っていた。) 2. 40歳以上の女性のうち、乳房視触診検査とマンモグラフィ検査の受診率を80%以上へ増加させる(1987年数値:36%)。50歳以上の女性のうち、この1~2年の間にこれらの検査を受診した者の割合を60%以上へ増加させる、(同:25%) 3. 18歳以上の女性のうち、子宮頚部細胞診の受診率を95%以上へ増加させる(1987年数値:88%)。この1~3年の間にこの検査を受診した者の割合を85%以上へ増加させる(同:75%)。 4. 50歳以上のうち、この1~2年の間に便潜血検査の受診率を50%以上へ(同:27%)、S状結腸鏡検査を(少なくとも1回は)受けたことのある者の割合を40%以上へ増加させる(同:25%)。
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1次予防の成功例(?) アメリカのがん罹患率の低下
具体的な目標設定と施策によって、アメリカのがん罹患率、がん死亡率は、1990年をピークとして下がってきた(左図)。がんの死亡率が前年に比べて減少したことは、アメリカ建国以来初の快挙だという。具体的には右の図のように、罹患率では大腸がんや肺がんが減少している。
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アメリカのがん罹患率、死亡率低下のなぞ 日本とアメリカの平均寿命 日本 82歳 アメリカ 78歳
アメリカにおけるがん死亡率とがん死亡数の推移 アメリカにおける人口の推移 アメリカと日本の死因 年 男性 女性 1996年 281898(217.2) 257635(190.2) 1997年 281110(214.6) 258467(189.2) 1998年 282065(213.6) 259467(187.7) 1999年 285832(214.5) 264006(189.4) 2000年 286082(207.2) 267009(186.2) 2001年 287075(205.3) 266693(183.9) 2002年 288768(203.8) 268503(183.0) 2003年 287990(201.3) 268912(182.0) 2004年 286830(198.4) 267058(179.1) 2005年 290422(198.9) 268890(178.8) 一貫して移民の増加や自然増によって人口が増加していることに注目!! がんに比べると、心疾患で亡くなる人が多いことに気づく。 日本とアメリカの平均寿命 日本 82歳 アメリカ 78歳 ()内は人口10万人で補正した死亡率 がん死亡率は低下しているが、がん死亡数は増加していることに注意
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ただ人口が増えているから低下しているようにも見えるけど?
アメリカではがん予防の効果が出たため(?)、がん罹患率や死亡率が低下しているの!
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がんの予防 第1次予防 発生の阻止 がんにならないようにする生活習慣 第2次予防 早期発見・早期治療を行ってガンで最悪の
第1次予防 発生の阻止 がんにならないようにする生活習慣 第2次予防 早期発見・早期治療を行ってガンで最悪の 事態にならないようにする。 第3次予防 癌による死亡の阻止とQuality of life(QOL)の維持 がんの再発や転移を防ぐための治療
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科学的根拠のあるがん検診 対象臓器 効果のある検診方法 胃 胃X線 子宮頸部 細胞診 乳房 視触診とマンモグラフィ(乳房X線)の併用
対象臓器 効果のある検診方法 胃 胃X線 子宮頸部 細胞診 乳房 視触診とマンモグラフィ(乳房X線)の併用 肺 胸部X線と喀痰(喫煙者のみ)の併用 大腸 便潜血検査、大腸内視鏡 肝臓 肝炎ウイルス・キャリア検査 無作為化比較対照試験(Randomized Controlled Trial : RCT) 検診の対象となるがんの死亡率が検診を行わないグループ(対照グループ)に比べて検診を行うグループ(検診グループ)で低下すれば意味があることになる
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乳がんの早期発見と早期治療 乳がんの治癒の可能性を最も高めるのが早期発見であることは知られており、
早期に発見し、適切な治療を行うことが重要となる。
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世界における慢性感染に起因するがん 感染源 部位 年間罹患数 割合
感染源 部位 年間罹患数 割合 ヘリコバクター・ピロリ菌 (H. pylori) 胃 , ヒト・パピローマ・ウイルス (HPV) 子宮頚部・他 , 肝炎ウイルス(B、C型)(HBV, HCV) 肝臓 , EBウイルス (EBV) リンパ腫、鼻咽頭 99, ヒト・ヘルペス・ウイルス8型 (HHV-8) カポジ肉腫 54, ビルハルツ住血吸虫 膀胱 9, ヒトT細胞性白血病リンパ腫ウイルス (HTLV-1) 白血病・リンパ腫 2, 肝吸虫 (Liver flukes) 胆管細胞がん 感染関連がん総数 ,600, がん総数(1995年) ,000,
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544名の早期胃癌患者(新規および内視鏡治療例)
HP除菌療法の胃癌予防効果 544名の早期胃癌患者(新規および内視鏡治療例) 272名の早期胃癌患者 (除菌療法) 272名の早期胃癌患者 (経過観察) 255名の早期胃癌患者 (除菌療法) 250名の早期胃癌患者 (経過観察) 観察期間:Med 1076 days( ) 観察期間:Med 1041 days( ) The Japan Gast Study Group
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HP除菌の胃癌予防効果 除菌群では9例が2次癌を発症し、コントロール群では24例が2次癌を発症した。
この結果をもとに早期がん患者の2次胃癌発症予防に除菌療法が保険適応となった。
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胃癌とヘリコバクターピロリ菌の除菌 早期胃癌患者の2次がん発症を抑制できる。 では、一般的に胃癌発症を抑制できるの?
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子宮頸癌とパピローマウイルス 研究デザイン:組織学的に確認された子宮頸部扁平上皮癌の女性 1,918 例と対照女性 1,928 例を対象に子宮頸部細胞を採取し,ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づいたアッセイ(MY09/MY11 および GP5+/6+プライマーを使用)により,HPV DNA の検出および型分類を行った. 結果: 1.HPV DNA は子宮頸癌患者 1,918 例中 1,739 例(90.7%),および対照女性 1,928 例 中 259 例(13.4%)に検出された.GP5+/6+プライマーを使用した場合,HPV DNA は患 者の 96.6%および対照者の 15.6%に検出された 2.HPV 型 16 および 18 に加えて,31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,68,73,82 型を発癌型すなわち高リスク型と考えるべきであり,26,53,66 型は発癌性の可能 性が高い型 (N Engl J Med 2003; 348 : : Original Article.)
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パピローマウイルスワクチンの効果 Vaccine (n=276) Placebo (n=275) n Events Incidence per n Events Incidence per 100 women-year women-year Infection with HPV HPV HPV HPV External Genital legion CIN .16-23 歳の女性にワクチン抗原をアジュバントと共に筋肉に3 回(0,2,6 ヶ月)注射し,被験者の血中抗HPVL1 抗体の消長,子宮頸部擦過細胞の異常とHPVDNA の有無,子宮頸部異形成 (CIN2/3)の有無を調べた。結果は、ワクチン接種群ではHPVDNA陽性者の数が4名程度であり、子宮頸部異形成も認められなかった。一方プラセボ群では、HPVDNA陽性者の数が46名、子宮頸部異形成も3名に認められた。 (Villa et al., Lancet Oncol., 2005)
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パピローマウイルスワクチンの効果 Susceptible群(パピローマ感染なし)では予防効果は優れているものの、既に感染しているIntention-to-treat群では半数程度に減少させる効果しかない。
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1.ウイルス感染前にワクチン接種すると、ほぼ子宮頸癌を予
防できる。 2.ウイルス感染後でも半数程度の子宮頸癌を予防できる。
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〇化学予防に用いられる薬剤 1.抗酸化剤 クルクミン ターメリック ポロフェノール 葡萄酒 カテキン類 茶
クルクミン ターメリック ポロフェノール 葡萄酒 カテキン類 茶 ビタミン類 VC,VE,、VA(カロチノイド、βカロチンなど) 2. 抗炎症剤 NSAID スリンダック、アスピリン、イブプロフェンなど 3.ホルモン剤 タモキシフェン(抗女性ホルモン) フィナステライド(抗男性ホルモン) 4.微量元素 セレニュウム、カルシュウム
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N Engl J Med May 24;356(21): Aspirin and the risk of colorectal cancer in relation to the expression of COX-2. Chan AT, Ogino S, Fuchs CS. Gastrointestinal Unit, Massachusetts General Hospital, Boston, MA 02114, USA. Abstract BACKGROUND: Regular use of aspirin reduces the risk of a colorectal neoplasm, but the mechanism by which aspirin affects carcinogenesis in the colon is not well understood. RESULTS: During 2,446,431 person-years of follow-up of 82,911 women and 47,363 men, we found 636 incident colorectal cancers that were accessible for determination of COX-2 expression. Of the tumors, 423 (67%) had moderate or strong COX-2 expression. The effect of aspirin use differed significantly in relation to COX-2 expression (P for heterogeneity=0.02). Regular aspirin use conferred a significant reduction in the risk of colorectal cancers that overexpressed COX-2 (multivariate relative risk, 0.64; 95% confidence interval [CI], 0.52 to 0.78), whereas regular aspirin use had no influence on tumors with weak or absent expression of COX-2 (multivariate relative risk, 0.96; 95% CI, 0.73 to 1.26). The age-standardized incidence rate for cancers that overexpressed COX-2 was 37 per 100,000 person-years among regular aspirin users, as compared with 56 per 100,000 person-years among those who did not use aspirin regularly; in contrast, the rate for cancers with weak or absent COX-2 expression was 27 per 100,000 person-years among regular aspirin users, as compared with 28 per 100,000 person-years among nonregular aspirin users. CONCLUSIONS: Regular use of aspirin appears to reduce the risk of colorectal cancers that overexpress COX-2 but not the risk of colorectal cancers with weak or absent expression of COX-2.
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〇化学予防の臨床試験の例 1.ATBC研究 VE、 βカロチン、ルクミン ターメリック 肺癌リスクの高い喫煙者を対象とした
肺癌リスクの高い喫煙者を対象とした フィンランドの男性喫煙者3万人 βカロチン投与群で肺癌が増加 特に喫煙者増加 2.乳癌予防試験 タモキシフェン(抗女性ホルモン) 35歳以上の女性1.4万人 6年経過した時点でタモキシフェン服用者で やや乳癌の発生率が減少。 しかし、子宮がん発生率やや高い。
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NSAIDの大腸癌予防効果 大腸癌と診断された2,279人(症例群)および大腸癌にかかっていない2,907人(対照群)を対象とした試験。NSAID使用の分類は、低用量アスピリン(75 mg)、非アスピリン系NSAIDまたはその他のNSAIDとした。 ・症例群の16%(354人)が対照群の18%(526人)と比較して、低用量アスピリンを服用していた。 ・低用量アスピリンを使用すると、大腸癌の発症するリスクが22%減少した。 ・低用量アスピリン使用によるリスクの減少が顕著になったのは、使用を始めて1年後であり、使用年数と共に増加し、5年で30%である。 ・非アスピリン系NSAIDまたは他のNSAIDを使用しても、大腸癌のリスクが低減するとみられた。 ・NSAIDを使用しても、全生存率または大腸癌特異的生存率は改善しないとみられる。 Din FV, Theodoratou E, Farrington SM, et al. Effect of aspirin and NSAIDs on risk and survival from colorectal cancer. Gut [early online publication]. September 15, 2010.
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肝臓がんに対するCOX-2阻害剤celecoxib(セレブレックス)の抗腫瘍効果
出典:Antitumoral Effect of Celecoxib in Hepatocellular Carcinoma Journal of Clinical Oncology, Vol 23, No 21 (July 20), 2005: pp 進行した肝臓がんに、COX-2阻害剤のセレブレックスが効いた症例の報告。症例は76歳の男性で、肝硬変に合併した肝臓がん(高分化型腺癌)に対して肝左葉切除が行われた。20ヵ月後に再発し、ラジオ波による治療で再発した腫瘍を除去した。さらに1年後に肝臓内に多発性の腫瘍が再発し、リンパ節転移も見られた。この時点で局所治療は困難となり、gemcitabineやoxaliplatinを用いた抗癌剤治療が実施されたが、全く効果はみられなかった。 celecoxib(セレブレックス)200mgを1日2回投与したところ、肝臓がんの腫瘍マーカーであるAFPは9700 ng/mlから150 ng/mlに著明に低下し、CT検査でも肝臓内の腫瘍やリンパ節転移の腫瘍が75~100%の率で縮小し、腫瘍組織の壊死を認めた。
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第3次予防 〇再発・転移の予防 1)悪性化進展の予防 2)再発・転移の早期発見 腫瘍マーカーによる経過観察 3)生物学的療法・免疫療法
1)悪性化進展の予防 2)再発・転移の早期発見 腫瘍マーカーによる経過観察 3)生物学的療法・免疫療法 〇Quality of life(QOL)の維持 〇疼痛に対するケア 〇中心静脈栄養
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85歳以上のがんは、極めて進行が遅いものがある。
がんの予防が目差すもの 「がん」は遺伝子の病気であり、成人病で、 生活習慣病である。 加齢に伴って、がん発生率は高くなる。 しかし、生活習慣を変えることによって、 発症年齢を遅くすることができる。 がんの発症を5年ほど遅らせることを目標とする。 例えば、 85歳以上のがんは、極めて進行が遅いものがある。 ⇨⇨ 天寿がん
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① がんの早期発見と適切な治療によって死なないようにすること → 死亡率の低下
がん医療の努力目標は? ― その1 ① がんの早期発見と適切な治療によって死なないようにすること → 死亡率の低下 ② それがかなわぬときでも死亡のときの年齢を出来るだけ遅らせること → 死亡年齢の遅延
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部位別死亡率の年次推移 男 女 年齢調整率 (10万対) 500 250 200 400 300 全部位 150 全部位 200 100
胃 胃 肺 50 子宮 肝 肺 結腸 肝 乳房 膵臓 10 結腸 10 直腸 胆嚢・胆管 直腸 前立腺 膵臓 胆嚢・胆管 1 1 1960 1970 1980 1990 2000 1960 1970 1980 1990 2000 (*1985年日本人モデル人口で調整) (資料: 人口動態統計)
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がんの死亡年齢※ (1960-2004年) 男性 女性 胆嚢・胆管 肝 前立腺 膵臓 肺 結腸 胆嚢・胆管 肺 直腸 全部位 膵臓 直腸
がんの死亡年齢※ ( 年) 男性 女性 胆嚢・胆管 前立腺 肝 膵臓 肺 結腸 胆嚢・胆管 肺 直腸 全部位 膵臓 直腸 子宮 胃 胃 全部位 乳房 肝 結腸 (資料: 人口動態統計) 1960 1970 1980 1990 2004 1960 1970 1980 1990 2004 (5歳階級年齢中央値×5歳階級別死亡数)の 0-84歳までの17階級の総和 0-84歳までの17階級の死亡数の総和 ※84歳までに死亡した者の死亡時平均年齢 =
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③ まずはがんにならないように → 罹患率の低下
がん医療の努力目標は? ― その2 ③ まずはがんにならないように → 罹患率の低下 ④ またがんになるとしてもその罹患年齢を5年でも10年、あるいはそれ以上に遅らせること → 罹患年齢の遅延
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全国年齢調整罹患率*(推計値)の年次推移
男 女 500 250 400 全部位 全部位 200 300 150 200 100 年齢調整率 (10万対) 100 胃 50 胃 乳房 50 肺 子宮(CIS含む) 結腸 肝 直腸 子宮 (CIS除く) 結腸 前立腺 10 肺 直腸 10 膵臓 肝 胆嚢・胆管 膵臓 胆嚢・胆管 1 1 1975 1980 1985 1990 1995 2000 1975 1980 1985 1990 1995 2000 (*1985年日本人モデル人口で調整; 年, 厚生労働省がん研究助成金 地域がん登録精度向上と活用に関する研究班による推計値; 年, 再推計値)
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がんの罹患年齢※ (1975-2000年) 男性 女性 胆嚢・胆管 前立腺 膵臓 肝 肺 胃 結腸 胆嚢・胆管 直腸 全部位 膵臓 胃 肺
がんの罹患年齢※ ( 年) 男性 女性 胆嚢・胆管 前立腺 膵臓 肝 肺 胃 結腸 胆嚢・胆管 直腸 全部位 膵臓 肺 胃 全部位 結腸 直腸 子宮(+CIS) 乳房 肝 子宮 (資料: 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録」研究班、第3次対がん総合戦略研究 事業「がん予防対策のためのがん罹患・死亡動向の実態把握の研究」班による推計値) (5歳階級年齢中央値×5歳階級別罹患数)の 0-84歳までの17階級の総和 0-84歳までの17階級の罹患数の総和 ※84歳までに死亡した者の罹患時平均年齢 =
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