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QOL評価 生命の質・生活の質・人生の質.

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1 QOL評価 生命の質・生活の質・人生の質

2 歴史 産業革命下の炭坑労働者の生活環境の改善 19世紀
1948 1960 1970年代 1979 1980 1980年代~  産業革命下の炭坑労働者の生活環境の改善 Karnofsky Performance Status Scaleによる化学療法の効果判定 米国大統領委 Examine the Quality of Individuals' Lives Normalization, Independent Living運動の高まり 第56回米国リハ学会のメインテーマ WHO国際障害分類 癌・循環器疾患・RAなど疾患ごとのQOL評価法の開発 社会的不利の評価法の開発

3 概念 REHABILITATION QUALITY OF LIFE Whiteneck 1994 Social Limitations
IMPAIRMENT DISABILITY HANDICAP Secondary Impairment Secondary Disability Secondary Handicap Individual Characteristics Perceived Health Perceived Activity Limitation Perceived Role Limitation QUALITY OF LIFE

4 QOL評価法の開発(1) 1) 項目の枠組み設定 2) 項目の抽出 3) 回答形式の設定 4) 予備テスト 5) 項目数の削減
Guyatt 1986 1) 項目の枠組み設定 2) 項目の抽出 3) 回答形式の設定 4) 予備テスト 5) 項目数の削減 6) 信頼性・感受性・妥当性の検討

5 QOL評価法の開発(2) 1)項目の枠組み設定 QOL評価に使用される指標(Ferrans 1985) 文化・宗教・地域性に影響される
1.人生への満足感 2.社会経済状況 3.情緒 4.ストレスの自覚 5.友人関係 6.家族関係 7.夫婦関係 8.人生の目標への到達度 9.住居と隣人関係 10.都市と国家への満足度 11.自分への満足感 12.抑鬱状態、適応能力 文化・宗教・地域性に影響される

6 QOL評価法の開発(3) 2)項目の抽出 6) 信頼性 患者が問題として挙げる頻度・重要性の高いものを選択 主成分分析法などの統計学的解析
約20分の回答時間 状態の安定している患者の2回の測定値が安定しているか 同一患者の状態を異なる人から聴取して測定したときの一致度 状態の安定している患者と治療中の患者で2回の測定値の変動に差があるか 健常者との間に差があるか 全体として症状が重いほどQOLが低いか 感受性 3)回答形式を決定 Visual Analog Scale・Category Scale 4)予備テスト 5)項目数の削減 妥当性 所要時間・内容の理解・質問の受け入れやすさによる修正 項目間の相関などによる項目数の削減

7 循環器疾患のQOL評価法(1) 関東・関西・九州の10施設 高血圧・虚血性心疾患・脳卒中 1252例
萱場ら 1990 関東・関西・九州の10施設 高血圧・虚血性心疾患・脳卒中 1252例 日本人の価値観を反映した自記式評価法を開発 信頼性と妥当性は良好であった。感受性は未検討

8 循環器疾患のQOL評価法(2) 非特異的な健康状態(8項目) どうき・息切れがしますか 社会的および主観的指標(21項目)
これからの生活は、今よりも幸福になると思いますか 仕事に満足していますか 高血圧(10項目) せきやたんが多くなったと感じることがありますか 虚血性心疾患(10項目) また発作が起きるのではないかと不安になることがありますか 脳卒中(10項目) 手や足にしびれ感や痛みがありますか 心不全(10項目) 夜寝るときに、朝まで生きられるだろうかと思うことがありますか 「はい、いいえ、どちらともいえない」から選択

9 RAのQOL評価法 質問内容 評価法 項目数 身体的 社会的 精神的 所要時間(分) FS 1 - + + 1 mHAQ 8 + - - 5
5 HAQ 20 10 AIMS 66 20 30 SIP 235 FS: face scale, mHAQ: modified HAQ, HAQ: health assessment questionnaire, AIMS: arthritis impact measurement scales, SIP: sickness impact profiles, *: HAQより項目数を減らして項目毎に満足の有無を回答させるなどの配慮あり

10 がんのQOL評価法 100 Normal, no complaints, no evidence of disease 90
Karnofsky et al 1949 100 Normal, no complaints, no evidence of disease 通常生活 90 Able to carry on normal activity, minor signs or symptoms of disease 80 Normal activity with effort, some signs or symptoms of disease 70 Cares for self. Unable to carry on normal activity or to do active work 在宅療養 60 Requires occasional assistance, but is able to care for most of his needs 50 Requires considerable assistance and frequent medical care 40 Disabled, requires special care and assistance 入院 30 Severely disabled, hospitalization is indicated although death not imminent Hospitalization necessary, very sick, active supportive treatment necessary 20 Moribund, fatal processes progressing rapidly 10 Dead

11 介護家族のQOL評価 介護家族のストレスレベルの測定 脳卒中・脳外傷・脳性麻痺・脊髄損傷・など
出江、他 1989 介護家族のストレスレベルの測定 脳卒中・脳外傷・脳性麻痺・脊髄損傷・など Barthel スコア・コミュニケーションレベルが低いほどストレスレベルが高かった。 [ストレスインベントリー] 162問のマルチプルチョイス 健常者(約2000人)の平均値を50として標準化された、心身の症状4因子(心理・循環・消化・筋肉)と考え方4因子(完全・道徳・承認・競争)の得点を算出し、8因子の平均得点をストレスレベルとした。

12 リハでは社会的不利を評価 機能障害と能力低下はすでに標準化された評価法がある 社会的不利を客観的に評価する

13 社会的不利の評価(脳卒中) 千野 1987 日米多施設共同研究、入院前と退院6ヶ月後のESCROWスコアの比較
E: Environment 住宅と周辺状況 S: Social Integration 社会との交流 C: Cluster of family members 家族構成 R: Resources 経済状態 O: Outlook 総合判断力 W: Work/School/Retirement status 就労・就学・退職状況

14 社会的不利の評価(脳外傷) Community Integration Questionnaire (CIQ)
Willer et al 1994 Community Integration Questionnaire (CIQ) Integration into Productive Activities Home Integration Social Integration 1. Grocery shopping 2. Meal preparation 3. Housework 4. Childcare 5. Social plans 6. Personal finances 7. Shopping (times/month) 8. Leisure activities 9. Visiting others 10. Socialization (with whom) 11. Best friend 12. Use of transportation Job/school Q1-12: 0,1,2 each Q13-15: 0,1,2,3,4,5

15 社会的不利の評価(脊髄損傷) Whiteneck 1992 Craig Handicap Assessment and Reporting Technique (CHART) 各項目上限 100、最高500 離床・外出・外泊の頻度、家の出入りと自宅内移動、交通手段の利用 時間の過ごし方 介助の時間、介助者に対する監督 Physical Independence Mobility Occupation Social Integration Economic Self Sufficiency 収入から医療費を引いた額が、その年度の貧困レベルの何倍か 同居者、恋人、訪問、手紙、電話

16 リハにおけるQOL評価 社会的不利はCHARTあるいはCIQを中心に研究が進む。 それぞれ他の疾患にも応用される。
機能障害・能力低下と社会的不利との関係、社会的不利と生活満足度との関係、リハの効果判定

17 まとめ 循環器疾患やRAなどの分野では、患者の満足度までを含めて治療効果を鋭敏に反映させるべく、疾患の症状、ADL、主観的QOLを包含した評価法が開発されてきた。 リハ領域ではQOLの概念は明確であり、社会的不利の客観的評価法が開発された。 QOL評価の枠組みは、文化・宗教などの影響を受けることから、翻訳した評価法の使用には議論がある。


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