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平成18年9月17日 九州山口薬学大会 ポスター発表 平成19年1月27日 福岡市薬剤師会 学校薬剤師研究大会
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PTA・教職員・児童・薬剤師会関係者への
防煙教育の必要性について PTA・教職員・児童・薬剤師会関係者への アンケートから 福岡県 福岡市薬剤師会 演者氏名 ○東 千鶴、木原 太郎、 福岡 英樹、木原 三千代、小野 信昭
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【はじめに】 現在、小中高等学校では施設内禁煙とともに防煙教育が積極的に実施されており、厚生労働省が平成18年に出した『最近のたばこに関する状況(報告)』によれば、未成年者の喫煙率は減少傾向にある。しかしながら、福岡県における成人喫煙率は平成16年度で男性50.8%、女性8.3%と九州県内では高めの水準となっている。この喫煙率を低下させるためには、禁煙、分煙の推進だけでなく、学校における防煙教育が重要な役割を持つと考えられる。そこで、福岡市薬剤師会では、子どもたちへの防煙教育の重要性を広く認識していただくために、成人喫煙者の喫煙開始時期および家庭での喫煙状況が子どもたちの喫煙にどのような影響を与えているのかを調査・研究したのでここに報告する。
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【方法】 以下のアンケート調査を実施した。
成人喫煙者が喫煙を開始した年齢 対象:福岡市薬剤師会に関係がある成人および 福岡市立A小学校(1校)保護者および教員 調査数:864名 有効回答数:484(56.0%) 調査項目:性別・年代・喫煙経験の有無・ 喫煙開始年齢・現在の喫煙状況・ 禁煙した場合のきっかけ(言葉や出来事) 同居喫煙者が及ぼす子どもたちへの影響 対象:福岡市立B小学校5年生(1校) 調査数:69名 有効回答率:69 (100%:小学校での防煙授業後にアンケートを実施) 調査項目:家庭内の喫煙者の有無・防煙授業への興味・ タバコの有害性についての知識の有無・ 将来自分自身が喫煙者になるかならないか (授業の前後で)
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喫煙開始年齢
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継続した防煙教育の重要性 喫煙開始年齢は当初の予想通り、18~20歳でピークを示した。しかし、17歳以下の年齢でも喫煙経験者の約28%が喫煙を始めている。成人までに6割以上が喫煙を始めており、20歳を含めると約86%が喫煙を始めている。 また、中学校卒業までに約9%、高校3年間で19%と思春期に喫煙を開始する傾向が認められた。 この結果より、小・中・高等学校における継続した防煙教育は特に重要な意味をもつと考えられる。
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喫煙開始年齢の19歳は谷になる
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喫煙開始年齢
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喫煙開始年齢の19歳は谷になる 18~20歳が喫煙開始年齢のピークとなるが、それぞれを見ると、18歳は24.6%、20歳は24.6%に対し、
19歳は9.8%と谷をつくる現象が生じている。 (図 棒グラフ) この現象は、今回アンケートを実施した福岡市薬剤師会関係者、福岡市立A小学校保護者・教師どちらのグループでも同様に表れている。 この結果から推測してみる。 18歳20歳でタバコを吸うという意識が生まれ喫煙という行動が生まれるのではなく、「タバコを吸うという潜在意識」は低年齢時にすでに芽生えており、「18歳の高校卒業、20歳の成人というキッカケ」をもとに喫煙行動が起こる、と関連付けて考えると19歳が谷になる現象に説明がつく。 このことからも低年齢からの継続した防煙教育の重要性をうかがうことができる。
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タバコを吸うという潜在意識をつくらない 低年齢時における「タバコを吸うという潜在意識」の芽生えは、福岡市立B小学校5年生の防煙授業の時のアンケートからもうかがうことができる。 防煙授業を始める前のアンケートで17.4%の児童が「おとなになったらタバコを吸う、または吸うつもり」と答えている。 そこで防煙教育の目的を端的に表現すれば、「タバコを吸うという潜在意識をつくらない」と言う事ができる。 子どもたちがタバコに興味を持つための情報は氾濫している。そのような中、子どもたちがタバコを吸うという潜在意識をつくらないためには、低年齢からの継続した防煙教育の重要性が見えてくる。
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母の喫煙33%(15+18) 父の喫煙77%(59+18) (全体の19%) (全体の44%) 男性46.9% 女性13.2%
2004年調査喫煙率 男性46.9% 女性13.2% 母の喫煙33%(15+18) (全体の19%) 父の喫煙77%(59+18) (全体の44%)
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13% 20%
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31%
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喫煙開始年齢(男女の比較) 喫煙開始者数 累計では 17歳までは 女子の方が 上を行く
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未成年女子の喫煙 今回の調査結果でもう1点気にかかる結果が出ている。
図 の折れ線グラフは、年齢ごとの喫煙開始者数を累計し%で表したものである。 このグラフを見ると、17歳までは女子の方が男子よりも上をいっている。 10代20代女性の喫煙者の増加が指摘されているが、今回の結果でもその傾向が表れている。 女性の喫煙率の調査(未成年は含まない)で、昭和40年には20代が年代別で一番低く10%以下であったものが、平成13年には年代別で一番高く約24%になっている。 妊婦の喫煙率調査で、未成年妊婦の喫煙率が異常に高いという調査結果もある。 特に未成年女子に対しては、女性は産む性であり、次世代に大きな影響を持っていることを認識させることを含めた防煙教育が重要であると考えられる。
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家族および社会に向けた禁煙普及の必要性 子どもの喫煙意識に家族の喫煙が影響を与えていると考えられる。
今回福岡市立B小学校5年生69名に防煙授業を行ったときのアンケート結果を見てみる。 授業前に、「タバコの害や受動喫煙について」知っているかを尋ねた結果が図 である。 「よく知っている」「少し知っている」の合計では、家族に喫煙者がいる児童、いない児童どちらも90%であるが、「よく知っている」だけを見ると、家族に喫煙者がいる児童では10%、いない児童では50%と差が出ている。 タバコを吸う意識についての質問を実施している。 授業の前に「大人になったらタバコを吸うつもりか」を尋ねた結果が図 である。 家族に喫煙者がいる児童では、「吸うつもり」「吸ってもいい」を合わせて20%に対し、家族に喫煙者がいない児童では13%となっている。 授業の後に再度「大人になったらどうしますか」を尋ねた結果が図 である。 「ゼッタイ吸わない」と答えた児童が、家族に喫煙者がいる児童で69%、いない児童で77%となっている。 未成年者の喫煙および飲酒に関する全国調査においても、家族(父、母、兄、姉)に喫煙者がいる場合が、中学生高校生いずれにおいてもいない場合よりも喫煙率が高くなっている。特に女子は母や姉といった家庭内の同姓の喫煙行動に影響を受けやすいと推測される結果が出ている。 今回のアンケート結果からも、未成年者の防煙教育の環境整備の一環として、家庭および社会に向けた禁煙普及の必要性があると考えられる。
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まとめ 今回の調査結果からも、子どもの成長段階に合わせた防煙教育を繰り返し行うことは、未成年だけでなく成人の喫煙率を引き下げるために重要であることが明らかである。 更に未成年者の防煙教育を支えるために、禁煙防煙のための社会環境の整備、及び社会に対しての禁煙普及活動が重要かつ有効であると推察できる。
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禁煙年齢・禁煙動機
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禁煙年齢(年代別) 20代女性 40代以降 男性
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禁煙年齢・禁煙動機 今回喫煙開始年齢と共に、すでに禁煙されている方には、禁煙年齢と禁煙の動機(出来事や言葉)についてもアンケートを実施した。
禁煙年齢を年代別に集計すると、男女で違いが表われている。 男性の禁煙は半数近くが40歳以降に集中しているのに対し、女性の禁煙は6割近くが20代に集中し、30代も約3割を占めている。 男性の40代以降というのは、やはり健康を意識したものであろうと推測できる。 女性の20代30代は、要因として妊娠が大きく影響しているであろうと推測できる。 禁煙の動機(きっかけとなった出来事)は下記の7項目に分類してみた。 それぞれの占める割合を%で示しているが、やはり健康に関することが最も多く、1)2)の健康に関する項目のだけで45%を占めている。
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禁煙の動機(出来事) 1)癌に関する出来事 2.7% 2)癌に直接関係しない健康に関する出来事 42.3%
1)癌に関する出来事 2.7% 2)癌に直接関係しない健康に関する出来事 42.3% 3)家族・恋人・友人に関する出来事 14.4% 4)妊娠に関する出来事 8.1% 5)学術的 6.3% 6)タバコ値上げ・経済的 5.4% 7)その他 %
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禁煙のきっかけとなった出来事 癌に関する出来事 妻乳がんのため。 悪性腫瘍が見つかったため。 胃がんになったので出後に止めた。
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禁煙のきっかけとなった出来事 癌に直接関係しない健康に関する出来事 寿命が縮まるとの報道。 肺がんの危険(咳)を感じたため。
スポーツをする上で支障をきたすため。 痰が多くなった。 病気をした。(3度目に成功) 病気をして受け付けなくなったため。 脳梗塞の症状と医師から言われた。 運動すると息切れがするため。 朝の目覚めから朝食までの間に、4~5本喫煙するようになった。体に悪いと思いつつ自己との闘いを開始した。 血圧が高くなったので気分が悪くなったりした。 吸いすぎると胃炎などをよくおこしていた。
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多忙な年で健康を維持する自信がなくなった。 風邪をひいてのどが痛く吸えなくなった。 上気道炎、せきが止まらない。 健康に悪いため。 インフルエンザにかかったときに、せきが止まらず苦しんだこと。 せき、痰がひどいので。 苦しくなった。(気管支喘息症状) 胃が痛く、体調が崩れた。 主人の病気(喘息)。 健康に悪い。 体がきつくなった。
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体に合わない。 体に有害と聞いて、お正月に止めた。 風邪をこじらせた。 病気。 香港風邪にかかったときに1週間喫煙しなかったことをきっかけに止め ようと思った。 心臓の疾患が見つかった。 喫煙が体によくないと。 健康維持のため。 階段を上ったときの息切れ。 子供の病気。 運動するのがいやになった。
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姉妹3人で愛知万博に去年の夏行った時、45歳になる姉も40歳で止めたから
美容のためにも止めるように勧められた。 健康のため。 マナーのため。 体調を崩したため、自分の健康のため。 病気(呼吸器)。 家族に病人が出て家族のものが吸っていると止められないだろうと、 その家族と一緒に止めました。 体を中からきれいにしたくて止めました。 サプリを飲み始めたから止めたのもあります。 肺気腫の疑いがあるとDrから言われた 軽い脳梗塞の疑いで検査入院時。 体調を悪くしたので吸うのを止めた。
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禁煙のきっかけとなった出来事 家族・恋人・友人に関する出来事 彼女に言われた。 友人に勧められた。 妻の命令。 友人。
結婚を期に喫煙を決意。 結婚。 友達と一緒に禁煙したため。 孫より忠告された。 家族のため(吸わない家族が煙を吸うことになるので)。 友人の禁煙。
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一緒にいる人が止めたのでいらいらして我慢するより止めたほうがいいと思って止めた。
結婚したため(妻は吸わない)。 当時の彼女(今の奥さん)と止められるかのかけをし、負けたくなかったので止めた。依頼1本も吸っていない。 結婚。家族が誰も吸わないから。でも禁煙したわけじゃなく、どこまで吸わずに過ごせるかやってみたらすんなり1ヶ月クリアできたのでこのまま止めようと思えた。 結婚をすることになったため。
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禁煙のきっかけとなった出来事 妊娠に関する出来事 妊娠。 出産したため。(妊娠中止め、出産後再び喫煙。子供が受動喫煙するため。)
妊娠したため。 妊娠してつわりが気分悪かった。 何度か禁煙したが、完全に止められなかったが、子供が生まれたのを機に止められた。 子供が生まれる前の、妻のつわりが。 体調不良と長男の出産。 二人目の子供の誕生(そのうち止めようと思っていた)。 妻の妊娠。
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禁煙のきっかけとなった出来事 学術的 薬専時代毒物化学でニコチンの猛毒性について実験をした。モルモットが痙攣をおこし死亡した。青少年時代から吸ったことはない。 薬剤師会より「私たちは吸いません」のポスターを配布されたから。 あいれふの講演を聴いて。(H ) 「100才の科学」講演会 薬物乱用防止活動(講演)。 本(禁煙セラピー)。 防煙・禁煙活動に関与するようになったため。
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禁煙のきっかけとなった出来事 タバコの値上げ・経済的 経済的に止めざるをえなかった。 値上げ。 経済的な問題。 タバコの値段が上がるため。
値上げのため。 お金がかかる。
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禁煙のきっかけとなった出来事 その他 子供がタバコを食べた。 タバコがまずいと感じたから。 営業職を離れた。
試験勉強中、覚えが悪くなった。(血流低下が原因か) メリットないことに気がつく。 ニコチネルTTS販売。 大人になったから。 吸う場所が減った。(空港、JR,医療現場など) 大人になってまで吸うものではない。 医療機関では禁煙が当然という周囲の状況を見て決意。 特になし。(動機を作らないようにした。)
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転居。 大学時代の試験のプレッシャーから。 百害あって一利なしを知る。 還暦を迎え将来への出発点における反省。 薬局、病院、クリニックで禁煙を実施する施設が多数となった。 国家試験が終わりストレスが取れたため。 喫煙する女性の評価がかなり低いと感じたため。 禁煙のすすめ。 興味本位で吸っただけ。 かっこよく見えたから。 20歳で就職した会社は喫煙率が非常に高く、ストレスからタバコを吸うようになりましたが、9ヵ月後に会社を辞めストレスがなくなると同時に自然にタバコを吸わなくなりました。
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禁煙のきっかけとなった言葉 喫煙による癌にり患する確率の高さ。 ガン。 肺がんになったら痛むし、苦しいよ。 健康第一。
一生ベットで過ごしますか。 入院時に止めていたのでせっかく止めたのだから。 止めたほうがいいよ、体のためにもお金のためにも。 (テレビから)タバコを吸っている人は肺が黒く汚れているが、禁煙を数ヶ月続けていると元のきれいな肺に戻る。 健康に良くない。 タバコ1本で?秒命が縮まるとの家族からの訴え。 彼女からの「タバコが嫌いです。」のことば まだ吸いようと! 妻の一言やタバコは害の記事。 奥さんのタバコのにおいが嫌いという言葉。
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母親から「やめなさい。」 患者さんに説明するために試したら! (新聞)「やめればこんなに良いことがある。」 自覚。 今日から大人。(大人になってまで吸うものではない。) 百害あって一利なし。 タバコのにおいがきつい。 喫煙するというだけでとにかくばかにされた。 いろいろ行ってもダメ。一度で禁煙する意思が大切。 服がくさい。 タバコくさい。 タバコがいやな人もいるから。 自分自身と約束をした。 サプリ飲んでてもタバコを吸っていたら肌がぼろぼろになるよ。 体に悪い。 子供からいやだと言われたこと。 禁煙セラピーの本を読んできっぱり止められた。 無理に禁煙しても続かないよ、どれくらい吸わずに過ごせるかやってみたら。 止めたほうがいいんじゃないか。
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