タバコ煙はPM2.5　 ～自家用車内 (子どもの居住環境) での曝露濃度～ 愛知県、中川先生、小児科.

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1 タバコ煙はPM2.5　 ～自家用車内 (子どもの居住環境) での曝露濃度～ 愛知県、中川先生、小児科

2 PM2.5の測定方法① <測定機器>
デジタル粉じん計（TSI社製、Sidepak AM510）を使用し、 10秒毎の平均値を記録した。 <使用車両> ・カローラ・フィルダー, 1,500cc <測定位置> 　1.助手席　 　2. 後部座席

3 PM2.5の測定方法② 運転席で１本の喫煙を行い（メビウス・スーパーライト、タール：6mg)、
５パターンの窓の開閉状態で市街を平均時速20kmで走行し、 車内のPM2.5 の測定をした。 <窓の開閉パターン> A. 全ての窓を閉鎖 B. 運転席の窓のみ10cm 開放 C. 運転席と助手席の窓を10cm 開放 D. 運転席と後部左側の窓を10cm 開放 E. 全ての窓を全開放 <その他> ・エアコンは換気モードとした (2013年8月下旬、晴天)

4 すべての窓を閉鎖 （雨の日を想定） 北京のひどい日の4倍超、 エアコンで後に送られるため 後部席の方が高い濃度に。
北京のPM2.5（2013年1月）

5 B. 運転席のみ 10cm 開放 運転席を開けただけでは、 北京の3倍超、 エアコンで後に送られるため 後部座席の方が高い
北京のPM2.5（2013年1月）

6 C. 運転席、助手席の 窓をそれぞれ10cm 開放 前部両側開けても、風の流れが 悪いため北京の3倍超、 エアコンで後部座席の方が高い
北京のPM2.5（2013年1月）

7 D. 運転席、後部席左側の 窓をそれぞれ10cm 開放 風の抜けを考慮して、窓を開けても 北京の2倍超 北京のPM2.5（2013年1月）

8 E. すべての 　　窓を全開 窓全開でも北京の ひどい日と同レベル 全開放 全開放 北京のPM2.5（2013年1月）

9 F. 一口吸ったら、 タバコを持った手を 窓の外に出す 運転席：窓全開 後部左窓：10cm開 全開放 北京のPM2.5（2013年1月）

10 G. 一息ごとに 窓の外に煙を 吐き出す 運転席：窓全開 後部左窓：10cm開 全開放 北京のPM2.5（2013年1月）

11 結 果 自家用車内で子どもが受動喫煙に曝露される状況を想定して、タバコ煙（PM2.5）の濃度を測定した。
結　　果 自家用車内で子どもが受動喫煙に曝露される状況を想定して、タバコ煙（PM2.5）の濃度を測定した。 1.ほぼ全ての条件でPM2.5　は700μg/m3以上を示した。 2. 最も低い条件である完全全開にした助手席(測定A)でも、1,000μg/m3 を超える事があった。 3. 最高値は全閉鎖した(測定E)後部座席で3,000μg/m3を超えた。

12 考 察 1. タバコ煙がPM2.5の典型的な物質とは、国民には殆ど知らされていないと推察される。
考　　察 1. タバコ煙がPM2.5の典型的な物質とは、国民には殆ど知らされていないと推察される。 2. 受動喫煙に、これ以下なら安全という許容レベルはないとされている。 　通学路・公園を禁煙とすると共に、4-5 割の子どもが家庭内で受動喫煙を受けている現在、自家用車内も禁煙にして、子どもたちを受動喫煙から守るべきである。 3. Thirdhand smoke (残留タバコ成分) をも考慮すると、上の2. を実践するには、子どもたちの周りの大人の禁煙しか方法はない事が示唆された。 <謝辞>「PM2.5とタバコ」に関しての日本での先駆者である大和浩教授に 　心からの敬意を表し、この研究に多大なご協力を頂いた事を深謝します。

13 受動喫煙防止法で小児喘息の入院数が減少 小児喘息の入院患者数（１日あたり）
Smoke-free Legislation and Hospitalizations for Childhood Asthma. Mackay D, et al. N Engl J Med 2010;363: