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複数のエージェントによる 協調行動の研究のためのK4の改良
中京大学大学院 情報科学研究科 認知科学専攻 H20803m 田中曉
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研究の目的 『K4システム』でエージェントがより知的に振る 舞うようにしたい 『協調行動』に焦点を当てた
人間とソフトウェアロボット間 複数のソフトウェアロボット間 人間と複数のソフトウェアロボット間 複数のエージェントが協調することで、エージェ ントが一体だけでは達成できない命令を達成でき るようにしたい ユーザーとエージェントの協調行動についても 「人間」との対話で「人間」に近い反応がとれるように設計されている エージェントが協調行動できるようにしたい エージェントの協調行動の研究を行う過程で、人間の協調行動についてもわかることがあるかもしれない
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研究の背景 K4システムとは 『言語理解と行動制御』プロジェクトの一環として、東京工業大学で開発されたシステム(利用許可取得済み)
より実世界に近い状況で、言語の研究を行うことを目的として開発された 現在のシステムではシステムを利用するエージェントは一人だけであると想定されている 参考URL:
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エージェントが可能な動作 「歩く」 「呼びかけ」への反応 「取る」 「置く」 複数の動作を組み合わせた動作 曖昧性解消のための質問
「前に歩いて」、「本棚の前に行って」 「呼びかけ」への反応 「なっちゃん」、「あきこさん」 「取る」 「赤い玉を取って」 「置く」 「青い机に置け」 複数の動作を組み合わせた動作 「赤い玉を取って青い机に置け」 曖昧性解消のための質問 「青い玉って左の玉ですか?」
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K4の機能の一部 「XのY」という形式の空間名詞の解析 プランを利用した参照表現の解析 基盤化に基づいた修復発話の解析
徳永, 小山, 斎藤, 2004 プランを利用した参照表現の解析 徳永, 関谷, 田中, 2003 基盤化に基づいた修復発話の解析 船越, 徳永, 田中, 2005 東工大の研究によって実装された機能 話の流れとして、複数のエージェントが存在する場合につなげる
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研究の概要 複数のエージェントが存在する状況でも安定動作 するように、K4を改良した 安定動作
「複数のエージェント間」での協調行動の研究を行うためには必要不可欠 安定動作 いずれかのエージェントが、エージェントが一体のみの状況のときと同様に命令を達成できる
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K4動作の動画
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K4システム本体 ・・・ ! ! ・・・ ??? 仮想世界 構文解析器 発話分配器 解析結果 動作の情報 各エージェントに分配 動作の情報
ユーザー 仮想世界 3D アニメーション
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安定動作しない原因 他のエージェントの動作の情報を適切に扱えてい ないことが原因 この問題点を解決できるように改良した
他のエージェントが主体となって引き起こされた世界の変化に対応できていない この問題点を解決できるように改良した そもそもそう設計されていない…という部分が大きいが
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改良の方針 コミュニケーションの「自然さ」を考慮する すべてのエージェントは同一の命令を達成するこ とを目標とする
大局的に見て「エージェントが一体のみの場合」と同様にシステムがユーザーからの命令を達成できることを目標とする エージェントに可能な動作の範囲内で実装する
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自然なコミュニケーションとは 概要 コミュニケーションは、「他者の意図」を知る手 段
「他者の意図」を考慮して行動できれば、「自 然」なコミュニケーションが行えているのではな いか 「自分」と「他者」がいることで、コミュニケーションが成り立つ
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自然なコミュニケーションとは エージェントシステムでは
エージェントシステムでのコミュニケーション ユーザーと一体のエージェント間 複数のエージェント間 ユーザーと複数のエージェント間 ユーザーとシステム間でのコミュニケーション システムが「ユーザーの意図」をくみ取れるか
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自然なコミュニケーションとは 複数のエージェントが存在する場合
エージェントが複数存在する場合、「自分以外の エージェントの意図」についても考慮する必要が ある 複数のエージェントが存在する場合でも「自然な コミュニケーション」が行えていれば、そのシス テムではエージェント間での協調行動が行えてい るといえる エージェントシステムにおける…
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K4では エージェントが一体のみの場合 エージェントは、ユーザーからの命令を達成する ためのプランニングを自律的に行い、動作する
ユーザーとの「共通の意図」を形成しようとする 曖昧性解消のための質問 基盤化による修復発話の理解 自然なコミュニケーションが行えている エージェントシステムにおける ユーザーと複数のエージェント間でのコミュニケーションとして…
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K4では エージェントが複数の場合 すべてのエージェントが同一の命令を実行する 他のエージェントの動作に対応できない
ユーザーは特定のエージェントに命令したいのかもしれない 他のエージェントの動作に対応できない 発話分配器を介して、エージェント間で情報のやり取りは行われている 自然なコミュニケーションが行えていない こういった問題点が解消できるように改良した
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改良点 文脈を考慮した命令実行者の判定 他のエージェントの動作への対応
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エージェントが可能な動作(再掲) 「歩く」 「呼びかけ」への反応 「取る」 「置く」 複数の動作を組み合わせた動作 曖昧性解消のための質問
「前に歩いて」、「本棚の前に行って」 「呼びかけ」への反応 「なっちゃん」、「あきこさん」 「取る」 「赤い玉を取って」 「置く」 「青い机に置け」 複数の動作を組み合わせた動作 「赤い玉を取って青い机に置け」 曖昧性解消のための質問 「青い玉って左の玉ですか?」
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文脈の考慮 概要 状況に応じて、特定のエージェントのみが動作す れば良いのではないか
他のエージェントの動作に適切に対応できていない 発話の履歴から、命令の実行者の判定を行えるよ うに改良した 発話の履歴は参照表現の解決に利用されていた 各エージェントが主体的に判定する
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文脈の考慮 呼びかけ後の命令 ユーザーから呼びかけられた直後の命令は、呼び かけられたエージェントが実行する 例 「なっちゃん」
「赤い玉を取って」 結果:「なっちゃん」のみが「赤い玉」を取りに行く
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文脈の考慮 主題の連続性の考慮 「取る」-「置く」 例 物を「置く」ためには、その前に「取る」必要がある
動作の対象となっているオブジェクトが一致した場合のみを考慮する 例 「なっちゃん」が「赤い玉」を取った 「黒い机に置け」 結果:「なっちゃん」のみが「赤い玉」を「黒い机」に置きに行く
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文脈の考慮 相手の意図の考慮 「取る」-「取る」 例 他のエージェントの動作の妨害を行わない
動作の対象となっているオブジェクトが一致した場合のみを考慮する 例 「あきこさん」が「青い机」を取った 「青い机を取れ」 結果:どのエージェントも動作しない エージェント間で競争させる場合などは別 ユーザーの意図 ユーザーに何をさせたいのか質問したりできたら面白いかも
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他のエージェントの動作への対応 概要 他のエージェントから送られてきた動作の情報を 適切に利用できるようにした
動作の対象が同一のオブジェクトだった場合、他のエージェントが行った動作と自分が行う予定だったプランを比較する 他のエージェントの動作と自らのプランを比較して、対応を決定する
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他のエージェントの動作への対応 概要 考慮すべき動作は二つ
「取る」 「置く」 「エージェントが主体」となって「エージェント以外のオブジェクト」に変化を与える動作 次ページのパターンに当てはまった場合、相手の 動作を妨害しないよう自らのプランを破棄する 本来ならば、「他のエージェントの動作」によって変化した世界の状況で再度プランニングを行わせたい
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他のエージェントの動作への対応 対応した動作のパターン
「(相手)取る」-「(自分)置く」 「あきこさん」が置こうとしていた「白い玉」を「なっちゃん」が「あきこさん」から取ろうとする場合 「置く」-「置く」 「なっちゃん」が置こうとしていた「赤い玉」を「あきこさん」が先に置いた場合 「取る」-「取る」 「なっちゃん」が取ろうとしていた「本棚」を「あきこさん」が先に取った場合
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まとめ 改良前のK4との比較 複数のエージェントが存在している場合でも安定 動作するようになった
複数のエージェントが存在している場合における コミュニケーションがより「自然」になった 改良前 改良後 文脈の考慮 △ ○ 他のエージェント の動作への対応 ×
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課題 改良に伴って生じた問題の解決 動作の対象となるオブジェクトが曖昧な状態での 「呼びかけ」による実行者の判定 「呼びかけ」の解析の失敗
例 (青い玉が複数存在する状況)「なっちゃん」 「青い玉を取って」 結果:両方のエージェントが動き出す 「呼びかけ」の解析の失敗 「あきこさん」 「植木鉢を取って」 結果:「あきこさん」という呼びかけの解析を失敗
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課題 「世界の変化」への対応 「世界の変化」には対応できていない 第一段階 他のエージェントの動作を妨害しないように自らの動作を停止する
第二段階 他のエージェントが何らかの動作を行った結果を考慮して改めてプランニングを行う 第三段階 「世界の変化」を認識した際に、それを考慮して改めてプランニングを行う 第四段階 エージェントが主体となって世界の状況の取得を行う
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展望 エージェントの独立性 複数のエージェントそれぞれに別々の命令を与え られるようにする 「の意図の考慮」をより深めて行う必要がある 例
「なっちゃんは赤い玉を取って」 「あきこさんは黄色い玉を取って」 結果:それぞれが自分に与えられた命令を実行する 世界の情報を収集する機会自体は改良によって増加した
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展望 エージェントによる「提案」 エージェントがより良いプランの「提案」を行う ようにする
「ユーザーへの提案」と「他のエージェントへの提案」という二つのレベルがある 例 「あきこさん」の足下に「赤い玉」がある 「なっちゃん、赤い玉を取って」 結果:「なっちゃん」がユーザーに「あきこさんの方がすぐに取れますよ?」と提案を行う
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展望 エージェント間での協調行動 複数のエージェントが協調して一つの命令を実行 できるようにする
上記の二つを組み合わせることで、実現可能だと考えられる 例 仮想世界に質量の概念を取り込む 「本棚を取って」 結果:複数のエージェントがコミュニケーションを行って、「本棚を取る」という命令を達成するためのそれぞれの役割を決定して動作する
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研究を通しての知見 本来のシステムでも、複数のエージェントが存在 する状況への対応を考慮して設計していたように 感じられる
発話分配器を媒介として、複数のエージェント間でコミュニケーションが行われている 言語処理部と物理処理部の関わり方 事前調査に時間がかかってしまった ドキュメントなどの資料が乏しかった 現在研究を通してわかったことをまとめている
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資料
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動作環境 OS :Fedora 11 CPU :Intel Core 2 Quad Q6600 MEM :2GB VGA :Nvidia Geforce 8600GTS 使用言語 :Java
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言語処理部と物理処理部の実装 抽象的な仮想世界 仮想世界の実装 Javaの抽象クラスを利用している キャストして渡す 抽象メソッドA の宣言
継承 オーバーライド 仮想世界の実装 メソッドB 抽象メソッドA の実装
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「ハードウェアロボットへの応用」 という立場から
「ハードウェアロボットへの応用」を考慮すると、 まだ様々な問題点がある 単一のシステム内でのエージェントと仮想世界両方の実装という設計 受動的な世界の情報の取得方法 「言語処理の研究を行う」という目的を飛び越え た先を目指してしまっていた
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言語の研究のプラットフォームとして 「言語処理」の研究への利用という観点からの改 良方法もあったのではないか
「発話分配器」を実世界での「声」と見なして処理を行う など
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