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IT投資促進税制の創設 経 済 産 業 省 平成15年度税制改正 商務情報政策局 情報政策ユニット 平成15年4月 METI

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1 IT投資促進税制の創設 経 済 産 業 省 平成15年度税制改正 商務情報政策局 情報政策ユニット 平成15年4月 METI
Ministry of Economy Trade and Industry 商務情報政策局 情報政策ユニット

2 IT投資の実態 METI ● 現在の我が国のIT投資は、80年代~90年代初頭の米国の状況に類似。米
 国では、90年~92年における不況からの回復過程で、IT投資が非IT投資に  先駆けて増加し牽引役を果たした。 ● 我が国のIT投資は欧米諸国と比べて遅れており、かつ、多くの業種にまで拡  がっていない状況。 IT投資の対GDP比率日米比較 米国の設備投資 ITストックの資本ストックに占める割合 業種別IT投資の比率日米比較 IT投資により企業の経営革新、競争力強化を図ることが重要 IT投資を後押しする税制が必要

3 IT投資促進税制の創設 METI 6,000億円超 本税制の減税規模
  全ての企業(青色申告企業)が行う自社利用のIT投資に対して、10%の税額控除と取得価額の50%の特別償却の選択を認める制度を創設。IT投資の加速に向けた重点的な施策投入を行う。★法人税額の20%を上限、超過分は一年分繰越し可能。 減税の対象となるIT投資 (1)ソフトウェア投資(新品であって一定金額以上の投資)  税務会計上、無形固定資産に計上された以下のソフトウエア   電子計算機に対する指令であって一の結果を得ることができるように組み合わされたもの及び   これに関連するシステム仕様書その他の書類   (ただし、複写して販売する原本、開発研究の用に供されるものを除く)  (2)ハードウェア投資(新品であって一定金額以上の投資)   ①電子計算機(パソコン、サーバーなど)及び    付属装置(ストレージ、プリンタなど)   ②通信関連機器(ルーター・スイッチ、無線LAN装置など)   ③事務用機器(デジタル複写機など)   ④その他(デジタル放送受信設備、インターネット電話設備など) 本税制の減税規模 6,000億円超 ・リースの扱い    中小・中堅企業のIT投資がリース中心であること、現下の厳しい経済情勢を打開する必要があること、などを踏まえ、特例として資本金3億円以下の企業に関しては、税額控除の対象にリース(リース料金総額の60%)も含める。 ※ソフト・ハードともに少額減価償却資産、一括償却資産の適用を受けるものは対象外

4 IT投資促進税制の特徴 METI これまでの各種投資減税は、中小企業のハードウエア投資に限り7%の税額控除等を上限に 講じられてきたが、本税制では既存制度の枠にとらわれない思い切った措置を重点投入する。 1 大企業含め、全ての企業・業種が対象。 2 ソフトウエア投資が初めて対象。 ハードウエアの対象機器も拡大。 3 従前の減税措置に比べ、措置内容が大きく拡大。 < 税額控除率(10%)、特別償却率(50%) > 4 中小・中堅企業(資本金3億円以下)については、リース投資も税額控除の対象。 5 税額控除と特別償却が企業の状況に応じ、自由に選択可能。

5 「税額控除」と「特別償却」とは? METI 税額控除制度 特別償却制度 当期に支払うべき法人税額から一定割合を控除する制度。 税制控除額
【取得の場合】  取得価額×10% 【リースの場合】  リース総額×60%×10% 特別償却制度 対象となる設備等について、事業の用に供した最初の事業年度において、その資産の取得価額の一定割合を普通償却に加算して償却できる制度。 特別償却の例 〔普通償却〕 〔特別償却〕 〔取得価額〕 1000万円 〔耐用年数〕 4年 〔償却方法〕 定率法 0.438 の場合の初年度 償 却 額 普通償却分 43.8% 普通償却分 43.8% 特別償却分 50% 償却費 438万円 1.000 万円 償却費 938万円

6 取得価額要件について METI 本税制の適用を受けるためには、当該事業年度において、対象設備等の取得価額の合計額が一定金額以上となることが必要である。 年間取得価額要件 (  )はリースの場合 それぞれ別々に算定する ※ 資本の金額又は出資金額が3億円以下の法人。大企業子会社であっても資本金基準が適用される。 ★ 例)資本金1億円のA社がY事業年度に以下のIT投資を行った場合 ①パソコン 30万円×3台 (取得) ②ファクシミリ 100万円 (取得) ③デジタル複写機 120万円 (リース;費用総額) ④ソフトウエア 70万円 (取得) 税額控除を選択した場合 【 ハードウエア・取得 】 ①+②=190万円 ≧ 140万円 ・・ ○  → 控除金額19万円 【ハードウエア・リース】   ③   120万円 ≦ 200万円 ・・ × 【 ソフトウエア ・取得 】   ④    70万円 ≧  70万円 ・・ ○  → 控除金額 7万円 合計 26万円 仮にY事業年度の法人税額が100万円だった場合 法人税額の20%である20万円が上限となるが、6万円は翌年度に繰り越すことが可能。

7 リース税額控除について METI 資本金3億円以下の法人 リース契約期間が4年以上 リース資産の耐用年数以下
資本金3億円以下の法人については、一定のリース資産の賃借をして、これを国内にある事業の用に供した場合には、リース総額の60%相当額について10%相当額の税額控除を認める。 従来の投資減税では・・ 対象事業者 資本金3億円以下の法人 資本金1億円以下の法人 対象リース資産 リース契約期間が4年以上 かつ リース資産の耐用年数以下 リース契約期間が5年以上 かつ リース資産の耐用年数以下 ★ 耐用年数4年のパソコンも対象に。 留意点 複数の機器等を1つの契約にまとめる場合は、リース費用総額が機器ごと、ソフトウエアごとに定められていることが必要 減税対象金額 リース総額の60%相当額 例)サーバーを15年6月より年間リース費用 600万円で5年間リースした場合 【減税額】3,000万円(リース費用) × 60% × 10%(税額控除率) = 180万円  ※ ただし、当期の法人税額の20%が上限。 年間価額要件 リース費用の総額が以下の金額に達することが要件(詳細は5ページ参照) ソフトウエア 100万円 / ハードウエア 200万円

8 繰越制度について METI 税額控除限度額:法人税額の20%。 繰越制度:当該年度に発生した未使用控除額を翌年度に使用できる制度
(ただし、法人税額の20%が限度。) 例えば企業業績がV字回復を果たしたときには 前年度において未使用の控除額分も併せて控除が可能に。 繰越制度のイメージ 超過額(A) 現行の税額控除限度額 =法人税額の20% 繰越額(A) 実際の 税額控除額 計算上の 税額控除額 実際の 税額控除額 計算上の 税額控除額 当該年度(A) (A+1)年度

9 適用期間について METI 平成15年1月1日から平成18年3月31日まで 平成15年4月1日以後に終了する事業年度について適用
適用関係 平成15年4月1日以後に終了する事業年度について適用 ★ 平成15年1月1日から平成15年3月31日までの間に取得等をした場合 平成15年4月1日を含む事業年度において適用 例)3月決算の企業の場合 適用年度:平成15,16,17年度の3事業年度 この3か月に取得等を行った対象設備 15/1/1 15/4/1 16/3/31 18/3/31 平成15年4月1日を含む事業年度  → 平成15年度に適用 ※ただし、年間取得価額要件は事業年度毎に同額が適用される 3月決算の大企業ならば、3か月でソフト・ハードそれぞれ600万円の要件をクリアする必要

10 ソフトウエアの無形固定資産計上とは METI ソフトウエアの対象となる投資 複写して販売するための原本 耐用年数3年 資産計上 開発研究の用
本税制の対象 耐用年数5年 電子計算機に対する指令であって一の結果を得ることができるように組み合わされたもの及びこれに関連するシステム仕様書その他の書類に限るもの 受託開発ソフトウエア パッケージソフトウェア 自社開発ソフトウエア 費用処理 ※平成12年3月31日の税制改正により、ソフトウエアは税務上、無形固定資産として  処理することとされた。資産計上される範囲等については(参考1)を参照。 根拠法令 (減価償却資産の耐用年数等に関する省令)  (別表第三)      ソフトウェア 複写して販売するための原本   3年               その他のもの             5年  (別表第八)      開発研究用に使用されるソフトウェア  3年 (法人税法施行令)  (減価償却資産の範囲)   第13条 リ ソフトウェア

11 ハードウエアの対象設備(例示) METI 10 ※ 機能要件の詳細については(参考2)表を参照。
※ 機能要件の詳細については(参考2)表を参照。 ※【附属装置】については、単独では対象とならない。  【対象設備】と同時に設置する場合のみ対象となる。 ※ 本表の設備はあくまで例示であり、他の機器についても   要件を満たすものであれば対象となりうる。 10

12 (参考1)ソフトウエア税務処理に関連する政令、通達
METI (減価償却資産の取得価額) 法人税法施行令第五十四条 減価償却資産の第四十八条から第五十条まで(減価償却資産の償却の方法)に規定する取得価額は、次の各号に掲げる資産の区分に応じ当該各号に掲げる金額とする。 一 購入した減価償却資産 次に掲げる金額の合計額  イ 当該資産の購入の代価(引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税(関税法第二条第一項第四号の二(定義)に規定する附帯税を除く。第六号イにおいて   同じ。)その他当該資産の購入のために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)  ロ 当該資産を事業の用に供するために直接要した費用の額 二 自己の建設、製作又は製造(以下この条において「建設等」という。)に係る減価償却資産 次に掲げる金額の合計額  イ 当該資産の建設等のために要した原材料費、労務費及び経費の額 (製造原価に算入しないことができる費用) 法人税基本通達5-1-4 次に掲げるような費用の額は、製造原価に算入しないことができる。 (3)試験研究費のうち、基礎研究及び応用研究の費用の額並びに工業化研究に該当することが明らかでないものの費用の額 (7)複写して販売するための原本となるソフトウェアの償却費の額 (自己の制作に係わるソフトウェアの取得価額等) 法人税基本通達7-3-15の2 自己の制作に係わるソフトウェアの取得価額等については、令第54条第1項第2号の規定に基づき、当該ソフトウェアの制作のために要した原材料費、労務費及び経費の額ならびに当該ソフトウェアを事業の用に供するために要した費用の合計額となることに留意する。 この場合、その取得価額については適正な原価計算に基づき算定することとなるのであるが、法人が原価の集計、配賦等につき、合理的であると認められる方法により継続して計算している場合には、これを認めるものとする。 (注)他の者から購入したソフトウェアについて、そのソフトウェアの導入に当たって必要とされる設定作業及び自社の仕様に合わせるために行う付随的な修正作業の費用の額は、当該ソフトウェアの取得価格に算入することに留意する。 (ソフトウェアの取得価額に算入しないことができる費用) 法人税基本通達7-3-15の3 次にかかげるような費用の額は、ソフトウェアの取得価額に算入しないことができる。 (1)自己の制作に係わるソフトウェアの制作計画の変更等により、いわゆる仕損じがあったため不要となったことが明らかなものに係わる費用の額 (2)研究開発費の額(自社利用のソフトウェアについては、その利用により将来の収益獲得又は費用削減にならないことが明らかなものに限る。) (3)製作等のために要した間接費、付随費用等で、その費用の額の合計額が少額(その製作原価のおおむね3%以内の金額)であるもの (ソフトウェアに係わる資本的支出と修繕費) 法人税基本通達7-8-6の2  法人が、その有するソフトウェアにつきプログラムの修正等を行った場合において、当該修正等が、プログラムの機能上の障害の除去、現状の効用の維持等に該当するときはその修正等に要した費用は修繕費に該当し、新たな機能の追加、機能の向上等に該当するときはその修正等ノ要した費用は資本的支出に該当することに留意する。 (注)既に有しているソフトウェア、購入したパッケージソフトウェア等の仕様を大幅に変更して、新たなソフトウェアを製作するための費用は、原則として取得価額となることに留意する。 11

13 (参考2)対象資産一覧表 METI 12 イ 電子計算機 計数型の電子計算機 (
イ 電子計算機 計数型の電子計算機 ( 主記憶装置にプログラムを任意に設定できる機構を有するものに限る。 ) のうち、処理語長が3 2ビット以上で、かつ、設置時における記憶容量 ( 検査用ビットを除く。 ) が256メガバイト (サーバー用のものに あっては、128メガバイト)以上の主記憶装置を有するものに限るものとし、これと同時に設置する附属の入出 力装置 (入力用キーボード、ディジタイザー、タブレット、光学式読取装置、音声入力装置、表示装置、プリンター 又はプロッターに限る。 ) 、補助記憶装置、伝送用装置 (無線用のものを含 む。)、変復調装置又は電源装置を含む。 ロ デジタル複写機 専用電子計算機 ( 専ら器具及び備品の動作の制御又はデータ処理を行う電子計算機で、物理的変換を行わない限り他 の用途に使用できないものをいう。 により発信される制御指令信号に基づき画像情報をデジタル信号に変換し、色 ) の濃度補正、縦横独立変倍又は画像記憶を行う機構を有するもの及び当該専用電子計算機を同時に設置する場合の これらのものに限るものとし、これらと同時に設置する専用の自動原稿送り装置、排紙分類装置、給紙装置、プリ ンター又はファクシミリを含む。 ハ ファクシミリ 送受信データを蓄積する機構及び普通紙に受信データを印刷する機構を有するもののうち、最大伝送速度が毎秒2 8.8キロビット以上のものに限るものとし、これと同時に設置する専用の変復調装置、回線制御装置又は回線接 接続置を含む。 ニ ICカード利用 ICカードとの間における情報の交換並びに当該情報の蓄積及び加工を行うもので、これと同時に設置する専用の 設備 ICカードリーダライタ、入力用キーボード、タブレット、表示装置、プリンター又はプロッターを含む。 ホ デジタル放送受 デジタル信号により送信される放送を受信しその信号を処理することが可能なもので、電気通信回線に接続し電気 信設備 通信信号を発信する機能、瞬間的影像に併せデータの処理を行う機能及び高精細度な画像の処理を行う機能を有す るものに限る。 ヘ インターネット 専ら音声信号の変換又は交換を行う電気通信設備のうちインターネットプロトコルに対応するためのもの及びこれ 電話設備 らの呼制御を行う制御装置に限るものとし、これらと同時に設置する専用の端末装置又は変復調装置を含む。 ト ルーター ・ス インターネットを構成するルーター (通信プロトコルに基づき、電気通信信号を伝送し、その経路を制御する機能を イッチ 有する専用の電気通信設備をいう。)又はスイッチ (通信プロトコルに基づき、電気通信信号を伝送し、その経路を 選択する機能を有する専用の電気通信設備をいう。)のうち、毎秒45メガビット以上の伝送速度に対応するもの に限るものとし、これらと同時に設置する集線装置を含む。 チ デジタル回線接 光伝送の方式における電気信号と光信号との変換の機能を有する装置、デジタル加入者回線伝送方式における音響 続装置 と符号との周波数により分離する機能を有する装置、統合デジタル通信網に端末装置を接続する機能を有する加入 者回線終端装置及び統合デジタル通信網にアナログ端末を接続する機能を有する信号変換装置に限る。 リ ソフトウエア 電子計算機に対する指令であつて一の結果を得ることができるように組み合わされたもの及びこれに関連するシス テム仕様書その他の書類に限るものとし、複写して販売するための原本及び開発研究 (新たな製品の製造若しくは新 たな技術の発明又は現に企業化されている技術の著しい改善を目的として特別に行われる試験研究をいう。)の用 に供されるものを除く。 12

14 (参考3)IT投資促進税制の経済効果 METI ● 需要創出効果(短期的効果) ● 供給サイドの競争力強化(中期的効果)
   IT投資は、一般の設備投資(1.89※)や公共投資(1.37)と比べ、需要を喚起する効果が大きい(1.95)。そのため、短期的な景気浮揚効果が大きい。   名目GDP換算で0.15%(0.74兆円)程度増加(1年間) ● 供給サイドの競争力強化(中期的効果)    最新技術を体化するIT投資の蓄積により、企業の新分野への進出、新商品の開発促進等競争力の強化を促進。中期的にもGDPが増加する。 ※生産誘発係数 経済波及効果 13


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